WordPressでHyperDBによるデータベース二重化を行う時の注意点

商用サイトなどをWordPressで構築する場合、WEBアプリケーションサーバとデータベースサーバを切り離して、データベース側を二重化することが良くあります。単にデータベースへのアクセス負荷を分散させてサービスのパフォーマンスを向上させるためでもあり、もし障害が発生した場合にミラーリングしている副系ノードのデータベースから正系データベースを復旧させることができる意味でも、サービスとして最悪のケースである「データ消失」のリスクを軽減できるからです。
WordPressにはそういう正副ノードのミラーリングデータベース構成にも対応できる「HyperDB」というドロップインがあります。これを使うことで、データベースの更新はマスターデータベースのみに集約し、データベース参照はマスターとセカンダリに分散させるということができます。
(※ 「HyperDB」ドロップインによるデータベース二重化の方法は、QuickKnowLedge : MySQL HyperDB + Keepalivedを利用した、wordpress の負荷分散 などで詳しく説明されています。)

さて、この「HyperDB」を利用しているWordPressサイトで、WordPressのコア処理に依存しない形で、データベースアクセスの処理を独自拡張している場合に、問題が発生することがあります。
一体どういうケースかと言うと、WordPressのデータベース制御系のグローバル変数「$wpdb」をWordPressページ外で使う場合です。

例えば、WordPressの投稿からAjaxなどで直接独自に作成したPHPをコールし、そのPHP内でWordPressのデータベースへのアクセスを行う処理があるような場合です。このようなWordPressのプログラム群から独立した外部プログラムでデータベースアクセス用のグローバル変数「$wpdb」を利用する場合に、
[code lang=”php” light=”true”]require_once(‘./wp-config.php’);[/code]
…と、上記のように設定ファイルをインクルードしているケースだと「HyperDB」を有効化した途端に動かなくなります。

この場合、インクルードするファイルを設定ファイルからブログヘッダーに変更することで、正常化します。
[code lang=”php” light=”true”]require_once(‘./wp-blog-header.php’);[/code]

特にインクルードファイルを変更してもパフォーマンスに変化が見られなかったため、結論的には、外部プログラムで「$wpdb」を利用する場合は「wp-blog-header.php」をインクルードしておくのが無難なようです。

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