シゴトたのしくを科学する~②職場の苦痛の正体とは~
シゴトたのしくを科学するの第二弾、今回は職場の苦痛について考えます。 第一弾はこちら。 ▼シゴトたのしくを科学する~①仕事つまらないの正体とは~ 職場の苦痛の原因ナンバーワン「人間関係」 いつも通り、職場、苦痛、ストレス、原因などを組み合わせて、色々なアンケート結果をググってみました。 ほぼ予想通りどのアンケートでも「苦手な人との人間関係」がダントツでトップの理由。 「そりゃそうでしょ」と思った人が大多数ではないでしょうか。 今回はこれを掘り下げて行きたいと思います。 人間関係のナニが苦痛なのか では、どういうケースで「苦手な人との人間関係」が苦痛になるのでしょうか。 それらの多くは、上司や先輩などとの関係なのではないでしょうか。 もちろん、上司や先輩ではなくとも苦手な人はいるかもしれません。 ただ、例えば部長をやってる人が、「今年の新入社員はちょっと苦手だ」という理由で、そこまで大きな苦痛を感じるでしょうか。 先輩が後輩から感じる苦痛も同様に、そこまで大きなものではない。 もちろんどんな人間関係でも、苦手な人は多少気になるでしょうが、大きな苦痛とまでは感じないケースがほとんどだと思います。 苦手な人に、組織の中で自分より上の役職という「ポジションパワー」が加わることで苦痛は倍増する。 これが人間関係の苦痛を生み出す方程式です。 相手にポジションパワーがあると、何ができなくなるのか 一方、相手が上司や先輩であっても、「言うべきことがちゃんと言えている状態」であれば、そこまで組織の中で苦しくならないのではないかと、僕は考えます。 自分が言うべき、または言いたいと思っていることを、我慢して黙っていなければならない状態。 理不尽なことが起こっていても声を上げられない状態。 これらが起こったときに人は苦痛を感じます。 起こりうるのは大抵の場合、相手にポジションパワーがあるときです。 「こんなこと言ったら、自分の評価が悪くなるんじゃないか」 「こんなこと言ったら、嫌われて、コミュニケーションが悪化して、仕事がうまく進まなくなるんじゃないか」 「自分の意見を主張することで、自分の周りに迷惑をかけることになるんじゃないか」 こんな恐れを持ったとき、理不尽であっても人は黙ってしまう傾向にあります。 思ったことをなんでも言ってきた自負のある僕でも、組織の中で理不尽に対して、不本意ながら黙らざるを得なかったことは、数多く経験してきました。 必要なのは心理的安全性 「不本意ながら黙らざるを得ない」 自分でも経験した、こういった状況をできる限り無くしていきたい。 Colorkrew(カラクル)のバリフラットは、明示的な「上司」がいないという点で、こうした職場での苦痛が起こりやすいメカニズムの一つを排除しています。 ただ、それだけで人間関係の苦痛がなくなるかというと、そうではありません。 もう一つ重要なのは、その組織に「心理的安全性」が保たれているかどうかです。 ▼心理的安全性の定義 「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」 上司部下関係なく、思ったこと、正しいと思うことを堂々と発言することができる環境を整えましょう。 心理的安全性を担保するカルチャーとシステムをつくる方法については、過去のブログで書いていますので、そちらも合わせて読んでみてください。 ▼心理的安全性をうみだす組織のつくり方 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...自社サービスで Azure App Service から Azure Kubernetes Service に移行した話 vol.1
こんにちは。 Azure Cloud Solution Architect の秋山です。 今回は弊社の Mamoru Biz で k8s に移行した話について書きます。 思ったよりも長くなりそうなので以下のように記事を分けます。 Vol.1 App Service から AKS へ移行の決断 <- 本記事 Vol.2 AKS(k8s) 移行の下準備 Vol.3 AKS(k8s) 移行 App Service 移行した話の前に、 Mamoru Biz チームと App Service の関係について書きます。 Microsoft の App Service は簡単に Web アプリを公開できる、スタートアップに適したサービスです。 Mamoru Biz を始めた頃はまさにスタートアップで、私が受託ビジネス くらまね の片手間に短時間でインフラ構築をする必要があり、経験のある App Service を導入しました。...シゴトたのしくを科学する~①仕事つまらないの正体とは~
「シゴトたのしく」のサービスをうみだしとどけるために、仕事をしているColorkrew(カラクル)。 もちろん、自分たち自身もどうやったらもっと仕事や職場がたのしくなるのかということを日々考えています。 実は、たのしくするためには、逆から考えて「つまらないことや、苦痛をなくす」ことがまず重要です。 今回は、僕の過去の経験から仕事や職場がたのしくなくなる、いわゆる「つまらないこと」の正体とは何かを考えてみたいと思います。 仕事つまらないの正体とは 給料が低いとか、評価されないとか、その状態をもって「つまらない」と感じることがありそうです。 でもそれは、仕事自体や職場そのものの話ではないので、ここでは除外します。 僕が考える、つまらないの正体はズバリ「意味や意義が感じられない仕事をしている」か「簡単すぎる仕事をしている」の2つです。 意味が感じられない仕事とは いくらいい給料をもらえたとしても、「穴を掘って、また埋める」みたいな仕事はしたくありませんよね。 この「穴を掘って埋める」は、昔ヨーロッパで実在した、囚人に対する刑罰でした。 この穴掘り刑で、中には気が狂ってしまう人もいたそうです。そのくらい辛い。 なぜこの刑が辛いかというと「意味や意義を感じられない」からでしょう。 このように極端なことは現代社会においてはほとんどないとは思いますが、自分の仕事に意味や意義を感じられない人は世の中に多そうです。 過去いろいろなところで取られたアンケートなどをググってみると、多少誤差はありますが、30〜40%くらいの人は自分がやりがいを感じない仕事をしていると感じているようです。 簡単すぎる仕事とは そしてもう一つのつまらない、「簡単すぎる仕事」について。 社会人になって、最初はどんな仕事でも自分にとっては難しいものです。 僕が新人の頃のことで思い出すのは、部署にかかってくる電話をとって、先輩に取り次ぐという仕事の難易度の高さです。 会社名は聞いたことないものがほとんど。 名前だって僕みたいに中村とか佐藤とか田中とか、ありがちな名前ではなく、聞いたこともないような苗字の人も多い。 メモ取らなければ、聞き取れても忘れるし、メモをとることに夢中になると、相手との会話ができず、用件を聞くことができない。 あまりにも聞き取れなくてよく「xxさん、なんとかという会社のなんとかさんから電話です」と取り次ごうとして怒られました。 「何にもわかんねーよ!」と。笑 聞き取れないからと言って、「すいません、もう一度お名前をいただけますでしょうか」とやってみても、また聞き取れない。 3回目は聞けないので、結局「なんとかという会社のなんとかさんです」と取り次ぐことになる。笑 ただ今度は「すいません。聞き直したんですけど、わかりませんでした」という言い訳がついていますので、先輩も苦笑いです。 だいぶ脱線しました。 言いたいことは、とにかくどんな仕事でも最初は難しい、ということです。 ただそんなに難しかった仕事でも、少し慣れると、できるようになってくる。 僕もしばらくしたら、電話番はパーフェクトにできるようになりました。 聞き取れなかった取引先は、あとで先輩に確認してどんどん覚えていく。 先輩が留守のときのメモも工夫する。 あらかじめフォーマット作って、日付を書く場所、ありがちな用件であれば(例えば「折り返し電話ください」とか)チェックマーク入れるだけでいいようなものをコピーで大量に作ったりして効率化しました。 工夫して難しい仕事を乗り越えていくのが成長です。 成長しているときは楽しい。どのレベルかはあまり関係ないような気がします。 ただ、上達すれば難しかったその仕事は「簡単な仕事」になります。 仕事には幅も深さも際限がありません。意識すれば、自分にとってより難しい仕事はゴロゴロしています。 クリアした簡単な仕事だけでなく、より難易度の高い仕事に取り組めているか。 そこがチェックポイントです。 いまの仕事はつまらない?を判断するには 僕のお勧めは、定期的に自分が「意味のない仕事」「簡単な仕事」をしていないかをチェックすることです。 仕事に意味があるか。 これに関しては、自分の基準でそう思うかどうかだけで十分な判断です。 もちろん、見方を変えれば意味や意義を感じることもありえますので、少し多面的に見てみる努力はしてみましょう。 ただ結局、自分が「意味がない」と思えばその仕事はあなたにとって意味のないものなのです。 問題は、簡単な仕事をしていないかの方でしょう。 これの判断の難しさは、同じ仕事でも自分にとっては段々難易度が下がっていくことにあります。 2年前には難しかった仕事も、いまでは簡単な仕事になっているケースは大いにあるでしょう。 短期的に仕事の難易度が低くなってしまう状態は、どんな環境でもあり得ます。 ですから、中期(2〜3年)、長期(5〜10年)で考えてみる。...The Road to Super Flat Organization #10: Business Management in Super Flat Organization
Dear readers of “The Road to Super Flat Organization.” Thank you so much for reading! Back number:The Road to Super Flat Organization #9: The Road to Non-territorial Office I found out that my friends did not press the “like” button, especially those who often tell me, “I read your blog!”...Colorkrew(カラクル)での1年を終えて
ブランディングチームから「1周年のブログを」と言われたので、こんなタイトルになっていますが、社員以外はColorkrew(以下、カラクル)の1周年などどうでもいいことだよなーなんて思いつつ(笑)コロナ状況とバッチリ重なったこの一年を、振り返ってみたいと思います。 1年前の状況 1年前、ISAOからカラクルに社名変更したとき書いたブログです。 ▼Colorkrewに社名変更しました! 読み返すと、新たな出発にワクワクしてます、という感じに書いていますが、実を言うとこのとき、B2Bのビジネスがコロナの影響を受け始めていて、ヤバイ!という状態でした。 ただ、そのあと急速に回復しすぐに元に戻ったので、助かりました。 独立したばかりで、いきなり立ち行かなくなったらどうしうようと、本当に焦りました。 「シゴトたのしく」が試されている カラクルのビジョンは「世界のシゴトをたのしくするビジョナリーカンパニー」です。 B2Bのビジネスは、コロナショックを受けましたが、シゴト向けアプリのMamoru BizやGoalous(ゴーラス)には逆に追い風になりました。 オンライン以外だと関わることが難しくなったいまだからこそ、カラクルのプロダクトを世の中が求める時代がきたなと実感が湧いてきました。 まだまだ世の中に大きくインパクトしている状態からは程遠いので、引き締めていきますが、これからも世の中の仕事を楽しくしまくることを目標に、どんどん進化させていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。 コロナで変わった価値観 この一年は、カラクルだけではなく、世の中のほぼ全ての会社にとって、いままでにないほど大きく価値観が変わった期間ではなかったでしょうか。 コロナ前の日常。 朝会社に来て、同僚と顔を合わせ、挨拶をし、業務の合間には直接仕事で関わりのない人とも雑談をしたり、割と直接仕事をしていない時間も多く、ある意味ゆったりと時が流れていました。 比べて現在。 電車に乗ることはほぼなくなり、毎日自宅で仕事が始まり、合間に雑談をする相手もいない。 移動時間がなくなったことでミーティングは効率的に行えるようになり、下手をすると1日10件くらいミーティングを入れることさえできます。 言い換えれば無駄がない。 しかし、効率的になればなるほど、いままであった仕事の余白、余裕みたいなものはどんどん失われていく。 当初は、効率的だし、通勤がなくて快適だと思っていたリモートワークも、これだけ続くとチーム感が損なわれ、段々つまらない感じになってきたという意見も最近よく聞くようになりました。 今年に入ってからは、(特に関東は)ほぼずっと緊急事態宣言ですので「仲間と飲みたいよ〜」と思っている人も世の中多いのではないでしょうか。 コロナで得たものとは テレワーク疲れはあるものの、ここ一年で僕たちの社会が得たものは大きいと僕は思っています。 それは大きく2つです。 一つは、テレワークでも十分に仕事ができることが証明されたこと。 例えばカラクルでは、いままで、家庭の事情で地方の実家に頻繁にいかなければならなかったメンバーは、週末大変な労力をかけて移動していました。 金曜の夜に実家に帰って、日曜の夜に帰京するみたいなパターンです。 世の中の多くの単身赴任のお父さんたちもきっと同じような苦労をしているはず。 ところが、いまはどこからでも仕事ができるようになりましたから、実家に1週間帰って、東京で次の週を過ごすというような働き方も可能になりました。 カラクルでも、毎日の出社が前提ではなくなったことで、地方在住の人の採用もできるようになり、初めて関東に住んでいない人を採用しました。 ▼Working from Nigata で世界を目指すバックオフィサー もともと住んでいた東京から、郊外により広い家を求めて引っ越す人も。 フレキシブルな働き方ができることで、確実に暮らし方の選択肢が増えていることを実感しています。 二つ目は、オンラインが強制されたことにより、社会全体のオンラインツールのリテラシーが上がったことです。 これによって「オンラインでミーティングしましょう」がどんな人とでも簡単にできるようになりました。 また「では来週のいついつにミーティングを」という話が、「じゃあ今日これから話しましょうか」と圧倒的に時間が短縮できるようになりました。 カラクルが考えるコロナ後の会社 いいことばかりでも、悪いことばかりでもなかったコロナ禍のこの一年。 重要なのは、コロナ危機が終わったあと、この経験をどう活かすかです。 テレワークをやっていて「仕事をする場所は選ばなくていい」と同時に、「一緒の時間帯に仕事をすることは結構重要」ということも僕たちは気づきました。 ということは将来的には、時差のない環境であれば、日本のマーケットに対して、アジアやオセアニアなどからシゴトをするのもありでしょう。 さらに、逆の発想をすれば、24時間開発や顧客対応を引き継ぎながら回すために、アジアとヨーロッパ(もしくはアフリカ)とアメリカ(もしくは南米)に各拠点を持つことも考えられます。 そうすれば、いままで敷居が高かったワーケーションにとどまらず、世界を旅行しながら働くこともできるようになります。 なんて素晴らしい!...The Road to Super Flat Organization #9: The Road to Non-territorial Office
So far, I mostly talked about HR and organization. So this time, I will write about the changes in the office. Back number: The Road to Super Flat Organization #8: 360 Degree Open Evaluation From two floors office to a single floor Before we moved to our current office in Asakusabashi, ISAO (Colorkrew, at that time) office was in Yotsuya....Working from Nigata で世界を目指すバックオフィサー
こんにちは! 経営企画、経理、海外ビジネス(バックオフィス全般)を担当している鳥越です。 2020年11月からColorkrewで働いています。 私は新潟に住んでいるので、普段は新潟県からリモートで仕事をしています。 今日は、Colorkrewに入社した経緯や、遠方からどんな風に働いているか、また半年Colorkrewで働いてみて感じたことなどをご紹介したいと思います。 入社の経緯 これまでの経歴をざっくり言うと、大学を卒業 → 税理士事務所で働きながらUSCPA(米国公認会計士)の資格取得 → 監査法人(日本と海外)→ グローバル展開しているメーカー → 退職して天真爛漫な生活(日本と海外)→ Colorkrew です。 Colorkrewに入社する前は、家族の都合で仕事をいったん辞めて海外で暮らしていました。 しかし、もともとずっと働き続けたいという願望があったので、日本に戻ったら仕事に復帰しよう考えていました。 そしていざ、就職活動へ。 いくつかの会社の面接を受けていましたが、実はColorkrewで採用してもらえると思っておらず、先に選考の進んでいた会社に就職するつもりでいました。 内定の連絡がきた時は嬉しいというよりも驚きでした。 想定外の事態に、私は何を期待されているのか、期待に応えられるのか、改めてもう一度確認したいとエージェントに電話。 確かその 1 時間後くらいに、急遽また面接をしてもらいました。 その時に中村さんに笑顔で言われた一言が、 「鳥越さん Colorkrew に来た方が良いよ、監査法人より絶対楽しいから!」 そりゃそうだよなぁと、入社する決意を固めました。 とはいえ前職を退職してからブランクがあったことと、業界が未経験だったことには不安を感じていました。 入社までに出来る限りの準備をしようと、働いている想定で1日8時間パソコンに向かって作業してみたものの、3時のおやつになるころには頭がクラクラしてしまって・・・。 働くって大変なことだなって思い出しました。 Colorkrew のビジネスや業界の知識については、入社後のオリエンテーションに始まり、コーチ(Colorkrewにはキャリアを相談する相手を社内から自由に選べるコーチング制度というものがあります)から知識の習得方法についてアドバイスをもらったりして、継続的に取り組んでいます。 新潟からリモートワーク さて、前述したように私は普段、新潟県からリモートワークで働いています。 そして業務上出社が必要な時には上京しています。 最近は、監査対応や月次決算のタイミングで月に1~2回程度オフィスに顔を出しています。 リモートワーク前提で採用してもらいましたが、業務で出社する機会が無ければ、コミュニケーション目的でも定期的に出社してもらって構わないと言ってもらえたこともColorkrewならではかと思っています。 転職、しかもリモートワークで、というと馴染めるのか難しそうだと言われたりしますが、実際は結構スムーズにチームに参加することができました。 すんなり馴染めた理由その1 一つ目は、リモートワークしているのが自分だけではないという状況です。 Colorkrewでは2020年2月から感染対策のために全社的にリモートワークを推奨しているため、私だけでなく社内のほとんどのメンバーが毎日リモートワークしています。 リモート下のコミュニケーションに慣れている(?)メンバーに、Web会議のコツを教えてもらったりしながら、次第に打ち解けていけました。 すんなり馴染めた理由その2 二つ目は、周囲のサポートです。 入社後は、コーチと週1回以上の頻度で面談していました。 迷ったときなど気軽に相談できる場があるのはありがたかったです。 また、「Colorkrewを知るために、プロジェクトリーダーに話を聞くというのをやってみたらどう?」と言われたことをきっかけに、いろんなメンバーと話す機会を持つことが出来ました。...僕が経営参画する人に求める、たった一つのコト
役職・階層がないバリフラットのColorkrew(カラクル)ですが、会社の経営に関する重要な方針の話し合いに関しては、経営プロジェクトのメンバーが決めていく仕組みになっています。 この経営プロジェクトとはどうやって運営されているのか、そして経営プロジェクトメンバーを僕がどう選んでいるのかを書きたいと思います。 経営プロジェクトのリーダー 経営プロジェクトの、プロジェクトリーダー(PL)に関しては、現状僕がやっています。 バリフラットシステムでは、複数のプロジェクトに入るのが基本ですので、もちろん僕も他のプロジェクトに入っています。 そしてその場合は、メンバーとしての参画です。 PLとして、僕の最も重要な役割は、そのプロジェクトにおいて必要な人材に声をかけ、参画してもらうことです。 僕がメンバーに求めること 僕が経営参画するメンバーに求めることですが、基本的にはたった一つです。 それは、「なにができるか」ではなく、「なにをすべきか」を考えて発言するということです。 経営プロジェクトで決まったことは、実行に移されます。 現実的に実行を担当する自分を想像すると、「この課題は、理想としてはこうすべきだけれど、それは現実問題として社内からの抵抗があったり、オペレーション的な課題も大きいので、言わないでおこう」とか、「ちょっと妥協して違う提案をしよう」なんて思いたくなることは多いものです。 こうやって「なにをすべきか」を避け、「なにができるか」に発言が向かってしまう人は経営メンバーとして失格です。 すべきことを、100%できるわけではない こういう話をすると、「そんなのは理想論で、現実としては、理想通りできないことは沢山あるんじゃないか」と反論したくなる人もいるでしょう。 その通りです。 ただ、経営プロジェクトのメンバーが肝に銘じなければいけないのは、”すべきこと”と定めたことが、できないとき、それは**「自分たちはできていない」と内省し続ける**ことです。 内省しつづけるのは、苦しいことです。 多くのことで、”すべきこと”ができていなければ「自分はいい感じでやっている」と自分たち自身に言うことはできなくなります。 カラクルでも「すべきこと」と認識していても、できていないことはたくさんあります。 大切なことは、できていないことをごまかさず受け止めて、いつかできるようにするというコミットメントを持ち続けることです。 「なにをすべきか」はどんな仕事にも通用する考え方 実は、この考え方はどんな立場の人にも同じように重要なことです。 特に若くて、組織の中での影響力がまだ小さく、自分の正しいと思ったことを仕事を実現しづらい立場の人。 多くの職場では、会社や部署の都合で、本来すべきこととは違ったことを不本意ながらしなければならないことも多いでしょう。 そんなときでも、まずは自分が”すべきこと”と思っていることを相手に正直に話しましょう。 その上でそれを実現するための努力を100%してください。若くて、組織の中でまだ自分の考えを通す力がない人でも、正直にコミュニケーションをし続けることは可能なのです。 そして、結果としてできない場合は、申し訳ない気持ちとともにそれを相手に伝える。 これを愚直にし続ければ、社内外に価値観を共有する仲間が増えていく。 価値観を共有する仲間を増やすことは、自分の実行力のレベルアップに直接的にインパクトするのです。 そうやって真摯に物事に取り組み続ける。 そのうち自分の実力が上がり、組織の中での存在感も強くなっていけば、”すべきこと”が段々できるようになっていきます。 こういった姿勢は、経営プロジェクトに参画するようになってからいきなりできることではありません。 やり続けることで基本動作にまで昇華することが重要です。 「なにをすべきか」を積み重ねてきた人を、今後も経営メンバーに入れていきたいと、プロジェクトリーダーとしての僕は考えています。 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #8: 360 Degree Open Evaluation
This time, I will talk about how we set our new evaluation system after the new coaching system. Back number: The Road to Super Flat Organization #7: the Birth of the Coaching System A problem in a general evaluation method Evaluation is a supervisor’s job. Many companies adopt this evaluation system....組織に歓迎される批判、嫌われる批判
自分が所属する会社や組織に対しての批判について、書きたいと思います。 権威主義的なマネジメント感を持っている人は「組織を批判する人を許容するなんてとんでもない」と考えがちです。 しかし、昭和や平成ならともかく、令和の時代はそういったマネジメントは通用しない時代です。 Google のピープルアナリティクスチームは、「心理的安全性」をハイパフォーマンスな組織であるための条件の中で、最も重要な因子と結論付ました。 心理的安全性とは、自分が思っていることを発言しても、組織は受け入れてくれるという確信です。 みな批判を発信してもいいし、それを組織は受け入れなけばならないということです。 とはいえ、批判ならなんでもいいのかといえばそうでもない、と僕は考えています。 批判にもいい批判、悪い批判があると思うのです。 誰でも不満や批判はあるもの 特定の会社や組織にいて、そこに全く不満や批判がない人はどのくらいいるでしょうか? ほとんどいないのではないでしょうか。 コロナでの会食時自粛が長期化したいまや、見ることもできなくなりましたが、夜の居酒屋にいけばサラリーマンたちが自分の会社や上司の悪口を言いまくって、ストレス発散しているなどという光景は日常茶飯事でした。 そういう人たちっていまはどうしているんでしょうか。 イマドキは、オンライン飲み会で発散してるんでしょうか。笑 完璧な組織はありません。 組織の運営やルールを、尖らないように尖らないようにと設定すれば、全体として凡庸で面白くない組織になる。 つまらないという不満が常に上がるでしょう。 といって、特色のある運営をすれば、それを嫌う人も必ずでてくる。 結局、どんな組織運営をしても、少なからず不満や批判は出てくるものなのです。 批判には、嫌われる批判と歓迎される批判があるということです 僕自身も過去、会社や組織の批判を沢山してきましたし、いまは、社員の批判を受ける立場でもあります。 両方を経験して少しわかってきたことがあります。 それは、ただ嫌われる批判と、そうでなく歓迎される批判があるということです。 歓迎される批判とは 批判の内容だけでなく、批判の仕方も含めて、どんな批判は歓迎されるのかを考えてみましょう。 ①前提として、組織愛があること そもそも嫌いな対象に対しての言葉は、トゲを含みがちで、なんとなく嫌なニュアンスになってしまいます。 ベースに愛があれば、そういったことはなくなります。 ②できれば記名で 理由は、批判の内容をより深く理解しようとしたときに匿名だと追いようがないことが多いからです。 記名であれば、深く話すこともできますし、誤解があれば直接説明することもできます。 ③言葉が無礼でないこと 匿名のときに多いのですが、相手を攻撃しようとできるだけ嫌な言い方をする人がいます。 レベル感が低く、そういう批判は的を射ていたとしても、取り上げられなくなる可能性があるので、誰にとってもいいことは一つもありません。 ちなみにだいぶ前のことですが、Colorkrew(以下、カラクル)の匿名アンケートで僕が一番嫌だなーと思った批判を紹介します。 カラクルのスピリッツについてのアンケートへの回答でこういうものがありました。 ”家族的キズナは、仲良しの人だけですよね” この人は、会社に不公平感を感じていたのでしょう。 僕を一番嫌な気持ちにさせたかったのであれば大正解の書き方ですね。笑 こういった投げ捨て系の書き方は、往々にしてよくありません。自分自身の人としてのレベルを下げてしまう。 匿名でも礼儀を忘れずにしたいものです。 ④建設的なこと 批判のための批判やただの悪口ではなく、その批判にしっかり立ち向かえば、その組織はいい方向に進むような建設的な批判は歓迎されます。 ⑤代替案の提案があること 〜が悪い、というだけでなく、「こういうやり方にしたらいいのではないか」という提案までセットになっている批判は、議論をする価値のあることが多いです。 歓迎されず、嫌われる批判は、全てこの逆だと考えればいいですね。 いかがでしたでしょうか。 あなたの会社を、また組織をよくするために、これからもどんどん建設的に批判をしていきましょう! <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #7: The Birth of the Coaching System
This time, I will describe how we worked on the coaching system. The roles of a manager in the previous organization Last time, I wrote that we adopted an organization where managers are not there and replaced them with the project leaders as we decided in the management camp. Back number: The Road to Super Flat Organization #6: The Final Touch, Goodbye Departments!...サイコーに効いたフィードバックの話③(最終回) 〜オレ、オマエとは仕事したくないわ
個人もチームも成長させる、組織にとって最も重要なコミュニケーションであるフィードバック。 フィードバックをするためには、その人の仕事の上での言動をちゃんと知ることが重要です。 コロナ禍で、多くの会社で全員出社しなくなり、行動が見えづらくなった中、フィードバックの質が落ちてしまうことは、中長期でじわじわマイナスに影響が出ます。 マネジメントとしては手を打っていきたいところですね。 「みんなの活動が見えなくなって困ったぞ」というそこのマネージャーの方。 Colorkrew(カラクル)は、圧倒的な行動の可視化にこだわったプロダクト「Goalous(ゴーラス)」を提供していますので、ご興味ある方は是非お問い合わせください。 と、宣伝はこのくらいにして、前々回、前回に引き続き、僕が受けて最高に効いたフィードバック紹介、パート3をお送りします ▼サイコーに効いたフィードバックの話① ▼サイコーに効いたフィードバックの話② またまた駐在時代の話 前回の僕のドイツ駐在時代の話〜お前のこと信用できなくなったってチームのみんなが言ってる〜では、ドイツの新会社の中の話を紹介しましたが、実は事件はドイツだけでもなく、日本でも起こっていました。 当時の僕らは、ヨーロッパの市場・顧客に日本製品を売るのがビジネスでした。 僕らは販売拠点として日本に「こんな製品を作って欲しい」とか「こんな機能をつけて欲しい」と日々要望を出します。 (ちなみにヨーロッパの会社は僕ともう一人だけ日本人で、あとの20人くらいは全てヨーロッパの国籍でした。) 製品を作っている日本とヨーロッパでは、マーケットからの要求が全く違うため、なかなか自分たちの要望が取り入れられず、ヨーロッパチームのフラストレーションは常に高い状態になりがちでした。 ヨーロッパから見れば「こうすれば、絶対に売れるのに」と思うことでも、日本は遠いし感覚も違うので、なかなか受け入れてもらえない。 僕は、ヨーロッパ組織のトップでもありましたが、日本からの駐在員ということもあり、ヨーロッパと日本のブリッジをする役割でもありました。 挟まれて、両方から突き上げを食う立場です。 ボトルネックでフラストレーション ちなみに、この”誰かが挟まれる”という構造は、国をまたいで仕事をしていくときには必ず発生します。 そして日本が絡むと特にひどくなる。 原因ははっきりしていて「日本人が英語をしゃべってくれないから」です。 なので、通訳的な役割も含めて、当時の僕のような人にストレスは集中するのです。 ストレスが集中するだけならいいのですが、そこだけコミュニケーションのラインがキューっと細くなるので、ボトルネックにもなり、この構造はろくなことがありません。 なので、将来インターナショナルにビジネスをしたいと思っている日本人は、ぜひ英語を喋れるようにしておいてください。言語はすぐに上達しないのでコツコツやることが秘訣です。 英語は突然やってきます!! …話が逸れました。 とにかく、そんな立場に置かれた僕は、日々奮闘していました。 人間は、自分以外の人の感情にはなかなか気づきません。 僕のこのストレスも、誰も理解してくれない感じで月日は経過していきました。 みんなわかってない! 毎月のように日本に出張して、折り合えない話をし続ける。 今から考えると、毎月7〜8時間の時差のある地域をエコノミークラスで行ったり来たりするのは結構大変なことなのですが、まだ30代だったので身体的には全然平気でした。 ただ、フラストレーションは溜まりまくるので、夜飲みにいって「なんでみんなちゃんと仕事しないんだよ!」といった文句のようなものを発散しまくってました。当時の被害者の方々すいません。 今度会ったらおごります。笑 メンター登場 出張で日本に滞在しているある日、社内で僕がマネジメントに関して大きな影響を受けたメンター的な人と偶然会い、ランチしようと誘われました。 その人は、僕のことをさらに若い頃からよく知っている人で、いつも気にかけてくれています。 ランチをしながら「中村、最近はどうだ?」と聞かれた僕は、溜まっているフラストレーションを吐き出しました。 多分30分くらい、だーっと話したのではないかと思います。 いつもは、結構上から目線で厳しいことを言われたりするのですが、その日その人は黙って僕の話を聞いてくれていました。 オレ、いまのオマエとは仕事したくないわ 僕は、自分が話しまくったあと、どう思うかを彼に尋ねました。 彼は、ものすごくシンプルにこう言いました。 「オレ、いまのオマエとは仕事したくないわ。」 は?僕の話聞いてました? 僕、何か間違ったこと言ってますか? 僕は彼の反応が意外すぎてびっくりしながら尋ねました。 彼曰く「確かにオマエは一生懸命やっているのだろう。どんな風に仕事しているかも想像がつく。そして、きっとオマエの言っていることは論理的には正しいんだろう。」 だったらなぜ!?...The Road to Super Flat Organization #6: The Final Touch, Goodbye Departments!
To summarize the previous stories, ISAO(Currently, Colorkrew) started disclosing the information in 2012, and at the same time, gradually made the organization flat by reducing unnecessary report lines. The last article was about the moment when we were like, “Let’s get rid of all the positions and make the structure flat!...サイコーに効いたフィードバックの話② 〜お前のこと信用できなくなったってチームのみんなが言ってる
成長のカギはフィードバック。 前回に引き続き、僕が受けて最高に効いたフィードバックを紹介します。 ▼前回の話はコチラ サイコーに効いたフィードバックの話①〜それ、僕がその人に言ったら、中村くん困るよね 今回も苦くて痛いやつです。笑 ドイツでの新会社設立 2004年(33歳)から2010年(39歳)までの6年半、ドイツに駐在していました。 豊田通商ヨーロッパという数千人いる大きな支社の、ドイツ支店の、さらに一部門に赴任。 20人程度の部門で、部門長はドイツ人。ラインに乗らないポジションでした。 役職は”シニアコーディネーター” 若造なのにタイトルはシニアだし、ラインに乗ってないわりには、業績の悪いときに責められるのは自分。 なんだかよくわからないまま、活動は始まりました。 業界がわからない。ヨーロッパのこともわからない。英語もうまく話せない。 そしてアジア人だからなのか微妙な差別を感じる日々。四重苦からのスタートでした。 特に”差別”に関しては、ここで社会人として厳しい環境を体験し、みんなに馬鹿にされている状況からの必死の脱却を経て、1年後くらいにはいい感じでチームの一員になることができました。 (ここら辺の経験に関して、もし興味ある方いればそのうち書きたいと思ってます) そして、赴任から2年後の35歳のとき、豊田通商ヨーロッパから、僕のいた20人程度の部署を切り離して新会社を立ち上げることになりました。 ちなみに、この会社の立ち上げ直前に起こったことを過去書いていますので興味のあるかたは読んでみてください。 ▼経営者にとって最も大切なコト 調子良かった新会社設立からの3年間 新会社の立ち上げ当初。 今度は組織のトップになりました。 それまでの2年間、下積みの役割で築いてきたチームとの信頼関係もあり、滑り出し好調。 自分たちのチームが原因で大きな品質問題を起こしたときも、僕が矢面に立ってその問題を解決することができました。 そうしていくうち、チームからの信頼は高まり、求心力が出てきたという手応えを感じていました。 数年前の「何にもわからず、英語も下手くそで、全く役に立たないやつ」から、みんなが僕のことを受け入れてくれて、さらに自分たちのボスだとしっかり認めてくれている状態へ。 そんな感覚がとても嬉しかったことを今でも思い出せます。 モノ足りない!! 好事魔多し。 最高益を記録した2008年の出来事です。 ビジネスが調子いいときほど、なにか物足りなさを感じ始める癖のある僕に、その事件は起こりました。 業績絶好調の一方で、僕は会社の未来に強い危機感を感じていました。 いまの延長線上ではきっとまたダメになっていってしまう。そんな危機感に苛まれていました。 「調子のいいこの時期に、新しい事業を始めなければ」そう思い、いつもそんな話をしていました。 自分でも、国内外飛び回って、タネを探し、チームに色々な新ビジネスの提案をしていました。 でもチームのみんなは「うまくいっているんだからいいじゃないか」というスタンス。 僕のフラストレーションはどんどん溜まっていきました。 フラストレーションが爆発した日 そんな中、マネージャーたち5〜6人が集まって、今後の戦略を検討するミーティングが開かれました。 そこでの議論は、僕からみると、現状を大きく変えるものではありませんでした。 日頃感じていたチームに対してのフラストレーションは、マックスになりました。 常に攻撃的だった20代に比べて、コミュニケーションに気をつけることができるようになったと自負していた僕は、言葉を選んで、みんなを鼓舞するような問いかけをしました。 自分たちのビジネスは、現状あるものをただ続けていくだけでは、早晩ダメになってしまう可能性が高いと思っていること。 そうなりたくなかったら、新しい事業をつくるという、挑戦に立ち向かわなければならないこと。そのためにはみんなのマインドセットを変えてもらいたいこと。 やる前は難しそうに見えることでも、やってみたら景色が変わるし、意外と”案ずるより産むが易し”だった僕自身の過去の経験も話しました。 きっとそのときの僕は、みんなを説得したかったのだと思います。 ときには結構強い口調になっていたかもしれません。 ベースには、それまでの4年間を通じて「チームから絶大な信頼を得ている」という自信があったので、少しくらい強い口調で言っても大丈夫だろうと考えていました。 「あれ、おかしいぞ」 そのミーティングで、マネージャーたちの反応はゼロでした。...