バリフラットができるまで ⑥〜フラット化の総仕上げと部署の消滅 ~

これまでの話をまとめると、ISAOは2012年頃から情報のオープン化を進め、それに伴い不必要なレポーティングラインを削減することで、徐々に組織をフラット化してきました。  

  

前回は、その状態から最後「すべての役職をなくして、完全にフラットにしよう!」となった瞬間の話でした。  

  

そこで、今回はそう決めてから、バリフラットになるまでのプロセスの詳細がどんなものであったかを書きます。  

経営合宿  

  

前回の「もう部長もやめませんか?」は2015年9月10日頃の話でした。  

  

ISAOは決断してから実行するのがとても早い会社です。  

バリフラット以前の部署のある組織だった時も、部署移動は「決めたらすぐ」というパターンがほとんど。  

  

もちろん、本人や関係者はある程度の期間しっかり考えていて、最後決断するプロセスなのですが、直接関わっていない人からすると、あまりにも突然人が動いているように見えます。

社員アンケートを取ると「スピーディなのはいいが、乱暴すぎるのではないか」という意見も出るほどでした。  

  

ただ今回の、「役職を取っ払い、階層をなくす」というアイデアが出た時は、「でも、実際どうって運営するの?」という課題があり、即日とはいきませんでした。  

  

役職をなくすということは、部署も全部なくすということ。

  

「あれ?部署なくなったら、事業計画ってどうすればいいんだろう?」  

「上司がいなくなったら、評価ってどうする?」

「責任持って各領域をコントロールする人がいなくなったら、業績悪くなっちゃうのでは?」  

  

などなど、考えれば考えるほど、課題が出てきます。  

  

こういう時は合宿です。

 

合宿は9月20日頃行われました。  

部署をなくした事業運営  

  

部署がなく、役職者がいない事業運営は、バリフラットに興味を持った人がまずは疑問に思う項目です。  

  

ただ、実際の事業運営は、思ったほど普通の組織と違いません。  

  

ISAOでは部署はありませんが、各事業をプロジェクトと位置付けています。

各プロジェクトは、必ずプロジェクトリーダー(PL)を作ります。  

  

PLは、そのプロジェクトのまとめ役であり、最も責任感が高く牽引する役割を与えられています。  

  

こう説明をすると、「結局、PLって中間管理職みたいなことでしょ」と皆さん思われますが、それは違うのです。  

部長はいつも偉い。でもPLはそのプロジェクトのリーダーであるだけ。

  

どんな会社でも、部署として行なっている事業だけでなく、色々なプロジェクトがあります。  

 

例えば、社内を横断するようなプロジェクト。  

  

社内横断プロジェクトでも、部長が入っていたら若いメンバーが最終決定者・責任者になることはない。  

部長はいつも部長として、一段高い立場になることが普通です。  

  

ISAOのPLは、そのプロジェクトだけのものですから、いつの時でも偉い部長とは根本的に違います。  

  

あるプロジェクトではPLでも、その他のプロジェクトに参画する時は、メンバーであるのがISAOでは普通なのです。  

  

それは僕であっても同じ。例えば僕は、経営プロジェクトではPLですが、採用やブランディング、Goalousなどのプロジェクトではメンバーとして、活動しています。  

ですから、それらのプロジェクトでは、メンバーとして意見は言いますが、最終的な方針の決定は各リーダーに委ねられています。  

  

もちろん、メンバーとして参画している以上、その役割の中での成果は当然求められますよね。  

  

「絶対的に高いポジション」は存在しない。

 

それがISAOのバリフラットなのです。  

上司のいない組織の評価制度

 

バリフラットの原型を作った経営合宿で、一番難題だったのが評価制度でした。  

普通の会社では、部門長が部下の評価をするのが、評価制度の根幹です。  

  

バリフラットに、上司は存在しない。  

  

いっそのこと「評価なんてしない」など、ぶっ飛ばしたアイデアもありそうです。  

  

10日後に始まるバリフラット。  

僕たちの決断は、新しい「コーチ制度」でした。  

  

次回、バリフラットのコーチ制度について書きます。

 

続きはコチラ

 バリフラットができるまで ⑦〜コーチ制度をぶっ飛ばす