スピードを阻害する、巧妙で最悪な組織の罠

僕のバーチャルメンターであるジャック・ウェルチは、スピードについてこう言っています。 「ビジネスでは遅いより早い方が優れている

ジャック・ウェルチの名言シリーズで、ブログを書いていますので、興味ある方はこちらもお読みください。

我がメンター「ジャック・ウェルチ」

今回は、スピードを阻害する組織のワナについて書きたいと思います。

本題に入る前に…

新型コロナウイルスで、世の中の「働き方」はすっかり変わりました。 リモート・オンラインで多くの仕事がされるようになりました。

僕自身、在宅勤務がデフォルトになった始め(3〜4月)は、「会社に行かないって通勤ないし、すごく楽。会議も移動がないのですごく効率的だな」と感じていました。

リアルに会わないことで心配されたコミュニケーションに関しても「話そうと思えばすぐにビデオ会議すればいいし」と思っていました。

しかし、半年以上リモートワークが続くと、逆にストレスを感じることも増えてきました。

話そうと思えばすぐビデオ会議というのも、思ったほど気軽ではありませんでした。

結局は相手のスケジュールを確認してからかけたりすることになる。そして、大丈夫だと思ってコールしても全然つながらないこともある。

ストレスたまります。

オンラインでの人間関係の維持は、リアルで作り上げた人間関係を少しずつ削りながらしているような感覚でもあります。

こういったオンラインならではの課題を少しでも解消するために、カラクルでは、ビデオ会議に「雑談部屋」をつくりました。

その部屋は、誰でも好きな時間に入ることができます。

そこにいる人と雑談をすることもできますし、ただみんなのキーボードの音や雑談を聞きながら、もくもくと作業している人もいます。

ちなみに今僕はその部屋で、この原稿を書いています。5人入っていて、2〜3人が話しているので、それをバックグラウンドにしながら、もくもくやっています。

雑談部屋で話した「組織とスピード」

そのオンライン雑談部屋で「来週のブログネタがないよ〜」と話したら、最近入社したメンバーが、「カラクルってめちゃくちゃスピード速くていいですよね。そのことについて書いてみたら?」と嬉しいことを言ってくれました。

多くの組織人は、ジャック・ウェルチに言われるまでもなく、スピードはビジネスにとって重要だということを認識しています。

でも、大抵の組織では、逆にスピードを上げさせないようなことが頻繁に起こっています。

「前の職場はとにかくスピードを上げさせないようなことが多くてストレスでしたよ」と彼は続けました。

確かに、カラクルはスピードを阻害するような制度や、システムをとことん無くしたり、減らしたりしていくという哲学を持っていますので、普通の会社に比べると圧倒的に物事が進むスピードが早いのです。

スピードを上げるのではなく、無駄を排除する

具体的に、スピードを上げるためにやっていることを紹介したいと思います。

と、考え始めたところ、実は「スピードを上げる」ということよりもスピードが落ちてしまう”悪い”仕組みを改革して、スピードを落とさない仕組みをつくる、すなわち「無駄を排除する」ということにずっと取り組んできたということに気づきました。

以下例を挙げます。

・承認者を減らす

いわゆる稟議書の承認者を一人にするルール。以前ブログに書いています。

ハンコ2つルールで、社内向けの仕事を激減させる

・できるだけその場で話す

簡単に話せることは、その場で人を集めて話します。 最近はオンラインになったので、例えば二人で最初話していた内容の範囲が広がったときなどは、途中でどんどん人を足しながらミーティングをします。 

・多数決を採らない

カラクルの運営は非常に民主的な雰囲気ではありますが、何か重要な判断をするときは、その事柄に関わるリーダーが決定します。それによって、非常に明快でスピードの速いデシジョンメイキングを実現しています。

リーダーは、多数決を採るのではなく、判断をできるだけのメンバーとの話し合いや、情報収集をそれまでにすることが求められています。

ちなみに、僕がリーダーとしてやってきた多数決を採らないディシジョンメイキングについては、以下のブログで書いています。

バリフラットができるまで ③〜多数決では改革はできない~

・レビュワーに”説明してわからせる”だけのミーティングを止める

多くの会社で行われている”リテラシーの低い上司への報告”。 こういった類のミーティングはカラクルにはありません。

カラクルのレビューでは、一定のリテラシーを持っている人が、各ビジネスに対して貢献できるかという視点で議論をします。 もちろん、評論するだけの人もレビューに参加する資格はありません。

・コーポレートが事業側の足を引っ張らない

普通の会社でよくあるパターンに、「コーポレート部門が面倒くさいことを言って、無駄な仕事が増える」ということがあります。   大前提として”意味もなく面倒くさい仕事”は、カラクルにはありません。

ただ、カラクルでも”意味があって面倒くさい”はあります。

例えば、会社としての資格を維持するための作業だったり、新しいセキュリティ基準の導入などは、面倒だと思う人が多くてもやらなくてはならない。

普通の会社とカラクルの違いは、コーポレートの担当者が、事業をやっている人の負担を減らすことに超協力的だということです。

これは逆もまたしかりで「それはそっちの仕事」という縦割りの思想を排除することは非常に大切な考え方の一つです。

「スピードを上げる」はやろうとできればどの会社でもできる

カラクルのスピードを上げる取り組み、いかがでしょうか。

覚悟を決めてやれば、一つ一つは難しくないものばかりです。 一つでも取り入れてみたいと思っていただければ幸いです。

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