IT企業のCEOが振り返る2020年~コロナの年の、最後のブログ~
今年の、新語・流行語大賞は「三密」が選ばれました。 ノミネートされた新語・流行語も半分以上はコロナ関連と、まさにコロナに始まり、コロナに終わった年でした。
これまでの常識は非常識になり、そしてその非常識がニューノーマルになった。
第二次大戦後、最も世の中が変化した年であったと言える2020年を振り返りながら、今年最後のブログを書きたいと思います。
アメリカ人がみんなマスクをしているという衝撃
あまり大きな声では言えないのですが、僕はマスクをするのが苦手です。 正直なところ今でもあまり好きではありません。人がいなくなったらすぐに外してます。笑
コロナ前にも、マスクをしている人はいました。 感染予防だけでなく、乾燥肌にいいとか、メイクしなくていいとか、盛れて見えるとか色々理由はあるのでしょう。
一般的に、日本や韓国などアジアの国々は、以前からマスクをすることに抵抗がない人が多かったように思います。 そして社会もそれを受け入れていました。
欧米は反対で、ヨーロッパ駐在時代には、同僚から「日本人は冬になるとみんなマスクをしていて怖いね」なんて言われたことすらありました。
コロナ前、ヨーロッパやアメリカの街中でマスクをしている人は明らかに「怪しい」人に見えました。医者以外でマスクをしている人はほぼいなかったのではないかと思います。
ところが、いまテレビでニュースでは、ヨーロッパも、アメリカも公共の場ではみんなマスクをしています。
それを見て「アメリカ人ですら…本当に常識が変わったんだな」としみじみ思いました。
社会の分断
2020年は、アメリカファーストを公言するトランプさんが大統領となった4年前から始まった分断が、さらに顕著になった年でもありました。 帝国主義・第二次世界大戦・冷戦を経て、人類が差別なく一つになっていく方向性が緩やかに続いてきましたが、ついに逆方向に廻り出した感のある年になりました。
富裕層と貧困層の分断だけでなく、イデオロギーによる世界の分断、人種による分断など。 Black Lives Matterも話題になりました。
元々あった分断を、皆が見ないフリをしていたところ、トランプさんなどが、本音を発信する様になり、それに賛同する人が現れて、顕在化しただけなのかもしれません。
資本主義社会においては、企業は常にマーケットでの勝ち組と負け組に分断される宿命に立っています。
勝ち残っていきつつも、より良い社会へ向かうための貢献をできる会社にもなっていきたい。 そのために自分たちのビジョン「世界のシゴトをたのしく」を叶えていきたいと、いままでより強く感じる年になりました。
ビジネスへのインパクト
3月頃から急速に感染者数が増え始めて、緊急事態宣言が4月7日にでたころから、Colorkrew(以下、カラクル)のビジネスも変調しました。
1〜3月は例年以上に調子が良かったので、コロナの影響が多少出ても、まあ大丈夫だろうと思っていました。 しかし、4〜6月の四半期はここ数年で一番調子の悪い結果となりました。
「このまま続いたら困るな〜」と思っていたところ、チームの頑張りもあり7月くらいから盛り返し、現在は平年並み以上に戻ってきました。
会社としては親会社から独立したばかりだったので、だいぶヒヤッとしましたが、なんとか持ち直して良かったです。
まさに、世の中「一寸先は何が起こるかわからない」を実感しました。
激変したマーケットから学んだこと
そんな中、良かったなと思うこともいくつかありました。
そのうちの一つは、ビジネスの調子が突然悪くなったことで、いままで見えてなかったもので、見えたものがあったことです。
カラクルはIT企業です。 コロナ禍で、デジタル化・オンライン化が進む中、ビジネス的に追い風が吹いてもおかしくない状況の中、4〜6月に停滞してしまった。 これは、僕たちのビジネスモデルが、現在の変革の時代に対応し切れていないという事実です。
社内に目を向ければ、そんなビジネスが厳しい状況の中でも成果を出す人と、成果が出しづらくなった人がはっきり分かれました。
今回のような不況は、本当の実力を洗い出します。
パナソニックの創業者である松下幸之助さんはこのように言っています。 「不況またよし。 不況は改善、発展への好機である。」
はっきりと認識できた課題は、改善できるチャンス。 この経験を活かして、会社全体で進化していければといまはポジティブに考えています。
リモートワークは当たり前に
カラクルでは2月の中旬からリモート推奨、4月の初めから強制リモートとし、春以降ほとんどの社員は在宅勤務になりました。
最初は「通勤もないし、効率がいい。家族との時間も過ごせるし」というポジティブな意見がほぼ全てだったように記憶しています。
ビデオ会議でバンバン会話することも日常化し、業務に障害はほとんどないと思えるほどにオンラインツールの活用が進み、コミュニケーションやオペレーションは進化しました。
この勤務形態の変化によって、家庭的な事情がある子育て世代などは、圧倒的に働きやすくなったのではないでしょうか。
基本出社をしないということは、会社からいくら遠くても問題ないということ。 最近では、出社を基本しない前提での採用もし始めています。
一方で、日々仲間に直接会えないつまらなさを、徐々に感じるメンバーも増えてきています。
僕もほぼ在宅で仕事していますが、やはりたまに出社すると、生で人と会って話すことがこんなに楽しいのかと改めて感じています。
ちなみに、12月に健康診断を会社で行ったとき、3月以来始めて60〜70人が出社したのですが、久しぶりに沢山の仲間と会社の中であって、「やっぱり楽しい!」と僕に言ってきたメンバーが何人もいました。
感染対策はしっかりするという前提で、リアル出社も少しずつ織り交ぜていく。 そして、コロナが去ったあとも、リモートワークのメリットを活かしつつ、リアルな出社をうまく組み合わせていければといまは考えています。
2021年は、バリフラット2.0へ
カラクルは、部署なし、役職なし、情報フルオープンの”バリフラット”システム。
(バリフラットの成り立ちについては、「バリフラットができるまで」シリーズをご覧ください。)
▼バリフラットができるまで ①~バリフラットは目標ではなく、結果だった~
バリフラットがスタートした2015年から、もう5年が経ちました。 全体的にはそこそこうまく行っていますし、自分たちも気に入っています。
しかし、今年のコロナで、まだまだ僕たちには強さが足りないこともわかりました。
2021年は、バリフラットを進化させます。 それについては、また新年の抱負で書きたいと思いますので、また読んでいただければ幸いです。
では、ここら辺で2020年を締めたいと思います。 年末年始、コロナ感染に注意しながらしっかり休んで、英気を養い、また新年にお会いしましょう!
Happy Holidays! 良いお年を!