自発型組織のススメ② 〜自発な組織のつくり方~

前回は、管理をするのではなく自発型の組織にしていくことが、これからの時代において重要であることを書きました。

 

▼自発型組織のススメ 〜管理から自発な組織へ~

https://blog.colorkrew.com/spontaneous_organization/

 

では「管理型組織」から「自発型組織」に向かうためにはどのようなステップが必要になるのでしょうか。

Colorkrew(以下カラクル)での実体験も含めて僕のやり方を紹介したいと思います。

管理でも自発でもない、放置型組織だったカラクル

 

僕がカラクルに合流したのは、2010年です。

そのときのカラクルは、自発型組織でも、管理型組織でもありませんでした。

 

ではなんだったのかというと「放置型組織」でした。

 

放置型組織とは、誰も実質的・本質的な管理していない状態の組織のことです。

 

もちろん、業績に関してはマネージャーや経営に関わる人たちが見てはいます。

ただその一方、社員たちは、自分の思い思いに好きなやり方で、好きなことをやっている状態。

事業の健全化に向けて活動をコントロールできている状態とは程遠い状況でした。

 

経営の最重要課題である人事に関しては、前職条件引きずり型、情実人事です。

前職条件が影響してしまうのは中途採用時にある程度仕方のないことではありますが、情実人事は大問題でした。

 

権力を持つ人に気に入られれば、給料が上がり、気に入られなければ、給料は低いまま。

 

管理か、自発かという前に、「会社が存続できない」というレベルの悪い業績が続いているにも関わらず、それをどうするかの方向性もありませんでした。

規律を効かせる重要性

 

そういった組織を立て直すのにまず重要なことは、方向性を定めることでした。

 

方向性を定めるとは、ミッション・ビジョン・スピリッツを憲法として定め、その上で全社的な戦略、戦術を決めることです。

 

その方向性に、みんなが向かっていくために必要なことが「規律」です。

方向性を定め、ブレないオペレーションをしていくために規律を守っていくことで、業績は劇的に改善され、4億円以上の赤字から2年で黒字化、そしてその後5年間で5億円ほどの経常利益を出すまでに成長することができました。

 

これらをやりきるために、まず導入した規律は「会社から与えられた規律」です。

与えられた規律とは

 

与えられた規律とは”ルール”です。

ルールは決めたら上から下に降りてくるというイメージ。

 

この時期に、僕が決めたルールは、以下のようなものです。

  • 時間を守る
  • 交際費など経費の自己決済は禁止(必ず他人の目を通す)
  • 「赤字は悪」を徹底(当時は”これは意味がある事業だ”という説明で赤字を正当化していました)
  • 全員で現場の仕事に取り組む。人の評価だけする人の撲滅
  • すべての事業は、計画・実績をレビューする
  • 不機嫌禁止

などです。

レベルが低すぎる内容もありますので、少し恥ずかしいですが、これをわざわざルールに定めなければならないという状態だったのです。

これらをルールとした目的は以下の通りです。

 

  • 社内的パワーを持っている人も含めて、自分だけで勝手に物事を決めることはできない仕組みづくり
  • ずるずると赤字事業を続けないためのガイドラインを持つこと
  • 雰囲気をポジティブに変えるため「上から詰める文化」を一掃すること

 

これらを、口うるさく徹底していくことで、必要な厳しさを持つチームに向かうことができました。

与えられた規律から、自己規律へ

 

その状態を数年間続けると、これらのルールを守ることは「当たり前」になっていきました。

その中で、自然と業績はV字回復したのです。

 

これらが当たり前になると、ルールを守れているか管理する必要性が薄くなります。

次のステップでやっと「自己規律」へ向かうことができるようになるのです。

 

自己規律と言っても、前提条件は組織によって変わってきます。

カラクルの場合は、以下の共有する価値観が定められています。

Colorkrew Spirits

  • オープン
  • チャレンジ
  • キズナ

 

これらをしっかり尊重しているという前提で、細かいことをルールとして定める必要をなくしていく。

ルールが少なくなれば、よりフレキシブルに働けますし、他人から管理されているというストレスからも解放されます。

 

つまり「シゴトがたのしく」なっていくのです。

まとめ

 

自己規律型組織を目指すためには、当たり前レベルの規律をプロとしてやり切ることができる組織が前提条件です。

 

まだそのレベルになっていない組織の場合は、カラクルがやったように、まずは「与えられた規律」を定め、運用するステップを踏む。

 

その上で自分たちならではの価値観を共有することで、その先の自己規律へ向かえるようになります。


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