バリフラットができるまで【番外編】部長を剥奪された営業マンの物語② ~SMAP解散~
こんにちは!吉岡です。 2020年4月のブログ『バリフラットができるまで【番外編】部長を剥奪された営業マンの物語① ~ヨーロッパへの挑戦~』を書いてから、2年以上の月日が過ぎてしまいました。 その間にたくさんのメンバーがジョインしましたが、一方で会社を辞めていく人もいました。 それぞれが新たな道を見つけて進んでいくことは素晴らしいことです。 とはいえ、一緒に戦ってきた仲間たちが去ってしまうのはやはり寂しいし、何かできることがなかったのかという想いがいつも頭をかすめます。 どんなbond(絆)が私達を強く繋げていくのか? 会社を更に強くしていくのか? 去る人を想う切なさと、自分はこの場所で前を向いてやっていこうという気持ち。 そんな葛藤も抱えながら、今回のブログを書いていきたいと思います。 “バリフラットにした瞬間”までの僕の想いと葛藤 バリフラットが生まれた瞬間のやり取りは、『バリフラットができるまで ⑤〜バリフラットにした瞬間の話~』で述べられている通りです。 小泉さんがインドへの長期出張から帰ってくるタイミングで、「あれ、元の部はもう若手が部長やってるし、どうしよう」となったのですが、ISAO的な考えでは、誰かのために不必要に新しい部署を作るということはしたくなかった。 とはいえ、ISAOの大功労者である小泉さんをどう処遇するかは、大きな課題でした。 全然いいアイデアが思い浮かばなかったのですが、もう一人の部長が突然僕に言ったんです。 「もう部長も止めませんか?」 えっ?かなりびっくりしました。だって、少なくなった中間管理職的仕事とはいえ、まだ部長には部門をまとめる役割をもってもらっており、マネージャーとして機能していたからです。 彼は、続けます。 「この会社は、ほとんどみんなが管理する仕事をせず、生産性のある仕事を求められている。それによってみんな成長しているし、その点では、逆に部長であることは足かせになっている。自分たちも他のメンバーと同じようにフラットな立場になった方が、会社にとっても、自分たちにとってもいいはずだ」 なるほど・・・ 2015年まで僕は営業部の部長でした。 Forecastや案件進捗、メンバーのフォローや評価など、まさに中間管理職的な業務が中心でした。 このころには、メンバー同士の色々なコミュニケーションや活動が社内SNS“Goalous” の中で毎日頻繁に投稿されるようになっていました。 たとえば、分からないことがあればGoalousへ投稿して質問する人がいます。それに回答する人もいます。 1つの投稿から連鎖反応的に話題が膨らみ、新しいアイデアが生まれることもあります。 悩みごとを包み隠さず発信する人もおり、もちろんそれをサポートする人も現れます。 経営方針、業績などトップダウンの情報だけではなく、このようにボトムアップの情報まで、ありとあらゆることがGoalousを通じて共有される文化が確立され始めていました。 情報がオープンになりお互いのコラボレーションが自発的に進むのを目の当たりにするにつれ、自分の役割と存在価値に疑問を持つようになりました。 そしてこのクエスチョンは日を増すにつれて段々大きくなっていきました。 そんな葛藤を抱えている時に先のような会話があり、僕はすぐ反応してしまったのです。 「もう部長も止めませんか?」 僕の想いはこうでした。 「俺も一人のメンバーとして部署を超えて皆と何かを変えたい!ドライブしたい!」 バリフラットにとって大事な相棒“オープン” Colorkrewにバリフラットが誕生する前に大事にしていたことはオープンでした。 振り返ると、これがまさに自分を変えたSpiritsだったと感じています。 会社の情報だけではなく、自分の仕事・考えを自ら極力すべてオープンにすること。 想像できます? 僕はそんなに遠慮するタイプではありませんが、自分の想いを詳しく相手に伝えることはありませんでした。 面倒臭かったし、腹立つこともある。言っても変わらないだろ!とも思っていました。(今にして思えばそんなふうに考えている自分が悲しいですね。) こんな僕にオープンって奴はガンガン攻め込んでくるのです!驚 今では“オープン & バリフラット”という最強コンビがColorkrewの究極の魂だと思います。 バリフラットの主なポイントは4つのゼロです。 部署、役職、階層、そして情報の格差。 オープンは“情報格差のゼロ”としてバリフラットをしっかり支えています。 “バリフラット”を体感して僕が得た今の結論 バリフラットを続けて7年たった今、組織の型としてヒエラルキーの対がバリフラットだなんて単純に思いません。 確かにバリフラットだから各メンバーが挑戦できる機会は圧倒的に生まれます! それを掴み取れるかどうかは自分次第という厳しい側面もありますが、誰も邪魔しません。 でもヒエラルキー型組織だから会社を変えられないとも考えてはいません。 ヒエラルキー型組織で育ってきた僕にとっては、自分にとっての抵抗勢力がある意味自分を成長させてくれたと思ってますし、それを乗り越えて達成した時の成功体験は何物にも代えがたい喜びとやりがいを感じました。 ではバリフラットとは何なのでしょうか?...今年も全社員1on1やってます!
Colorkrew(以下、カラクル)では、代表という役割の僕と社員全員が、毎年1on1やるようにしています。 今年も絶賛開催中なのですが、なぜ毎年やるのか、どんないいことがあるのか、僕が思っていることを書きたいと思います。 毎週3人! 1on1は、毎週月曜日の16時から18時の間にやっています。 原則一人30分で、16時からと、16時半、少し休憩を挟んで、17時半からがラストです。 原則30分と書きましたが、結局30分以上話してしまうことが多いです。 特に16時半からの部や、17時半からの部は、その後の時間に余裕があるため、お互いに話したいことがあれば、無理に30分で切らずに話すようにしています。 ちなみに、今年は最長で2時間くらい話しました。 それでも時間が足りなければ、また後日おかわりすることもありえます。 対象者は、僕をコーチやメンターに指名していない人、要するに日常的なコミュニケーションがない人としています。 アルバイトの学生なども含めてやりますので、ざっと60〜70人を、かなり長い期間をかけてこなしていきます。 評価などのためにやるわけではないので、特に時期を定めて行う必要もありません。 今年ももう3ヶ月以上やっていますが、これを書いている9月中旬で、半分くらい終わったかなくらいの進捗となっています。 半年くらいかけてじっくりやっていきます。 何を話すのか これが、僕の「1on1やりますよー」のGoalousでの投稿です。 iKEIJIという、Goalous内での僕の発信するサークルがあって、大体週に1〜2回くらい、最近考えていることとか、こういうこと知っておいて欲しいというようなことを書いています。   ちなみに、関係ない写真を貼ったりするのもカラクル流です。 これは社内でこの投稿をするために撮って貼りました。なぜ指1本とピースなのか。特に意味はありません。 ちょっと投稿が面白くなったり、目を引いたりすればそれでOKなのです。 この投稿の内容ですが、日本語と英語が入り混じっていて、ぐちゃっとしています。 これは、最近のカラクルには日本語ではなく英語で仕事をしているメンバーが増えてきたためです。 Goalousには、Googleの翻訳機能がついているので、ボタン一つで翻訳もできるようになっているのですが、日本語→英語の翻訳精度はイマイチの時があるので、大事な投稿の時は両方を自分で書くようにしています。 話がだいぶ逸れました。何を話すのかに戻ります。 一応、仕事や、今後のキャリアの話、困っていることあれば話すみたいな感じで話します。ただそういった内容に固執する必要はなく、基本的には話したいことが他にあればそれを話すというフリートークスタイルでやっていきます。 オープン&フラットなカラクルでも1on1をしたほうがいい理由 カラクルといえばオープン&フラット。 ”話したいときに話したい人と自由に話す”ことがしやすい組織のカルチャーではあります。 僕に話しかけるハードルも、普通の会社の経営者より格段に低いです。 今年取ったアンケートで**「あなたは経営者に対して意見が言えますか」という質問で、なんと84%の人が「言える」と答えています**。 こういった1on1は追加でやった方がいいと僕は考えています。 理由は、”機会があれば話すけど、機会がなければ無理には話さないこと”があるからです。 ちょっとした疑問や、不満。そして会社に言いたいこと。自分のキャリアの相談も、普段はわざわざ僕に話しかけてこない人も多いです。 上のアンケート結果でも分かる通り、「言えない」人は少ないはずなのに、そんなにしょっちゅう僕に何か言ってくる人はいないのです。 話ができない、と言うわけではなく、わざわざ話しにいくことでもない、と思ってしまっているのではないでしょうか。 さらにコロナでリモートが基本の働き方になって、この傾向はますます助長されています、 ですが、こういった1on1は、そういうちょっとしたことを話すいい機会になります。 こういった面談をきっかけにいままで気がつかなかったことに気づくことがあることは、経験上わかっていることでもあります。 1on1を毎年継続して行っていくことはとても重要なことなのです。 大事なことは”たのしく話す” 上記した通り、1on1は一回だけでなく、来年も再来年も継続してやっていくものです。 こういった面談で、お互いに緊張して、とにかく無難なことしか話をしないみたいなことになると、本来の目的を果たせなくなります。 ですから**「楽しく、カジュアルに、話したいことを話す」ことを大切にする**。 一回でバチッといい会話ができなくても、お互いに相手に対していい印象を持つことで、その次に話すときに繋がるような1on1を目指すことが重要だと僕は思っています。 楽しく話す1on1、オススメです。やっていない会社はぜひやってみてはいかがでしょうか。...Colorkrew社員はバリフラットをどう思っているのか 〜2021年従業員アンケート番外編①
「今年も従業員アンケートをやりました!」の続編、「Colorkrew(以下、カラクル)社員はバリフラットをどう思っているのか」を書きたいと思います。 前提条件として、僕がバリフラットをどう考えているかをまず書きます。 バリフラットはまだまだ発展途上だと思っています。人類が100年以上かけて磨き上げてきた従来の階層型組織に比べれば、カチッとしていませんので(それが特色でもありますが)隙間っぽいものもあります。 そうした、課題に向き合い続けるという前提に立てば、従来型組織と比べてバリフラットは、圧倒的に民主的で、効率的。 先行き不透明ないまの時代を勝ち抜ける可能性の高い組織運営であることは間違いないと断言できます。 従来型の階層組織も、バリフラット的な要素を入れるだけでも格段に進化するはずなので、ハイブリットでもいいかも知れません。 あれ、そういえば。。 でもカラクルのみんなは、現時点のバリフラットに関して、どう思ってるのでしょうか。 従業員アンケートから、その点について検証してみましょう。 バリフラットに対しての賛否 ずばり聞きました。 「あなたにとってバリフラットは従来型組織よりも良い」のか。 この問いに関しての、答えは90%の人が、**「バリフラットの方が良い」**との答えでした。 ここまで多いとはビックリです。 バリフラットへの意見 ポジティブな意見を見てみましょう。 ・上司がいなくて人間関係がフラット ・色々なことに関われる(挑戦できる) ・意思決定のスピードが早い ・自由がある などなど。 バリフラットの目的を表現してくれてる感じになっています。 逆に「ココが問題、階層型の方が優れている部分」に関する意見はこんなものがあります。 ・階層型の方が責任範囲がクリア ・世の中にあるITツールは階層型組織を想像して作っているので、バリフラットでは使いづらいケースがある ・役職による権威がないので、組織コントロールがしづらい場面がある などなどです。 面白かったものとしては、「従来型組織がいいのであれば、そういう会社に行けば良い。バリフラットは貴重なのでぜひ継続してください」という意見もありました。 確かにそうかもしれません。 それでもやっぱりバリフラット アンケートでわかったのは、やはりカラクラーは圧倒的にバリフラットを支持しているようです。 一方で、まだまだ沢山ある課題や、そもそもバリフラットの目的に関して一部誤解されているところもあることがわかったので、一つ一つ取り組んで、バリフラットを進化させていこうと思います。 最後に。 どう進化させていくかということに関しても、ウィットに富んだ意見がありました。 「熱いコーヒーが好きな人が50人、冷たいコーヒーが好きな人が50人、じゃあ一番みんなにウケるコーヒーはぬるいコーヒーという話があります。 カラクルはぬるいコーヒーにならないようによろしくお願いします。」 確かに・・・ ぬるいコーヒーにしないように、がんばります!! おしまい。...今年も従業員アンケートをやりました!
Colorkrew(以下、カラクル)では直近、従業員エンゲージメントアンケートを取りました。 このアンケートは年に一回やっていて、毎年進化させてきています。 今回は61項目の、ガッツリとしたアンケートになりました。 アンケートは痛い みんなが、本心でアンケートに答えれば、必ず批判的な意見も含まれます。 批判的な意見を読むのは心が痛みます。 特に経営者は、会社のことについての意見だったとしても、僕のように自分に対しての批判に感じる人も多いのではないかと思います。 でも、アンケートはそういうものでなければならないとも思っています。 自分にとって心地よいことばかりの内容であれば、それはどこかおかしい。忖度されまくっている可能性があるからです。 カラクルにとってアンケートの目的とは カラクルのバリフラットは、社員みんなで作り上げていく会社の運営システムです。 もちろん全ての制度などを多数決で決めていくようなことはできませんので、基本的には僕をリーダーとする経営プロジェクトが、色々なことを変えていく決断をしていく役割を担っています。 しかし、経営プロジェクトはメンバーの数も限定的ですし、全ての人の視点で物事を見ることができるわけではありません。そこで、経営プロジェクト以外のメンバーからもいい意見があればどんどん取り入れていくために、いつでも意見できるような環境や、仕組みを整えています。 リアルタイムに意見が出てきて、それを検討してパッと施策を打つことはカラクルでは日常的に行われています。 「いつでも意見できる環境なら、定期的なアンケートは不要では?」と思う人もいるかも知れません。しかし、アンケートをとると、それをきっかけに色々な意見がでてくるものなので、やはり定期的にアンケートを取っていくことも大切だと考えています。 アンケートの内容とは カラクルのアンケートはこんなことを聞いているというのをご紹介します。 ①MVS(ミッション・ビジョン・スピリッツ)について。ただお題目として掲げているだけでなく、自分たちがそれを実現しようと努力できているか。実際にビジョンに向かっているかなど。 ②経営者について。しっかり発信しているか。それを読んでいるか。言行一致しているか。意見はあるか。 ③バリフラットの制度について。それぞれの立場から見て、しっかり機能しているか。問題はないか。 ④自己の成長について。成長環境があるか。成長実感があるか。 ⑤人事制度について。評価は公正だと思うか。コーチ制度は機能しているか。 ⑥eNPS(Employee Net Promoter Score) 「親しい知人や友人にあなたの職場をどれくらい勧めたいか」 ⑦セクハラ・パワハラなどの、ハラスメント系はないか。 ⑧カラクルをもっと良くしていくために、アイデアがあれば。 ざっとこんな内容です。 それぞれの項目で、自由記述も最後に設けています。 ちなみに、②は経営者だけに関する質問です。 これは、実質的に僕に対しての、みんなからの360度評価です。 アンケートの結果を読んだときの僕の心境とは 今回のアンケートで、多くの回答は、いまのカラクルの運営に関してポジティブに語ってくれていて、とても嬉しいと感じるものが多かったです。 ただ、それと同時に、回答の中のいくつかは会社にとってネガティブな意見だったり、僕に対しての批判も当然あります。 毎回、アンケートの回答を全て読み終わると、しばらく現実逃避したくなります。笑 いつもみんなが嫌がることでも、ガンガンやっていくのが僕の仕事だと思っているのですが、その割には、フィードバックを受けると結構傷つく自分が情けない。こればっかりは何年やっても慣れません。 慣れずに、しっかり向き合うべきなので、慣れなくていいのかも知れませんが、この時間はリーダーというポジションの辛い瞬間ではないかと思います。 記名か無記名か 現在は**「記名」**でやっています。 以前は無記名でやっていたこともあったのですが、無記名のアンケートの中に「記名でやるべき」という意見が多くあったのと、無記名だと会社にとって問題だと思うことを書いている人に、そのことについて掘り下げて聞くことができないので、結局問題解決に向かわないと判断したためです。 記名を支持する人が多いのは、バリフラット組織で、自分の活動や考え方をオープンにすることが求められているカラクルだからこそかもしれません。 そんなカラクルであっても、経営に対して批判が含まれた記述をするのは、少し勇気が必要です。 波風立てない方が個人としてはラクなのに、チームのために思ったことを発言する。これは素晴らしいことですし、リスペクトするべきものだと考えています。 もちろん上述した通り、同時に「うっ」とくるものでもありますので、カラクルでは、みんなに**「内容は批判的でも、丁寧に礼儀正しく表現すること」**をお願いしています。 アンケートをとった後のアクションについて まず、全てのコメントは公開され、社員全員が確認できるようにします。 そして、その中から批判的な回答に関しては、必ず対応します。 個人的に話した方がいいと思うときは1対1で。 あとはできるだけオープンに、Goalous上のiKEIJIという僕の考え方を発信するサークルで一つ一つ答えるようにしていきます。...バリフラット組織のコーチ制度とは
上司のいない組織での成長支援「コーチ制度」 Colorkrew(カラクル)はバリフラットで役職もありませんので、全ての人に上司は存在しません。 最初にバリフラットにしたときに、可能性のあるデメリットとして最も懸念したのは、上司がいないこと。 個人への成長支援が不十分になることをどうカバーしていくのか。これはバリフラットを始めるに当たって最も頭を絞った課題でした。 Colorkrewが出した答えは**「コーチ制度」**でした。 メンバーのキャリアデベロップメントをサポートする役目を与えたのです。 コーチと上司はどう違う? Colorkrewのコーチは上司ではありません。 通常の階層型組織では、上司は指示を出します。 Colorkrewでは、コーチとメンバーの間にはこういった指示命令系統としてのつながりはありません。 評価に関しても、階層型の組織だと直属の上司は唯一の一次評価者となるケースが多いですが、Colorkrewの場合は**「取りまとめ」**に特化しており、メンバーに対しての権威は非常に低く抑えられています。 コーチは自分で選ぶ では、コーチはどのようにして決めているのでしょうか。 Colorkrewでは、コーチは**”自分で”**選びます。 年上で、自分よりキャリアが長い人を選ぶ必要もなく、成長支援を最もしてくれる人を、自分で選んでコーチに任命します。 実際に50代の豊富なキャリアを持ったエンジニアが、30代の若手の営業職をコーチに選んでいるケースなど、みな思い思いに自分の考えでコーチを選んでいます。 また、自分に合うコーチがもっと他にいると思った場合、いつでもコーチは変更することができる、スーパーフレキシブルな制度です。 コーチとメンバーは何を話す それぞれのメンバーによって、話す内容は少しずつ異なりますが、共通することは**「どうやったらキャリアを成長させ、市場価値を上げることができるか」**です。 市場価値が上がれば、自然と昇級の推薦となり、給料が上がります。 コーチ呑み コーチとは、それぞれのキャリアに対しての考え方を深く話していくため、強制ではありませんが、必要だと感じればオフサイトで、食事やお酒を飲みながら話をすることを推奨しています。 コーチ呑みには、会社から補助がでる仕組みとなっていて、多くの組み合わせで日々コーチ呑みが行われています。 もちろん、二人で呑みに行ったら、Goalous(ゴーラス)を使って共有。 たのしく酔っ払いながら話している様子や、簡単にどんなことを話したのかを他の人たちにも伝えるようにしています。 NEXT STEP Colorkrewのコーチ制度の今後の進化について 現在、コーチングをさらに効かせていくために1on1を様々な形で試しています。 いままでの常識にとらわれない1on1を開発し、今後Colorkrewの中に取り入れていきます。 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...情報公開(=オープン)で組織は荒れるのか!?
Colorkrewでオープンにしている情報とは いままでのコラムでも書いてきましたが、 Colorkrew(カラクル)ではほぼ全ての情報がオープンになっています。 給料 交際費などの経費 財務諸表 各事業の損益などの情報 社員の勤怠や工数 目標登録とその活動 オープンの目的は**「より強いチームをつくること」**です。 オープンの偉大な力を信じているColorkrewがつくるサービス「Goalous(ゴーラス)」は、オープンをより推進して、組織をより高い目標に導くようにサービスが設計されています。 給料公開はハードル高い!? さて、こういった話をすると、必ず聞かれる質問が「給料公開なんてしたら、荒れませんか!?」です。 答えはイエスでありノーです。 ただ、どちらにしても公開するときの経営の心理的ハードルは非常に高いです。 というか、怖い。 給料というのは、人事制度の結果であり、普通の会社ではクローズドな情報です。 いまでは給料オープンが当たり前ですが、Colorkrewも最初はおっかなびっくりでした。 何が怖いかというと、人事の結果をさらけ出すことで、社員がその会社を信頼できなくなることが一番怖いのではないかと思います。 荒れるケース では、公開すると荒れるのはどんなケースでしょうか。 例えば中途入社。 大抵の場合、入社の経緯によって、同じレベルの人でも給料は高くなったり、低くなったりしがちです。 前職の給料が高ければそれに引っ張られて次の職場での給料も高くなり、低ければそのまま低くなりがちです。 これは傾向として大いにあり得ます。 そうした結果、いまの会社では同じくらいの価値の人でも、給料が大きく違うという状態になるのです。 給料が低いほうの人は「なんでアイツはあんなにもらってるのに、自分は低いんだ!」となるでしょう。 声をだして言ってくれればまだいいのですが、黙ったまま会社に不信感を抱き、辞めていってしまうというのが最悪のケースではないでしょうか。 多くの会社が抱えている問題 ではどうして、そういう状態が生まれてしまうのでしょう。 評価者である役職者の、個人的な好き嫌いが人事に影響することが一番の原因ではないでしょうか。 好き嫌いで人事をしても、みんなには見えない。だからアンフェアな人事が横行する。それが問題の根本原因です。 ではどうしたら荒れないのか シンプルに言えば**「全ての社員の給料に関して、経営が納得している状態であること」**です。 会社の価値観をベースに、みんなの給料を論理的に説明ができること。これが重要です。 もちろん、人事は”全ての人が納得する”ことは難しいでしょう。 でも、好き嫌いではなく、その会社の価値観や哲学にそって、しっかり人事評価を続けていれば、結果的に多くの人たちが納得できるものになるのです。 オープンがつくるフェアとリーン 全ての物事をできる限りフェアな状態にする鍵は**「オープン」**にあります。 プロセスや、結果を可能な限り透明にすることで、自分自身でも”見られている”という意識が働きますし、実際見られていますので、どんな立場の人に対しても自然に規律が効くのです。 特別に監視する部門や、担当者を置く必要もなくなり、無駄な仕事がなく効率性も保たれます。 オープンはフェアとリーンをうみだします。 **「迷ったらオープン」**みなさんの組織でもぜひトライしてみてはいかがでしょうか。 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...バリフラットだもの
今回は趣向を変えて、Colorkrew(以下、カラクル)社内でどんな会話が繰り広げられているか、おもしろかったものを紹介してみたいと思います。 山本五十六的バリフラット名言 皆さんは、山本五十六さんの有名な名言をご存知でしょうか。 やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。 コーチングについての真理を非常に鋭く突いた名言だと僕は思ってます。 バリフラット的名言を作ってみた カラクルが開発・運営しているSNS型目標管理ツールのGoalous(ゴーラス)には、サークルという、特定のメンバーと情報を共有できる機能があります。 その中に様々な名言を紹介していく「名言サークル」があるので、自分で山本五十六的な韻を踏んで、バリフラット名言を作ってみました。 ※バリフラットとは? 役職・部署も全て撤廃し、個人とチームが最大限に力を発揮するColorkrew独自の組織運営です。 部署ではなく全てがプロジェクトとして、同列に並んでいます。 権威ではなく価値観でまとまるチームを目指し、2015年10月より採用・運用を開始し、今も進化を続けています。 ポイントは3つ。 ①自ら行動するカルチャー ②コーチング ③チャレンジ精神 我ながらいい出来!と思ったら、早速セキュリティプロジェクトリーダーのヒデキに茶化されました… フォントの力は偉大だな〜と変なところで感心しました。笑 闇フラット 悪ふざけはこれにとどまりません。 今度はバリフラットの闇をこんな形で表現してきました。 こんな風にならないように気をつけましょう。 ではまた〜 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...IT企業のCEOが振り返る2020年~コロナの年の、最後のブログ~
今年の、新語・流行語大賞は「三密」が選ばれました。 ノミネートされた新語・流行語も半分以上はコロナ関連と、まさにコロナに始まり、コロナに終わった年でした。 これまでの常識は非常識になり、そしてその非常識がニューノーマルになった。 第二次大戦後、最も世の中が変化した年であったと言える2020年を振り返りながら、今年最後のブログを書きたいと思います。 アメリカ人がみんなマスクをしているという衝撃 あまり大きな声では言えないのですが、僕はマスクをするのが苦手です。 正直なところ今でもあまり好きではありません。人がいなくなったらすぐに外してます。笑 コロナ前にも、マスクをしている人はいました。 感染予防だけでなく、乾燥肌にいいとか、メイクしなくていいとか、盛れて見えるとか色々理由はあるのでしょう。 一般的に、日本や韓国などアジアの国々は、以前からマスクをすることに抵抗がない人が多かったように思います。 そして社会もそれを受け入れていました。 欧米は反対で、ヨーロッパ駐在時代には、同僚から「日本人は冬になるとみんなマスクをしていて怖いね」なんて言われたことすらありました。 コロナ前、ヨーロッパやアメリカの街中でマスクをしている人は明らかに「怪しい」人に見えました。医者以外でマスクをしている人はほぼいなかったのではないかと思います。 ところが、いまテレビでニュースでは、ヨーロッパも、アメリカも公共の場ではみんなマスクをしています。 それを見て「アメリカ人ですら…本当に常識が変わったんだな」としみじみ思いました。 社会の分断 2020年は、アメリカファーストを公言するトランプさんが大統領となった4年前から始まった分断が、さらに顕著になった年でもありました。 帝国主義・第二次世界大戦・冷戦を経て、人類が差別なく一つになっていく方向性が緩やかに続いてきましたが、ついに逆方向に廻り出した感のある年になりました。 富裕層と貧困層の分断だけでなく、イデオロギーによる世界の分断、人種による分断など。 Black Lives Matterも話題になりました。 元々あった分断を、皆が見ないフリをしていたところ、トランプさんなどが、本音を発信する様になり、それに賛同する人が現れて、顕在化しただけなのかもしれません。 資本主義社会においては、企業は常にマーケットでの勝ち組と負け組に分断される宿命に立っています。 勝ち残っていきつつも、より良い社会へ向かうための貢献をできる会社にもなっていきたい。 そのために自分たちのビジョン「世界のシゴトをたのしく」を叶えていきたいと、いままでより強く感じる年になりました。 ビジネスへのインパクト 3月頃から急速に感染者数が増え始めて、緊急事態宣言が4月7日にでたころから、Colorkrew(以下、カラクル)のビジネスも変調しました。 1〜3月は例年以上に調子が良かったので、コロナの影響が多少出ても、まあ大丈夫だろうと思っていました。 しかし、4〜6月の四半期はここ数年で一番調子の悪い結果となりました。 「このまま続いたら困るな〜」と思っていたところ、チームの頑張りもあり7月くらいから盛り返し、現在は平年並み以上に戻ってきました。 会社としては親会社から独立したばかりだったので、だいぶヒヤッとしましたが、なんとか持ち直して良かったです。 まさに、世の中「一寸先は何が起こるかわからない」を実感しました。 激変したマーケットから学んだこと そんな中、良かったなと思うこともいくつかありました。 そのうちの一つは、ビジネスの調子が突然悪くなったことで、いままで見えてなかったもので、見えたものがあったことです。 カラクルはIT企業です。 コロナ禍で、デジタル化・オンライン化が進む中、ビジネス的に追い風が吹いてもおかしくない状況の中、4〜6月に停滞してしまった。 これは、僕たちのビジネスモデルが、現在の変革の時代に対応し切れていないという事実です。 社内に目を向ければ、そんなビジネスが厳しい状況の中でも成果を出す人と、成果が出しづらくなった人がはっきり分かれました。 今回のような不況は、本当の実力を洗い出します。 パナソニックの創業者である松下幸之助さんはこのように言っています。 「不況またよし。 不況は改善、発展への好機である。」 はっきりと認識できた課題は、改善できるチャンス。 この経験を活かして、会社全体で進化していければといまはポジティブに考えています。 リモートワークは当たり前に カラクルでは2月の中旬からリモート推奨、4月の初めから強制リモートとし、春以降ほとんどの社員は在宅勤務になりました。 最初は「通勤もないし、効率がいい。家族との時間も過ごせるし」というポジティブな意見がほぼ全てだったように記憶しています。 ビデオ会議でバンバン会話することも日常化し、業務に障害はほとんどないと思えるほどにオンラインツールの活用が進み、コミュニケーションやオペレーションは進化しました。...バリフラットができるまで【番外編】部長を剥奪された営業マンの物語① ~ヨーロッパへの挑戦~
こんにちは!いち営業担当の吉岡です。 うちの圭志が以前書いたブログ “バリフラットができるまで ⑤〜バリフラットにした瞬間の話~”の中で登場した“言い出しっぺの営業部長は、営業として売上ゼロから再スタートです。” の部長を剥奪された吉岡 真人(まこと)です。 お客様先ではこの自己紹介で笑いを誘っています。 実は今年初めに3週間、営業としてヨーロッパへ挑戦してきました。 この時はまだ、今世界中に猛威を振るっている新型コロナウイルスの爆発的な感染が起こるなんて、誰も予想していませんでしたが・・・。 このブログを書いているうちに、今回のヨーロッパの経験だけだと何か物足りないと思い始めました。 そもそも何故、**“俺を営業として海外へ行かせてくれ!”**と突然言ったのか? 決して勢いだけで言った訳ではありません。 そこにはバリフラットが2015年から始まってからの5年間にも渡る長き歴史と葛藤があります。 今回を機に、日ごろ会社の仲間や家族に伝えきれていないその内容を整理してみよう!という結論に至り、バリフラ番外編としてお送りしたいと思っています。 第1回目はヨーロッパへの挑戦について書きます。 ■訪欧へのきっかけ すべては昨年11月某日、圭志(会社法上、社外的には代表取締役ですが、社内的には経営プロジェクトのリーダーの役割です。本当にバリフラットです。笑)との飲みの場から始まりました。 真人:圭志さん!俺を海外へ行かせてくれ!! 圭志:えっ?・・お前英語それ程できないじゃん・・・ 真人:大事なのは能力じゃない。経験だ! 圭志:・・・。・・・ちなみにどこ行きたいの? 真人:個人的にはヨーロッパへ行きたい! 圭志:・・・。 飲み過ぎてその後のことはあまり記憶にないのですが、相当しつこかったようです。笑 そして2日後。 圭志:まこと。決まったよ! 真人:何がです? 圭志:ヨーロッパ。ドイツのデュッセルドルフ! 真人:えっ?・。ありがとうござい・・・。 圭志:いつから行くの? 1月から行ってこいよ。 真人:・・・。顧客の引継ぎ、ロジカルシンキング研修の講師、そして海外の準備もあるからなあ。 来年の夏以降かなぁ・・・ 圭志:ひよってるの? 真人:・・・ひよってないですよ!(焦)行きますよ!!(怒) 私の役割の大部分は営業です。営業としてヨーロッパに行くという意味・・。 何か重圧みたいなものが私の中に一気に流れ込んできました・・・・・・・。 ■訪欧への準備 早速以下準備に取りかかりました。 顧客アポイント 英語でのプレゼン/デモ 担当顧客の引継 ホテル/フライトなどの各種手配 何と言っても第一優先はアポイント!! (えいぎょうだもの まこと) ここが決まらないと**“YOUは何しにヨーロッパへ?”**と皆から思われてしまう・・・。 そして次はぜんぜん自信のない英語・・・。 この2つが私の頭の中を圧倒的に支配していくこととなります。 何と表現してよいでしょうか?...【最終回】バリフラットができるまで ⑩~バリフラットでも機能するマネジメントとは~
「バリフラットができるまで」を毎週楽しみにしてくれている皆さん。ありがとうございます! 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで ⑨〜フリーアドレス実現までの歩み〜 僕の知り合いで「結構読んでるよ〜」と言ってくれる人に限って、いいね!を押してくれていないことが最近わかりました。笑 もし面白かったら是非いいね!をお願いします! 突然ですが、バリフラットができるまでの連載は、今回を一旦区切りとして、最終回にしたいと思います。 (バリフラット縛りではないブログは今後も書いていきます) 段々ネタ切れしてきたとか、書いているうちに過去のブログと結構内容被っちゃってるとか、中村がダーハラスメントに疲れたとか、色々言われそうですが、全て本当です。笑 (注)ダーハラスメント:ブランディングリーダーの原田氏(通称だーはら)による、中村に対する「ブログ書け書け」のプレッシャーが厳しすぎるというハラスメント 最終回は、経営層の方がオープンでフラットに向かおうとするときに、躊躇する一番大きな理由であるマネジメントをどう効かすのか、について書きます。 業績管理は誰がする? バリフラットについてよくされる質問に**「マネージャーなしで、業績管理は誰がどうやってやるんですか?」**というものがあります。 会社は、ビジネスをして利益を出すことで成り立っています。 バリフラットだからといって「業績なんて誰も管理しない」ということではないのです。 誰がする?に対しての答えは**「みんな」**です。 **「全体責任は無責任」なんて言葉もあるので、この答えだけだと「結局管理してないんじゃん」とか「ゆるーい管理してんでしょ」**となりそうですが、そうでもないのです。 プロジェクト制の運営 特定のマネージャーがその組織・領域において、責任をもってマネジメントするというのが従来型の組織の考え方です。 ISAOにはマネージャーがいませんから、そのマネジメント手法はできません。 バリフラットの仕事の進め方は**「プロジェクト制」**です。 何か事業や目標が生まれると、それに応じてプロジェクトが作られる。 (逆に、それが終われば解散する) 各プロジェクトにはリーダーがいますので、そのリーダーが採算や全体進行に関して、責任を持ちます。 ですがISAOの中で、プロジェクトリーダーの責任とは「数字」ではありません。 リーダーの責任。それは・・・ ①プロジェクトのビジョンをつくり、それをそのチームで共有すること ②ビジョン達成のためのゴール、キーリザルトを立てる。それに向けた行動計画をつくり、日々活動を積み重ねる →OKRの進化形である「GKA」というGoalousによる目標・活動管理 ③結果を把握し、説明する ④状況変化に対応し、GKAを進化させていく 数字は結果として出てきますが、それに対して「責任をとる」という考え方はありません。 ビジョン、GKA、説明、進化の4つをリーダーが責任を持つという考え方です。 会社全体の業績は、経営プロジェクトの責任 会社全体の業績や成長戦略に関しては**「経営プロジェクト」**の責任という位置付けです。 経営プロジェクトのリーダーは僕ですが、経営プロジェクトメンバーは固定的ではなく、そこには経営参画の意思のある人が、自発的に集まってプロジェクトを形成しています。 このプロジェクトのミーティングは定期・不定期で行なっていますが、ISAOのメンバーであれば誰でも必要なときに参画し、意見を取り入れるという柔軟な形式をとっています。 最近は、コロナウイルスの影響もあり、ビデオ会議をやることが多いのですが、今週の会議にはいつも来ていない人がいきなり参加していたので**「お、何か話したいことあった?」と聞いたら「いや、なんとなく参加しようかと」**と言って参加していました。笑 メッシュマネジメント 会社には業績以外にもマネジメントしなければならないことがたくさんあります。 例えば、リソースマネジメントや、経費のコントロール。 コーポレート的なことで言えば、会社の中のファシリティに関してのマネジメントもありますし、健康管理、労務管理など、多岐に渡ります。 こういった各項目に対して、バリフラットでは**「誰が責任を持ってアンカーを務めるか」**を決めていきます。 そのアンカー(多くの場合プロジェクトリーダー)は、自分の責任分野において、GKAを運用します。 GKAでは計画を立てて、実行するだけではなく、その活動をシェアしていきますので、周りもその進捗を理解することができます。 こういったメッシュに入り組んだマネジメントを効かせることで、必要なマネジメントを会社全体で効かせる仕組みをISAOでは**「メッシュマネジメント」**と呼んでいます。 バリフラットのすき間 メッシュなので、かなりきめ細かいことも拾える仕組みになっている一方で、多少すき間ができて、うまくマネジメントが機能しないこともあります。 それを僕たちは**「バリフラットのすき間」**と呼んでいます。 では、すき間を見つけたら、どうするか。 すき間を埋めるために、どんな形でもいいのでもう一本のマネジメントを紡ぐことを考えます。...バリフラットができるまで ⑨〜フリーアドレス実現までの歩み〜
いままで、人事や組織の話を中心に書いてきましたが、今回はオフィスの中がどう変わってきたかについて書きたいと思います。 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで ⑧〜評価制度をぶっ飛ばす~ 2フロアからワンフロアへ いまの浅草橋のオフィスに引っ越してくる前、ISAOは四ツ谷にありました。 ちなみに、1999年の設立時は六本木、五反田、そして四ツ谷ということで、今度は三鷹か?なんていう冗談もあったようです。 余談はさておき・・・ 四ツ谷のオフィスは、以前の親会社のビルだったということもあり、新生ISAOはとにかく早く引っ越しをしなければなりませんでした。 四ツ谷オフィスは立地に恵まれ、環境も悪くなかったのですが、僕たちが感じていた問題は、2階と3階の2フロアに執務スペースが分かれている点でした。 僕は主に3階にいたのですが、2階の人とはほぼ交わらないので、なかなか気軽に話ができませんでした。 かつ、L字型でしたので、同じ階であったとしても端から端まで見えないのです。 当時のISAOは業績が赤字だったのですが、僕は**「顔が見えない問題」**がチームの一体化を妨げる要因になっていると感じていました。 そこで**「引越しプロジェクトチーム」**を編成し、山手線周辺でオフィスを探すことにしました。 結果としては現在の浅草橋のオフィスに引っ越すことになったのですが、その時の一番の条件は**「ワンフロアに全員が入れること」**でした。 1フロアの良さ 赤字会社でしたので、とにかく賃料の安いところ。 でもワンフロアは譲れない・・・ 最終的に僕たちが決めたのは、秋葉原から徒歩12分。 どちらかというと浅草橋(というか住所は浅草橋)の現オフィスです。 少し古くて、駅からも遠めでしたが、**「運動不足解消にもちょうどいい」**なんて言い訳しながら引っ越しました。 2011年5月の連休に引っ越して、1フロアの良さは、すぐに実感できました。 1フロアに全員が集まったことにより「あれ、あの人誰だろう!?」ということが劇的に減ったのです。 意図せずに色々な人と社内で出会い、簡単に話ができることでお互いの理解が深まるチャンスが増えたと思います。 黒いパーテーション これが当時の写真です。 ワンフロアで、みんなが見える。 でも当時は、黒いパーテーションがありました。 このパーテーションが見晴らしを阻害していること、景観が黒くて暗く見えることが気になり始めました。 「見晴らしを良くしたい!」 そこで、次に取り掛かったのがパーテーションの撤去でした。 サイレントな抵抗勢力 とりあえず、いきなりパーテーションとっちゃえーと思い、社内SNSで「パーテーション取ろうと思うんですけど」と発言してみました。 すると、すごくノリが悪い。 積極的に「xxxだからダメ〜」というより、「なんとなくイヤだ」みたいな空気を感じました。 一応「見晴らしが良くなると、みんなの顔が見えて、近く感じるし、コミュニケーションも活性化するんじゃないかな〜」と言ってみましたが、なんというか見えない抵抗を感じます。 「仕事をしている様子が見られるのがイヤ」と思った人が多かったのでしょう。 いつまでも話してもキリがないと思ったので、結構強引に「パーテーションがなくなった状態の経験がないので、一回やってみよう。デメリットが多かったら戻そう」と言って断行。 しばらくやってみて、パーテーションを戻したいという意見もなかったので、結局取っ払ったパーテーションは捨ててしまいました。 セカンドモニターが邪魔! パーテーションがなくなってだいぶ見晴らしが良くなりましたが、今度はみんなの机の上にあるセカンドモニターが邪魔に思えてきます。 かくいう僕もセカンドモニターを使っていたのですが、あるメンバーが**「モニターがあると顔が見えないし、ノートPCだけで十分仕事できる」**と言い出したので、これも一回やってみようとなりました。 その時点では、デスクトップPCを使っている人もいたので、全社員をノートPC化し、卓上にあるセカンドモニターは全て撤去しました。 デザイナーやエンジニアが多い会社の方はよくわかると思うのですが、セカンドモニターはエンジニアにとって非常に重要です。 とにかく見晴らしを良くしたかった僕は**「最新のMacに変えてあげるから」とか色々口説いて、全ての人たちを渋々(?)納得させ、オフィスからモニターを100%撤去することに成功しました。** フリーアドレスへ ここまでのISAOは、部署ごとにいわゆる普通の「島」があって、座席は固定でした。 2015年10月にバリフラットになったあたりから、部署で固まって座る意味が少なくなり、今度はフリーアドレスにしようという話になります。 多くの人にとって、袖机をなくすことは一番の痛みでしたが、徐々に取っ払い、最終的には全てなくしました。 僕自身も、袖机を2つ使っていて、かつキャビネも一つ持っていたのですが、これを機会に全て中身を捨てました。 今考えると余分なものを沢山保管していたなと思います。...バリフラットができるまで ⑧〜評価制度をぶっ飛ばす~
今回は、コーチ制度をぶっ飛ばしたあとに、評価制度をぶっ飛ばした話をしたいと思います。 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす 一般的な評価制度の問題 評価は上司がするもの。 多くの会社での評価制度はそうなっています。 当たり前ではありますが、上司は選べません。 僕自身も過去、色々な上司と仕事をしました。 素晴らしい上司に巡り会ったときは、素晴らしいコーチングをしてもらえました。 また、良くも悪くも的確な評価をしてもらえます。 逆に、相性が悪く、役職者としてのスキルと人格が十分備わっていない上司に当たると、どうしようもなく、ただただ「早く人事異動にならないかな」と祈るしかなかったことを記憶しています。 いま思えば、上司から見れば僕は厄介な部下だったろうし、嫌われていたこともありそうです。 このように、マッチしていない人がコーチ(上司の役目)になり、理解したくもないのに評価する制度には無理があるのではないでしょうか。 360度評価について 一方通行の評価の限界を打開しようとして生まれたのが360度評価です。 人事的には、マネージャーが一方的にパワフルになることを抑止できるいい方法だと思っています。 ただし「本当に評価するべき人」を会社がパーフェクトに選ぶのは至難の技でしょう。 であるならば、コーチと同じで自分で選んでしまえばいい。 こうした経緯で、ISAOの「評価者を自分で選ぶ」評価制度が始まりました。 こう説明すると、「自分に甘い評価をしてくれる人ばっかり選んじゃったらどうするの?」と、必ず質問されます。 オープンが全てを解決する! 全てがオープンなISAOは、もちろん、誰が誰を評価者に選んだのかもオープンです。 そうすると自然に、甘い評価者ばかりを選ぶわけにはいかなくなります。 周りの人が「あなたの評価者選定おかしいよね」となるからです。 さらに、コーチも評価者を追加できる仕組みで、よりフェアな評価者選びを実現しています。 ISAOの人事評価 ここで、ISAOの人事評価がどうなっているのかを少し説明します。 ISAOの目標管理は、Googleで採用されているOKRをさらに進めたGKAを使っています。 GKAとは、Goal(目標)ーKR(成果)ーAction(活動)の略で、目標をオープンにし、それに向かった日々の活動をどんどん共有するというシステムです。 Goalousは、GKAをベースにした社内コミュニケーションサービスです。 ISAOは、Goalousで過去の活動や進捗度合いを見て、印象ではなく、実際の活動をしっかり確認して評価するのです。 Goalous上で、各目標に関しての評価をして、その上で「総合評価」を行う。 総合評価は、 定性的に・・・ 評価できることや、その人の今後の課題など 最終評価・・・ 等級を上げるべきか、そのままか、それとも下げるべきか これらのフィードバックを目的にしています。 等級を上げるべきか、下げるべきかは、非常にセンシティブなものですが、結局はっきり意見を言うべきだという考え方で、評価者全員にしっかり意見を言ってもらうようにしています。 バリフラット2.0は、評価を全社にオープンに バリフラットより前から、ISAOは、自分に対して評価者がどういった評価をしているかをフィードバックしていましたが、他の評価者のフィードバックは確認できませんでした。 バリフラットを始めて3年経った2018年のことです。 社内からの声により、バリフラットを更に進化させようと、「バリフラット2.0」プロジェクトチームが作られます。 評価に関しては、**「全ての評価を全社員にオープンにする」**という意見がでてきます。 これは2.0へのアップグレードの目玉の一つとなりました。 最初にそれを聞いたとき僕は、正直「そんなことは出来るわけないし、反対が強すぎて、難しい」と思っていました。 そこで、思い切ってみんなに聞いてみました。 すると、ほとんどの人から「問題ない」「そうすべき」と答えが返ってきたのです。 僕のオープン哲学を、TeamISAOが上回った瞬間でした。...バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす~
今回は「コーチ」という課題にどう取り組んだかを書きます。 それまでの組織での「役職者の役割」を考えてみた バリフラットの枠組みを決める経営合宿で、プロジェクトリーダーを決めることで、事業運営に、役職者が必要ない仕組みにした話を前回書きました。 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで⑥〜フラット化の総仕上げと部署の消滅 しかし、役職者の担っていた役割はそれだけではありません。 役職者たちは、その部のメンバーたちを評価したり、コーチングしたりと人材育成の観点で、非常に重要な役割を担っていました。 役職者のないバリフラットで、それらをどう担保するのか。ISAOが考えたのはコーチ制度でした。 コーチの役割は、メンバーと「キャリアプラン」を話し合い、その成長に貢献することと定義しました。 初期のコーチ制度 バリフラットスタート時のコーチ制度は、全体を見渡している経営メンバーたちが、個人個人に対して、適切だと思われるコーチ候補を数人提示し、本人にその中から選んでもらう、というものでした。 今振り返ると、成長に厳しく向き合わず、イージーな関係を構築できる相手を選んでしまうのではないか、社員一人ひとりがその人にとって適切なコーチを自分で選べないのではないか、と恐れていたのだと思います。 ISAOでのコーチは**「360度評価の取りまとめ」**という役割も担うので、自分と仲のいい社員をコーチとして選び、評価が甘くになってしまうことも危惧していました。 100%自分で選ぶコーチ制度に バリフラットがスタートした2015年10月から2年間ほど、この仕組みで運用をしたのですが、会社が提示するコーチ候補がベストではなく、本人にとってみれば他の人がいいという状況がポツポツと起こり始めます。 そこで**「コーチを変えたい」**と申告をしてきた人は、都度話をして、経営メンバーが納得すればコーチを変えられるという仕組みにしました。 何回かそういった話し合いを繰り返し、僕たちは思いました。 「もう、自由に選べばいいんじゃないか」 こうして、100%自分で選ぶコーチ制度が始まりました。 誰が誰をコーチに選んでいるかは当然オープンなので、自然と規律をもった選択をみんながすることもその後証明されています。 オープンはこんなところにも効いてきます。 コーチ資格 とはいえ、コーチングにはスキルが必要です。 コーチの候補者には、社内コーチング研修を受けてもらい、コーチをやっている人たちが集まって、悩みを相談し合う座談会のようなものを開催し、コーチングスキルを高める取り組みをしています。 もう一つの課題。 自由に選択した場合、多くの人が自分と同じ職種のシニアをコーチに指名する傾向があるのですが、コーチングスキルが足りないために、スキルの話に終始してしまい、メンバーの成長をサポートできないケースが出てくることです。 その場合、本来の目的であるキャリアプランの相談相手になれないのであれば、自主的に降りてもらうことも含め話し合いをします。 コーチはボランティア バリフラットの運営において、重要な役割を担っているコーチですが、コーチングでの手腕を評価してしまうと、結局昔の「中間管理職」的な考え方になってしまう危険があります。 そこでISAOはコーチとしての成果を、自分の評価に反映していません。 もちろん、チームに対しての貢献ではあるので、ある程度の底上げはありますが、コーチングの成果の評価はしないのです。 これは、コーチングに過大な時間をとってはいけないというメッセージでもあります。 どう効率的に、いいコーチングをするか。 これは永遠の課題ですが、しつこく取り組んでいきたいと考えています。 コーチのみ 会社だけのコミュニケーションだと、深い話がしきれないという理由で、コーチとメンバーが外でお酒も含めた食事をしながら話すことをサポートする制度が**「コーチのみ」**です。 コーチのみは、基本1対1での食事で、会社が1万円を補助するという制度です。 多くのペアがこの制度を利用して関係性を高めています。 人気コーチにメンバーが集まりすぎる問題 ボランティアといいつつ、コーチになればそれなりに時間が取られます。 そして、コーチとして人気のある人には、メンバーが自然と集まってしまう。 一人ひとりはそんなに時間がかからなくても、たくさんの人をコーチするとなれば、それなりに時間がかかってしまう。 また、一人一人とコーチのみしていたら、そのうち肝臓の問題も出てきそうです。 この問題はいまだに解決はしていません。 コーチできる人数制限を設けるかなどのアイデアも含め、今後解決していかなければならない課題だと思っています。 コーチは、いつでも変更可能 いまでは、自分の成長段階や、課題に応じて自由にコーチを変えることができるようにしました。 人事や経営のメンバーに相談する必要もありません。 自分で考え、自分で決める。 「自主性」を重んじた制度に進化しているのは嬉しいことです。 コーチを軸にした評価制度の確立 上述しましたが、コーチは360度評価の取りまとめ役を担っています。...バリフラットができるまで ⑥〜フラット化の総仕上げと部署の消滅 ~
これまでの話をまとめると、ISAOは2012年頃から情報のオープン化を進め、それに伴い不必要なレポーティングラインを削減することで、徐々に組織をフラット化してきました。 前回は、その状態から最後「すべての役職をなくして、完全にフラットにしよう!」となった瞬間の話でした。 そこで、今回はそう決めてから、バリフラットになるまでのプロセスの詳細がどんなものであったかを書きます。 経営合宿 前回の「もう部長もやめませんか?」は2015年9月10日頃の話でした。 ISAOは決断してから実行するのがとても早い会社です。 バリフラット以前の部署のある組織だった時も、部署移動は「決めたらすぐ」というパターンがほとんど。 もちろん、本人や関係者はある程度の期間しっかり考えていて、最後決断するプロセスなのですが、直接関わっていない人からすると、あまりにも突然人が動いているように見えます。 社員アンケートを取ると「スピーディなのはいいが、乱暴すぎるのではないか」という意見も出るほどでした。 ただ今回の、「役職を取っ払い、階層をなくす」というアイデアが出た時は、「でも、実際どうって運営するの?」という課題があり、即日とはいきませんでした。 役職をなくすということは、部署も全部なくすということ。 「あれ?部署なくなったら、事業計画ってどうすればいいんだろう?」 「上司がいなくなったら、評価ってどうする?」 「責任持って各領域をコントロールする人がいなくなったら、業績悪くなっちゃうのでは?」 などなど、考えれば考えるほど、課題が出てきます。 こういう時は合宿です。 合宿は9月20日頃行われました。 部署をなくした事業運営 部署がなく、役職者がいない事業運営は、バリフラットに興味を持った人がまずは疑問に思う項目です。 ただ、実際の事業運営は、思ったほど普通の組織と違いません。 ISAOでは部署はありませんが、各事業をプロジェクトと位置付けています。 各プロジェクトは、必ずプロジェクトリーダー(PL)を作ります。 PLは、そのプロジェクトのまとめ役であり、最も責任感が高く牽引する役割を与えられています。 こう説明をすると、「結局、PLって中間管理職みたいなことでしょ」と皆さん思われますが、それは違うのです。 部長はいつも偉い。でもPLはそのプロジェクトのリーダーであるだけ。 どんな会社でも、部署として行なっている事業だけでなく、色々なプロジェクトがあります。 例えば、社内を横断するようなプロジェクト。 社内横断プロジェクトでも、部長が入っていたら若いメンバーが最終決定者・責任者になることはない。 部長はいつも部長として、一段高い立場になることが普通です。 ISAOのPLは、そのプロジェクトだけのものですから、いつの時でも偉い部長とは根本的に違います。 あるプロジェクトではPLでも、その他のプロジェクトに参画する時は、メンバーであるのがISAOでは普通なのです。 それは僕であっても同じ。例えば僕は、経営プロジェクトではPLですが、採用やブランディング、Goalousなどのプロジェクトではメンバーとして、活動しています。 ですから、それらのプロジェクトでは、メンバーとして意見は言いますが、最終的な方針の決定は各リーダーに委ねられています。 もちろん、メンバーとして参画している以上、その役割の中での成果は当然求められますよね。 「絶対的に高いポジション」は存在しない。 それがISAOのバリフラットなのです。 上司のいない組織の評価制度 バリフラットの原型を作った経営合宿で、一番難題だったのが評価制度でした。 普通の会社では、部門長が部下の評価をするのが、評価制度の根幹です。 バリフラットに、上司は存在しない。 いっそのこと「評価なんてしない」など、ぶっ飛ばしたアイデアもありそうです。 10日後に始まるバリフラット。 僕たちの決断は、新しい「コーチ制度」でした。 次回、バリフラットのコーチ制度について書きます。 続きはコチラ バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす...