• 社員エンゲージメントを高めるためのコミュニケーション施策

    はじめに こんにちは。Colorkrewのドレッド人事こと、石原です。 前回「Culture Deckって何?ドレッド人事がCulture Deckを作ると決めた3つの理由」というブログを書きました。 その中で、「コミュニケーションは質×量です。コミュニケーションの質を高めるために今回Culture Deckを作成しました。」と書きましたが、今回はコミュニケーション量を増やすために現在取り組んでいることに関して書きたいと思います。 コロナ禍によるコミュニケーションの減少 コミュニケーション量は、社員のエンゲージメントに直結します。 社員のエンゲージメントと企業の生産性に高い相関が見られることは様々な論文において検証されています。 「エンゲージメント」とは、社員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」「忠誠心」などを指します。 そうした感情を自社に対して感じられるのは、企業理念やビジョンに共感し、一緒に働く仲間や組織と一体となって成長しあえる関係があるからです。 そして、その関係はコミュニケーションなしには育まれません。 つまりコミュニケーション量の減少は、社員のエンゲージメント低下、ひいては企業の生産性を脅かすものだと言えます。 まん延防止等重点措置が解除された現在(2022/6/18現在)、Colorkrewではフルリモートワークを終了し、会社近郊に住んでいる社員は週一回、地方在住の社員は月一回以上出社することにしています。 しかし、コロナ前と比べると出社頻度は単純計算で1/5以下です。 危機的に少なくなってしまった社員同士のコミュニケーションを促進するために、Colorkrew人事としてどのような施策を推進しているのか一覧化しました。 これらはあくまで人事として推進している施策です。 もちろん上記に加え、各プロジェクトや案件、職種別に様々なコミュニケーションが日々行われています。 上記一覧表の中からColorkrewらしい施策をいくつか紹介します。 コミュニケーション施策紹介 マンスリービジネスレビュー 毎月、前月の全社業績および各事業業績を全社員に対して共有、説明しています。 全社の売上や営業利益、各事業の人件費や販管費にいたるまで、全てが公開されます。 また、各事業リーダーがなぜそのような結果となったのか、今後の計画見通しなどを丁寧に説明します。 Colorkrewでは「オープン」をスピリッツの一つとして掲げていますが、まさにそれを体現している施策といえます。 質問も自由にできるので、透明性の高い経営を担保する上で非常に重要な施策です。 TGIF ColorkrewのCEOである中村に、全社員がどんなことでも直接質問できるカジュアルミーティングです。 毎週金曜日の夕方に実施されています。 最近は新たに入社するメンバーが外国籍のメンバーが多いため、基本的に英語での開催となっています。 質問は業績や経営戦略、制度の背景にある思想など多岐にわたります。 会社の現状や目指す方向、考え方をよく理解できるミーティングなので、月に一度、日本人社員向けにも日本語で開催しています。 All You Can Drink Colorkrewの社内にはJoyful StudioというBarが併設されたスペースがあるのですが、現在全てのドリンクを無料にしています。 ソフトドリンクはもちろん、クラフトビールや缶チューハイなども無料で飲むことができます。 仕事が終わった後に雑談しながら一杯飲んだり、チームに新たなメンバーが入社したときの歓迎会など、様々な機会に利用されています。 また、別施策のGo to Drinkと組み合わせることで軽食+飲み物が全て無料になるといったような使い方もできます。 今後どんな施策を検討・実施していくか 上記でピックアップした施策をはじめとした各コミュニケーション施策にはそれぞれ効果を実感していますが、「これまでの施策でカバーできていなかったコミュニケーションを補うための施策」や、「各施策をさらに推進するための追加施策」も現在実施検討をすすめています。 Power Up Camp これまでに実施してきた施策では、「チームで戦略をしっかり議論しきる」といったようなコミュニケーションを十分にサポートできていないと感じておりました。 もちろん各チームにおいて日々の業務でそのようなコミュニケーションはしていますが、置かれている状況を前提から見直したり、目標や体制は現状のままで本当に良いのか話し合うような「視点を一段上げて熱く議論する場」が必要だと感じています。 そこで、まずはリーダー層を中心に合宿を企画してもらい、それを積極的にサポートする施策を始めようとしています。 日常から切り離された場所で寝食を共にし、熱く語り合うことによって、各チームがよりパワーアップしてくれることを期待しています。
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  • Colorkrew社員はバリフラットをどう思っているのか 〜2021年従業員アンケート番外編①

    「今年も従業員アンケートをやりました!」の続編、「Colorkrew(以下、カラクル)社員はバリフラットをどう思っているのか」を書きたいと思います。 前提条件として、僕がバリフラットをどう考えているかをまず書きます。 バリフラットはまだまだ発展途上だと思っています。人類が100年以上かけて磨き上げてきた従来の階層型組織に比べれば、カチッとしていませんので(それが特色でもありますが)隙間っぽいものもあります。 そうした、課題に向き合い続けるという前提に立てば、従来型組織と比べてバリフラットは、圧倒的に民主的で、効率的。 先行き不透明ないまの時代を勝ち抜ける可能性の高い組織運営であることは間違いないと断言できます。 従来型の階層組織も、バリフラット的な要素を入れるだけでも格段に進化するはずなので、ハイブリットでもいいかも知れません。 あれ、そういえば。。 でもカラクルのみんなは、現時点のバリフラットに関して、どう思ってるのでしょうか。 従業員アンケートから、その点について検証してみましょう。 バリフラットに対しての賛否 ずばり聞きました。 「あなたにとってバリフラットは従来型組織よりも良い」のか。 この問いに関しての、答えは90%の人が、**「バリフラットの方が良い」**との答えでした。 ここまで多いとはビックリです。 バリフラットへの意見 ポジティブな意見を見てみましょう。 ・上司がいなくて人間関係がフラット ・色々なことに関われる(挑戦できる) ・意思決定のスピードが早い ・自由がある などなど。 バリフラットの目的を表現してくれてる感じになっています。 逆に「ココが問題、階層型の方が優れている部分」に関する意見はこんなものがあります。 ・階層型の方が責任範囲がクリア ・世の中にあるITツールは階層型組織を想像して作っているので、バリフラットでは使いづらいケースがある ・役職による権威がないので、組織コントロールがしづらい場面がある などなどです。 面白かったものとしては、「従来型組織がいいのであれば、そういう会社に行けば良い。バリフラットは貴重なのでぜひ継続してください」という意見もありました。 確かにそうかもしれません。 それでもやっぱりバリフラット アンケートでわかったのは、やはりカラクラーは圧倒的にバリフラットを支持しているようです。 一方で、まだまだ沢山ある課題や、そもそもバリフラットの目的に関して一部誤解されているところもあることがわかったので、一つ一つ取り組んで、バリフラットを進化させていこうと思います。 最後に。 どう進化させていくかということに関しても、ウィットに富んだ意見がありました。 「熱いコーヒーが好きな人が50人、冷たいコーヒーが好きな人が50人、じゃあ一番みんなにウケるコーヒーはぬるいコーヒーという話があります。 カラクルはぬるいコーヒーにならないようによろしくお願いします。」 確かに・・・ ぬるいコーヒーにしないように、がんばります!! おしまい。
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  • 組織に歓迎される批判、嫌われる批判

    自分が所属する会社や組織に対しての批判について、書きたいと思います。 権威主義的なマネジメント感を持っている人は「組織を批判する人を許容するなんてとんでもない」と考えがちです。 しかし、昭和や平成ならともかく、令和の時代はそういったマネジメントは通用しない時代です。 Google のピープルアナリティクスチームは、「心理的安全性」をハイパフォーマンスな組織であるための条件の中で、最も重要な因子と結論付ました。 心理的安全性とは、自分が思っていることを発言しても、組織は受け入れてくれるという確信です。 みな批判を発信してもいいし、それを組織は受け入れなけばならないということです。 とはいえ、批判ならなんでもいいのかといえばそうでもない、と僕は考えています。 批判にもいい批判、悪い批判があると思うのです。 誰でも不満や批判はあるもの 特定の会社や組織にいて、そこに全く不満や批判がない人はどのくらいいるでしょうか? ほとんどいないのではないでしょうか。 コロナでの会食時自粛が長期化したいまや、見ることもできなくなりましたが、夜の居酒屋にいけばサラリーマンたちが自分の会社や上司の悪口を言いまくって、ストレス発散しているなどという光景は日常茶飯事でした。 そういう人たちっていまはどうしているんでしょうか。 イマドキは、オンライン飲み会で発散してるんでしょうか。笑 完璧な組織はありません。 組織の運営やルールを、尖らないように尖らないようにと設定すれば、全体として凡庸で面白くない組織になる。 つまらないという不満が常に上がるでしょう。 といって、特色のある運営をすれば、それを嫌う人も必ずでてくる。 結局、どんな組織運営をしても、少なからず不満や批判は出てくるものなのです。 批判には、嫌われる批判と歓迎される批判があるということです 僕自身も過去、会社や組織の批判を沢山してきましたし、いまは、社員の批判を受ける立場でもあります。 両方を経験して少しわかってきたことがあります。 それは、ただ嫌われる批判と、そうでなく歓迎される批判があるということです。 歓迎される批判とは 批判の内容だけでなく、批判の仕方も含めて、どんな批判は歓迎されるのかを考えてみましょう。 ①前提として、組織愛があること そもそも嫌いな対象に対しての言葉は、トゲを含みがちで、なんとなく嫌なニュアンスになってしまいます。 ベースに愛があれば、そういったことはなくなります。 ②できれば記名で 理由は、批判の内容をより深く理解しようとしたときに匿名だと追いようがないことが多いからです。 記名であれば、深く話すこともできますし、誤解があれば直接説明することもできます。 ③言葉が無礼でないこと 匿名のときに多いのですが、相手を攻撃しようとできるだけ嫌な言い方をする人がいます。 レベル感が低く、そういう批判は的を射ていたとしても、取り上げられなくなる可能性があるので、誰にとってもいいことは一つもありません。 ちなみにだいぶ前のことですが、Colorkrew(以下、カラクル)の匿名アンケートで僕が一番嫌だなーと思った批判を紹介します。 カラクルのスピリッツについてのアンケートへの回答でこういうものがありました。 ”家族的キズナは、仲良しの人だけですよね” この人は、会社に不公平感を感じていたのでしょう。 僕を一番嫌な気持ちにさせたかったのであれば大正解の書き方ですね。笑 こういった投げ捨て系の書き方は、往々にしてよくありません。自分自身の人としてのレベルを下げてしまう。 匿名でも礼儀を忘れずにしたいものです。 ④建設的なこと 批判のための批判やただの悪口ではなく、その批判にしっかり立ち向かえば、その組織はいい方向に進むような建設的な批判は歓迎されます。 ⑤代替案の提案があること 〜が悪い、というだけでなく、「こういうやり方にしたらいいのではないか」という提案までセットになっている批判は、議論をする価値のあることが多いです。 歓迎されず、嫌われる批判は、全てこの逆だと考えればいいですね。 いかがでしたでしょうか。 あなたの会社を、また組織をよくするために、これからもどんどん建設的に批判をしていきましょう! <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!
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  • 心理的安全性をうみだす組織のつくり方

    組織研究で有名なグーグルのピープルアナリティクスチームが行った研究で、チームのパフォーマンス向上のために最も重要な要素だと結論づけられた「心理的安全性」。 組織人の多くが願ってやまない、この心理的安全性について書きたいと思います。 心理的安全性とは 毎月一度開催している組織改善セミナーで、「心理的安全性を知っていますか?」というアンケートをとると、3分の1から半分くらいの人は知っているようです。さすがグーグル。 さて、元々心理的安全性という概念は、ハーバードビジネススクールで、組織行動学を研究しているエイミー・エドモンドソン教授(Amy C. Edmondson)が1999年に論文の中で提唱したものです。 彼女は、心理的安全性を以下のように定義しています。 「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」 **”信念が共有された状態”**という部分に、プロフェッショナルな匂いを感じます。 なぜ心理的安全性が重要なのか 〜個人編~ 組織に所属する個人としては、心理的安全性が確保され、拒絶されたり、バカにされたりしないことは日々の精神衛生上重要です。 恐れのない組織はまずなんといっても居心地がいい。 また、思ったことを言える環境というのは、間違えることのできる環境です。 どんどんトライして失敗を繰り返すことができるので、成長スピードが格段に上がります。 なぜ心理的安全性が重要なのか 〜組織編~ 組織として、心理的安全性があるべき理由は大きく2つです。 一つは、間違ったことを修正できる可能性が高まること。 恐れのある組織では、上司が明らかに間違っているときの反論や、事業が当初の予定通りになっていないからと反対意見を言う事は難しい。結果として、間違ったことがそのまま進んでしまいます。 間違いをどれだけ素早く修正できるかは、マーケットでのその組織の競争力の源泉になります。 もう一つは、挑戦が生まれてくることです。 不確定要素が多く先の見えない現代において、未知の領域への挑戦がなければ縮小均衡へ向かい、その組織は弱体化していくと、みなさん感覚的にわかっていると思います。 生き残りをかけて挑戦するチームになるためには、失敗が許される環境は必須です。 組織の中の恐れとはなにか では、組織の中で心理的安全性がない、平たくいうと発言することが怖いという状況は、なぜ生まれるのでしょうか。 まず短期的には、相手が圧倒的に組織上のパワーが上、かつパワハラなどの事態を周りが修正してくれない環境の場合、どんな理不尽なことを言われても我慢するしかありません。 理不尽な会話にならないように、思い切った発言はできなくなります。 中長期には、上司に対して強い反対意見を言うことで、社内でのキャリアに影響がでる(出世が遅れたりする)こと。 キャリアアップを諦めた人や、その組織に拘らなくても生きていける人は例外にはなりますが、大多数の人にとってはその組織でのキャリアは最重要事項の一つでしょう。 心理的安全性を担保するカルチャーとシステムをつくる方法 心理的安全性を担保するためには、制度としてのシステムと、組織のカルチャーづくりが必要です。 カラクルでの取り組みを一部紹介します。 カルチャーづくり 「どんなことを言っても安全だし、安心だよ」と発信するだけでは、安心はできません。 無礼講と聞いていたのに、自由に振舞うとあとで無茶苦茶怒られる飲み会みたいなものです。 ではどうしたら大丈夫だと信頼できるようになるでしょうか。 それは、実際に予定調和ではない、思い切った発言しても”大丈夫だった”という実績を数多く目にすることです。 その人の立場に囚われず、正しいと思ったことを思い切って発言する人を大切にする。 その発言が明らかに間違っていたとしても、思慮が足りなかったとしても、「正しいと思ったことを発言した」ことをリスペクトするのです。 もちろん、見当違いの発言は、それに対してしっかり対応しなければならないのですが、その時もリスペクト。 どんな状況でも礼儀正しいコメントをする。 これを社内SNSなどのオンラインでやるのです。 少し話が逸れますが、礼儀正しいといっても、慇懃無礼になると逆に怖くなるので、できるだけカジュアルにするのがオススメです。 オンラインでやる理由は、オフラインでは一人の人の体験にしかならないものを、同時に多くの人が目撃し、体験することができるからです。 それを積み重ねることで、チームに心理的安全性があることを心から理解できるようになります。 カラクルが提供する目標と活動をオープンにしチーム力を向上させる「Goalous(ゴーラス)」は、こうしたカルチャーをつくるために、最適なサービスです。(宣伝) システムづくり 上述した通り、多くの組織で起こっている恐れは、役職による絶対的な権威の差が起点になっています。 そうしたこともあり、カラクルの場合は役職というヒエラルキーをなくすことで、権威をできる限りなくしています。
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  • 自発型組織のススメ② 〜自発な組織のつくり方~

    前回は、管理をするのではなく自発型の組織にしていくことが、これからの時代において重要であることを書きました。 ▼自発型組織のススメ 〜管理から自発な組織へ~ https://blog.colorkrew.com/spontaneous_organization/ では**「管理型組織」から「自発型組織」**に向かうためにはどのようなステップが必要になるのでしょうか。 Colorkrew(以下カラクル)での実体験も含めて僕のやり方を紹介したいと思います。 管理でも自発でもない、放置型組織だったカラクル 僕がカラクルに合流したのは、2010年です。 そのときのカラクルは、自発型組織でも、管理型組織でもありませんでした。 ではなんだったのかというと**「放置型組織」**でした。 放置型組織とは、誰も実質的・本質的な管理していない状態の組織のことです。 もちろん、業績に関してはマネージャーや経営に関わる人たちが見てはいます。 ただその一方、社員たちは、自分の思い思いに好きなやり方で、好きなことをやっている状態。 事業の健全化に向けて活動をコントロールできている状態とは程遠い状況でした。 経営の最重要課題である人事に関しては、前職条件引きずり型、情実人事です。 前職条件が影響してしまうのは中途採用時にある程度仕方のないことではありますが、情実人事は大問題でした。 権力を持つ人に気に入られれば、給料が上がり、気に入られなければ、給料は低いまま。 管理か、自発かという前に、**「会社が存続できない」**というレベルの悪い業績が続いているにも関わらず、それをどうするかの方向性もありませんでした。 規律を効かせる重要性 そういった組織を立て直すのにまず重要なことは、方向性を定めることでした。 方向性を定めるとは、ミッション・ビジョン・スピリッツを憲法として定め、その上で全社的な戦略、戦術を決めることです。 その方向性に、みんなが向かっていくために必要なことが「規律」です。 方向性を定め、ブレないオペレーションをしていくために規律を守っていくことで、業績は劇的に改善され、4億円以上の赤字から2年で黒字化、そしてその後5年間で5億円ほどの経常利益を出すまでに成長することができました。 これらをやりきるために、まず導入した規律は**「会社から与えられた規律」**です。 与えられた規律とは 与えられた規律とは”ルール”です。 ルールは決めたら上から下に降りてくるというイメージ。 この時期に、僕が決めたルールは、以下のようなものです。 時間を守る 交際費など経費の自己決済は禁止(必ず他人の目を通す) 「赤字は悪」を徹底(当時は”これは意味がある事業だ”という説明で赤字を正当化していました) 全員で現場の仕事に取り組む。人の評価だけする人の撲滅 すべての事業は、計画・実績をレビューする 不機嫌禁止 などです。 レベルが低すぎる内容もありますので、少し恥ずかしいですが、これをわざわざルールに定めなければならないという状態だったのです。 これらをルールとした目的は以下の通りです。 社内的パワーを持っている人も含めて、自分だけで勝手に物事を決めることはできない仕組みづくり ずるずると赤字事業を続けないためのガイドラインを持つこと 雰囲気をポジティブに変えるため**「上から詰める文化」を一掃すること** これらを、口うるさく徹底していくことで、必要な厳しさを持つチームに向かうことができました。 与えられた規律から、自己規律へ その状態を数年間続けると、これらのルールを守ることは「当たり前」になっていきました。 その中で、自然と業績はV字回復したのです。 これらが当たり前になると、ルールを守れているか管理する必要性が薄くなります。 次のステップでやっと**「自己規律」**へ向かうことができるようになるのです。 自己規律と言っても、前提条件は組織によって変わってきます。 カラクルの場合は、以下の共有する価値観が定められています。 Colorkrew Spirits
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  • 【最終回】バリフラットができるまで ⑩~バリフラットでも機能するマネジメントとは~

    「バリフラットができるまで」を毎週楽しみにしてくれている皆さん。ありがとうございます! 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで ⑨〜フリーアドレス実現までの歩み〜 僕の知り合いで「結構読んでるよ〜」と言ってくれる人に限って、いいね!を押してくれていないことが最近わかりました。笑 もし面白かったら是非いいね!をお願いします! 突然ですが、バリフラットができるまでの連載は、今回を一旦区切りとして、最終回にしたいと思います。 (バリフラット縛りではないブログは今後も書いていきます) 段々ネタ切れしてきたとか、書いているうちに過去のブログと結構内容被っちゃってるとか、中村がダーハラスメントに疲れたとか、色々言われそうですが、全て本当です。笑 (注)ダーハラスメント:ブランディングリーダーの原田氏(通称だーはら)による、中村に対する「ブログ書け書け」のプレッシャーが厳しすぎるというハラスメント 最終回は、経営層の方がオープンでフラットに向かおうとするときに、躊躇する一番大きな理由であるマネジメントをどう効かすのか、について書きます。 業績管理は誰がする? バリフラットについてよくされる質問に**「マネージャーなしで、業績管理は誰がどうやってやるんですか?」**というものがあります。 会社は、ビジネスをして利益を出すことで成り立っています。 バリフラットだからといって「業績なんて誰も管理しない」ということではないのです。 誰がする?に対しての答えは**「みんな」**です。 **「全体責任は無責任」なんて言葉もあるので、この答えだけだと「結局管理してないんじゃん」とか「ゆるーい管理してんでしょ」**となりそうですが、そうでもないのです。 プロジェクト制の運営 特定のマネージャーがその組織・領域において、責任をもってマネジメントするというのが従来型の組織の考え方です。 ISAOにはマネージャーがいませんから、そのマネジメント手法はできません。 バリフラットの仕事の進め方は**「プロジェクト制」**です。 何か事業や目標が生まれると、それに応じてプロジェクトが作られる。 (逆に、それが終われば解散する) 各プロジェクトにはリーダーがいますので、そのリーダーが採算や全体進行に関して、責任を持ちます。 ですがISAOの中で、プロジェクトリーダーの責任とは「数字」ではありません。 リーダーの責任。それは・・・ ①プロジェクトのビジョンをつくり、それをそのチームで共有すること ②ビジョン達成のためのゴール、キーリザルトを立てる。それに向けた行動計画をつくり、日々活動を積み重ねる →OKRの進化形である「GKA」というGoalousによる目標・活動管理 ③結果を把握し、説明する ④状況変化に対応し、GKAを進化させていく 数字は結果として出てきますが、それに対して「責任をとる」という考え方はありません。 ビジョン、GKA、説明、進化の4つをリーダーが責任を持つという考え方です。 会社全体の業績は、経営プロジェクトの責任 会社全体の業績や成長戦略に関しては**「経営プロジェクト」**の責任という位置付けです。 経営プロジェクトのリーダーは僕ですが、経営プロジェクトメンバーは固定的ではなく、そこには経営参画の意思のある人が、自発的に集まってプロジェクトを形成しています。 このプロジェクトのミーティングは定期・不定期で行なっていますが、ISAOのメンバーであれば誰でも必要なときに参画し、意見を取り入れるという柔軟な形式をとっています。 最近は、コロナウイルスの影響もあり、ビデオ会議をやることが多いのですが、今週の会議にはいつも来ていない人がいきなり参加していたので**「お、何か話したいことあった?」と聞いたら「いや、なんとなく参加しようかと」**と言って参加していました。笑 メッシュマネジメント 会社には業績以外にもマネジメントしなければならないことがたくさんあります。 例えば、リソースマネジメントや、経費のコントロール。 コーポレート的なことで言えば、会社の中のファシリティに関してのマネジメントもありますし、健康管理、労務管理など、多岐に渡ります。 こういった各項目に対して、バリフラットでは**「誰が責任を持ってアンカーを務めるか」**を決めていきます。 そのアンカー(多くの場合プロジェクトリーダー)は、自分の責任分野において、GKAを運用します。 GKAでは計画を立てて、実行するだけではなく、その活動をシェアしていきますので、周りもその進捗を理解することができます。 こういったメッシュに入り組んだマネジメントを効かせることで、必要なマネジメントを会社全体で効かせる仕組みをISAOでは**「メッシュマネジメント」**と呼んでいます。 バリフラットのすき間 メッシュなので、かなりきめ細かいことも拾える仕組みになっている一方で、多少すき間ができて、うまくマネジメントが機能しないこともあります。 それを僕たちは**「バリフラットのすき間」**と呼んでいます。 では、すき間を見つけたら、どうするか。 すき間を埋めるために、どんな形でもいいのでもう一本のマネジメントを紡ぐことを考えます。
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  • バリフラットができるまで ⑨〜フリーアドレス実現までの歩み〜

    いままで、人事や組織の話を中心に書いてきましたが、今回はオフィスの中がどう変わってきたかについて書きたいと思います。 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで ⑧〜評価制度をぶっ飛ばす~ 2フロアからワンフロアへ いまの浅草橋のオフィスに引っ越してくる前、ISAOは四ツ谷にありました。 ちなみに、1999年の設立時は六本木、五反田、そして四ツ谷ということで、今度は三鷹か?なんていう冗談もあったようです。 余談はさておき・・・ 四ツ谷のオフィスは、以前の親会社のビルだったということもあり、新生ISAOはとにかく早く引っ越しをしなければなりませんでした。 四ツ谷オフィスは立地に恵まれ、環境も悪くなかったのですが、僕たちが感じていた問題は、2階と3階の2フロアに執務スペースが分かれている点でした。 僕は主に3階にいたのですが、2階の人とはほぼ交わらないので、なかなか気軽に話ができませんでした。 かつ、L字型でしたので、同じ階であったとしても端から端まで見えないのです。 当時のISAOは業績が赤字だったのですが、僕は**「顔が見えない問題」**がチームの一体化を妨げる要因になっていると感じていました。 そこで**「引越しプロジェクトチーム」**を編成し、山手線周辺でオフィスを探すことにしました。 結果としては現在の浅草橋のオフィスに引っ越すことになったのですが、その時の一番の条件は**「ワンフロアに全員が入れること」**でした。 1フロアの良さ 赤字会社でしたので、とにかく賃料の安いところ。 でもワンフロアは譲れない・・・ 最終的に僕たちが決めたのは、秋葉原から徒歩12分。 どちらかというと浅草橋(というか住所は浅草橋)の現オフィスです。 少し古くて、駅からも遠めでしたが、**「運動不足解消にもちょうどいい」**なんて言い訳しながら引っ越しました。 2011年5月の連休に引っ越して、1フロアの良さは、すぐに実感できました。 1フロアに全員が集まったことにより「あれ、あの人誰だろう!?」ということが劇的に減ったのです。 意図せずに色々な人と社内で出会い、簡単に話ができることでお互いの理解が深まるチャンスが増えたと思います。 黒いパーテーション これが当時の写真です。 ワンフロアで、みんなが見える。 でも当時は、黒いパーテーションがありました。 このパーテーションが見晴らしを阻害していること、景観が黒くて暗く見えることが気になり始めました。 「見晴らしを良くしたい!」 そこで、次に取り掛かったのがパーテーションの撤去でした。 サイレントな抵抗勢力 とりあえず、いきなりパーテーションとっちゃえーと思い、社内SNSで「パーテーション取ろうと思うんですけど」と発言してみました。 すると、すごくノリが悪い。 積極的に「xxxだからダメ〜」というより、「なんとなくイヤだ」みたいな空気を感じました。 一応「見晴らしが良くなると、みんなの顔が見えて、近く感じるし、コミュニケーションも活性化するんじゃないかな〜」と言ってみましたが、なんというか見えない抵抗を感じます。 「仕事をしている様子が見られるのがイヤ」と思った人が多かったのでしょう。 いつまでも話してもキリがないと思ったので、結構強引に「パーテーションがなくなった状態の経験がないので、一回やってみよう。デメリットが多かったら戻そう」と言って断行。 しばらくやってみて、パーテーションを戻したいという意見もなかったので、結局取っ払ったパーテーションは捨ててしまいました。 セカンドモニターが邪魔! パーテーションがなくなってだいぶ見晴らしが良くなりましたが、今度はみんなの机の上にあるセカンドモニターが邪魔に思えてきます。 かくいう僕もセカンドモニターを使っていたのですが、あるメンバーが**「モニターがあると顔が見えないし、ノートPCだけで十分仕事できる」**と言い出したので、これも一回やってみようとなりました。 その時点では、デスクトップPCを使っている人もいたので、全社員をノートPC化し、卓上にあるセカンドモニターは全て撤去しました。 デザイナーやエンジニアが多い会社の方はよくわかると思うのですが、セカンドモニターはエンジニアにとって非常に重要です。 とにかく見晴らしを良くしたかった僕は**「最新のMacに変えてあげるから」とか色々口説いて、全ての人たちを渋々(?)納得させ、オフィスからモニターを100%撤去することに成功しました。** フリーアドレスへ ここまでのISAOは、部署ごとにいわゆる普通の「島」があって、座席は固定でした。 2015年10月にバリフラットになったあたりから、部署で固まって座る意味が少なくなり、今度はフリーアドレスにしようという話になります。 多くの人にとって、袖机をなくすことは一番の痛みでしたが、徐々に取っ払い、最終的には全てなくしました。 僕自身も、袖机を2つ使っていて、かつキャビネも一つ持っていたのですが、これを機会に全て中身を捨てました。 今考えると余分なものを沢山保管していたなと思います。
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  • バリフラットができるまで ⑧〜評価制度をぶっ飛ばす~

    今回は、コーチ制度をぶっ飛ばしたあとに、評価制度をぶっ飛ばした話をしたいと思います。 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす 一般的な評価制度の問題 評価は上司がするもの。 多くの会社での評価制度はそうなっています。 当たり前ではありますが、上司は選べません。 僕自身も過去、色々な上司と仕事をしました。 素晴らしい上司に巡り会ったときは、素晴らしいコーチングをしてもらえました。 また、良くも悪くも的確な評価をしてもらえます。 逆に、相性が悪く、役職者としてのスキルと人格が十分備わっていない上司に当たると、どうしようもなく、ただただ「早く人事異動にならないかな」と祈るしかなかったことを記憶しています。 いま思えば、上司から見れば僕は厄介な部下だったろうし、嫌われていたこともありそうです。 このように、マッチしていない人がコーチ(上司の役目)になり、理解したくもないのに評価する制度には無理があるのではないでしょうか。 360度評価について 一方通行の評価の限界を打開しようとして生まれたのが360度評価です。 人事的には、マネージャーが一方的にパワフルになることを抑止できるいい方法だと思っています。 ただし「本当に評価するべき人」を会社がパーフェクトに選ぶのは至難の技でしょう。 であるならば、コーチと同じで自分で選んでしまえばいい。 こうした経緯で、ISAOの「評価者を自分で選ぶ」評価制度が始まりました。 こう説明すると、「自分に甘い評価をしてくれる人ばっかり選んじゃったらどうするの?」と、必ず質問されます。 オープンが全てを解決する! 全てがオープンなISAOは、もちろん、誰が誰を評価者に選んだのかもオープンです。 そうすると自然に、甘い評価者ばかりを選ぶわけにはいかなくなります。 周りの人が「あなたの評価者選定おかしいよね」となるからです。 さらに、コーチも評価者を追加できる仕組みで、よりフェアな評価者選びを実現しています。 ISAOの人事評価 ここで、ISAOの人事評価がどうなっているのかを少し説明します。 ISAOの目標管理は、Googleで採用されているOKRをさらに進めたGKAを使っています。 GKAとは、Goal(目標)ーKR(成果)ーAction(活動)の略で、目標をオープンにし、それに向かった日々の活動をどんどん共有するというシステムです。 Goalousは、GKAをベースにした社内コミュニケーションサービスです。 ISAOは、Goalousで過去の活動や進捗度合いを見て、印象ではなく、実際の活動をしっかり確認して評価するのです。 Goalous上で、各目標に関しての評価をして、その上で「総合評価」を行う。 総合評価は、 定性的に・・・ 評価できることや、その人の今後の課題など 最終評価・・・ 等級を上げるべきか、そのままか、それとも下げるべきか これらのフィードバックを目的にしています。 等級を上げるべきか、下げるべきかは、非常にセンシティブなものですが、結局はっきり意見を言うべきだという考え方で、評価者全員にしっかり意見を言ってもらうようにしています。 バリフラット2.0は、評価を全社にオープンに バリフラットより前から、ISAOは、自分に対して評価者がどういった評価をしているかをフィードバックしていましたが、他の評価者のフィードバックは確認できませんでした。 バリフラットを始めて3年経った2018年のことです。 社内からの声により、バリフラットを更に進化させようと、「バリフラット2.0」プロジェクトチームが作られます。 評価に関しては、**「全ての評価を全社員にオープンにする」**という意見がでてきます。 これは2.0へのアップグレードの目玉の一つとなりました。 最初にそれを聞いたとき僕は、正直「そんなことは出来るわけないし、反対が強すぎて、難しい」と思っていました。 そこで、思い切ってみんなに聞いてみました。 すると、ほとんどの人から「問題ない」「そうすべき」と答えが返ってきたのです。 僕のオープン哲学を、TeamISAOが上回った瞬間でした。
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  • バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす~

    今回は「コーチ」という課題にどう取り組んだかを書きます。 それまでの組織での「役職者の役割」を考えてみた バリフラットの枠組みを決める経営合宿で、プロジェクトリーダーを決めることで、事業運営に、役職者が必要ない仕組みにした話を前回書きました。 前回の記事はコチラ➡バリフラットができるまで⑥〜フラット化の総仕上げと部署の消滅 しかし、役職者の担っていた役割はそれだけではありません。 役職者たちは、その部のメンバーたちを評価したり、コーチングしたりと人材育成の観点で、非常に重要な役割を担っていました。 役職者のないバリフラットで、それらをどう担保するのか。ISAOが考えたのはコーチ制度でした。 コーチの役割は、メンバーと「キャリアプラン」を話し合い、その成長に貢献することと定義しました。 初期のコーチ制度 バリフラットスタート時のコーチ制度は、全体を見渡している経営メンバーたちが、個人個人に対して、適切だと思われるコーチ候補を数人提示し、本人にその中から選んでもらう、というものでした。 今振り返ると、成長に厳しく向き合わず、イージーな関係を構築できる相手を選んでしまうのではないか、社員一人ひとりがその人にとって適切なコーチを自分で選べないのではないか、と恐れていたのだと思います。 ISAOでのコーチは**「360度評価の取りまとめ」**という役割も担うので、自分と仲のいい社員をコーチとして選び、評価が甘くになってしまうことも危惧していました。 100%自分で選ぶコーチ制度に バリフラットがスタートした2015年10月から2年間ほど、この仕組みで運用をしたのですが、会社が提示するコーチ候補がベストではなく、本人にとってみれば他の人がいいという状況がポツポツと起こり始めます。 そこで**「コーチを変えたい」**と申告をしてきた人は、都度話をして、経営メンバーが納得すればコーチを変えられるという仕組みにしました。 何回かそういった話し合いを繰り返し、僕たちは思いました。 「もう、自由に選べばいいんじゃないか」 こうして、100%自分で選ぶコーチ制度が始まりました。 誰が誰をコーチに選んでいるかは当然オープンなので、自然と規律をもった選択をみんながすることもその後証明されています。 オープンはこんなところにも効いてきます。 コーチ資格 とはいえ、コーチングにはスキルが必要です。 コーチの候補者には、社内コーチング研修を受けてもらい、コーチをやっている人たちが集まって、悩みを相談し合う座談会のようなものを開催し、コーチングスキルを高める取り組みをしています。 もう一つの課題。 自由に選択した場合、多くの人が自分と同じ職種のシニアをコーチに指名する傾向があるのですが、コーチングスキルが足りないために、スキルの話に終始してしまい、メンバーの成長をサポートできないケースが出てくることです。 その場合、本来の目的であるキャリアプランの相談相手になれないのであれば、自主的に降りてもらうことも含め話し合いをします。 コーチはボランティア バリフラットの運営において、重要な役割を担っているコーチですが、コーチングでの手腕を評価してしまうと、結局昔の「中間管理職」的な考え方になってしまう危険があります。 そこでISAOはコーチとしての成果を、自分の評価に反映していません。 もちろん、チームに対しての貢献ではあるので、ある程度の底上げはありますが、コーチングの成果の評価はしないのです。 これは、コーチングに過大な時間をとってはいけないというメッセージでもあります。 どう効率的に、いいコーチングをするか。 これは永遠の課題ですが、しつこく取り組んでいきたいと考えています。 コーチのみ 会社だけのコミュニケーションだと、深い話がしきれないという理由で、コーチとメンバーが外でお酒も含めた食事をしながら話すことをサポートする制度が**「コーチのみ」**です。 コーチのみは、基本1対1での食事で、会社が1万円を補助するという制度です。 多くのペアがこの制度を利用して関係性を高めています。 人気コーチにメンバーが集まりすぎる問題 ボランティアといいつつ、コーチになればそれなりに時間が取られます。 そして、コーチとして人気のある人には、メンバーが自然と集まってしまう。 一人ひとりはそんなに時間がかからなくても、たくさんの人をコーチするとなれば、それなりに時間がかかってしまう。 また、一人一人とコーチのみしていたら、そのうち肝臓の問題も出てきそうです。 この問題はいまだに解決はしていません。 コーチできる人数制限を設けるかなどのアイデアも含め、今後解決していかなければならない課題だと思っています。 コーチは、いつでも変更可能 いまでは、自分の成長段階や、課題に応じて自由にコーチを変えることができるようにしました。 人事や経営のメンバーに相談する必要もありません。 自分で考え、自分で決める。 「自主性」を重んじた制度に進化しているのは嬉しいことです。 コーチを軸にした評価制度の確立 上述しましたが、コーチは360度評価の取りまとめ役を担っています。
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  • バリフラットができるまで ⑥〜フラット化の総仕上げと部署の消滅 ~

    これまでの話をまとめると、ISAOは2012年頃から情報のオープン化を進め、それに伴い不必要なレポーティングラインを削減することで、徐々に組織をフラット化してきました。 前回は、その状態から最後「すべての役職をなくして、完全にフラットにしよう!」となった瞬間の話でした。 そこで、今回はそう決めてから、バリフラットになるまでのプロセスの詳細がどんなものであったかを書きます。 経営合宿 前回の「もう部長もやめませんか?」は2015年9月10日頃の話でした。 ISAOは決断してから実行するのがとても早い会社です。 バリフラット以前の部署のある組織だった時も、部署移動は「決めたらすぐ」というパターンがほとんど。 もちろん、本人や関係者はある程度の期間しっかり考えていて、最後決断するプロセスなのですが、直接関わっていない人からすると、あまりにも突然人が動いているように見えます。 社員アンケートを取ると「スピーディなのはいいが、乱暴すぎるのではないか」という意見も出るほどでした。 ただ今回の、「役職を取っ払い、階層をなくす」というアイデアが出た時は、「でも、実際どうって運営するの?」という課題があり、即日とはいきませんでした。 役職をなくすということは、部署も全部なくすということ。 「あれ?部署なくなったら、事業計画ってどうすればいいんだろう?」 「上司がいなくなったら、評価ってどうする?」 「責任持って各領域をコントロールする人がいなくなったら、業績悪くなっちゃうのでは?」 などなど、考えれば考えるほど、課題が出てきます。 こういう時は合宿です。 合宿は9月20日頃行われました。 部署をなくした事業運営 部署がなく、役職者がいない事業運営は、バリフラットに興味を持った人がまずは疑問に思う項目です。 ただ、実際の事業運営は、思ったほど普通の組織と違いません。 ISAOでは部署はありませんが、各事業をプロジェクトと位置付けています。 各プロジェクトは、必ずプロジェクトリーダー(PL)を作ります。 PLは、そのプロジェクトのまとめ役であり、最も責任感が高く牽引する役割を与えられています。 こう説明をすると、「結局、PLって中間管理職みたいなことでしょ」と皆さん思われますが、それは違うのです。 部長はいつも偉い。でもPLはそのプロジェクトのリーダーであるだけ。 どんな会社でも、部署として行なっている事業だけでなく、色々なプロジェクトがあります。 例えば、社内を横断するようなプロジェクト。 社内横断プロジェクトでも、部長が入っていたら若いメンバーが最終決定者・責任者になることはない。 部長はいつも部長として、一段高い立場になることが普通です。 ISAOのPLは、そのプロジェクトだけのものですから、いつの時でも偉い部長とは根本的に違います。 あるプロジェクトではPLでも、その他のプロジェクトに参画する時は、メンバーであるのがISAOでは普通なのです。 それは僕であっても同じ。例えば僕は、経営プロジェクトではPLですが、採用やブランディング、Goalousなどのプロジェクトではメンバーとして、活動しています。 ですから、それらのプロジェクトでは、メンバーとして意見は言いますが、最終的な方針の決定は各リーダーに委ねられています。 もちろん、メンバーとして参画している以上、その役割の中での成果は当然求められますよね。 「絶対的に高いポジション」は存在しない。 それがISAOのバリフラットなのです。 上司のいない組織の評価制度 バリフラットの原型を作った経営合宿で、一番難題だったのが評価制度でした。 普通の会社では、部門長が部下の評価をするのが、評価制度の根幹です。 バリフラットに、上司は存在しない。 いっそのこと「評価なんてしない」など、ぶっ飛ばしたアイデアもありそうです。 10日後に始まるバリフラット。 僕たちの決断は、新しい「コーチ制度」でした。 次回、バリフラットのコーチ制度について書きます。 続きはコチラ バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす
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  • バリフラットができるまで ⑤〜バリフラットにした瞬間の話~

    「バリフラットができるまで」は、まだまだ続く予定ですが、ここで徐々にフラット化していたISAOが、最終的にバリフラットにした瞬間の話を書きたいと思います。 想定していなかったバリフラット 前回のブログ「④〜オープンが先か、フラットが先か」で、トップ・部長・みんなという三階層になるまでの経緯を説明しましたが、その頃の僕は正直なところ**「このくらいがフラット化の行き着くところかな」**と思っていました。 ところが、僕が思ってもいない形で、バリフラットへISAOは進むことになります。 きっかけは、小泉部長の長期海外出張 テレビや取材を受けるといつも注目の的の小泉さん。 56歳で初めて営業となり、2年でエースになった人です。 詳しくは過去ブログでどうぞ。 「年齢は関係ない。成長し続ける還暦トップ営業マン」 小泉さんがインドへの長期出張から帰ってくるタイミングで、**「あれ、元の部はもう若手が部長やってるし、どうしよう」**となったのですが、ISAO的な考えでは、誰かのために不必要に新しい部署を作るということはしたくなかった。 とはいえ、ISAOの大功労者である小泉さんをどう処遇するかは、大きな課題でした。 全然いいアイデアが思い浮かばなかったのですが、もう一人の部長が突然僕に言ったんです。 「もう部長も止めませんか?」 えっ?かなりびっくりしました。だって、少なくなった中間管理職的仕事とはいえ、まだ部長には部門をまとめる役割をもってもらっており、マネージャーとして機能していたからです。 彼は、続けます。 「この会社は、ほとんどみんなが管理する仕事をせず、生産性のある仕事を求められている。それによってみんな成長しているし、その点では、逆に部長であることは足かせになっている。自分たちも他のメンバーと同じようにフラットな立場になった方が、会社にとっても、自分たちにとってもいいはずだ」 なるほど・・・ コンフォートゾーンから飛び出した部長たち 部長という仕事は、みんなのサポート役であり、直接現場にでて生産性のある仕事をする機会は少ない。 でも、組織さえうまく回っていれば、非常に安定していて、給料だってみんなより高い。 そんな彼らが**「そんなの捨てて、自分の身一つで勝負する」**と言い出したのです。 この話を始めたのが、小泉さんが帰ってくる3週間前。 2週間前には、当時の部長たちを集めて合宿をしました。 部長なしに、どうやってビジネスや組織を回していくのか。 そのエコシステムをとにかく徹底的に話し合いました。 一日中話して、夜は飲みに繰り出します。 「自分はxxxをやろうと思う。あなたはどうする?」みたいな話を延々としたことを覚えています。 彼らは担当としての仕事を持っておりませんので、すべてゼロからのスタートになりました。 言い出しっぺの営業部長は、営業として売上ゼロから再スタートです。 一番大きな部門を担当していた部長は**「新たなビジネスを一人で始める」**ことになりました。 すごくないですか? そのままだったら安定しているのに、わざわざイバラの道を自分たちで選んでしまいました。 挑戦して、成長し、証明した部長たち 小泉さんや他の部長たちが、一番率先してヒエラルキーをぶち壊し、ゼロからの再スタートをし、その後全員が成功したことで、ISAOでは若くても、多少歳をとっていても「経験がないからできない」という言い訳は通用しなくなりました。 **「いくつになっても挑戦できる」「成長に年齢は関係ない」**というこの実績は、バリフラットの副産物として最も大きな資産になりました。 ISAOでは、歳や経験がないことは、挑戦できないことの言い訳にならないのです。 このようにバリフラットの仕上げは、僕にとって思ってもみなかった展開でした。 ISAOや僕の背中をドンっと押してくれた、サイコーにファンキーな当時の部長たち、ありがとう!! 続きはコチラ➡ バリフラットができるまで ⑥〜フラット化の総仕上げと部署の消滅
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  • オープンな組織でクローズにすべきこととは!?

    オープンな組織でもクローズに話し合うことはある ビジネスパーソンにとって、情報とはパワーです。 いかに情報を持っているかで、社内でも社外でもパワーを持てるようになります。 ISAOでは、全社員が最高のパワーを持って経営参画できるようにするため、情報格差ゼロを目指しています。 一方で「なんでも全員でコミュニケーションするのですか?」という質問に関しては、「それは状況に応じて」と答えます。 オープンな組織で、クローズにコミュニケーションが行われるときとはどんな時でしょうか。 こんな時はクローズで 例えば、個人のメンタルに関しての課題や、チームの中でうまくいかないことがあるときに、周りが「どうしよう」と集まって話すとき。 全社員を巻き込んで話し合うというのも違いますよね。 ISAOでは、まずは関係する人が集まって話をします。 ここで大切なのは関係する人”全員”を立場に関係なく集めるということです。 その課題に関して話し合うべき全ての人を呼びましょう。 逆に「偉いから」みたいな理由は、呼ぶ理由にはなりません。 あくまでその課題解決に関して貢献できる人という観点で人を集めます。 (注)ISAOではバリフラットなので、そもそも「偉い」という概念はありませんが、ヒエラルキーのある組織の場合 みんなの時間を使うべきでないと思えば、まずは少人数で話す また、まず隣の人と相談してというときも、クローズというか、こじんまりした人数で話すことをお勧めします。 必要に応じて、人を継ぎ足していきながら、必要な会話をします。 これはクローズというよりも、他の人の時間を不用意に奪わないことが、組織の効率的に重要だということでもあります。 なので、聞かれても構わない話は、できるだけオープンスペースで話すことをISAOは心がけています。 クローズな話をオープンにしていく 少人数で話し始めたことでも、結論や方向性が決まったらどんどんオープンにしていきましょう。 できるだけ多くのことをオープンにすることで、情報格差はなくなりますし、さらにその課題に対して何か意見がある人がいれば積極的に取り入れていくことができるようになります。 とにかくスピード 大切なのはスピード。タイムラグを作らないことです。 決まったらとにかく共有する。 タイムラグがなければ、一部の人だけが情報を持っていて、情報格差が生まれる構図は解消できます。 いまは情報を共有する社内SNSなどのツールはたくさんありますし、ひと昔前にはできなかったスピードで情報共有ができるようになっています。 ISAOが提供するサービスである「Goalous(ゴーラス)」では、単なる情報共有に止まらず、自分たちの目標やそれに向かう活動など、全ての社員に重要な情報を共有し、最強のコラボレーションを生み出すことを目指しています。
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