僕が経営参画する人に求める、たった一つのコト
役職・階層がないバリフラットのColorkrew(カラクル)ですが、会社の経営に関する重要な方針の話し合いに関しては、経営プロジェクトのメンバーが決めていく仕組みになっています。 この経営プロジェクトとはどうやって運営されているのか、そして経営プロジェクトメンバーを僕がどう選んでいるのかを書きたいと思います。 経営プロジェクトのリーダー 経営プロジェクトの、プロジェクトリーダー(PL)に関しては、現状僕がやっています。 バリフラットシステムでは、複数のプロジェクトに入るのが基本ですので、もちろん僕も他のプロジェクトに入っています。 そしてその場合は、メンバーとしての参画です。 PLとして、僕の最も重要な役割は、そのプロジェクトにおいて必要な人材に声をかけ、参画してもらうことです。 僕がメンバーに求めること 僕が経営参画するメンバーに求めることですが、基本的にはたった一つです。 それは、「なにができるか」ではなく、「なにをすべきか」を考えて発言するということです。 経営プロジェクトで決まったことは、実行に移されます。 現実的に実行を担当する自分を想像すると、「この課題は、理想としてはこうすべきだけれど、それは現実問題として社内からの抵抗があったり、オペレーション的な課題も大きいので、言わないでおこう」とか、「ちょっと妥協して違う提案をしよう」なんて思いたくなることは多いものです。 こうやって「なにをすべきか」を避け、「なにができるか」に発言が向かってしまう人は経営メンバーとして失格です。 すべきことを、100%できるわけではない こういう話をすると、「そんなのは理想論で、現実としては、理想通りできないことは沢山あるんじゃないか」と反論したくなる人もいるでしょう。 その通りです。 ただ、経営プロジェクトのメンバーが肝に銘じなければいけないのは、”すべきこと”と定めたことが、できないとき、それは**「自分たちはできていない」と内省し続ける**ことです。 内省しつづけるのは、苦しいことです。 多くのことで、”すべきこと”ができていなければ「自分はいい感じでやっている」と自分たち自身に言うことはできなくなります。 カラクルでも「すべきこと」と認識していても、できていないことはたくさんあります。 大切なことは、できていないことをごまかさず受け止めて、いつかできるようにするというコミットメントを持ち続けることです。 「なにをすべきか」はどんな仕事にも通用する考え方 実は、この考え方はどんな立場の人にも同じように重要なことです。 特に若くて、組織の中での影響力がまだ小さく、自分の正しいと思ったことを仕事を実現しづらい立場の人。 多くの職場では、会社や部署の都合で、本来すべきこととは違ったことを不本意ながらしなければならないことも多いでしょう。 そんなときでも、まずは自分が”すべきこと”と思っていることを相手に正直に話しましょう。 その上でそれを実現するための努力を100%してください。若くて、組織の中でまだ自分の考えを通す力がない人でも、正直にコミュニケーションをし続けることは可能なのです。 そして、結果としてできない場合は、申し訳ない気持ちとともにそれを相手に伝える。 これを愚直にし続ければ、社内外に価値観を共有する仲間が増えていく。 価値観を共有する仲間を増やすことは、自分の実行力のレベルアップに直接的にインパクトするのです。 そうやって真摯に物事に取り組み続ける。 そのうち自分の実力が上がり、組織の中での存在感も強くなっていけば、”すべきこと”が段々できるようになっていきます。 こういった姿勢は、経営プロジェクトに参画するようになってからいきなりできることではありません。 やり続けることで基本動作にまで昇華することが重要です。 「なにをすべきか」を積み重ねてきた人を、今後も経営メンバーに入れていきたいと、プロジェクトリーダーとしての僕は考えています。 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #8: 360 Degree Open Evaluation
This time, I will talk about how we set our new evaluation system after the new coaching system. Back number: The Road to Super Flat Organization #7: the Birth of the Coaching System A problem in a general evaluation method Evaluation is a supervisor’s job. Many companies adopt this evaluation system....組織に歓迎される批判、嫌われる批判
自分が所属する会社や組織に対しての批判について、書きたいと思います。 権威主義的なマネジメント感を持っている人は「組織を批判する人を許容するなんてとんでもない」と考えがちです。 しかし、昭和や平成ならともかく、令和の時代はそういったマネジメントは通用しない時代です。 Google のピープルアナリティクスチームは、「心理的安全性」をハイパフォーマンスな組織であるための条件の中で、最も重要な因子と結論付ました。 心理的安全性とは、自分が思っていることを発言しても、組織は受け入れてくれるという確信です。 みな批判を発信してもいいし、それを組織は受け入れなけばならないということです。 とはいえ、批判ならなんでもいいのかといえばそうでもない、と僕は考えています。 批判にもいい批判、悪い批判があると思うのです。 誰でも不満や批判はあるもの 特定の会社や組織にいて、そこに全く不満や批判がない人はどのくらいいるでしょうか? ほとんどいないのではないでしょうか。 コロナでの会食時自粛が長期化したいまや、見ることもできなくなりましたが、夜の居酒屋にいけばサラリーマンたちが自分の会社や上司の悪口を言いまくって、ストレス発散しているなどという光景は日常茶飯事でした。 そういう人たちっていまはどうしているんでしょうか。 イマドキは、オンライン飲み会で発散してるんでしょうか。笑 完璧な組織はありません。 組織の運営やルールを、尖らないように尖らないようにと設定すれば、全体として凡庸で面白くない組織になる。 つまらないという不満が常に上がるでしょう。 といって、特色のある運営をすれば、それを嫌う人も必ずでてくる。 結局、どんな組織運営をしても、少なからず不満や批判は出てくるものなのです。 批判には、嫌われる批判と歓迎される批判があるということです 僕自身も過去、会社や組織の批判を沢山してきましたし、いまは、社員の批判を受ける立場でもあります。 両方を経験して少しわかってきたことがあります。 それは、ただ嫌われる批判と、そうでなく歓迎される批判があるということです。 歓迎される批判とは 批判の内容だけでなく、批判の仕方も含めて、どんな批判は歓迎されるのかを考えてみましょう。 ①前提として、組織愛があること そもそも嫌いな対象に対しての言葉は、トゲを含みがちで、なんとなく嫌なニュアンスになってしまいます。 ベースに愛があれば、そういったことはなくなります。 ②できれば記名で 理由は、批判の内容をより深く理解しようとしたときに匿名だと追いようがないことが多いからです。 記名であれば、深く話すこともできますし、誤解があれば直接説明することもできます。 ③言葉が無礼でないこと 匿名のときに多いのですが、相手を攻撃しようとできるだけ嫌な言い方をする人がいます。 レベル感が低く、そういう批判は的を射ていたとしても、取り上げられなくなる可能性があるので、誰にとってもいいことは一つもありません。 ちなみにだいぶ前のことですが、Colorkrew(以下、カラクル)の匿名アンケートで僕が一番嫌だなーと思った批判を紹介します。 カラクルのスピリッツについてのアンケートへの回答でこういうものがありました。 ”家族的キズナは、仲良しの人だけですよね” この人は、会社に不公平感を感じていたのでしょう。 僕を一番嫌な気持ちにさせたかったのであれば大正解の書き方ですね。笑 こういった投げ捨て系の書き方は、往々にしてよくありません。自分自身の人としてのレベルを下げてしまう。 匿名でも礼儀を忘れずにしたいものです。 ④建設的なこと 批判のための批判やただの悪口ではなく、その批判にしっかり立ち向かえば、その組織はいい方向に進むような建設的な批判は歓迎されます。 ⑤代替案の提案があること 〜が悪い、というだけでなく、「こういうやり方にしたらいいのではないか」という提案までセットになっている批判は、議論をする価値のあることが多いです。 歓迎されず、嫌われる批判は、全てこの逆だと考えればいいですね。 いかがでしたでしょうか。 あなたの会社を、また組織をよくするために、これからもどんどん建設的に批判をしていきましょう! <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #7: The Birth of the Coaching System
This time, I will describe how we worked on the coaching system. The roles of a manager in the previous organization Last time, I wrote that we adopted an organization where managers are not there and replaced them with the project leaders as we decided in the management camp. Back number: The Road to Super Flat Organization #6: The Final Touch, Goodbye Departments!...サイコーに効いたフィードバックの話③(最終回) 〜オレ、オマエとは仕事したくないわ
個人もチームも成長させる、組織にとって最も重要なコミュニケーションであるフィードバック。 フィードバックをするためには、その人の仕事の上での言動をちゃんと知ることが重要です。 コロナ禍で、多くの会社で全員出社しなくなり、行動が見えづらくなった中、フィードバックの質が落ちてしまうことは、中長期でじわじわマイナスに影響が出ます。 マネジメントとしては手を打っていきたいところですね。 「みんなの活動が見えなくなって困ったぞ」というそこのマネージャーの方。 Colorkrew(カラクル)は、圧倒的な行動の可視化にこだわったプロダクト「Goalous(ゴーラス)」を提供していますので、ご興味ある方は是非お問い合わせください。 と、宣伝はこのくらいにして、前々回、前回に引き続き、僕が受けて最高に効いたフィードバック紹介、パート3をお送りします ▼サイコーに効いたフィードバックの話① ▼サイコーに効いたフィードバックの話② またまた駐在時代の話 前回の僕のドイツ駐在時代の話〜お前のこと信用できなくなったってチームのみんなが言ってる〜では、ドイツの新会社の中の話を紹介しましたが、実は事件はドイツだけでもなく、日本でも起こっていました。 当時の僕らは、ヨーロッパの市場・顧客に日本製品を売るのがビジネスでした。 僕らは販売拠点として日本に「こんな製品を作って欲しい」とか「こんな機能をつけて欲しい」と日々要望を出します。 (ちなみにヨーロッパの会社は僕ともう一人だけ日本人で、あとの20人くらいは全てヨーロッパの国籍でした。) 製品を作っている日本とヨーロッパでは、マーケットからの要求が全く違うため、なかなか自分たちの要望が取り入れられず、ヨーロッパチームのフラストレーションは常に高い状態になりがちでした。 ヨーロッパから見れば「こうすれば、絶対に売れるのに」と思うことでも、日本は遠いし感覚も違うので、なかなか受け入れてもらえない。 僕は、ヨーロッパ組織のトップでもありましたが、日本からの駐在員ということもあり、ヨーロッパと日本のブリッジをする役割でもありました。 挟まれて、両方から突き上げを食う立場です。 ボトルネックでフラストレーション ちなみに、この”誰かが挟まれる”という構造は、国をまたいで仕事をしていくときには必ず発生します。 そして日本が絡むと特にひどくなる。 原因ははっきりしていて「日本人が英語をしゃべってくれないから」です。 なので、通訳的な役割も含めて、当時の僕のような人にストレスは集中するのです。 ストレスが集中するだけならいいのですが、そこだけコミュニケーションのラインがキューっと細くなるので、ボトルネックにもなり、この構造はろくなことがありません。 なので、将来インターナショナルにビジネスをしたいと思っている日本人は、ぜひ英語を喋れるようにしておいてください。言語はすぐに上達しないのでコツコツやることが秘訣です。 英語は突然やってきます!! …話が逸れました。 とにかく、そんな立場に置かれた僕は、日々奮闘していました。 人間は、自分以外の人の感情にはなかなか気づきません。 僕のこのストレスも、誰も理解してくれない感じで月日は経過していきました。 みんなわかってない! 毎月のように日本に出張して、折り合えない話をし続ける。 今から考えると、毎月7〜8時間の時差のある地域をエコノミークラスで行ったり来たりするのは結構大変なことなのですが、まだ30代だったので身体的には全然平気でした。 ただ、フラストレーションは溜まりまくるので、夜飲みにいって「なんでみんなちゃんと仕事しないんだよ!」といった文句のようなものを発散しまくってました。当時の被害者の方々すいません。 今度会ったらおごります。笑 メンター登場 出張で日本に滞在しているある日、社内で僕がマネジメントに関して大きな影響を受けたメンター的な人と偶然会い、ランチしようと誘われました。 その人は、僕のことをさらに若い頃からよく知っている人で、いつも気にかけてくれています。 ランチをしながら「中村、最近はどうだ?」と聞かれた僕は、溜まっているフラストレーションを吐き出しました。 多分30分くらい、だーっと話したのではないかと思います。 いつもは、結構上から目線で厳しいことを言われたりするのですが、その日その人は黙って僕の話を聞いてくれていました。 オレ、いまのオマエとは仕事したくないわ 僕は、自分が話しまくったあと、どう思うかを彼に尋ねました。 彼は、ものすごくシンプルにこう言いました。 「オレ、いまのオマエとは仕事したくないわ。」 は?僕の話聞いてました? 僕、何か間違ったこと言ってますか? 僕は彼の反応が意外すぎてびっくりしながら尋ねました。 彼曰く「確かにオマエは一生懸命やっているのだろう。どんな風に仕事しているかも想像がつく。そして、きっとオマエの言っていることは論理的には正しいんだろう。」 だったらなぜ!?...The Road to Super Flat Organization #6: The Final Touch, Goodbye Departments!
To summarize the previous stories, ISAO(Currently, Colorkrew) started disclosing the information in 2012, and at the same time, gradually made the organization flat by reducing unnecessary report lines. The last article was about the moment when we were like, “Let’s get rid of all the positions and make the structure flat!...サイコーに効いたフィードバックの話② 〜お前のこと信用できなくなったってチームのみんなが言ってる
成長のカギはフィードバック。 前回に引き続き、僕が受けて最高に効いたフィードバックを紹介します。 ▼前回の話はコチラ サイコーに効いたフィードバックの話①〜それ、僕がその人に言ったら、中村くん困るよね 今回も苦くて痛いやつです。笑 ドイツでの新会社設立 2004年(33歳)から2010年(39歳)までの6年半、ドイツに駐在していました。 豊田通商ヨーロッパという数千人いる大きな支社の、ドイツ支店の、さらに一部門に赴任。 20人程度の部門で、部門長はドイツ人。ラインに乗らないポジションでした。 役職は”シニアコーディネーター” 若造なのにタイトルはシニアだし、ラインに乗ってないわりには、業績の悪いときに責められるのは自分。 なんだかよくわからないまま、活動は始まりました。 業界がわからない。ヨーロッパのこともわからない。英語もうまく話せない。 そしてアジア人だからなのか微妙な差別を感じる日々。四重苦からのスタートでした。 特に”差別”に関しては、ここで社会人として厳しい環境を体験し、みんなに馬鹿にされている状況からの必死の脱却を経て、1年後くらいにはいい感じでチームの一員になることができました。 (ここら辺の経験に関して、もし興味ある方いればそのうち書きたいと思ってます) そして、赴任から2年後の35歳のとき、豊田通商ヨーロッパから、僕のいた20人程度の部署を切り離して新会社を立ち上げることになりました。 ちなみに、この会社の立ち上げ直前に起こったことを過去書いていますので興味のあるかたは読んでみてください。 ▼経営者にとって最も大切なコト 調子良かった新会社設立からの3年間 新会社の立ち上げ当初。 今度は組織のトップになりました。 それまでの2年間、下積みの役割で築いてきたチームとの信頼関係もあり、滑り出し好調。 自分たちのチームが原因で大きな品質問題を起こしたときも、僕が矢面に立ってその問題を解決することができました。 そうしていくうち、チームからの信頼は高まり、求心力が出てきたという手応えを感じていました。 数年前の「何にもわからず、英語も下手くそで、全く役に立たないやつ」から、みんなが僕のことを受け入れてくれて、さらに自分たちのボスだとしっかり認めてくれている状態へ。 そんな感覚がとても嬉しかったことを今でも思い出せます。 モノ足りない!! 好事魔多し。 最高益を記録した2008年の出来事です。 ビジネスが調子いいときほど、なにか物足りなさを感じ始める癖のある僕に、その事件は起こりました。 業績絶好調の一方で、僕は会社の未来に強い危機感を感じていました。 いまの延長線上ではきっとまたダメになっていってしまう。そんな危機感に苛まれていました。 「調子のいいこの時期に、新しい事業を始めなければ」そう思い、いつもそんな話をしていました。 自分でも、国内外飛び回って、タネを探し、チームに色々な新ビジネスの提案をしていました。 でもチームのみんなは「うまくいっているんだからいいじゃないか」というスタンス。 僕のフラストレーションはどんどん溜まっていきました。 フラストレーションが爆発した日 そんな中、マネージャーたち5〜6人が集まって、今後の戦略を検討するミーティングが開かれました。 そこでの議論は、僕からみると、現状を大きく変えるものではありませんでした。 日頃感じていたチームに対してのフラストレーションは、マックスになりました。 常に攻撃的だった20代に比べて、コミュニケーションに気をつけることができるようになったと自負していた僕は、言葉を選んで、みんなを鼓舞するような問いかけをしました。 自分たちのビジネスは、現状あるものをただ続けていくだけでは、早晩ダメになってしまう可能性が高いと思っていること。 そうなりたくなかったら、新しい事業をつくるという、挑戦に立ち向かわなければならないこと。そのためにはみんなのマインドセットを変えてもらいたいこと。 やる前は難しそうに見えることでも、やってみたら景色が変わるし、意外と”案ずるより産むが易し”だった僕自身の過去の経験も話しました。 きっとそのときの僕は、みんなを説得したかったのだと思います。 ときには結構強い口調になっていたかもしれません。 ベースには、それまでの4年間を通じて「チームから絶大な信頼を得ている」という自信があったので、少しくらい強い口調で言っても大丈夫だろうと考えていました。 「あれ、おかしいぞ」 そのミーティングで、マネージャーたちの反応はゼロでした。...The Road to Super Flat Organization #5: The Moment Super Flat Organization Began
This series is going to continue for a little more. However, today I’ll talk about the exact moment of the dawn of Super Flat Organization. Unexpected Super Flat In the last article, “The Road to Super Flat Organization #4 : First Open or First Flat?,” I explained how we came to have the three layers: the top, department managers, and everyone....サイコーに効いたフィードバックの話①〜それ、僕がその人に言ったら、中村くん困るよね
フィードバックこそが成長のカギ。 ということで、フィードバックシリーズ第二弾です。 前回は、最高のフィードバックは苦くて痛いものだという話でした。 ▼最高のフィードバックは、苦くて痛い では実際に僕がこれまで自分が受けて、「効いたな〜」と思えるフィードバックをあげていきたいと思います。 事業創業者の大先輩と初めて会った日 僕が社会人になって初めて配属された部署では、アメリカメーカーのハードディスクドライブを輸入国内販売する事業を行っていました。 新入社員の僕は、もちろんおミソからのスタートです。 その事業は、遡ること7~8年くらい前に始めたもので、事業の創業者の先輩は僕が入社したときにはすでに会社を辞めて、独立して会社を経営していました。 その仕事を初めて1年くらい経って、少しは仕事ができるようになってきたかなと思ってきた頃、2回り以上の歳の差があるエンジニアのKさんが僕に言いました。 「お前も頑張ってるけど、この事業を作った先輩に比べたらまだまだだな〜」 Kさんは滅多に人のことを褒めない人です。 もちろん僕は、それまでその人に褒められたことはありません。Kさんがベタ褒めするその先輩に是非会ってみたいと思いました。 それからほどなくして、Kさんのアレンジにより、念願の先輩に会うことができました。名古屋の居酒屋でした。 背伸びして激論 会いたかった人に会えたことと、その人に認めてもらいたい一心から僕は一生懸命背伸びして、オトナのフリをして話しました 事業を始めるときの苦労は、後から引き継ぐのとは全く違うレベルです。 当初、そのアメリカのメーカーには日本支社がなかったそうです。 先輩が日本の大手顧客にアメリカ本社の人を直接連れて行って、契約を決める。技術トラブルがあっても全てアメリカとやりとりしなければならない。 そんな話を聞いて感激しつつ、負けず嫌いな僕は「いまはいまで、難しいところもあるんだ」みたいな話をしたことを記憶しています。 それ僕がその人に言ったら、中村くん困るよね!? 話の流れで、そのメーカーの日本支社の話になりました。 当時、色々品質トラブルがあり、日本支社の対応に腹が立っていた僕は、その先輩に愚痴り始めました。 愚痴と言うより、相手の人の悪口に近いものだったと思います。 先輩は、最初ニコニコ聞いていましたが、僕の話が長くなってきたとき、ピシャリと言いました。 「その人と僕は長年の付き合いなのは知ってるよね。中村くんは僕を身内だと思ってこの話をしているのかもしれないけど、僕がその人にこの話をしてしまったらどうなるだろう。きっと中村くんは困るよね。」 ガーン。その通り。 相手は、日本支社の偉い人でしたし、怒らせたら取引停止だってありえないことではありません。 青くなってる僕に、先輩は続けました。 「まあ、僕がその人にこの話を言うことはないけれど、中村くんは人と話すとき、注意した方がいい。別に人を貶めようとして言っているのではないと思うけど、伝わり方によっては、大変なことになる。」 僕が学んだこと あまりにも正しいことを言われて、僕は愕然としました。本当にその通り。 正しいつもりで言っていることでも、誰かを非難するような言い方は、間接的に伝わると問題になるだろうということは、当時の僕にもすぐに想像できました。 ここで、普通は「人の非難や批判はしないようにしよう」となるかもしれませんが、思ったことを言わないことができない僕は(笑)こう思いました。 「非難や批判は、直接伝えよう」 また、脇が甘すぎるのも社会人としては良くないので、もっと成熟したコミュニケーションを目指そうと決意しました。 さらっとは書きましたが、このときはまず頭を殴られたような感覚になり、指摘されて、情けないやら恥ずかしいやらで泣きたい気持ちになって、2日くらい落ち込んだことを付け加えておきます。 僕が、社会人になって一番最初に受けた、苦くて痛いフィードバック。 いかがでしたでしょうか。 自分の恥を晒すようで恥ずかしいですが、フィードバックシリーズをもう少し続けたいと思ってます。 ▼続きはこちら ▼サイコーに効いたフィードバックの話② ▼サイコーに効いたフィードバックの話③ <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #4 : First Open or First Flat?
“With what should we start?” It is a FAQ from managers and leaders who want to install an “Open and Flat” ideology in their organizations. First, Open The conclusion is this: the importance of an “Open” culture is ten times more important than a flat organization, and it should be the first step to start....出会いと別れの季節だからこそ、“ニューノーマルな働き方” を考えてみる
こんにちは。 Sales & Marketing Projectの小島です。 世の中では入学や入社で新しい仲間を迎える時期ですね。 実は私も3月に中途入社し、一足早く新環境に順応して戦力となるべく日々奮闘しているところです。 今回は、既存と新規双方の視点で ”ニューノーマルな働き方“ を整理します。 コロナ禍だからこその決断 私が社会に出たのは90年代中盤ですので、社会人としてはベテランです。 そしてコロナ禍は私の仕事にも少なからず変化をもたらしました。 ただ、先の見えないVUCAな時代になったからこそ「挑戦すべき時」と感じたことが、転職のトリガーでした。 この一年で世界全体に急速な大変化が生じ、人々の思考や行動も適応すべく変わっているならば、よりポジティブに変化と向き合い、少しでも自分自身の機会に変えようと考えました。 Colorkrewの組織なし・階層なしの「バリフラット」も、自分次第でプラスに作用すると感じました。 NEW-COMERには厳しい現実 私はかれこれ20年近くリモートワークも行っていたため、昨今の働き方の変化は何ら違和感がありませんでした。 しかし一方では、異動や中途入社などの方にとってはそうではないことも認識しており、そういった方へのケアもしてはいましたが、いざ当事者になってみると “現実はもっとシビア” が率直な感想でした。 あらゆることが「見えません」。 誰に・何を・いつ・どうやって…枚挙に暇がありません。 新卒入社であれば、自走までの仕組みがあるものですが、中途採用はOJTベースで慣れてもらう、が一般的ではないでしょうか? オンライン主体の環境下では、「ちょっと教えてください」の声掛けタイミングすら掴みづらく、さらに「周囲の動きを見て学ぶ」こともできません。それが終日・連日と活動の随所で発生します。 はっきり言いましょう、ストレス耐性が高いと自負する私ですら、すんごい不安とストレスです。 まずは「分からないことが分からない」への対処 仕事や環境に慣れていくと、そのコミュニティの中での ”当たり前“ が気づかぬうちに形成されます。 それがスムーズな仕事の進行の一端を担うのですが、ニューカマーにはその知識も感覚も当然ありません。 さらに初動では “分からないこと” が分かりません。 そのような中で、日ごろ用いる社内や業界ワードに始まり、実務に関係するワークフローやノウハウ、そこに関係する人間のプロフィールやキャリアなど、分からないことや知りたいことが見えた時に、「ワンストップで検索できる仕組み」を最も欲しました。 体系化され、整理されていれば申し分ありませんが、そこに必要以上の工数を割くことには賛同しません。 つまり、wikiやイントラサイトが必要なのではなく「検索性が担保された仕組み」で必要十分です。 ある程度の関連情報が時間軸付きで得られさえすれば、情報鮮度も意識しながら 新メンバー自身も周辺メンバーもロスなく目的が達成できます。 さらに、この仕組みは暗黙知の可視化や蓄積知の増加にも繋がるため、組織の財産にもなり得ます。 ニューノーマルの基盤は「柔軟性」 新型コロナウイルスのワクチンは流通が始まったものの、明確な治療法は未だに確立していません。 ゆえに、この先も油断できない日々が当面続くと考えるのが妥当であり、オンラインとオフラインを適宜使い分ける“ハイブリッドな働き方” がニューノーマルな働き方のベースとなることは、もはや疑いようもありません。 そのためにも「オンライン前提」かつPC・スマホ共に使える「マルチデバイス対応」は外せないキーワードです。 この2つが柔軟な働き方を支えてくれます。 さらに言えば「多要素認証対応」も備わっているとセキュリティも高まり、より安心ですね。 行きつくところは「コミュニケーション創出」 在宅勤務主体に切り替えた方は、すでに一年以上経過しています。 様々な記事等でも取り上げられているように、通勤がなくなり活動量が低下したことによる「健康面への不安」と、他者との接触が減ったことによる「コミュニケーションの減少」はメンタル・フィジカル両面のリスクです。...最高のフィードバックは、苦くて痛い
強いチームをつくるために最も重要なことは、いかに**”いいフィードバックをし合える文化をつくるか”**です!(キッパリ) フィードバックは、ポジティブなものから、批判が入っているものまで色々とありますが、これまで僕自身が受けて効いた!と思うフィードバックは、どれも苦くて痛いものでした。 ポジティブなフィードバックはどんどんやりましょう 褒める、称賛する、などのポジティブなフィードバックがあります。 その手のフィードバックを受けると、人間誰しも、気持ちもいいですし、やる気もでます。 そういう意味では、ポジティブなフィードバックは、どんどんやるべきです。 やらない理由がありません。 もちろん、僕もポジティブなフィードバックを受けた経験が少なからずありますし、それは嬉しい経験です。 でも、僕にとって、ポジティブなフィードバックは最高のフィードバックではありませんでした。 それはなぜか。僕なりの考察をしてみました。 ポジティブなフィードバックが最高のフィードバックにならない理由 ポジティブなフィードバックは比較的簡単です。 まず、伝える側に恥ずかしさはあるかも知れませんが、それ以外の障害は何一つありません。 また、深い信頼関係がなくても成り立つので、人間関係の距離の近さもそれほど必要としません。 裏を返せば、それができる人はそれなりに周りにいるということです。 ですから、希少性という意味においても、ポジティブなフィードバックは最高のフィードバックにはなりづらいのです。 例外をいうと、自分にも周りにも気づいている人がいないポイントを、鋭い洞察力で見抜いてくれて、それを伝えるといったような場合。そのフィードバックの価値は高いものになります。 本質をついた厳しいフィードバックは、苦くて痛い ポジティブフィードバックと対極にあるのが、本質をついた厳しいフィードバックです。 自分で気づけなかった、自分の行動や考え方の致命的な問題を指摘される。 または、自分でもうっすら問題に気づいていたにも関わらず、見ないフリをしていて、それについてフィードバックを受ける。 しかも、その人が自分に対して愛をもって言ってくれている。 これを受けたときの気持ちは、苦しくて痛いものです。 自分のことを深く考えてくれていることを前提に、言いにくいであろう厳しいフィードバックをもらえる機会は、人間関係的にも限定された人でしかないことから希少性も高い。 フィードバックする側にも負荷がかかる、非常に貴重なものなのです。 フィードバックは、成長のカギ。どんどんもらおう。 フィードバックを受けることの重要性を理解している人は、どんどんフィードバックをもらおうとします。 特に、自分に対して、厳しくも愛のあるフィードバックをしてくれる人を持つことは、自身の成長にとって何事にも代えがたい価値があることです。 イージーな人間関係に逃げ込まず、苦くて、痛いフィードバックををたくさん受けて、成長していきましょう! <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #3: Majority Vote Won't Change
Last time, I wrote about making things ready to explain why before actually making changes. The completion of Super Flat Organization needed drastic changes on the previous organization. This time, I’ll talk about how I made decisions and how I moved things forward. Why change? A company is a living thing....就活生の皆さんへ 〜就職先の選び方
今回は、これから就職活動をする予定の皆さんに、就職先を選ぶポイントを書こうと思います。 就職とはなにか どんな就職先を選ぶかという話をする前に、前提にしなければならないことがあります。 それは自分のなりたい「職種」を決めるということです。 ひと昔前は、とにかく会社に入って、そこで配属されたところで、指定された職種になる人も多かったのですが、時代は変わりました。 自分の役割を変えながらも、一つの会社にとどまっていくメンバーシップ型から、ジョブ型に日本はまさに変化している途中だというブログを書いていますので、興味あるかたはこちらからどうぞ。 ▼「ジョブ型雇用へ移行していく日本に対して思うこと」 「就社」ではなく、「就職」をする。それが、就職活動です。 職種はどう決めるのか では、職種はどうやって決めれば良いのでしょうか。 まず、将来の自分を想像したとき、シンプルにワクワクする職種をいくつか考えてください。 いくつか思いついたら、その職種で成功している人はどんな会社にいるのか、どんな人なのか調べてみましょう。 また、20代はどんな働き方をする場合が多いのか、給料は多いのか少ないのか。 それらを調べて、現実を知った上でその仕事をやりたい、と思えれば準備はOKです。 トップの発信を調べよう 就職しようとする会社を調べましょう。 その会社のホームページには、たくさんの情報があります。 事業内容や、会社概要はもちろんですが、その会社のCEOの挨拶ページもチェックしましょう。 ブログを書いている人であればその内容を見てみましょう。 ちなみに、カラクルのページにはこんなことを書いています。 ▼株式会社Colorkrew CEO 中村 圭志からのメッセージ CEOの発信がない会社は、その会社のトップは少なくとも、自分の言葉で社外の人にメッセージを届けようという意思は弱い。 もしかすると、社員に対しても、自分の言葉で説明するつもりがない可能性もあります。 トップが何を言っているか、何を考えているかは、とても重要です。 トップだけでどんな会社かが決まるわけではありませんが、少なくとも最も大きな影響をその会社のカルチャーに与えている人であることは、どんな会社でも間違いないでしょう。 トップの影響力は、会社が小さくなればなるほど大きいです。 ですから、数百人レベルの中堅企業くらいまででは、トップが発している言葉を確認するのは必須です。 大会社で、創業者や同族経営の場合も同様です。 一方、千人以上の大会社で、創業者一族以外がトップの大会社では、トップだけがスーパーパワーであることはあまりありません。 ただ、昇進によって社長になった人を見ると、その会社の人事がどんな風に機能しているかがわかります。 安全で、調和をとることを重要視しているのか。 それとも挑戦するエネルギーの高い人を出世させようとしているのか。 ということで、いずれにせよ、トップの発言はよく調べてみてください。 口コミをネットで調べよう これは、言われるまでもなく皆さんやっていると思いますが、その会社に所属している人の口コミを見ることのできるサービスがいくつもありますので、自分の興味のある会社を調べてみましょう。 (ColorkrewのOpen workはこちら。) 僕の経験から言うと、8〜9割方のコメントは、中にいる社員から見てもそうだなと思うようなものですね。 一方、どんな会社でも、その会社をあまり好きではない人もいますので、そういう人の書いた悪意のコメントはノイズとして混ざります。 ノイズっぽい出現率で書かれている悪いコメントは大体無視していいでしょう。 全ての人間関係がうまくいっている会社はあまり存在しません。 逆に、何十人もコメントがあって、いいことしか書いてない会社があったら、要注意です。 いろいろな人が自由に書いていれば、悪いコメントも多少あるのが通常ですので、何かしらの力が働いている可能性を感じます。 話を戻します。 悪意のある、自分にとって気になるコメントがあった場合はどうすればいいか。 その会社の人に会ったときに、率直に聞いてみることをお勧めします。 ちゃんと社員と向き合おうとしている会社の場合は、よくないコメントに対しても、どうしてそういうコメントになったのかをきちんと説明してくれるでしょう。...