こんにちは。コロナ禍でも鉄道だいすき情シスのプロジェクトリーダー、すがピーです。
なかなか遠方へと電車に乗れなくて悲しいところですが、広いネット世界には様々な鉄道コンテンツがあるのでそちらで楽しんでます。 はやくイベントとかもできる世の中に戻ってほしいものですねぇ。
画像引用:Wikipedia
そんな中で、上の画像は地下鉄日比谷線で走り始めた「THライナー」です。
座席指定で座って通勤できるってやつです。しかも座席が縦横に動くので、ライナーとしても普通としても使えるのですね~。 ライナーだと停車駅が限られているのでまだ乗ったことないのですが、普通では遭遇したことがあります。座席がひじ掛けで区切られてて結構好きですね。
このコロナ禍で準備もその後の利用状況も大変そうですが、がんばってほしいところです。
社名変更!メールアドレスも変更だ!
さて、情シス、総務のみなさん、自社の「メールアドレス」を変更したことありますか?
Colorkrewでは、2020年6月1日に株式会社ISAOから株式会社Colorkrewに社名が変わりましたので、メールアドレスの変更が必要となりました。
でも、メールアドレスって変えちゃって大丈夫? いろいろトラブル起きそう…
と、社名変更が決まってからメールアドレスを変更するまでガクガク震えていた私の奮闘記をお届けします。 めったにやらないことですが、どなたかの参考になるかもしれません。
ドメイン名をとる
社内で社名が変わることが決まってすぐ、まずはドメイン名を確保しようということになりました。
「.co.jp」についてはルールとして1社1ドメイン名となっており、すでに株式会社ISAOとして「isao.co.jp」を取得済みでした。 このままでは、「colorkrew.co.jp」は取れません。
社名が変わった法人が旧社名の「.co.jp」も持ち続けるためには、1社1ドメイン名緩和申請というものをする必要があります。 これには社名変更後の登記簿謄本が必要です。
登記簿謄本は、社名変更後でないと社名変更の記載が無いので、事前に申請できません。 そのため、まずは「colorkrew.co.jp」を仮登録として申請し、社名変更後に登記簿謄本を取得した後、緩和申請を行いました。 これで、「isao.co.jp」と「colorkrew.co.jp」が両方持てるようになります。
また、すでに持っている「isao.co.jp」は、旧社名で登録されていますので、これを新社名での登録に変更する手続きも行っています。
これは新しいメールアドレスに変わった後、古いメールアドレスでも引き続き受信できるようにするために、ドメイン名が継続して使える必要があるからなんですね。
※実際「colorkrew.co.jp」を取得したものの、色々考慮した結果メインで使うのは「colorkrew.com」になりましたw
影響範囲を考える
当初は社名変更だからドメイン名(@より後の部分)だけ変えればいいかなー、と思っていました。
しかし、ブランディングの一環でメールアドレスのアカウント部分(@より前の部分)も変更することに決まり、メールアドレスは完全に変更となることに。
そもそもそんな変更が可能なのか?
ColorkrewではMicrosoftのOffice 365を使用しているので、メールアドレス変更の影響範囲と方法についてサポートに問い合わせました。
結論としては、変更可能で変更方法の手順もあり、大きな影響は無さそうというものでした。
が、本当に大丈夫なのか。
気になったのがOffice 365のサインインアカウント。
これ、メールアドレスそのものなんですよね。
メールアドレスが変わるということは、Office 365のサインインアカウントが変わるということなので、つまり、Office 365のサインインが必要となるすべてのモノに影響があるということです。
代表的なところで、全てのOfficeアプリです。 Outlookのメールや予定表、Word、Excel、Powerpoint、Teams、OneDrive、OneNoteなどなど。
それにColorkrewではPower BIで様々なご提案をしていますが、そちらもOffice 365のサインインアカウントでサインインします。 各種クラウドの運用・構築を行う「くらまね」でも、MicrosoftのAzureはOffice 365のサインインアカウントでサインインします。
お客様の環境での運用も行っており、その場合はゲストアカウントとして登録されるので、こういったものがすべてメールアドレス変更で問題なく使えることを確認しなければいけません。
そこで、本番環境とは別に検証環境を構築し、そこで検証を行うことにしました。
検証する
ColorkrewはMicrosoftのパートナー企業なので、パートナーライセンスを使用して別テナントとして構築しています。 (普通はライセンスの問題で多分ここまでのことは難しいかなと思います。)
さて、環境は用意できたので、実際に検証を行うのですが、本番と同じドメイン名は使えません。
なぜかというと、DNSへの登録が必要だからです。 そりゃそうですね、colorkrew.com宛に送るメールの送信先が2か所というわけにはいきません。
そこで検証環境では、旧ドメイン名と新ドメイン名のテスト用として別途ドメイン名を取得し、それをDNSに登録して、Office 365に設定しました。
ドメイン名の用意が済んだら今度はユーザーの準備です。
ColorkrewではWindows10とMacの利用者がいるので、それぞれテスト用のユーザーをOffice 365に複数作ります。 テストで問題が発生した時のため、ある程度やり直しが効くように複数用意してるんですね。
通常利用しているパソコンだと業務に支障が出たらまずいので、それぞれのユーザーでテストするためのパソコンも準備しました。
そして、先にお話しした様々なシチュエーションを確認するため、ファイルを作ったり、メールを送受信したり、投稿したりメンションしたりと通常利用している風な準備をしたうえで、検証環境におけるメールアドレス変更を行いました。
出てきた問題と対策
検証準備がすみ、実際にメールアドレス変更をやってみて様々な角度で検証してみました。
Officeの各アプリやメール送受信などが普通にでき、旧メールアドレスでも問題なく受信できました。 送信メールのFrom:は新しいメールアドレスです。
意外に問題は起きなくて、ほっと一安心。
Teamsの過去の投稿もそのまま新ユーザーに引き継がれ、Azureポータルへのサインインも問題なしでした。 ゲスト参加している別テナントへの参加もきちんと連携してくれていて、Microsoft製品の連携はメアド変更も想定されていることを実感しました。
しかし検証してみた結果、One Noteでノートの同期に失敗することがあったので、これはいったんサインアウト→サインインして同期しなおす必要がありました。 ワールドワイドなクラウド環境だと全体の同期には時間がかかるということでしょうかね。
念のため、各アプリのサインアウトサインインの手順を作っておいて、問い合わせ対応できるようにしておきました。
なにせ一斉にメールアドレス変更するので、問題が起きるとするとそれも一斉に問い合わせが来ることになります。 我々情シスメンバーが一人一人に対応するのにも限界があるので、準備できるものはしておこうという算段です。
いよいよメールアドレス変更!
検証も終わり、問い合わせ対応の準備もすませ、いざ変更です。
実は社名変更は2020年6月1日だったのですが、メールアドレス変更は2020年6月10日に行いました。 月初は、前月の締め処理や請求対応などでメールが社内外に飛び交い、Officeアプリがフル稼働するタイミングでしたので、無用の混乱をさけるため、時期をずらしたのでした。
メールアドレス変更日はあえて平日朝としています。
休日をはさむと問題に気づけない可能性があること。 自社だけで問題解決できない場合、Office 365のサポート問い合わせができるようにするためでした。
実際、当日朝に変更作業を行ってみると、想定より騒ぎにはならず、比較的スムーズな切り替わりだったのではないかなという印象でしたね。
OutlookやTeamsで、サインイン時にうまくサインインされないなどいくつかの問題は発生しましたが、準備していた手順が役に立ち、サインアウトサインインしてもらってほとんどは解決できました。
しかし一部手ごわいのもあり、その場合は該当する人のOfficeアプリはいったんアンインストールして再インストールして対応しました。 切り替え後にOffice 365の設定で「ISAO」表記が残っているところがいくつかあり、それらはOfficeポータルの管理ページから適宜設定変更しました。
ロゴ画像も大事ですよね。
まとめ
ということで、少し想定していたような問題は出たものの、全体としては比較的スムーズにメールアドレスが変更できました。
Office 365やAzureのアカウントの設計は、メールアドレス変更対応も見越しているものだったで、実際に変更をする必要に迫られたときになってみるとありがたかったです。
とはいえ、全く検証なしでやるのは怖いのも事実なので、もうちょっとお手軽に検証できる仕組みがあるといいなと思ったり… そういう意味では、今後もしメールアドレス変更という一大事に遭遇した世の情シスの皆さんの一助になれば幸いです。