サイコーに効いたフィードバックの話①〜それ、僕がその人に言ったら、中村くん困るよね
フィードバックこそが成長のカギ。 ということで、フィードバックシリーズ第二弾です。
前回は、最高のフィードバックは苦くて痛いものだという話でした。 ▼最高のフィードバックは、苦くて痛い
では実際に僕がこれまで自分が受けて、「効いたな〜」と思えるフィードバックをあげていきたいと思います。
事業創業者の大先輩と初めて会った日
僕が社会人になって初めて配属された部署では、アメリカメーカーのハードディスクドライブを輸入国内販売する事業を行っていました。
新入社員の僕は、もちろんおミソからのスタートです。
その事業は、遡ること7~8年くらい前に始めたもので、事業の創業者の先輩は僕が入社したときにはすでに会社を辞めて、独立して会社を経営していました。
その仕事を初めて1年くらい経って、少しは仕事ができるようになってきたかなと思ってきた頃、2回り以上の歳の差があるエンジニアのKさんが僕に言いました。
「お前も頑張ってるけど、この事業を作った先輩に比べたらまだまだだな〜」
Kさんは滅多に人のことを褒めない人です。 もちろん僕は、それまでその人に褒められたことはありません。Kさんがベタ褒めするその先輩に是非会ってみたいと思いました。
それからほどなくして、Kさんのアレンジにより、念願の先輩に会うことができました。名古屋の居酒屋でした。
背伸びして激論
会いたかった人に会えたことと、その人に認めてもらいたい一心から僕は一生懸命背伸びして、オトナのフリをして話しました
事業を始めるときの苦労は、後から引き継ぐのとは全く違うレベルです。
当初、そのアメリカのメーカーには日本支社がなかったそうです。 先輩が日本の大手顧客にアメリカ本社の人を直接連れて行って、契約を決める。技術トラブルがあっても全てアメリカとやりとりしなければならない。
そんな話を聞いて感激しつつ、負けず嫌いな僕は「いまはいまで、難しいところもあるんだ」みたいな話をしたことを記憶しています。
それ僕がその人に言ったら、中村くん困るよね!?
話の流れで、そのメーカーの日本支社の話になりました。
当時、色々品質トラブルがあり、日本支社の対応に腹が立っていた僕は、その先輩に愚痴り始めました。 愚痴と言うより、相手の人の悪口に近いものだったと思います。
先輩は、最初ニコニコ聞いていましたが、僕の話が長くなってきたとき、ピシャリと言いました。
「その人と僕は長年の付き合いなのは知ってるよね。中村くんは僕を身内だと思ってこの話をしているのかもしれないけど、僕がその人にこの話をしてしまったらどうなるだろう。きっと中村くんは困るよね。」
ガーン。その通り。
相手は、日本支社の偉い人でしたし、怒らせたら取引停止だってありえないことではありません。
青くなってる僕に、先輩は続けました。
「まあ、僕がその人にこの話を言うことはないけれど、中村くんは人と話すとき、注意した方がいい。別に人を貶めようとして言っているのではないと思うけど、伝わり方によっては、大変なことになる。」
僕が学んだこと
あまりにも正しいことを言われて、僕は愕然としました。本当にその通り。
正しいつもりで言っていることでも、誰かを非難するような言い方は、間接的に伝わると問題になるだろうということは、当時の僕にもすぐに想像できました。
ここで、普通は「人の非難や批判はしないようにしよう」となるかもしれませんが、思ったことを言わないことができない僕は(笑)こう思いました。
「非難や批判は、直接伝えよう」
また、脇が甘すぎるのも社会人としては良くないので、もっと成熟したコミュニケーションを目指そうと決意しました。
さらっとは書きましたが、このときはまず頭を殴られたような感覚になり、指摘されて、情けないやら恥ずかしいやらで泣きたい気持ちになって、2日くらい落ち込んだことを付け加えておきます。
僕が、社会人になって一番最初に受けた、苦くて痛いフィードバック。 いかがでしたでしょうか。
自分の恥を晒すようで恥ずかしいですが、フィードバックシリーズをもう少し続けたいと思ってます。