今回は、リーダーとして僕がこだわっていることを書きたいと思います。
それは「チームの中で相対的優位にこだわらず、強い仲間を集める」ということです。
裏を返せば、自分が実力ナンバーワンであることにこだわらない、ということです。
安定したポジションが成長を止める
会社の中のポジションが高くなったり、役職者になっていくと成長を止めてしまう人がいます。
「オレが一番偉い」というタイプですね。
そういう人は、社内で常に自分のポジションから議論をします。
高い権威や役職による権力で相手を押さえ込む。
ただそれでは、チームの中でベストアイデアを活かすことはできませんし、なによりも他の人からチャレンジされる機会を失うので、結果的に自分自身の成長を止めてしまうことになる。
残念ながら、僕はそういう人をたくさん見てきました。
自分自身の成長を止めてしまうくらいならまだいいのですが、こういうタイプはチーム全体の成長も止めてしまう。
結果的に、その人を超えるポテンシャルを持っている人がいても、押さえ込まれてしまうので、チームの総合力が上がらない。 それが一番の問題なのです。
なんでも自分が一番のリーダーを持った組織は、マーケットで負ける
社内だけを見ていれば、自分が常に一番であるほうが快適でしょう。
しかし、会社はマーケットで戦っています。
マーケットでは総合的な戦力が高い方が勝ちます。
当たり前ですが、自分が常に一番でありたいがために、自分より強い人を許容しなければ、チーム力が下がり、マーケットで負けてしまうのです。
ポジションに居座って威張っている人が多い会社は、マーケットではなく社内を見て仕事をしているということです。 マーケットでの競争にさらされていない、もしくは安全圏にいると自分たちが思っているため、チームを強くする必要性を感じていないのでしょう。
技術革新が激しい今の時代、どんなビジネス・会社でも安全圏にいるということはありえないはずですので、その感性からして既に時代とズレていると言っても過言ではないでしょう。
自分がボトルネックになってしまう
また、どんな時でも自分が一番のチームの場合、自分以外に困難な状況を打開してくれる仲間はいません。常に自分がブレークスルーを起こさなければならない。
いくら能力が高くても、同時に全ての領域でリーダーシップを発揮するのは無理ですから、結局は自分が組織のボトルネックになってしまいます。
チームに強い仲間がいて、同時多発的にリーダーシップを発揮することでチームのスピードは最大化するのです。
では、どう考え行動すればいいか、僕なりの考え方を書きたいと思います。
自分よりポテンシャルの高い人を採用する
チームを強くしたいと思うリーダーの基本的な考え方は**「自分よりポテンシャルのある強い人を採用する」**です。
強いメンバーが増えることでチームは活性化し、全体としても成長していきます。
一方で、自分より強い人がでてくれば、リーダーとしての立場は脅かされます。
しかし、チームのことを最優先で考え、チームを強くしようとするのであれば、ポジションにこだわるのは、単純な私利私欲です。
人間誰しも自分がかわいい。
でもチームの成長、また自分の成長のためにも強い人を採用するのは鉄則なのです。
そして、自分ではない人がリーダーになった方がいいと判断したら潔くリーダーを交代することが、リーダーが持つべき最も重要なチームへのロイヤルティではないでしょうか。
若手を育てる
経験を積んだリーダーから見ると、ポテンシャルはあっても、まだ十分な経験がない若手は自分のライバルではありません。
しかし、ポテンシャルのある若手は、経験を積めばどんどんレベルアップします。
そうした若手に経験ができる場所を作り、コーチするのがリーダーの仕事です。
自分のライバルになることを恐れたらそれはできません。
考え方としては、自分の持っている全てを伝える。経験を与える。
また自分が若い頃、経験したかったのに上司にさせてもらえなかったことも、どんどん経験させる。
「これは苦労して手に入れたものだから」と出し渋ってはいけない。
自分が10年かけて手に入れたものを、2年でできるように若手に貢献することが、リーダーとして重要な仕事であると思っています。
強いメンバーをリードする、究極のリーダーシップ
こうやって、強いメンバーを集めたり、育てたりすると、チームは強力な個性の集まりになります。
そのタレントたちをマネージするのではなく、リードするためには、権力で押さえ込むことができないフラットな組織運営が必要となります。
そうなると実は、、、その先には**”カオス”**がうまれます。
なぜならば、強いメンバーは自分が正しいと思ったことを、他の人やリーダーと意見が違っても発信するからです。
従順な人たちばかりであれば、チームを従わせるのは簡単ですが、強いメンバーの集まりではそうはいきません。
強力な意見をぶつけ合いながら、最後は一つにまとめ、引っ張っていく。 そうした究極のリーダーシップを発揮できれば、チームは必然と成功に向かうのでしょう。