カラクル的グローバルチームへのマイルストーン

先日、Mamoruチームが英語でのコミュニケーションでどんな感じで苦労しているかを、リーダーの前澤が赤裸々に書いています。

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「どうやって英語をうまく話せない日本人が、 サッカー大国出身者が集まったグローバルチームをリードしているのか。」

ここにくるまでに僕たちは何度も失敗を繰り返し、今もまだ苦しみもがきながらグローバルチーム作りをやっている途中です。

これまでの過程でどんなことが起こったのか、そしてグローバル化によってチームを強くすることができるのかについて書きたいと思います。

外国人採用を始めたワケ

Colorkrew(以下、カラクル)が日本人以外を採用し始めたのは、5~6年くらい前からです。
当時は、海外との仕事というのはほとんどありませんでした。

そんな中、二つの目的をもって外国人採用をスタートしました。

  1. 今後の自社プロダクトの海外展開を睨んでグローバルなチームに移行していくため
  2. 日本人だけのエンジニア採用が行き詰まったため

1.はキレイな理由ですが、2.は切羽詰ってますし、泥臭い理由です。

外国人採用初期

まず「できれば、少しは日本語が話せる人」を狙って採用しようとしました。
ところが、特にエンジニアは日本語を話せる人が少ない。

思い切って日本語ゼロでも採用しようと決意し、Goalous(ゴーラス)開発チームで2名採用しました。

もちろん、カラクルの「みんなほとんど英語喋れない」という事情は説明した上で入ってもらいました。
日本人も、頑張って英語でコミュニケーションを取ろうとしていましたが、話が少し複雑になってくると、どうしても日本語の会議になってしまいます。

海外で働いたり、日本人以外の組織にいた経験のある人はわかると思いますが、世界で自分の給料を上げてくれと主張しないのは日本人だけです。

カラクルの特殊な人事制度で、どうやったら等級を上げられるのかなどの議論も十分に仕切れず、双方にフラストレーションが積もっていきました。

お互いに歩み寄る努力をして、かなり頑張りましたが、結局二人とも辞めてしまいました。チームの国際化なんてまだ夢の夢だなと僕たちは思い知ったのです。

それでもまた外国人採用に挑戦(3〜4年前)

やると決めたら諦めないところが面倒くさいと言われつつ、自分自身では長所だと思っている僕は諦めません。

採用リーダーも、粘り強く採用を活動をし続けてくれました。

そして、その後のカラクルのチーム編成に大きな影響を及ぼした、ドイツ人のJanの採用が決まります。それが4年前。

彼は、社会人経験はほとんどありませんでしたが、オープンマインドで、エンジニアとしてのスキルが非常に高かったため、どんどんチームに溶け込んでいきました。

最初は、レガシーシステムの開発チームに入ってもらい、レガシーと、日本語しかないコミュニケーションに苦しみながらも、しっかり仕事をやり遂げていました。

ちなみに、Janの日本語はかなり上級なのですが、それでもドキュメント含めて日本語だけでやる仕事は結構キツかったはずです。

▼Janのインタビューはコチラ
「開発に採用に育成に!多方面に活躍するMr.リーダブルコード」

ちなみに、彼はカラクル史上最速で9段階の昇級を4年で果たしています
(普通は2年で一段階くらいなので、めちゃくちゃなスピードです)

外国人エンジニアが自社プロダクト開発の中心に!(2年前〜現在)

こうして社内での実績を作ったJanは、次のステップとして、自社プロダクトのQRコードを使ったビジネスコンシェルジュツール「Mamoru Biz」のテックリードとなります。

そして、外国人インテグレーションに失敗したGoalousもその後加入したLi Ning(通称Spike)によってグローバルチームへ変貌を遂げていきます。
彼も日本語はペラペラです。もちろん英語はそれ以上に話すことができます。

▼Spikeのインタビュー記事はこちら
「楽しくなけりゃ続かない!チームを愛する開発リーダー」

カラクルは、今のところ2つの自社プロダクトを持っていますが、これで両方ともテックリードが外国人になりました。

リーダーが英語でコミュニケーションを取れる人になると、チームはいきなりグローバル化できるようになります。
現に、彼らがリーダーになったことで、日本語が話せない外国人の人材がどんどん入ってこられるようになりました。

カラクルは日本企業向けの受託開発も行っていますので、そちらではエンジニアも日本語が必要とされることが多いのですが、そういったビジネスにも少しずつ外国人に入ってもらっていっています。

ビジネスもグローバルに踏み出す

こうしてエンジニアを中心にチームのグローバル化を進めてきたカラクルですが、2020年からビジネスでも海外に踏み出しました。
奥さんの転勤で日本に来ていたDanielがブラジルに帰ることになり、そのままカラクルの仕事を続けたいということで、ブラジルでの営業活動を開始したのです。

▼Danielが書いたブログ記事はこちら
「I Lived in Japan!」

全く初めてのマーケットで、自分一人でスタート。最初半年、彼はたくさんの苦労をしましたが、徐々に顧客の獲得に成功しつつあります。
現在はもう一人増えて二人体制で、主にGoalousを販売しています。

地球の裏側でちょうど12時間の時差。
直接会えない寂しさはありますが、毎日彼の活動はGoalousに上がってきますので、リアルタイムに状況がわかります。

そんな遠いブラジルに、カラクルの「仕事たのしく」を輸入しようという彼の挑戦を、ワクワクしながら見ています。

グローバル化はチームを強くしたか

このように、紆余曲折しながら進んできたカラクルのグローバル化ですが、チームは強くなったでしょうか。

まず外国人採用当初。
覚悟はしていましたが、価値観の違いやコミュニケーションの難しさなどもあり、一時的にパファーマンスが落ちたことは事実です。

受け入れる日本人、入ってくる外国人ともに大きなストレスもありました。

しかし、粘り強く採用を続け、インテグレーションをし続けたことで定着し、リーダーになる外国人がでてきて、チームは機能するようになりました。

こうなると、人材採用が日本人だけにこだわっていた時期に比べ飛躍的にやりやすくなってきて、実際に優秀な人材がどんどん入ってくるようになりました。

チーム力は、個人の力の総和がまずものを言いますので、以前と比べて開発力は圧倒的に上がりました

また、多種多様な国籍が混ざることで、日本という小さい世界ではなく、色々な国や地域などの情報にも自然に触れられるようになることで、みんなの視野が広がったという実感もでてきました。

こうしたリベラルアーツは、中長期的に人材を強くしていきますので、今後もチームはどんどん強くなっていくというベースができたのではないかと思います。

さらなるグローバル化へ

カラクルチームのグローバル化は、いままでエンジニア中心から、会社全体に広げようとしています。

今後は、コーポレートのグローバル化も進めていきます。

ビジネスに関しては、前述のブラジル以外にも、イタリア、韓国出身の営業もいますので、自分の母国への営業リーダーになってもらうべく、着々と手を打っています。

ちなみにまだアフリカ、中東の出身者は社内に一人もいませんので、絶賛募集中です。

英語でのコミュニケーションを社内のスタンダードにするには、まだまだ苦しみは続きますが、2020年代の後半には完全なるグローバルチームで、グローバルビジネスが成功している状態を目指してカラクルは進んでいきます。

▼グローバルメンバーが集まり、開発力が圧倒的に上がったSNS型目標管理ツール「Goalous

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