管理なんてしたくないのに、管理をしてしまうマネジメントについて

世の中の多くの会社員は「人に管理されたくない」と思っています。

それと同時に、多くの管理職も「管理なんてしたくない!」と思っていいます。

 

どちらの立場も経験した僕が理想とする組織の姿は、やはり「人が人を管理しない」マネジメントです。

 

しかし、みんなが管理なんて嫌いなはずなのに、なぜ会社は管理しようとするのでしょうか。

いや、むしろ管理を通り越して「監視」してしまう組織もあるのはなぜでしょうか。

 

そのメカニズムを考えてみたいと思います。

管理職の「管理したくない」気持ち

 

まず、管理すると、うるさがられます。

 

人間誰しも好かれたい。

だから嫌われるに決まっている管理なんて本当はしたくないと思っている管理職は多いはずです。

そもそも自分が管理される立場だった時は、それが大嫌いだったのだから。

 

でも自分のさらに上司からは、しっかり結果をだせ!と言われる。

 

放っておけば、パフォーマンスが上がらない。

だから部下たちがしっかりやっているか、監視したり、管理したりしだします。

 

これがひどくなると、マイクロマネジメントマネージャーが出来上がるのです。

慣れてくると「管理したくなる」気持ち

 

本当は管理なんてしたくなかった管理職たちが、管理することを習慣化してしまうと、おかしなことが起こり始めます。

 

管理、言い換えれば「人を支配する」ことに快感を覚えるのです。

 

そしてそれは、権力を持ったときに、誰しもが感じてしまいがちなものです。

 

上司と部下の関係は絶対です。

上司が部下を評価する組織では、部下は逆らうことは基本的にできません。

もちろん、部下も自分の意見をぶつけたりすることはできますが、最終的には上司に従わざるを得ない。

 

慣れてしまうと、それが当たり前になり、それ以外に組織マネジメントできる方法が分からなくなってしまうのではないでしょうか。

目標やキーリザルトの共通理解ができていない

 

僕が考える「管理せざるを得ない」ことの根源的な原因は・・・

 

ビジョンや目標、それに向かうためのキーリザルト(注)が明確化され、チームで共通理解になっていない。

(注)ゴール達成のために必要な指標が具体的に示された主たる成果

 

シンプルにして、最高に難しいのがコレです。

 

難しいですが、これさえできれば、実は管理しないマネジメントに向かうことができます。

なぜ共通理解ができないのか

 

共通理解ができていない会社や組織は「ビジョン」がない可能性が高いです。

 

「いや、うちの会社にはビジョンがしっかり掲げられているよ」と反論する方もいるかも知れません。

 

僕なりの解釈でいうと、ビジョンとは、その組織に人が集まってくる「理由」です。そして、社員は「ビジョン」を目指すためにそこに集まっているはずです。

 

こんなことを言うと「そんなことは理想論で、現実的には会社に入るのはビジョンを目指すためではない人が多いよ」と言われるかも知れません。

また多くの会社のビジョンはお飾りであることが多いことは否めません。

そういった場合、共通理解を持とうとすることは非常に困難になります。

 

辛口になりますが、その程度のビジョンであれば、捨てた方がいい。

 

例えば、「利益をより多く出す」「会社を拡大し、ステータスを上げる」「業績拡大し、社員の給料も上げていく」「そのためには、数字にこだわる」などと、正直に伝えた方が、よっぽど社員も納得するのではないかと思っています。

 

かっこいいことを言ってるけれど、口だけでそれを信じていない経営は、社員からのリスペクトを得ることは永久にできないと僕は思っています。

数字だけが目標になっている組織ほど、結局「管理」してしまう

 

ビジョンがなければ、何を目指して仕事をするかといえば、やはり業績などの数字でしょう。

数字を目標にすると、自発性をもって仕事をする人と、そうでない人にはっきり分かれてきます。

 

自発性のタイプは、世の中でいう「モチベーションの高い人」でしょう。

 

そうでない人は「あんまりやる気のない人」なのかも知れません。

 

あんまりやる気のない人は、自ら考えて積極的に仕事をしようとはしませんので、監視や管理をしなければ、サボることになります。

 

こうして「管理しよう」というマインドセットが出来上がります。

 

今回は「管理をしてしまうメカニズム」についてでした。

監視しない、管理しないマネジメントについては、ぜひGolaousセミナーで!

 

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