ジョブ型雇用へ移行していく日本に対して思うこと
最近、「日本も旧来のメンバーシップ型雇用から、欧米のようなジョブ型雇用に移行していくべきだ」という論調をよく耳にします。 この動きに関して、僕が思うことを書きたいと思います。 メンバーシップ型雇用と、ジョブ型雇用 メンバーシップ型雇用は、これまでの多くの日本の会社が取り入れていた雇用形態です。まず雇用して、その人に仕事をつけていくという方式。 それに対して、ジョブ型雇用は、欧米で多くの会社が取り入れている雇用形態。ジョブディスクリプション(職務記述書、職務内容を記載した文書のこと)で募集をかけ、人材をマーケットから雇用する方式です。 メンバーシップ型は、一つの会社に長くいることを念頭に設計されています。 周辺の環境によって、個人の仕事の内容は、変化させていくことを前提としています。過去の日本では、メンバーシップ型と終身雇用をワンセットにして運用していましたので、雇用は安定していました。 欠点としては、職種として尖った能力がつきづらいということ。 ただ一方、ゼネラルな能力を養う機会が多いので、その点では優れていると言えると考えます。 対してジョブ型は、スペシャリストを育てやすい方式です。 ジョブディスクリプションを前提に採用しますので、入社前の想像と実際の仕事のミスマッチも起きづらい。 一方で、特定の仕事がなくなれば、他の仕事をアサインすることは稀なので、その会社の置かれている状況が変わったり、期待しているレベルに合わなければ、解雇される可能性もあります。 いまの日本の方向性 最近の新聞などでの風潮は、 「いままでメンバーシップ型雇用を続けてきたため、専門性が弱くなり、人あまりの中、組織の足を引っ張る人材が増えてきた。これからはジョブ型雇用で、日本の会社も組織をリーンにすると同時に、人材の専門性を高め、国内の人材流動性を上げることで、競争環境を作り出し、それによって経済を強くするんだ」というようなものです。 確かに、メンバーシップ型雇用形態と、それに合わせた組織運営がここ30年日本の競争力を下げてきたことは否定できません。 ▼関連記事 失われた30年は誰の責任か ではジョブ型の雇用環境になると、どんな感じになるのでしょうか。 ジョブ型は、幹部候補とその他の選別が早い 今から10年前、僕はヨーロッパで働いていました。 そのとき、この雇用の考え方が欧米と日本では大きく違っていることを肌身で感じていました。 欧米のジョブ型雇用は、専門職としてのスペシャリティを上げる効果があるなと感じています。 それと同時に、将来会社のマネジメントとしてのハイレベル人材になれるかどうかの選別は、日本に比べて圧倒的に早い。 30代前半くらいまでに、マネジメント・ハイレベル人材候補か、その他かの選別はほぼ終わります。 90%の人は、専門職として色分けされ、ハイレベル人材になるチャンスは早々に失われることになります。 一方、日本のメンバーシップ型で運用している会社では、40代半ばくらいまでは、多くの人にチャンスが残される仕組みになっています。 ただ、早いうちからキャリアの行く末が決まっていくことは、悪いことばかりではありません。 仕事だけでなく、トータルの人生設計をその人なりに作っていく時間もたくさん持てることになりますので、どちらも一長一短あると言えるでしょう。 ジョブ型雇用の問題点 僕が、ヨーロッパで会社を運営していて、ジョブ型に偏りすぎると問題だと思ったことはあります。 「ジョブディスクリプションに書いてある仕事以外にはしません」という人が多いことです。 チームで仕事をすると、人と人の仕事の領域の間に隙間が必ずできます。 そのときに「誰もそれをやらない」というチームでは、野球で言えば相手チームにポテンヒットを量産されるような状態になります。 「なんでもやる」とまで言わなくとも、「チームでやらなければならないことは、誰かがやる。その誰かに自分も入っている」というメンタリティは必ず必要なのです。 ですから、ジョブディスクリプション一辺倒でも会社はうまく回りません。 僕が当時のメンバーたちと話していたのは、欧米方式と、日本方式のちょうど中間くらいのやり方がいいよね、ということでした。 こういった発想に、日本の社会で育ってきた僕と、欧米の会社でキャリアを重ねてきたヨーロッパのメンバーがいきついたことは、とても興味深いことでした。 専門力を磨きながら、ゼネラルな力も身に付けることで最強のビジネス人材に こういった過去の経験も踏まえて、今後の企業の進むべき方向を考えてみました。 従来の日本的なメンバーシップ型から、大きくジョブ型に寄せていきつつも、専門分野以外の部分も20%程度は関わりながら仕事をしていくことが理想的な割合でしょうか。 そうすることで、専門的な力を伸ばすことに集中しつつ、ゼネラルなビジネス力も同時に養い、経営感を持ってチームに参画できるメンバーになれる。 社会全体でも、メンバーシップ型雇用の甘えの側面が払拭され、より健全に成長を目指せる環境が整うことが、日本全体の競争力も上げていくきっかけになるのではないでしょうか。 ▼SNS型目標管理ツール「Goalous(ゴーラス)」で、成長する組織へ...マネるだけでは、一流のビジネスパーソンになれない理由
なぜ、見本となる一流ビジネスパーソンの近くにいる人でも、マネをするだけで同じようになることは難しいのでしょうか。 自分自身を成長させていくために、自分より経験があって一流だと思う人を観察している人は多いと思います。 「何も考えずに、一流だと思う人をコピーしろ。そうすれば自然に一流になれる」みたいな記事を見ることもあります。 これは、半分正解、半分不正解です。 一流の営業マンの話① 営業を例にとって説明したいと思います。 以前、参加した知り合いの営業セミナーで「最強の営業メソッドはなにか」を教えてもらって、なるほどと思ったことを紹介します。 まず、彼は参加者にまずこう聞きました。 「最強の営業、勧められたら絶対に買ってしまうものってなんだと思いますか?」 うーん、なんだろう。わからない。 「それは医者の処方箋です。処方箋を出されて、その薬買わない人はほとんどいないでしょう?」 それって営業!?と思いましたが、話を聞いてよく考えてみると、実は営業のエッセンスが詰まっています。 医者が処方箋を出すまでのプロセスを想像してみてください。 「今日はどうしました?」と聞く…アイスブレーク。相手に話をさせる 「なるほどxxが調子悪いんですね」…共感 「では、こんな薬を出しますね。これはxxによく効きますので、2日くらい飲み続ければ治ります」…ソリューションの提案 「この薬は5年前に出て、いまこの病気の治療薬として主流になってます」…実績を説明し、権威を裏付け 「では、お大事に。これでまだ調子が戻らなかったら3日後に来てください」…クロージング&次回へのつなぎ 営業と全く同じプロセスなんです。そして完璧なプロセスです。 一流の営業マンの話② ヨーロッパで仕事をしていたとき、僕のメンターは、部下のベルギー人でした。 彼は営業チームのリーダーで、同じ職種として僕より経験があり、またマネージャーとしても成功してきた人でした。 変な話ですが、僕は立場とか役職とかでのプライドはほぼないので、素直に部下である彼にたくさん教わりました。 あるとき彼は僕に質問しました。 「ケイジ、できる営業と、できない営業の違いってなんだかわかるか?」 なんだと思いますか? 彼は言いました。 「どんな場面でも”注文くれ”と勇気を持って言えるかどうかだ。君もいままでそうやってきたはずだ」 たしかに僕はそうやってきましたが、理論的にというわけではなく、ただなんとなくそうした方がいいと感じて自然にやってました。 彼曰く「注文くれ」に対しての反応は3種類しかないそうです。 まずは2種類。 YES→すぐ注文もらえばいい NO→注文をもらえない、これ以上時間を費やすのは無駄 これは簡単ですね。 確かに、ここをはっきりすれば、YESにしてもNOにしても無駄な時間を使うことはなくなりそうです。 (注)もちろん、実際は中期的な戦略などもありますので、もう少し複雑ですが、ここでは超単純なところだけ書きます。 もう一種類はなんでしょう。 それは、”NO, BUT”です。 これは、「NOなんだけど、xxを解消してくれればYESになります」という意味です。 ですから、BUTを解消するか、しないかを判断して、最終的にはYESなのかNOなのかに分類することができるようになるのです。 こうやって無駄な時間を削ぎ落としていくことで活動量を上げて、できる営業はどんどん注文が取れるようになるというメカニズムです。 簡単ですよね。僕は目から鱗でした。 できない営業はこの最後の一言が言えない。 逆に言えば、多少やり方が悪くても、この最後の一言を言える方が良い営業になれる。 彼は、僕が直感的に理解していたことを、論理的に説明してくれました。 これによって、僕はこのことを若い営業マンに伝えることができるようになったのです。 なぜ、先輩の一流営業マンのマネはできないのか 実は、一流の営業マンは、論理的にか直感的にかはともかくとして、これらの必要とされるプロセスをわかっています。 しかし厄介なのは、毎回全く同じプロセスで顧客と話をするわけではないことです。...ダイバーシティな強いチームのつくり方
Colorkrew(以下、カラクル)は、日本に留まらないビジネスを目指していますので、チームはダイバーシティ(多様性のあるチーム)が前提となっています。 そんな僕たちが、性別・年齢・国籍・学歴などの属性に関して多岐に渡るメンバーで、どう強いチームを構築していこうとしているかを書きたいと思います。 ラベリングについて 「ラベリング」という言葉をご存知でしょうか。 僕が考えるに、多様性のある強いチームつくりを阻害する最も有害なものです。 ラベリングとは、ある人物に対して、「この人は~だ」と、評価を固定する行為のことです。 ステレオタイプという言い方もできます。 世の中には、属性に関するラベリングが溢れています 例えば 「日本人」は自分の意見を言わない 「欧米人」は同じ会社に長く勤めない 「女性」は結婚したら仕事をセーブする 「学歴」が高い人は仕事もできる 歳をとったら、逃げ切りマインドになって成長意欲がなくなる などです。 世の中はラベリングが大好きです。 その理由は、それをすると簡単に理解できた気になるからでしょう。 しかし、こういったラベリングをしてしまうと、目が曇りますので、本質的で正当な評価をすることができなくなります。 ラベリングは全部間違いか ではラベリングによる理解は全て間違っているかというと、実はそうでもありません。 上記の例なども”傾向”としては、僕は確実にあると思っています。 僕がヨーロッパで働いていたときの話です。 ヨーロッパ人から見た日本人は自分の意見を言わず、大人しいというのがラベリングでした。 でも僕自身は意見も言うし、大人しくもありません。 むしろ「日本人」のラベリングを変えてやろうと思って、思いっきりその逆をやってみたりしてました。 攻撃的すぎた時期もありました。 仕事でも、プライベートでも、ちょっとでも「日本人は大人しい」と思われてると思ったら、どこでも噛み付いてました。 当時の同僚や取引先の皆さん、申し訳ありません。 若気の至りということで許してください。笑 でも冷静に考えると、一般的に日本人は大人しくて、意見を言わない傾向は、認めざるをえませんでした。 ただ、自分は違うので、そのラベリングされたくなかったのです。 何が言いたいかというと、属性に対して「傾向」があることは否定すべきものではないということです。 しかし、全員がそうではない。だから「ラベリング」をしてはいけないのです。 どんな人を見る時も、まずはラベリングせず、その人そのものをしっかり見て判断していくことが重要です。 誰しも自分の固定観念があり、ラベリングをしてしまいがちですが、そんなときは「〇〇は、△△だ」ではなく、「〇〇は、△△という傾向がある」と置き換えてみてください。 その属性に対しての全員を決めつけなくて済むようになります。 事情を理解して、平等に接する。そしてカバーし合う。 仕事に話を戻しましょう。 多様性を受け入れて、ラベリングをしないカルチャーになったとします。 では、全員同じように接すればいいのでしょうか。 全員に同じような働き方を求めることができるでしょうか。 残念ながら、そうシンプルにはなりません。 全てのメンバーが異なる多様性を持ち、かつ置かれている環境も違います。 例えば、小さな子どもを持つ人であれば、子どもの体調で急に休んだり早退をしなければいけないこともあるでしょう。 日本以外の国から来ていれば、ときには日本人よりも長い休暇を使って自分の国に帰らなければいけないこともあるでしょう。 これらは一例ですが、100人いれば100通りのバックグラウンドがあり、個別の事情があります。 ここで重要なのは、まずは全員に対して平等な機会が与えられる環境にしていくということです。 その上でそれぞれの突発的な事情は、フレキシブルに考慮する。 例えば独身の人の方は、子どもがいる人よりも突発的な事情で休むことは少ないでしょう。 もしチームの誰かが突発的な事情でリソースが足りなくなった場合、時間がある人、体力のある人がカバーしていけばいいのです。...シゴトたのしく!は正しいのか
Colorkrew(以下、カラクル)は、世界のシゴトをたのしくするビジョナリーカンパニーを目指し、GoalousやMamoruなどのサービスを展開しています。 今回は、そもそも仕事とは楽しくあるべきなのか、それとも厳しく苦しいものなのか、と世代間で意見が割れそうな話題を考えてみたいと思います。 仕事は苦しくて当然という考え方が当たり前だった平成初期 僕が社会人になった27年前、多くの社会人の先輩は「仕事は厳しく、苦しいのが当たりまえだぞ」と教えてくれました。 もちろん「楽しくやるべきだ」という人もいましたが、少数派だったと記憶しています。 「なんかイヤだなぁ」と思いつつも、「そういうものなんだ」と思っていました。 あれ?全然苦しくない!?の経験 働いてしばらく経って振り返ったとき、僕にとっては仕事は苦しくないということがだんだんわかってきました。 むしろ楽しい。 できないことができるようになっていくことの喜びもありますし、チームの関係がとても良かったので、先輩方にもとても良くしてもらったからかもしれません。 ただ、周りには確かに苦しそうに仕事をしている人たちも結構いました。 仕事は厳しい 一方で「仕事は難しいし、厳しいな」とは感じていました。 若い頃はできないことが沢山ありますし、経験が浅いので、いまだったらなんでもないことでも、つまづきまくります。そういう観点では、日々プレッシャーもあり、厳しさもしっかり感じていたことを覚えています。 難しい・厳しいとは思いつつも「楽しい」と感じていました。 では、苦しいと思っている人たちとの違いはなんだろう、また何が苦しさを生み出すのかを考えてみたいと思います。 仕事そのものが苦しい 一つは「仕事そのものが苦しい」です。 長時間労働で身体がキツい 難易度が高すぎる 無意味だと感じる仕事をやり続けているので苦痛 などの理由があるでしょうか。 ただ、こういった要因に関しては、現在ではどんどん少なくなっているのではないでしょうか。 現代において、長時間労働は悪という考え方は徹底してきています。 コンプライアンス的な観点から、スキルとギャップがありすぎる仕事に取り組まなければならないこともあまりなさそうです。 また、人間がやらなくていい単純作業などはどんどんコンピューターや機械がカバーしていく傾向です。 そう考えると、「仕事そのものが苦しい」は昔と比べるとどんどん少なくなっているはずなのです。 人間関係が苦しい 仕事そのものの苦しさ以外で、理由としてありそうなのが、人間関係です。 仕事の人間関係は、普通の人間関係と違います。 通常は、人と人との関係はフラットですし、お互いに求めなければ関係を継続する必要はありません。 しかし、仕事の人間関係は、フラットでもなく、それを求めていなくても関係を続けていかなければならないものです。 ある調査によれば、半数以上の人が人間関係の難しさが原因で転職を考えたことがあると答えています。 その中でも、先輩や上司との関係、いわゆる「縦の関係」が最も難しくなりがちです。 理不尽が苦しいの正体 実は僕個人的には、20代の頃でも「縦の関係」は難しくありませんでした。 いま振り返るとそれは、理不尽がなかったからだと思います。 いわゆる昭和型の上司部下モデルは、パワーバランスでは上司が圧倒的なので、部下は最終的に言うことを聞かざるをえません。 議論をしていてもフラットにできず、「アイデア」ではなく「誰が言ったか」で物事が決まっていきます。 その上で、上司から部下に「やれ」という命令(指示)になれば、”理不尽”なことをされたというモヤモヤが残ります。 この”理不尽”が、人間関係における苦しいの正体だと僕は思っています。 仕事苦しいは悪 仕事そのものが苦しいのは、テクノロジーの発展した現在において、時代遅れになっているということ。 時代に遅れればその会社はダメになっていくので、当然なんとかするべきです。 そして、人間関係が苦しいに関しては「無駄なストレス」ですので、これも解消するしかない。 カラクルはバリフラットで役職もないので、自然に縦の関係のストレスはない仕組みにはなっていますが、一般的な階層型の会社でも、役職を「役割」とみなして、人としての上下関係をなくす努力をすれば解消に向かっていきます。 仕事そのものと、人間関係を改善すれば、まず「仕事苦しい」は脱却できるでしょう。 シゴトたのしい では、この二つを解消すれば「シゴトたのしい」になるのでしょうか。 僕の答えは「NO」です。...在宅勤務を監視する会社が滅びる理由
みなさん、リモートワークしてますか? 新型コロナウイルスでの緊急事態宣言が2020年4月6日。 ”全員が”リモートワークしている期間が長くなってきた会社も多いのではないでしょうか。 ISAOでは、目標をオープンに掲げ、活動をシェアする「Goalous」に関して、**「リモートワークで活動が見えないので、導入を検討したい」**という問い合わせが、ここ2ヶ月で急激に増えています。 なぜ活動の見える化なのか 会社のマネジメントが活動を見える化したい、と言っている目的には大きく2種類あります。 一つは、**「お互いの活動を理解し、コミュニケーションを活性化させることで、コラボレーションやイノベーションを起こそう」**という目的。 もう一つは、**「仕事をちゃんとやっているかわからないから監視したい」**という目的です。 一つ目の「相互理解」を深めようとする会社は、これからの時代に成長する会社です。 二つ目の「監視」しようとする会社は、その逆です。これからの時代には滅びゆく会社でしょう。 監視しようとする会社は時代遅れ 在宅勤務が多くなって、マーケットでは今まで注目されてなかった監視ツールが話題になったりしています。 僕が見たものの一つは、着席したらON、離席したらOFFにするPCでの監視ツール。 何分かに一回、PCのスクリーンショットが上司に送られたり、カメラでずっと撮られてたりするようです。 僕の第一印象は「怖っ!」でした。 これって、オフィスにいる時の何十倍も監視されてますね。下手にデスクトップに変なファイルも置けません。笑 監視している上司は「さっきからずっと画面が変わってないじゃないか!」とか言うんでしょうか。 ISAOでこの話をしたときの反応 このツールは、Goalous内のサークルでも話題になりました。 それに対する社内のコメントは、多くが「マジ!?」という感じでしたが、その中の一人のコメントが秀逸だったので、ご紹介します。 ”「上有政策下有对策」 上に政策あれば下に対策あり。中央政府などが、いかに政策を施行しようとも、民衆(又は地方政府)は、それを潜脱する方法を考え付いて、政策を骨抜きにするものである。” 特に、こういった生産性に全く貢献しない政策は、社員からも支持されることはありませんので、対策されるのでしょう。 監視ツールを入れるのはお金の無駄、それを監視するのも、対策するのも時間のムダです。 このツールを出した会社をどうこう言うつもりはありません。 そういった需要があるから出しているのでしょうし、テクノロジーに罪はありません。 問題なのは、社員を監視することがマネジメントだと思ってしまっているユーザー企業なのではないでしょうか。 上意下達で組織や部下をコントロールすれば業績の上がる時代は終わった 歴史の長い会社の多くは、高度成長期の組織の成功モデルを引きずっています。 それは**「マニュアルをつくり、全員に同じことをやらせる」**です。 プロダクト中心の時代。 方向性は「性能アップ」と明確で、イノベーションを起こすのではなく、過去の成功体験をさらに重ねていくことで成功した企業が多かったことから、こういった文化が生まれました。 こういった組織では、上司の権限が強く、部下とフラットな場所で議論をすることはありません。 **「上司の言うことを聞いていればいい」**そんな時代でした。 しかし、その時代は終わりました。 未来へ向かっての取り組みに、過去の成功体験が役に立たないレベルに、世の中の動きが早く、アナログはデジタルに、競争の定義も一変しています。 上意下達ではなく、社員全員が知恵を出し合い、総合力を発揮しなければならない環境になったのです。 業務中にプライベートが割り込むのは悪か 少し話が逸れますが、以前からISAOは**「業務時間中にプライベートが割り込んでもいい」**という考え方を持っています。 もちろん、仕事を全くしないなんてことになればダメですが、日中にしかできないことも多いですし、子どもがいる家庭では、子どもや学校の対応をしなければならないこともしょっちゅうです。 また、仕事の関係でWebを見ていても、ちょっと興味のあるくだらないコンテンツに目が行くのも人情でしょう。 仕事で成果を出すというプロとしての意識があれば、適当にバランスを見ながらそういったことをやっていくのは悪いことではありません。くだらないコンテンツでも、見識の幅を広げる機会になることすらあります。 むしろ**「仕事のこと以外、業務中は一切考えません」**なんて方が不健全です。 こういったことを言うと「業務時間に対して給料払っているんだから、そんな考え方はおかしい」と思う人もいるかも知れません。 しかし、現代ではみんなスマホを持っていて、業務時間以外も仕事に追われます。 そして、必要あれば業務時間外でも対応しなくてはいけないこともあります。 そういったことを会社が求めている限り、逆もまたしかりで、うまくバランスをとってやっていくのがオトナの集団としての考え方です。 最近の強制在宅勤務では、赤ちゃんを抱えながらビデオ会議に出ているメンバーがいたりします。 本人は発言するとき以外はミュートで、あやしながら参加してるのですが、見ている方は結構和みます。笑 結論としては**「細かいことは気にせず、プロとしての成果にこだわろう」**ということです。...年齢は関係ない。成長し続ける還暦トップ営業マン
今年、還暦を迎えた小泉 介更さん。 元々、中間管理職「事業部長」であったのに、現在はなんと営業のトップ成績を取り続けるスーパー還暦営業マン! そんなISAOの営業チームを強く、また自分自身もトップを走りつづける小泉さんに終業後、インタビューさせていただきました! 年齢は関係ない。成長し続ける還暦トップ営業マン [caption id="" align=“alignnone” width=“800”] 終業後、社内のキッチンスペースでお疲れ様の一杯とともにインタビュースタート♬[/caption] 原田:小泉さん、改めて還暦おめでとうございます! 小泉:ありがとうございます! 原田:今年、会社で還暦パーティーを開催されていましたが、改めてご自身の気持ちの変化やなにか感じられたことはありましたでしょうか? 小泉:あのね、そもそもね!還暦ってなにって話になっちゃうんだけど。笑 還暦って十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせが60種類あって、干支が一回りするのが60年。だから人間は60歳も生きれば上等という時代の産物なわけですよ。でもね、今は人間100歳生きる時代だから、本当は十干と十二支に裏表つけて120年で還暦にしたほうがいいと思うんだよ。 原田:120歳!!だいぶ長生きですねっ! 小泉:120年生きればさ、**「120歳よくそこまで生きましたね~」**ってなるでしょう? 120年もあれば、だいたいの人がそこに収まるだろうしね。 60歳で還暦というシステムはもはや現代には合ってないですね。笑 原田:なるほど。60歳なんてまだまだだぞって感じなわけですか。 小泉:そう、だから自分ではあんまりピンとこないんだけど。ただ、せっかく「還暦」と言ってお祝いしてもらえるんだから、生まれ変わった気持ちで、もう一回人生やろうかなって気持ちにはなりましたね。 原田:なるほど~。新たな気持ちになったわけですね。 中間管理職「事業部長」を捨てたワケ ** ** 原田:小泉さんは、50代で営業職に変わられて、今やTOP営業マンになった伝説のお方だと聞きましたが、何歳のときに営業職になられたんですか? 小泉:僕は56歳ですね。なんだかんだ4年経ちましたねぇ。 原田:4年ですか~。営業職の前に、小泉さんは役職のあるポストにいらっしゃったと伺いましたが。 小泉:そうそう。「事業部長」っていうとても素敵な役職をいただいていて、ザ・中間管理職で生きていましたよ。笑 原田:その役職をいらないって言いだしたのが小泉さん?? 小泉:いや、僕が言い出したわけではないんだけど。ちょうどバリフラットができる2015年、たまたま当時の親会社のインドの子会社に6ヶ月間赴任することになったんですよ。 原田:えー、そうなんですか!小泉さんがインドに行かれていたのは初耳でした! 小泉:あ!そもそも僕がインドに行くことになったのはね、当時、ISAOでこれから色んな関連会社とか機会があるごとに海外に人材を出そうという動きがあって、若手がちらほらシンガポールだとか色々海外に行き始めてたんですよ。で、代表の圭志さんとたまたま飲んでいた時**「今頃の若い奴らは海外にいけていいよな~」**って話をしたことがあって。 そしたら、飲んだ翌日にインド行きが決まってたんだよ。笑 原田:えー?翌日に決定っ!? 小泉:そうそう。**まさか昨日の今日で!?**と一瞬思ったけど、まあでも、ISAOっぽいでしょ。 原田:そうですね。笑 インドには営業としていかれたんですか? 小泉:いや、営業としてじゃなくて、人事というか管理部門みたいな役割で。 当時、インドは経済成長が著しくて転職率が高くて、定着率が低い点が課題になっていて。それは評価システムとかが整備されていないという事情があり、その周辺のガバナンスがきいていない部分の立て直しや教育的な役割で行くことになったんですよ。 原田:なるほど! 小泉:でもね、その前に布石として、ISAOは急に英語を勉強しないといけないって流れになったでしょう?僕も当時、全然TOEICスコアが足りなくて、会社の英語学習補助制度を使わせてもらったんですよ。 50代の僕がね、なんと留学を志す高校3年生とともに肩を並べて勉強するというプログラムに入ったんですよ。 それはもう6週間死に物狂いで勉強したよ。 でも、そのおかげでTOEICスコアが160点くらいUPしたかなー?今ではいい思い出だけどね。 そういうのもあったから、ちょっと海外に行きたいって気持ちも芽生え始めてて。 そんなタイミングで、インド行きのチャンスをもらえたから。有難かったですよね。 原田:なるほど~。努力がちゃんとチャンスを呼んでますね~! 小泉:それで、インド行きが決まってから半年くらいかけて事業部長のポストを若手に託して、僕は役職を引き継ぎ、フリーでインドに飛び立ったわけです。 インドから帰ってきた元中間管理職の無力な自分との闘い 原田:ISAOに戻ってきてからは、元々のポストに戻られたんですか?...「いきいき」を支える安全衛生委員会の進め方
こんにちは。 家では3児の安全を守りつつ、会社でもISAOメンバーの安全を守っている人事の外野です。 突然ですが、みなさんの会社には安全衛生委員会ってありますか? そもそも安全衛生委員会とは? 労働安全衛生法において、一定の基準※に該当する事業場では安全委員会、衛生委員会(又は両委員会を統合した安全衛生委員会)を設置することが義務付けられています。 ※一定の基準とは 安全委員会 1.常時使用する労働者が50人以上の事業場で、次の業種に該当するもの > 林業、鉱業、建設業、製造業の一部の業種(木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)、運送業の一部の業種(道路貨物運送業、港湾運送業)、自動車整備業、機械修理業、清掃業 2.常時使用する労働者が100人以上の事業場で、次の業種に該当するもの > 製造業のうち1.以外の業種、運送業のうち1.以外の業種、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、家具・建具・じゅう器等卸売業・小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 衛生委員会 常時使用する労働者が50人以上の事業場(全業種) (厚生労働省サイトより) ISAOの安全衛生委員会 ISAOでは安全委員会と衛生委員会を統合した安全衛生委員会を設置しています。 その構成メンバーは、衛生管理者、人事、社員代表からとなっています。 委員会の開催頻度は毎月1回。 マッチョな産業医の伊藤先生にももちろん毎回参加いただき、活発な活動をしています。 そして、安全衛生活動を活性化するためにGoalも策定しています。 現在のGoalは「いきいきと働く文化を根付かせる」こと。 このGoalは、Goalous(ゴーラス)を使ってISAOメンバー全員にも共有しています。 どんなことをしているの? ISAOの安全衛生委員会の流れ 安全衛生委員会 → 職場巡視 → 産業医面談という流れで毎月実施しています。 安全衛生委員会での労働時間の把握 労働時間の把握は、Microsoft Power BIを使って行っています。 ちなみに数年前まではExcelで管理をしており、その時は毎月本当に集計に時間がかかっていました。 現在は勤怠システムからデータを抽出してサーバーにアップするのみ。いずれはこの部分も自動化する予定です。 見栄えも全然違うし、わかりやすいし本当に管理がしやすくなりました。 チェックの内容は、 ・時間外+休出時間の多いメンバーの確認 ・45時間オーバーのメンバーの確認 ・遅刻や早退などの確認 を行っています。 勤怠上で気に留めたメンバーとは安全衛生委員会メンバーとの面談や産業医との面談を実施しています。 職場巡視 安全衛生委員会後の職場巡視においては、 キッチン周りの確認 冷蔵庫の確認 執務環境の確認 を主に行っています。...60歳還暦社員が語る、定年がないISAOの働き方
60歳還暦を迎えて 株式会社ISAOの原崎です。 ISAOで初めての60歳還暦社員としてこのブログを書いております。 IT業界に入り会社も3社目。技術者・マネージメント・コーポレートとかなり普通の道を歩んできましたが、今ここにきて、また技術者に戻っての社会人生活継続中です。 60歳というと一般的に再雇用の節目ですが、ISAOには定年がありません。普通に能力を発揮してチャレンジをし続ける限り皆と同じ就業環境です。 ISAOで還暦を迎えた幸せ ISAOはバリフラット(オープンでフラットな組織)です。 従来型のヒエラルキー型で育った私ですが、最近このオープン&フラットに喜びを感じています。 - 無駄な権力やレポートラインがない(バリフラット) 社内の情報は誰でも共有している(Goalous) 他者の成長も素直に喜べる社風がある(ミッション・ビジョン・スピリッツ) 自身のスキルや挑戦する分野があれば、事業の面ではかなり自由な裁量が与えられています。 年老いていく自分の能力を横目で見ながら、対応できるスキルがあれば会社に貢献できる自由度があり、心地よい疲れを伴うやりがいのある環境ではないかと思います。 思うところ 還暦と言われても定年70歳の風潮なのでまだまだ現役です。ただ年齢も残酷なところはあり、誰でも何もしなくても歳はとります。 ヒエラルキー組織の中で還暦を迎えることとISAOで還暦を迎えることには大きな違いがあるように思います。 この環境で何歳まで働けるのか自分との戦いになりますが、少なくとも働く環境としては厳しく楽しくが実現できていると感じます。...