• 世の中にはびこる間違ったコーチング

    バリフラットで階層がないColorkrew(以下、カラクル)には上司はいません。 その代わりにコーチを自分自身で指名するという制度があるのですが、今回は全ての組織の永遠の課題「コーチング」について僕の考えを書きたいと思います。 これは僕の考え方なので、多くのコーチングの専門家の方々とは違った考えである部分が多々あると思いますが、あくまで実践的な観点でのコーチングを考えていきます。 コーチングとは教えることではない よく言われることですが、コーチングとティーチングは別物です。 しかし頭では分かっていても、コーチングをしようとして、ティーチングをしてしまうことは良くあることです。 ティーチングとは、「知識や技術を一方的に教えること」。 僕の定義するコーチングとは、以下の通りです。 「メンバーの成長や、業務の目標に向けて、持っている力を最大限に引き出すためのアシストをすること。」 ティーチングとのミックス とはいえ、コミュニケーションの100%をコーチングでおこなってしまうと、最大限の効果を発揮することができないと多くのコーチが実感しているのではないでしょうか。 100%コーチングという”アシスタント”になりきれるのは、エグゼクティブコーチングなどに限られると僕は考えています。 メンバーのレベルによって、ティーチングミックスの最適度は変わってきます。 最もティーチングの比率を多くする新入社員の場合には、ティーチングを20〜30%程度混ぜます。 ここで重要なのは、ティーチングの比率は高くても30%に留めるということです。 それ以上やると、コーチングからティーチングにコミュニケーションの質が変化してしまうのです。 なぜティーチングミックスが必要なのか 一言で言えば「前提条件となる視界を広げる」「視座を高める」ためです。 単純な例を出します。 これから、世界で活動しようとしているメンバーがいるとします。 でもこのメンバーは、日本しか知りません。海外があるということも知識としてない。 要は「前提条件が足りていない」状態です。 そんな場合は、まず視界を広げるために「世界という概念」をティーチします。 その上で、世界の中で自分がいる日本の位置づけを教え、世界の各地域のざっくりとした情勢や関係性を知らなければならないことを教えます。 ここで重要なのは、コーチは「視界を広げる」ために教えるのであって、内容は自分で学ばなければならないということです。 別の言い方をすればコーチが与えるのは「きっかけ」であって、授業ではありません。 ティーチングというよりは、学ぶきっかけづくりに意味的には近いかも知れません。 逆に言えば、視野を広げたり、視座を高めたりする必要がないメンバーに関しては、ティーチングは無用です。 コーチングスタートまでの準備 コーチがきっかけを与えた後は、メンバーは自分でそれを学びとる必要があります。 それができて初めてコーチングをスタートすることができます。 自ら学ぶものは大きなものもあり、小さなものもあります。 大きなものを学ぶ場合は、十分にインターバルを取ることをお勧めします。 小さなものであれば、その場で学び、進めていくことができます。 いよいよコーチング いよいよコーチングの始まりです。 具体的な方法論については、以前「中村流コーチング公開します!」で詳しく書いていますので、そちらを参考にしてもらえればと思います。 https://blog.colorkrew.com/nakamura-like-coaching/ メンバーとコーチで、ファンダメンタルとスキルの両軸で「あるべき姿」を洗い出します。 ここで重要なのは「押し付けない」ことです。 ティーチングは「これが正しい」ということをメンバーにわからせるということですので、ある意味押し付けです。 あるべき姿を粘り強く、メンバー主体で考えましょう。 「メンバーが考えることができないのです」なんて声も聞こえてきそうですが、ここはぐっと我慢します。 自分で考え抜いて、決めないとその後の工程が全ておかしくなります。 あるべき姿は、メンバーが自分で納得するだけでなく、コーチも客観的に見て「これがいい!」と思えるものを目指します。それにより独りよがりで、意味がない目標を立ててしまう危険を回避します。 人は自分が納得したことしかやらない なぜ僕がここまで「自らが決める」ことにこだわるかというと、人は所詮自分が納得したことしかやらないからです。他人が決めたことに納得する人はいません。 人は自らが決めることで、初めて主体的になり、力が発揮できるのです。 冒頭に「持っている力を最大限引き出す」と書きましたが、まさにそのためにはこれが必要なのです。 いいコーチはツッコミがうまい 具体的な目標、活動計画を立てれば、あとはコーチは伴走し、アシスタントに徹します。
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