• 失われた30年は誰の責任か

    今年7月1日、テスラの時価総額がトヨタを抜くという、日本人にとっては衝撃的なニュースがありました。 それから約1ヶ月。 この記事を書いている8月4日時点では、トヨタが18兆円弱に対して、テスラ29兆円と、さらに差が拡大しています。 テスラはトヨタと比較すると、生産台数が30分の1、売上は10分の1に過ぎません。 自動車産業という、これまでであれば数十年の経験の蓄積が必要な業界に、ITとEVというイノベーションを持ち込み、設立17年で世界トップのメーカーに上り詰めたのです。 Made in Japanは世界一? 日本企業は、戦後復興から高度成長期で奇跡的な成長を成し遂げ、バブル時代に企業価値で世界を席巻しました。 牽引役は、自動車や半導体産業などの製造業。 Made in Japanは世界に誇る品質と、高機能でした。 僕たちはその成功体験の幻影を今でも引きずっているのではないでしょうか。 もはや、半導体や家電メーカーは、世界的には見る影もなく相対的な価値が下がってしまいました。 最後の砦だった自動車産業も、冒頭のように時代は明らかに変わりました。 もはや製造業ですら、日本は世界一ではないのです。 個人的には、ひいきめに見て「壊れない」という点において、多くの製品でまだ日本は世界一ではないかと思います。 しかしその他の点では、もはやトップランナーから脱落しています。 2つ僕の実体験を以下二つ紹介します。 2000年頃にアジアの企業と仕事をする機会が多かった時期の話。 当時すでに「Samsungの方がSONYよりクール」と言っていた人がいて、僕は衝撃を受けました。 いまだったらSamsungはダントツトップ企業ですが、当時は僕たち日本人にとって「安かろう」の印象だったからです。 井の中の蛙とはまさにこのことです。 2004〜2010年までドイツで働いていた時の話。 当時ヨーロッパの同僚と話した感覚は、日本や日本企業はある程度認められているけれども、”リスペクト”されているという感じではありませんでした。 僕らの扱っていた日本製品は「壊れないけど、スペックが低いし、魅力がない。そして高い」と言われ続けていました。 アメリカのメーカーに負けたくないと、販売だけでなく商品開発も必死にやりましたが、なかなか差は埋まりませんでした。 結論として、Made in Japanは日本人が思っているほど、他の国の人たちからはすごいと思われてはいないのです。 これら二つは、10〜20年前の話です。そこから日本はさらに沈下しています。 そして、それを残酷な事実として示しているのは株価なのでしょう。 カイゼン信奉が「失われた30年」をつくった 平成に入り、世界各国の企業がどんどん成長していく中、日本は取り残されました。 10年前にはすでに「失われた20年」と言われていましたが、さらに10年経って何も変えられず「失われた30年」になってしまいました。 なぜでしょう。 僕らはなんとなく理由を知っているはずです。 僕は「カイゼン(改善)」という高度成長期の成功モデル”だけ”に頼りすぎたことではないかと考察しています。 例えるならば、馬車の時代。 うまく交配させてより強い馬をつくり、車輪を効率よく回るように進化させていく。これがカイゼン。 一方、馬の代わりに、蒸気機関で動かそうとするのが「イノベーション」。 カイゼンは日々+1を積み重ねていくのに対して、イノベーションはゼロが続いた後に、突然+100とか+1,000の進化を遂げる成長モデルです。 歴史が証明するように、破壊的イノベーションが起これば、カイゼンで積み重ねてきた競争力は全部吹っ飛びます。 本来であれば、カイゼンを日々重ねるのは当然で、同時にイノベーションを起こすため活動をやり続けなければならないのが企業活動です。 でも日本は、それをサボってしまった。そのツケが失われた30年なのです。 カイゼンはできて、イノベーションできない組織が多い理由 カイゼンはできるけどイノベーションができない組織には共通の問題があります。 それは、組織に「安全」がないということです。 安全とは何か。 それは「自分の立場」が守られるということです。
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  • シゴトたのしく!は正しいのか

    Colorkrew(以下、カラクル)は、世界のシゴトをたのしくするビジョナリーカンパニーを目指し、GoalousやMamoruなどのサービスを展開しています。 今回は、そもそも仕事とは楽しくあるべきなのか、それとも厳しく苦しいものなのか、と世代間で意見が割れそうな話題を考えてみたいと思います。 仕事は苦しくて当然という考え方が当たり前だった平成初期 僕が社会人になった27年前、多くの社会人の先輩は「仕事は厳しく、苦しいのが当たりまえだぞ」と教えてくれました。 もちろん「楽しくやるべきだ」という人もいましたが、少数派だったと記憶しています。 「なんかイヤだなぁ」と思いつつも、「そういうものなんだ」と思っていました。 あれ?全然苦しくない!?の経験 働いてしばらく経って振り返ったとき、僕にとっては仕事は苦しくないということがだんだんわかってきました。 むしろ楽しい。 できないことができるようになっていくことの喜びもありますし、チームの関係がとても良かったので、先輩方にもとても良くしてもらったからかもしれません。 ただ、周りには確かに苦しそうに仕事をしている人たちも結構いました。 仕事は厳しい 一方で「仕事は難しいし、厳しいな」とは感じていました。 若い頃はできないことが沢山ありますし、経験が浅いので、いまだったらなんでもないことでも、つまづきまくります。そういう観点では、日々プレッシャーもあり、厳しさもしっかり感じていたことを覚えています。 難しい・厳しいとは思いつつも「楽しい」と感じていました。 では、苦しいと思っている人たちとの違いはなんだろう、また何が苦しさを生み出すのかを考えてみたいと思います。 仕事そのものが苦しい 一つは「仕事そのものが苦しい」です。 長時間労働で身体がキツい 難易度が高すぎる 無意味だと感じる仕事をやり続けているので苦痛 などの理由があるでしょうか。 ただ、こういった要因に関しては、現在ではどんどん少なくなっているのではないでしょうか。 現代において、長時間労働は悪という考え方は徹底してきています。 コンプライアンス的な観点から、スキルとギャップがありすぎる仕事に取り組まなければならないこともあまりなさそうです。 また、人間がやらなくていい単純作業などはどんどんコンピューターや機械がカバーしていく傾向です。 そう考えると、「仕事そのものが苦しい」は昔と比べるとどんどん少なくなっているはずなのです。 人間関係が苦しい 仕事そのものの苦しさ以外で、理由としてありそうなのが、人間関係です。 仕事の人間関係は、普通の人間関係と違います。 通常は、人と人との関係はフラットですし、お互いに求めなければ関係を継続する必要はありません。 しかし、仕事の人間関係は、フラットでもなく、それを求めていなくても関係を続けていかなければならないものです。 ある調査によれば、半数以上の人が人間関係の難しさが原因で転職を考えたことがあると答えています。 その中でも、先輩や上司との関係、いわゆる「縦の関係」が最も難しくなりがちです。 理不尽が苦しいの正体 実は僕個人的には、20代の頃でも「縦の関係」は難しくありませんでした。 いま振り返るとそれは、理不尽がなかったからだと思います。 いわゆる昭和型の上司部下モデルは、パワーバランスでは上司が圧倒的なので、部下は最終的に言うことを聞かざるをえません。 議論をしていてもフラットにできず、「アイデア」ではなく「誰が言ったか」で物事が決まっていきます。 その上で、上司から部下に「やれ」という命令(指示)になれば、”理不尽”なことをされたというモヤモヤが残ります。 この”理不尽”が、人間関係における苦しいの正体だと僕は思っています。 仕事苦しいは悪 仕事そのものが苦しいのは、テクノロジーの発展した現在において、時代遅れになっているということ。 時代に遅れればその会社はダメになっていくので、当然なんとかするべきです。 そして、人間関係が苦しいに関しては「無駄なストレス」ですので、これも解消するしかない。 カラクルはバリフラットで役職もないので、自然に縦の関係のストレスはない仕組みにはなっていますが、一般的な階層型の会社でも、役職を「役割」とみなして、人としての上下関係をなくす努力をすれば解消に向かっていきます。 仕事そのものと、人間関係を改善すれば、まず「仕事苦しい」は脱却できるでしょう。 シゴトたのしい では、この二つを解消すれば「シゴトたのしい」になるのでしょうか。 僕の答えは「NO」です。
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  • 管理なんてしたくないのに、管理をしてしまうマネジメントについて

    世の中の多くの会社員は**「人に管理されたくない」**と思っています。 それと同時に、多くの管理職も**「管理なんてしたくない!」**と思っていいます。 どちらの立場も経験した僕が理想とする組織の姿は、やはり**「人が人を管理しない」マネジメント**です。 しかし、みんなが管理なんて嫌いなはずなのに、なぜ会社は管理しようとするのでしょうか。 いや、むしろ管理を通り越して**「監視」してしまう組織もあるのはなぜでしょうか。** そのメカニズムを考えてみたいと思います。 管理職の「管理したくない」気持ち まず、管理すると、うるさがられます。 人間誰しも好かれたい。 だから嫌われるに決まっている管理なんて本当はしたくないと思っている管理職は多いはずです。 そもそも自分が管理される立場だった時は、それが大嫌いだったのだから。 でも自分のさらに上司からは、**しっかり結果をだせ!**と言われる。 放っておけば、パフォーマンスが上がらない。 だから部下たちがしっかりやっているか、監視したり、管理したりしだします。 これがひどくなると、マイクロマネジメントマネージャーが出来上がるのです。 慣れてくると「管理したくなる」気持ち 本当は管理なんてしたくなかった管理職たちが、管理することを習慣化してしまうと、おかしなことが起こり始めます。 管理、言い換えれば**「人を支配する」**ことに快感を覚えるのです。 そしてそれは、権力を持ったときに、誰しもが感じてしまいがちなものです。 上司と部下の関係は絶対です。 上司が部下を評価する組織では、部下は逆らうことは基本的にできません。 もちろん、部下も自分の意見をぶつけたりすることはできますが、最終的には上司に従わざるを得ない。 慣れてしまうと、それが当たり前になり、それ以外に組織マネジメントできる方法が分からなくなってしまうのではないでしょうか。 目標やキーリザルトの共通理解ができていない 僕が考える「管理せざるを得ない」ことの根源的な原因は・・・ ビジョンや目標、それに向かうためのキーリザルト(注)が明確化され、チームで共通理解になっていない。 (注)ゴール達成のために必要な指標が具体的に示された主たる成果 シンプルにして、最高に難しいのがコレです。 難しいですが、これさえできれば、実は管理しないマネジメントに向かうことができます。 なぜ共通理解ができないのか 共通理解ができていない会社や組織は**「ビジョン」がない**可能性が高いです。 「いや、うちの会社にはビジョンがしっかり掲げられているよ」と反論する方もいるかも知れません。 僕なりの解釈でいうと、ビジョンとは、その組織に人が集まってくる「理由」です。そして、社員は「ビジョン」を目指すためにそこに集まっているはずです。 こんなことを言うと「そんなことは理想論で、現実的には会社に入るのはビジョンを目指すためではない人が多いよ」と言われるかも知れません。 また多くの会社のビジョンはお飾りであることが多いことは否めません。 そういった場合、共通理解を持とうとすることは非常に困難になります。 辛口になりますが、その程度のビジョンであれば、捨てた方がいい。 例えば、「利益をより多く出す」「会社を拡大し、ステータスを上げる」「業績拡大し、社員の給料も上げていく」「そのためには、数字にこだわる」などと、正直に伝えた方が、よっぽど社員も納得するのではないかと思っています。 かっこいいことを言ってるけれど、口だけでそれを信じていない経営は、社員からのリスペクトを得ることは永久にできないと僕は思っています。 数字だけが目標になっている組織ほど、結局「管理」してしまう ビジョンがなければ、何を目指して仕事をするかといえば、やはり業績などの数字でしょう。 数字を目標にすると、自発性をもって仕事をする人と、そうでない人にはっきり分かれてきます。 自発性のタイプは、世の中でいう**「モチベーションの高い人」**でしょう。 そうでない人は**「あんまりやる気のない人」**なのかも知れません。 あんまりやる気のない人は、自ら考えて積極的に仕事をしようとはしませんので、監視や管理をしなければ、サボることになります。 こうして**「管理しよう」**というマインドセットが出来上がります。 今回は「管理をしてしまうメカニズム」についてでした。 監視しない、管理しないマネジメントについては、ぜひGolaousセミナーで! ▼Change ISAO to Colorkrew.
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  • 在宅勤務を監視する会社が滅びる理由

    みなさん、リモートワークしてますか? 新型コロナウイルスでの緊急事態宣言が2020年4月6日。 ”全員が”リモートワークしている期間が長くなってきた会社も多いのではないでしょうか。 ISAOでは、目標をオープンに掲げ、活動をシェアする「Goalous」に関して、**「リモートワークで活動が見えないので、導入を検討したい」**という問い合わせが、ここ2ヶ月で急激に増えています。 なぜ活動の見える化なのか 会社のマネジメントが活動を見える化したい、と言っている目的には大きく2種類あります。 一つは、**「お互いの活動を理解し、コミュニケーションを活性化させることで、コラボレーションやイノベーションを起こそう」**という目的。 もう一つは、**「仕事をちゃんとやっているかわからないから監視したい」**という目的です。 一つ目の「相互理解」を深めようとする会社は、これからの時代に成長する会社です。 二つ目の「監視」しようとする会社は、その逆です。これからの時代には滅びゆく会社でしょう。 監視しようとする会社は時代遅れ 在宅勤務が多くなって、マーケットでは今まで注目されてなかった監視ツールが話題になったりしています。 僕が見たものの一つは、着席したらON、離席したらOFFにするPCでの監視ツール。 何分かに一回、PCのスクリーンショットが上司に送られたり、カメラでずっと撮られてたりするようです。 僕の第一印象は「怖っ!」でした。 これって、オフィスにいる時の何十倍も監視されてますね。下手にデスクトップに変なファイルも置けません。笑 監視している上司は「さっきからずっと画面が変わってないじゃないか!」とか言うんでしょうか。 ISAOでこの話をしたときの反応 このツールは、Goalous内のサークルでも話題になりました。 それに対する社内のコメントは、多くが「マジ!?」という感じでしたが、その中の一人のコメントが秀逸だったので、ご紹介します。 ”「上有政策下有对策」 上に政策あれば下に対策あり。中央政府などが、いかに政策を施行しようとも、民衆(又は地方政府)は、それを潜脱する方法を考え付いて、政策を骨抜きにするものである。” 特に、こういった生産性に全く貢献しない政策は、社員からも支持されることはありませんので、対策されるのでしょう。 監視ツールを入れるのはお金の無駄、それを監視するのも、対策するのも時間のムダです。 このツールを出した会社をどうこう言うつもりはありません。 そういった需要があるから出しているのでしょうし、テクノロジーに罪はありません。 問題なのは、社員を監視することがマネジメントだと思ってしまっているユーザー企業なのではないでしょうか。 上意下達で組織や部下をコントロールすれば業績の上がる時代は終わった 歴史の長い会社の多くは、高度成長期の組織の成功モデルを引きずっています。 それは**「マニュアルをつくり、全員に同じことをやらせる」**です。 プロダクト中心の時代。 方向性は「性能アップ」と明確で、イノベーションを起こすのではなく、過去の成功体験をさらに重ねていくことで成功した企業が多かったことから、こういった文化が生まれました。 こういった組織では、上司の権限が強く、部下とフラットな場所で議論をすることはありません。 **「上司の言うことを聞いていればいい」**そんな時代でした。 しかし、その時代は終わりました。 未来へ向かっての取り組みに、過去の成功体験が役に立たないレベルに、世の中の動きが早く、アナログはデジタルに、競争の定義も一変しています。 上意下達ではなく、社員全員が知恵を出し合い、総合力を発揮しなければならない環境になったのです。 業務中にプライベートが割り込むのは悪か 少し話が逸れますが、以前からISAOは**「業務時間中にプライベートが割り込んでもいい」**という考え方を持っています。 もちろん、仕事を全くしないなんてことになればダメですが、日中にしかできないことも多いですし、子どもがいる家庭では、子どもや学校の対応をしなければならないこともしょっちゅうです。 また、仕事の関係でWebを見ていても、ちょっと興味のあるくだらないコンテンツに目が行くのも人情でしょう。 仕事で成果を出すというプロとしての意識があれば、適当にバランスを見ながらそういったことをやっていくのは悪いことではありません。くだらないコンテンツでも、見識の幅を広げる機会になることすらあります。 むしろ**「仕事のこと以外、業務中は一切考えません」**なんて方が不健全です。 こういったことを言うと「業務時間に対して給料払っているんだから、そんな考え方はおかしい」と思う人もいるかも知れません。 しかし、現代ではみんなスマホを持っていて、業務時間以外も仕事に追われます。 そして、必要あれば業務時間外でも対応しなくてはいけないこともあります。 そういったことを会社が求めている限り、逆もまたしかりで、うまくバランスをとってやっていくのがオトナの集団としての考え方です。 最近の強制在宅勤務では、赤ちゃんを抱えながらビデオ会議に出ているメンバーがいたりします。 本人は発言するとき以外はミュートで、あやしながら参加してるのですが、見ている方は結構和みます。笑 結論としては**「細かいことは気にせず、プロとしての成果にこだわろう」**ということです。
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  • What’s your Plan B? プランBの話

    以前ヨーロッパの組織で働いていたことがあるのですが、その時に頻繁に使っていた「プランB」という言葉があります。 日本語で言えば「代替案」ですがもう少し深い意味があります。 最近ふと気付いたんですが、日本の組織ではこの「プランB」は言葉的にも、実質的にもあまり使われない。 結論として**「プランBはいつも持っとけ」**が僕の考え方です。 プランBとは? 冒頭に書きましたが、プランBは代替案です。 そして、プランBというからには、プランAがあります。 プランAはいわゆるオリジナルの計画です。 「プランAがうまく行かなかったときにどうする?」は「What’s your Plan B?」です。 これは計画の段階でも使いますし、プランAが進行中で、うまくいかなくなってきたときにも使えるフレーズです。 どうして日本の組織はプランBを話さないのか ぼくは以前、比較的大きな日本の会社に勤めていたのですが、そこでの経験から、なんとなく日本がプランBを話さない理由を理解しています。 その理由は・・・ **「失敗する可能性を話しづらいから」**です。 プランBを話した時のありがちな上司のツッコミは「失敗を前提にして話をするな」です。 「そもそもの計画に自信がないのか」なんて言われるかも知れません。 だったらプランAにコミットし、自信があるフリをしていたほうが処世術としてはラクなのです。 じゃあ、プランAがダメだったらどうするの? それは「一生懸命やりましたが、うまくいきませんでした」と言う。 最初からプランBを持ち、「プランAがダメだったら、プランBに切り替えます」よりも、「このプランと心中します」の方が精神論のマネジメントにはウケがいい。 玉砕思想です。 最初からプランBを作り、語れ そもそも不確実性のある、挑戦的な仕事をするときに、絶対に最初のプランで成功するとは限りません。 当たり前ですよね。 ですから、不確実性の高い仕事では、うまくいかないと判断したときにとにかく素早くプランBに切り替えた方が成功の確率は上がるのです。 そして、プランBもプランAと同様にしっかり議論しておいた方がいい。 時にはプランC、Dくらいまで用意するべき場合もあるでしょう。 玉砕するつもりでなく、あくまで成功にこだわる プランAは一番最初の計画ですから、もちろんコミットして必死にやるというメンタリティは重要です。 でも、やり始めれば常に想定外のことは起こりますし、計画を柔軟に変えていかなくてはならない。 メンツにこだわれば、計画を変えられません。 でも成功にこだわるのであれば、それがプランAだろうが、Bだろうがなんでもいいはずです。 そういうターゲットオリエンテッド(なにがなんでも目的を達成するという目的志向)な考え方であれば、プランBを持つのは自然なこととなります。 プランBを問いかけろ レビューをする立場の皆さん(マネージャー的な役割)はぜひ以下の質問をしてみてください。 「それがうまくいかなかったときにどうする?」 もっと簡単に言うなら 「プランBは?」 プランBを話すのはたのしい 実際に使ってみるとわかるのですが、詰めるのではなくフラットに、What’s your Plan B?と聞くと、思った以上にカジュアルで楽しい会話にもなります。 このブログは英語のことを話すものではありませんが、あんまりうまいプランBがないときは**”It’s a good question!”**(困ったな〜という感じ)と言えば和みます。
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  • 【最終回】ジャック・ウェルチの教え ”See Change as an Opportunity”

    ジャック・ウェルチ追悼シリーズ最終回です。 ”See Change as an Opportunity” 「変化を機会と見なせ」 いま世の中は新型コロナウィルスの影響で劇的に変化していますので、その真っ只中にいるものとして考えてみたいと思います。 変化は加速していく 最近、講演やセミナーで話す機会のあるときに、僕が好んで紹介するスピーチがあります。 それは、カナダのジャスティン・トルドー首相が2018年のダボス会議での発言です。 「今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった 」 さらに彼は続けます。 「だが、今後、今ほど変化が遅い時代も二度と来ないだろう 」 以前と比較して、変化のスピードが圧倒的に速い世界に我々は生きています。 確かに僕が社会人になった27年前に比べて、物事の進むスピードも格段に違います。 僕は営業職だったので、当時は書き物でのコミュニケーションはFAXでした。 FAXを送ったら、その返信は早くて当日、遅ければ次の日以降が普通です。 その後、PCやメールが導入され、いまではスマホがあり、チャットを含むSNSなどで、やり取りは即時行われるようになりました。 感覚としては10倍くらいの速さです。 次の世代にはもっと進んだテクノロジーが出てきて、きっと**「あんなにゆっくりしてた時代があったんだね」**といまの時代を振り返るのでしょう。 変化は加速していくのです。遅くなることはありません。 テクノロジーによって「進化していくこと」は幸せなのか テクノロジーは、人の生活をよりよくするために生まれます。 でも、早くなりすぎて疲れることもあるでしょうし、スマホもメールもなかった時代と比べて、必ずしも幸せかどうかは、今の社会を見ていると疑問も湧いてきます。 ビジネスにおいてという前提で話すと、僕はこう思います。 進化は必ずしも幸せではないかもしれない。でも、周りが進化する以上、その進化に合わせて進化しなければ、ビジネスにおいては敗北することになる。 要は、好むと好まざるに関係なく、ビジネスをしていく以上、この進化や変化を受け入れていかなければならないのです。 変化を受け入れるかどうか 10年前、ISAOで社内コミュニケーションにSNSを取り入れようとした時の話です。 どんな時でも新しい変化には抵抗する人がいます。 「メールで十分じゃないか」 「新しいツールはめんどくさい」 「自分の満足のために、適当に色々やるな。みんな嫌がってる」 等々。 でもSNSを使うことで、コミュニケーションが大きく進化すると信じていたので、多少無理やりにスタートしました。 結果は、業務のスピードが上がり、社内のコミュニケーションは何倍にも活性化し、チーム力は飛躍的に上がりました。 その上、Goalousというさらに進化したコミュニケーションサービスを生み出すきっかけにもなったのです。 誰でもいままでと違うことを始め、変化することには抵抗があります。 でも思い切って変化すれば、新たなものが見えてくることが、この経験でもわかりました。 コロナによる変化と では、現代はどうでしょうか。 コロナによって、急激にそして強烈に様々な変化が起こっています。 面談はオンラインに 友だちとも会えないので、飲み会もオンラインに 買い物に行きづらいので、できるだけインターネットでモノを購入する 普通に暮らしていくと運動不足になってしまう 大雑把に言えば、人とリアルに接触しなければならないことができなくなり、非接触でできるオンラインサービスなどに急速にシフトしているのです。
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  • ジャック・ウェルチの教え ”Face Reality”

    「現実と向き合え」 実際にビジネスをすると、理論を超えた現象が起こります。 そんな時でも、常に現実に向き合うことが大切とウェルチは言っています。 “Face reality, then act decisively. Most mistakes that leaders make arise from not being willing to face reality and then acting on it.” “現実と向き合い、そして毅然として行動せよ。 現実と向き合わないままに行動することは、リーダーが失敗をする最も典型的なパターンである。” 現実と向き合うのは難しい!? 多くのリーダーたちは、実際に起きている**”現実”**を知りたいと願っていると思います。 経験から**不都合なこと(Bad News)**が起こっていて、それに対処しなければ、時間が経つにつれ問題が大きくなることも知っているはずです。 ですから個人個人は**「現実に向き合う」**ことには前向きです。 しかし実際は、多くの組織でリーダーたちは現実と向き合えていません。 なぜでしょう? それは、Bad Newsをチームが伝えてこないからです。 その大きな原因は”組織としての矛盾”にあると僕は考えています。 組織の矛盾 組織の矛盾とは、本質的にやらなければいけないことと、実際やっていることに違いがあることをここでは言っています。 なぜこういったことが起こるのか、考えてみたいと思います。 現場の担当と、リーダーがいたとします。 現場で、想定してなかったまずいこと(Bad News)が起こります。 もちろん、担当はそのBad Newsを脚色せず素直に報告し、相談するべきです。 Bad News Firstですね。 ありのままを報告することによって「能力が足りなかった」と烙印を押されるリスクがある組織では、事実は脚色されます。
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  • ジャック・ウェルチの教え ”Cultivate Leaders ”

    1999年、米フォーチュン誌は当時ゼネラル・エレクトリック(GE)の最高経営責任者(CEO)だったジャック・ウェルチについて、「同世代の経営者の中で最も影響力を持つ突出した存在」であり、20世紀で最も優れた経営者だと称えた。 ジャックウェルチは、GEをコングロマリット企業に作り上げました。 それにより、彼の時代のGEは大成功を収めました。 ただ近年では、コングロマリット企業に対しての評価が大きく下がってきていることもあり、その後のGEの低迷をジャックウェルチの責任と捉える解説もあります。 そんな事実はありつつも、20世紀において突出したリーダーであったことは疑いがないでしょう。 前置きが長くなりました。 今回は、**「リーダーを育てよ!」**です。 ジャックウェルチによるリーダーの条件とは 〜4E これは有名ですので、知っている人も多いと思いますが、ジャックウェルチによると、リーダーの条件は4つのEです。 4つのEとは・・・ Energy (エネルギー) Energize (周りを元気づける) Edge (エッジ、競争心が強く、困難に立ち向かう) Execution (実行して、結果を出す) ISAOのリーダーの条件 〜4C ジャックウェルチに対抗して(!?)ISAOのリーダーの条件を4Cで作ってみました。 Change ISAOの合言葉”Change or Die” リーダーは自ら常に変わり続ける Cultivate team チームを磨き続ける 自分だけのためではなく、チームのために Casual たのしく、心理的安全性の高いチームを作るために常にカジュアルに Cutting Edge 最先端へのブレークスルーを常に目指す 20世紀のリーダーシップを作ったジャックウェルチ。 ISAOは21世紀のリーダーたちを量産する会社を目指します!
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  • ジャック・ウェルチの教え ”Get Less Formal”

    Get Less Formalは、「堅苦しくなるな」とか「形式に捉われすぎるな」というような意味です。 堅苦しくなると何が悪いのでしょうか。 ISAO的には”Be Casual” ISAOではカジュアルさを大事にしています。 逆の言い方ですが、同じような意味で使っています。 ジャックの言いたかったこと 彼はこんな風に言っています。 “You must realize now how important it is to maintain the kind of corporate informality that encourages a training class to comfortably challenge the boss’s pet ideas. 会社のカルチャーをガチガチにしないことで、上司に対しても緊張せずにキチンと意見が言える環境をつくることが重要だ。 ISAOでは上司はいませんが、どんな組織でも誰に対してでも自分の意見を言える環境は重要ですね。 服装もカジュアルで 僕も長年営業をやっていましたので、20代、30代は基本スーツで仕事をしていました。 暑い時もネクタイ。冬はスーツの上に着るコートは寒すぎる。 靴は革靴ですから、長い距離歩くと激疲れる・・・ IT業界のISAOに来て、カジュアルで仕事をすることになり、それまでこんな苦行を20年近くもしていたんだと初めて気づかされました。 最近は多くの会社でクールビズ、ウオームビズなど、ビジネスカジュアルが取り入れられていますが、まだまだ制約が多いです。 結局格好で仕事をするわけではないので、日本もどんどんカジュアルになっていったらいいなと思っています。 特に、男性はジーンズ、女性はスニーカーがはけるようになると劇的に体が楽になると思います。 (女性のパンプスは、男性の革靴の何倍もキツイと聞いたことがあります) 心理的安全性を高める 形だけカジュアルになっても、会社の中に**「権威」**が残っていると、どうしても思い切った発言には緊張が伴います。
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  • よいレビューをするための、シンプルなたった一つの秘訣とは

    レビューは重要! ISAOのバリフラット経営(オープン&フラット)は、権限委譲を進めるので、各個人の裁量が大きくなります。 意思決定のプロセスをぎゅっと縮めて、とにかくスピードを上げることが重要だと考えているからです。 担当者がどんどん判断して進めていくからこそ、逆に、自分では見えなかった客観的な視点をもって、周りがレビューをしっかり行うことが重要になってきます。 バリフラットと階層型組織の意思決定プロセスの違い よく誤解されるのですが、この仕組みは「自分勝手になんでも決める」ということではありません。 必要な人と、協議したり、協力を仰いだりして、しっかり決めていくというのは、従来の階層型組織と変わりはありません。 ですから、ISAOでは必要に応じてそこら中で、小さなミーティングが行われています。 今までの組織と大きく違うのは、決まった役職者ではなく、本質的かつ客観的な視点で事業に貢献できる人をレビュワーにすること。そして決定者はあくまで担当者である、というのがバリフラットでのやり方です。 世の中の多くのレビュワーは、貢献していない!? 多くの企業で、役職者は自動的にその部門のレビュワー兼決定者となります。 しかしながら、担当者や、事業に貢献しているかどうか、要はレビュワーとしての本来の役割を果たしているかを問われないことが多いのが現状です。 むしろ、マイナスの貢献をしていることすらありえます。 貢献しないレビュワー3つのタイプ 以下のような場合、レビュワーはマイナスの貢献をしているといえるでしょう。 判断する物事にたいしてリテラシーが低すぎるタイプ このタイプのレビュワーの口癖は「オレにわかるように、簡単に説明しろ」です。 多くのレビュワーは、社会経験が担当者よりありますので、一般的なビジネスの損益に対してや組織についての知見はあります。 ただ、ビジネスそのものを概念的に理解できるだけの「最低限」の専門知識がないので、レビュワーとしての機能を果たすことは非常に難しい。 「専門的なことを含んだ判断は担当者に任せる」と権限委譲できればいいのですが、リテラシーが低いまま、レビュワーが決定者になろうとすると、間違える可能性は高くなります。 担当者より立場が上だというだけで、役職者であるレビュワーが質の低い決定をし、それを押し付けるようなことになれば、競争力も、皆のやる気も失われます。 もちろん担当者と同じレベルで専門知識を持つ必要はありませんが、専門的な部分も含めて判断をしたいのであれば、一定レベルにリテラシーを上げてから臨むことが必須条件になります。 「レビュワーが理解するだけ」のために、とても時間のかかる資料を作らせるタイプ レビューできるだけのリテラシーがないと、「理解するための資料」が必要になります。 ビジネスに貢献することのない、理解するためだけの資料は時間の無駄遣いです。 しかも「資料の作り方が悪い」などといって、重箱の隅をつついて、なんども作り直させるパターンは・・・言わずもがなです。 権威により、有無を言わさず、余計なオーダーを出すことで時間とエネルギーを浪費させるタイプ 本当に必要なことであればもちろんやるべきですが、社内手続きなど、うまく立ち回れば短縮できるものはたくさんあります。 ただ、社内で権力のある人が、工夫すれば短縮や省略できる社内手続き的なことを、正論を振りかざして、やらせようとすれば、担当者は対抗する手段を持ちません。 これにより組織としては、無駄な時間が浪費され、社外に対しての競争力を失っていくことになります。 良いレビュワーとは 逆に「良いレビュワー」とはどんな人でしょうか。 ある程度の専門性を持って、ビジネスについて担当者と対等に話し合える また、レベルが足りなければ、それにキャッチアップする努力をする 担当者には見えづらい、客観的な観点から指摘をし、新しい戦略を一緒に考えることができる レビューの中で、定点観測可能で適切なKPIを見つけ出し、共感させ、共有することができる 煩雑な社内手続きなど、対外的な競争力を削ぐことを、その力を使って、低減させてくれる レビューをすると担当者のやる気が倍増する これら全てをカバーしている上司(レビュワー)が自分に関わってくれているという人、あなたは幸せです! 良いレビューをするシンプルでたった一つの秘訣 良いレビューをするために心がけなければならないことはシンプルにたったひとつしかありません。 それは**「担当者の仕事に貢献する」**という一点です。 レビュワーがこれを肝に命じておけば、無駄な仕事が生まれることもありませんし、権威を振り回して、担当者のやる気を削ぐこともありません。 それではみなさん、良いレビューを!
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  • オープン化の鍵は、xxxを排除すること

    オープン&フラットは競争力を圧倒的に上げる企業変革 これまでバリフラット(オープン&フラット企業運営)は、ビジネスにおいて、判断の質とスピードを圧倒的に上げることができることを説明してきました。 ほぼデメリットがなく、いいことしか起こりませんので、どんな会社にもオススメできる仕組みなのですが、色々な会社の方とお話しすると、「ウチではなかなか難しいなぁ」という声もよく聞きます。 なぜでしょう? 真のオープン化とは 「オープン化」というと、経営トップの発信や、財務情報、事業情報の開示を社員にしていく、「トップダウン型」の情報共有を思い浮かべるかもしれません。 しかし、トップダウン型の情報共有は、オープン化の最初の一歩に過ぎません。 全ての社員が、自分の想いや活動の情報を発信する「ボトムアップ型」の情報共有ができて初めて、真のオープン化と言えるのです。 トップダウン型の情報共有はトップが強い意志を持てば必ずできます。 しかし、ボトムアップ型はそんな簡単にはいきません。 その証拠に、社員が思っていることを、上司や役員に向かって話ができる会社はなかなかありません。 なぜでしょう。 その最大の要因は「権威主義」だと僕は思っています。 「権威主義」とは 権威(人を服従、強制させる力)に価値をおき、それに対して自己卑下や盲目的服従をする態度のこと。また逆に人にそれを要求する態度のこと。心理学的には、権威や伝統、社会的に価値のあるとされているものを無批判に承認し、これに服従、依存し、融通が利かないパーソナリティを指す。 *Hatena Keywordより引用 会社においては、地位が高い人が、内容の如何に関わらず、下位の人よりも常に「正しい」とされる価値観です。 議論において、最終的に地位が上の人が勝つというだけでなく、階層によって知ってはいけないこと、教えてもらえないことなどがあることも権威主義と言えるでしょう。 あなたの周りにある権威主義 権威主義という価値観があると、階層が違う人同士が遠慮なく議論し合うというのは不可能です。 みなさんも上司にこんなことを言われたことはないでしょうか。 「君はそんなこと考えなくていい」 「言われたことをやりなさい」 こういった言葉が出た瞬間に、お互いの議論はストップします。 そして、言われた方は、納得しないまま仕事をすることになります。 そんな環境で、自分のパフォーマンスを存分に発揮することができるでしょうか? 権威主義を排除して、真のオープン化でチーム力の最大化を実現する まずはトップダウン型の情報共有を徹底し、権威主義を排除することでボトムアップ型の情報共有で「真のオープン化」に向かいましょう。 真のオープン化によって、全ての社員の力を引き出すことができるようになり、チームの力は圧倒的に向上します。 *ISAOの提供する「Goalous」は、全ての社員の目標と活動を共有することで、チームの協働および、個人のパフォーマンスを向上させることができるサービスです。
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  • マネージャー不要の組織論

    バリフラットのISAOにはマネージャーという役職が存在しません。 では、**「誰がどうやって決めていったり、チームをリードしていくの?」**という質問をよくいただきます。 マネージャーはいないが、リーダーはたくさんいる ISAOでは、全ての活動が「プロジェクト」になっています。 プロジェクトの推進役は、PL(プロジェクトリーダー)という役割を明確に持ちます。 PLは、そのプロジェクトに関しての責任者ですし、クリティカルな判断をするときは、多数決せず、最後はPLは決めるというのがISAOのルールです。 マネージャーは「役職」、リーダーは「役割」 マネージャーとは、**「任命された役職」**です。 それと比較し、リーダーは**「自然発生的な役割」**です。 ですから、リーダーを選ぶときは、メンバーたちが「この人がリーダーであるべき」という人になってもらう。 また、マネージャーは人事制度の中で決められていくものですが、リーダーはそうではありません。 階層ではない リーダーは「役割」ですから、マネージャーのように組織の中で「高い地位」にいるわけではありません。 ですから「偉い人」はISAOには存在しません。 「でも結局PLが偉い感じになっちゃうんじゃないの?」という疑問に関して この質問をとても良く聞かれます。 確かに、どんな場合でもリーダー的な役割を果たしているとなんとなく「偉い感じ」になってしまうような気がします。 それを避けるために、ISAOでは、PLの人でも、他のプロジェクトではメンバーとして入ってもらう。 時にはリーダー、時にはメンバーとして、活動することで、「偉い人」を作らずフラットな関係を保つメカニズムになっています。 ちなみに、僕自身も、ISAOの経営プロジェクトリーダーとしての役割を持ちながら、その他のプロジェクトに入る場合はメンバーとして活動をします。 ちなみに、僕は職種としては「営業」を長くやってきたので、営業としての活動もしています。 例えば、自社サービスのGoalousでは、事業のリーダーが他にいて、僕は営業としてその中の一メンバーとして営業活動をしたりしています。 Goalousというサービスにおいて、難しい決断をするときは僕ではなく、PLがする。 僕はPLに対して建設的に意見を言うという役割を担っています。 フラットは気持ちいい 僕も経験がありますが、役職の高い人が威張っている組織は楽しくありません。 人間として偉いわけでもないのに、フラットに議論ができず、結局役職の高い人が自分の意見をメンバーに押し付ける。 そして、その人は常にマネージャーですので、立場が逆転することはありません。 そういう環境はつまらない。 誰も威張らない。だから仕事がたのしい。 それが、ISAOのバリフラットなのです。
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  • 「空気読めない」を排除の危うさ

    ハイコンテクスト文化の日本 日本は**「ハイコンテクスト文化」**だと言われています。 「コンテクスト」というのは、慣習、知識、価値観などの我々が持っている文化の背景のことを言います。 その背景が共通認識になっていて、**「言葉で言わなくてもわかるよね」**というのがハイコンテクスト文化です。 日本は、ほぼ単一民族で、長い間クローズに文化が作られてきた歴史もあったため、みんながなんとなく同様の認識を持っているので、言葉ではっきりと伝えなくても意思疎通ができるというのが常識でした。 一方、アメリカのように多民族で価値観も多様な人が集まる社会は、ローコンテクスト文化であり、言葉で直接的に伝えないと、意思疎通が不十分になります。 グローバル時代は、ローコンテクストが大前提 ビジネスの現場ではどうでしょうか。 今までほとんどの日本の会社は、「世界第2位のマーケット」「日本語の特殊性」に守られ、日本人だけ、もしくは日本人中心の会社作りが行われてきました。 ところが、国内市場が先細りし、労働人口もどんどん減っていく今のような状況になり、会社もビジネスも、グローバル化が余儀なくされてきています。 グローバルチームは、**「ローコンテクスト」**が大前提。 「なんとなくわかるよね」は通用しない。 「言葉で」「はっきりと明確に」「敬意を払いつつ、ストレートに」 古き良き日本のやり方では、グローバルチームは運営できないのです。 「空気読め」という発言は禁止 「KY」と言えば「空気読めない」ですが、チームの中で誰かが少しわかってなさそうな話をした時に「空気読めよ〜」という感じになるのは良くありません。言いたくなる気持ちは理解できますが。 なぜかというと、「空気読めよ」を許容すると、今度はコンテクストを理解していない人が、怖くて発言できなくなり、結局同質性の高い人たちだけが中心で物事を進めていくことになってしまうからです。 疑問があれば、誰でも素直に質問したり、異議を唱えたりする。 そこに遠慮や不安はないようにしていかなければなりません。 「空気読め」がうみだす忖度による弊害 空気を読まなければいけないチームで発生するもう一つの大きな問題は、**「忖度」**です。 チームの中で、偉そうな人に忖度すると、説明するにしても先回りして色々なことを準備しなくてはいけなくなる。 そうやって、結局必要ないことまで準備すると、効率は格段に落ちてしまいます。 ですから、何かをお願いするときは、明確に言葉にしなければいけませんし、逆にそれ以上のことを忖度してやりすぎることは効率やスピードを上げるためには絶対にやってはいけないことなのです。 僕が感じる同質性の高い組織の弱さ 同質性は、国籍が一部に集中していると起こりやすい現象です。 例えば、日本にある、日本人がほとんどを占める会社など。 その点では、現在ISAOは、日本人以外はまだ10%程度で、国籍集中型で、同質性の高い組織と言えると思います。 ISAOは、基本的に**国籍を問わず「いい人採用」**というふわっとした採用方針もあり、意地悪な人がいないのが特徴で、僕たちはそれをとても気に入っています。 ただ一方、たまに少し強めのKYキャラが入ってくると、お互いに分かり合えないことがあってもダイレクトに話をせずに、なんとなく「あの人付き合いづらいな〜」と言って、その人を遠巻きにしてしまう傾向もあり、それを僕は問題だと思っています。 様々なタイプがいなければチームは強くなりません。 サッカーで例えれば、みんながフォワードだけのチームとか、みんながディフェンダーでは勝てないというところでしょうか。 もちろん多様性があれば、最初からは分かり合えないことは多くなります。 当たり前です。そして、分かり合えなかったら、直接言い合えばいいのです。多少の軋轢は織り込まなければなりません。 「チームの発達段階」という有名なモデルがあります。 そこでは、最強のチームになるまでには4段階が必要と言われています。 フォーミング(形成期) ↓ ストーミング(ぶつかりあい) ↓ ノーミング(規範形成期) ↓ パフォーミング(チームのパフォーマンスが最大化) 同質性の高い組織は、ストーミングが苦手な傾向があり、ぶつかり合わず**「排除」**してしまおうとする傾向があると僕は思っています。 多国籍のチームだと、単純に「排除」するということはあまり起こらず、多少揉めたとしてもまず正面から話し合い、わかり合う努力をします。 それはきっと**「元々の価値観が違っているので、はっきり話さなければ分かり合えないことが前提」**なのだからでしょう。 多国籍、多様性、忖度なしのプロフェッショナルチームを目指す ISAOのビジョンは、「世界のシゴトをたのしくする」。 ですから今後、日本人の比率は益々下がっていって、10年後には日本人は一部、みたいな形を想像しています。 様々な国籍の人が集まる場所の会話はきっと**普通に「英語」**になるでしょう。
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  • 「発言しない」は「存在しない」

    発言しないは罪!? チームで仕事をしている人にとって、自分が考えていることを発言することは、**「した方がいい」のではなく、「しなくてはならない」**ことだと僕は考えています。 世の中には、常に自分からは発言せず、他の人が考えを言った後に初めて自分が発言する、というスタイルの人がいます。 自分から発言することは勇気が必要です。 でも、だからと言ってみんなが、他の人が何か言うのを待っていたらモノゴトを進めることはできません。 思ったこと、考えたことをどんどん発言することは、チームの仕事のスピードを高め、進めていくことに大きく貢献することなのです。 チームのグローバル化 文化背景が共通の、例えば日本人のみで構成されるチームであれば、それでも**「共通理解」**みたいなものが漠然とあります。 発言しなくてもある程度は伝わる環境と言えるでしょう。 ところが、現在のISAOもそうなのですが、これからの日本の組織は、日本人だけでなく、世界の人たちが集まってチームを作っていくことも多くなってくるでしょう。 そういったチームでは、共通理解や、共通の常識がありませんので、自分の考えを明確に発信しなければ、しっかり議論し、最終的にコンセンサスを取ることはできません。 発言することは**「しなくてはならない」**ことになります。 発言しないは、存在しない グローバルなチームにおいて、発言しないのは存在がないと同義です。 活動においても、どんなに素晴らしいことをしていても、その中身をオープンに語らなければ、周りに十分に認めてもらうことはできません。 これからの時代は**「有言実行」**が確実に求められる時代になります。 説明のうまさだけで、人を評価しないことの大切さ こういった話をすると**「プレゼンがうまい人しか評価されなくなる」**と拒否反応を示す人がいます。 確かに、プレゼンテーション的な発信だけを考えるとそうなります。 でも、それでは本質に迫ることはできません。 ではどうするか。 プレゼンのうまさではなく、活動を評価するようにすればいいのです。 活動の評価をするために。例えば日報。 活動の評価をするためには、みんなで自分の活動を発信していくことが重要です。 例えば日報です。それであれば、プレゼンのうまさではなく、活動の内容で、周りはその人を評価することができます・ ただ、日報には問題があります。 **「文字だけでつまらない」**という問題です。 つまらなければ、読まなくなる。読まなければ結局みんなの活動が正しく評価できない。悪循環です。 Goalousで、活動共有をたのしく それを解決するのが、ISAOのサービス「Goalous」です。 スマホでもPCでも、サクサク活動を共有できて、写真があるので見る方も飽きずに楽しくチームの活動を確認できます。 たのしく共有しているうちに、組織の壁がとけ、コラボレーションを生み出す。 そして、Goalousに搭載されたHR Techで、活動を分析することでわかる、個人間や、個人とチームとのエンゲージメントや、バイオリズムなどを利用して、チームに必要なサポートを行っていくことも可能になります。 Goalousは、世界のチームをたのしくすることを目標に、これからも進化し続けます。
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