どうやって英語をうまく話せない日本人が、 サッカー大国出身者が集まったグローバルチームをリードしているのか。

チーム紹介

社内英語化
  • リベロ(プロジェクトリーダー)日本人

  • FW(担当営業)日本人、イタリア人、ブラジル人×2

  • MF(UI/UX フロントエンジニア)日本人×2、ドイツ人

  • DF(バックエンドエンジニア、インフラ)日本人×3、ドイツ人、オランダ人、韓国

  • GK(カスタマーサクセス)日本人(Kumiko)

私は、サッカーを強くするためにサッカー大国のメンバーを集めたわけではなく、「世界のシゴトをたのしくする」サービスを作るために活動していたら、いつしかグローバルなチームのリーダーになっていました。

このチームでは、プッシュ通知&QR認証サービス Mamoru PUSHと、その認証技術を活かしたビジネスコンシェルジュツールMamoru Bizを展開しています。

自己紹介

軽く私、前澤俊樹の紹介をします。 私は英語が苦手です。ISAO(現Colorkrew)に入った直後に受けたTOEICは400点。 英語嫌い。留学経験はもちろんなし!

そんな状態だったのに、今ではグローバルなチームをリードしています。

今このブログを読んでいるあなたも、きっとある日突然グローバルチームを率いていかないといけない日が来るはずです。そんな日が突然きても対処できるように、少しでも役に立てれば幸いです。

このあとの流れです。長いので目次にしておきます。

目次

序章:英語は突然やってくる

はじまりは突然やってきます。 Colorkrewの代表KEIJIさんの名言の一つ、”英語は突然やってくる。”。

2019年4月に、英語しか話せないドイツ人のLuisa、ブラジル人のDaniel・Thiagoがチームに加入しました。

それまでは「一応グローバル目指しているし、会議も英語でやってみるか。だけどうまく説明できないものは日本語でいいよ。」という感じで、ゆるく英語にトライしてました。

この時点では、英語が話せないメンバーはそのルールも無視して、全部日本語で説明している状態でした。

その状況が、新メンバーの加入によって大きく変わります。

1章:カオスな状態でも英語の会議を続けてみた

新メンバー加入後、ドイツ語やポルトガル語で話すくらいなら英語で話すしかないので、一気に会議を英語化しました。 最初はカオスです。

英語が話せるグループと、英語が分からないグループと、英語を分かったふりして司会する私に分かれました。 ぶっちゃけると、全体の30%くらいしか理解していませんでしたが、天性の気持ちを汲み取る力でなんとか会議をしていました。

当時の会議を振り返ると恐ろしくて、みんなよく我慢してついてきてくれたなーと思います。

一度決めたことはやりきりたいタイプだったので、日本語で話してしまうメンバーには、「Could you try to speak in English again?」と何度も言い、諦めませんでした。

2章:英語ミーティングにボイコットし始める日本人プレイヤー

しかし、そんなことを続けている時です。日本人メンバーのボイコットがはじまります。

しかもそのボイコットは静かに行われます。ブーイングのような反抗的な態度は一切見せてきません。みんな大人です。 人間、不快なことからは逃げたいものです。 なにかとアポがあるやら、忙しいやら理由をつけて、週に1回の大事な定例に参加しない日本人が増えてきました。

気づいたら、2人くらいしか日本人がいないミーティングが続き、これはマズイ。 なんとか巻き返せねばと粘り強く参加の必要性を促して、最終的には全員参加で元の形に戻しました。 頑固に粘り強く、諦めないという精神論が大事です。

3章:粘り強くやってたら、徐々に光が見えてきた

英語化を粘っていると、ついてこられない人が出てきてしまいます。 それでも方針は変えないので、事前に今日のミーティングで話すことを、弊社のSNS型目標管理ツール「Goalous(ゴーラス)」やTeamsを使って事前に共有したり、極力見て分かる資料を使って説明するなど工夫を凝らしました。

そのうちに、「なんだか形になってきている?」という実感が出てきました。 継続は力なりとはよくいったものです。

いくつかオススメな英語のフレーズを共有しておきます。

  • テッパン1:Could you say that again? もう一度言ってくれませんか

  • テッパン2:How much does it take? どのくらい時間かかるの?

  • テッパン3 : How do you say “分からない単語” in English? この単語は英語で何て言うの?

  • テッパン4: 名前を呼ぶ。呼んだ後に、What do you think about “意見を聞きたいこと”? これについてどう思う?

  • テッパン5: Does anybody have any questions? 誰か質問ある?

司会のコツとしては、みんなにうまく話をさせることと、質問をするフレーズをいくつも使えるようにしておくことです。 そうしないと、基本的に英語の会議では日本人以外が話して、日本人は黙ってしまいます。

4章:更に新メンバーが追加し、会議以外も英語化

3章で書いているようなことをしているうちに、またレベルが上がります。 今までは、いわゆる定例会議と個別に話す時だけ英語で話していたのですが、オランダ人の新卒がチームにジョインすることが決まりました。 そこで、全ての会話を英語化しないと成立しないと判断し、全てを英語に切り替え始めました。

実は、情報共有の会議はなんとかなります。 なんとかならないのは、仕様を決めるような議論が必要な会議です。 今まではチャットでなんとかしてきましたが、それだけだとスピード感が上がってこないので、ついに仕様を決める会議も英語化しました。

これが最初は本当に難しかったです。 開発のミーティングは絶対に視覚情報を使うのと、事前に何を話し合うかを共有しておかないと成立しません。

5章:今後の展望

正直皆さんにノウハウを語れるほどうまくチームをまわせていませんし、まだまだ発展段階なのですが、これだけは言えます。 日本人だけでサッカー(仕事)をしているよりも世界のメンバーとサッカーをやった方が楽しいし強くなるということです。このチームの雰囲気の良さを、そのままサービスでも表現していきたいです。

今はまだ、日本とその他17ヵ国でしか利用されていないMamoruシリーズですが、より多くの人の「シゴトをたのしくする」サービスとして展開していきたいと思いますし、そのために世界の仲間を集め、チームを強化していきたいと思います。

はい。ざっくりと以上ですが、反響があれば続編を書くかもしれません。 長文にお付き合いいただきありがとうございました。

▼グローバルチームで企画・開発・運営しているビジネスコンシェルジュツール「Mamoru Biz」について詳しく知りたい方はこちら

The Road to Super Flat Organization #9: The Road to Non-territorial Office