絶対は絶対にない

(注)今回、結構マニアックな話を含みます。 「絶対」という考え方は危険、という話をしたいと思います。

やっぱりすごいぞ、日本の自動車メーカー

時価総額トップにテスラが躍り出た自動車業界。でもやはり日本の自動車産業はまだまだ底力があります。

ホンダ(車体はレッドブル)は今季、世界最高峰のカーレースのF1で絶好調。これを書いている7月8日時点、9戦目までで6勝です!

多くの日本の産業が、世界的な存在感を落としている中で、2020年世界販売トップのトヨタ、F1でトップを走るホンダと、自動車産業は一人気を吐いています。頑張って欲しいですね。

F1に話を戻します。

去年までのF1挑戦第三期で思うように勝てなかったホンダは、今季撤退を表明しているにもかかわらず、莫大なコストがかかる新エンジンを投入するという執念で、この好調を勝ち取っています。

30年以上前、僕が高校生の頃。

ホンダはF1挑戦第二期で、圧倒的強さを誇っていました。 好きが高じてホンダに入ってF1のエンジンを作りたいと考えた僕は、大学では機械工学科に入りました。

(結局、ホンダでエンジニアにはならず、トヨタグループの商社に入って、営業になるというオチがつきましたが・・・)

去年までのホンダを見ていたら、ラストイヤーとなる今年の躍進は絶対ないように思えましたが、やはり絶対は絶対ないですね。

思い込みは恐ろしい

自分では絶対的に自信を持っていたことでも、それが覆ることがあります。 知識も同様。

記憶として間違いないと思っていたことでも、よくよく調べてみると勘違いだったということがよくあります。

またF1の話をします。

ホンダが最強だった1980年代。(マクラーレン)ホンダの2人のドライバーは、アイルトン・セナとアラン・プロストでした。この2人が16戦で15勝した年があったのですが、僕はつい最近まで、1勝を取りこぼしたのは最終戦の鈴鹿だったと記憶していました。

最終戦に、ポイントでリードしていて、2番手スタートだったプロストが、第一コーナーで先行するセナに突っ込んで、両者リタイア。結局プロストがチャンピオンになった。。と僕は記憶していて、これを信じ込んでいました。

F1でいかにホンダが強かったか語る時に「ホンダは1988年に16戦15勝。唯一負けたレースは、両者の維持の張り合いで自滅。だから16戦16勝みたいなものだった」と、訳知り顔で説明してました。

F1に詳しい人には、突っ込みどころ満載のこの話。

事実は・・・

1988年は、セナが最終戦より前にチャンピオンを決めていた。そして最終戦に接触はなく、プロストが勝利。

翌89年は、ホンダは16戦10勝。最終戦は、プロストがセナに突っ込んで両者リタイア。結局プロストがチャンピオン。

翌90年、プロストは、フェラーリに移籍。この年はマクラーレン・ホンダに残ったセナがチャンピオンに。

要は、88年から90年までの出来事をぐちゃぐちゃに混ぜて、面白い感じに自分で加工して記憶していたという話です。

これを「それって、ちょっと違うよね」と数年前ColorkrewのF1に詳しいエンジニアに突っ込まれて、「そんなはずはない!!」と思いましたが、調べたら全く間違ってました。恥ずかしい。。

昔の記憶は怪しい

このように、昔の記憶はどこまで正確なものなのか怪しいものです。 人間は、自分の記憶を割と都合よく変えて覚える習性があるケースはよく見られるそうです。

シニアが仕事の武勇伝を語るときは、疑ってかかりましょう。笑

絶対は絶対にない

物事を決めつけることも、同様に危険です。

「これは絶対に成功する」 または、 「そのやり方では絶対に失敗する」

両方とも危ない。

過去成功していたことでも、環境が変われば、同じようにやっても失敗する可能性がありますし、逆もまた然りです。

「絶対は絶対にない」

これを肝に銘じて、コミュニケーションすることが常に重要です。 そう考えれば、自分とは違った意見も謙虚に聞くことができるようになります。

特に役職者など、会社の中でパワーを持った人はこれを心がけていきましょう。

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