組織をダメにする正論に打ち勝つ方法
「正論」について書きます。
正論(せいろん)は、道理を説く論について正しいものであると評価する呼び方である。事実に関する議論や認識論について用いられることはあまりなく、ほとんどの場合が「**であるべきだ」という当為についての論である。 〜Wikipediaより
組織の中で使われる正論には、”悪性”のものが多く存在します。 その退治のしかたを考えてみましょう。
良性の正論
正論は理にかなっているので、まともに反論はしづらいものです。
それを言うことで、チームにいい意味でショックを与え、一気により良い方向に転換できるように使われる正論は、良性の正論と言うことができます。
また、組織の中で役職が低い人でも、正論によって主張にパワーを持たせることができるという側面もあります。
悪性の正論
一方、建設的な議論をストップさせてしまうような使い方をされた場合、正論は悪性となります。
よくありがちなのは、「リスクはないと言い切れないならやるべきではない」「いますぐやらなければいけない理由はない」といって、新しい挑戦を止めてしまうような正論です。
特に、組織の中で権力を持った人がこれをやってしまうと、正論パワーと役職パワーの相乗効果で、非常に強いネガティブな力が働きます。
「正論なんだけど、感覚的にそうじゃないよな〜」と感じるとき。 それは悪性の正論である可能性が高いのです。
悪性の正論の定義
その正論は悪性なのか。 実は、判断するのは簡単です。
まずは感覚です。「理屈は通っている気がするけどなんかしっくりこない」というモヤモヤがあれば、悪性の可能性あり。
そして正論によって、動けない状態が作られてしまうとき。それは悪性です。
その正論は現状維持、議論の結果として、何もしないということを目的にしています。
ですから、もっともらしいことを誰かが言った結果、現状維持の結論になる場合「これは危ない」と判断しましょう。
悪性の正論に打ち勝つ方法
近年はVUCAと言われ、変化が激しく、不確実で見通しが悪い時代です。
VUCA(ブカ、ブーカ)はビジネス用語。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたアクロニム。1990年代後半にアメリカ合衆国で軍事用語として発生したが、2010年代になってビジネスの業界でも使われるようになった。「今はVUCAの世界になった」というような文脈で使われることも多い。 〜Wikipediaより
そんな時代に、「現状維持」を続けていくという選択肢は、安全ではなく最悪の戦略なのです。 変わり続けなければならない。
ですから「現状維持という選択肢はない」という(良い)正論をまずぶちかますことで、悪性の正論をシャットダウンしてしまいましょう。
そもそもそんな正論を言う勇気がない!?
間違っているのが分かっていながら、現状維持派に巻き込まれて、会社全体が劣化していくのを黙って見ているのか。 それとも勇気を出して、悪の正論に打ち勝とうとするか。
どちらがロイヤルティの高い、組織にとって大事な人なのかは言うまでもありません。