• ダイバーシティな強いチームのつくり方

    Colorkrew(以下、カラクル)は、日本に留まらないビジネスを目指していますので、チームはダイバーシティ(多様性のあるチーム)が前提となっています。 そんな僕たちが、性別・年齢・国籍・学歴などの属性に関して多岐に渡るメンバーで、どう強いチームを構築していこうとしているかを書きたいと思います。 ラベリングについて 「ラベリング」という言葉をご存知でしょうか。 僕が考えるに、多様性のある強いチームつくりを阻害する最も有害なものです。 ラベリングとは、ある人物に対して、「この人は~だ」と、評価を固定する行為のことです。 ステレオタイプという言い方もできます。 世の中には、属性に関するラベリングが溢れています 例えば 「日本人」は自分の意見を言わない 「欧米人」は同じ会社に長く勤めない 「女性」は結婚したら仕事をセーブする 「学歴」が高い人は仕事もできる 歳をとったら、逃げ切りマインドになって成長意欲がなくなる などです。 世の中はラベリングが大好きです。 その理由は、それをすると簡単に理解できた気になるからでしょう。 しかし、こういったラベリングをしてしまうと、目が曇りますので、本質的で正当な評価をすることができなくなります。 ラベリングは全部間違いか ではラベリングによる理解は全て間違っているかというと、実はそうでもありません。 上記の例なども”傾向”としては、僕は確実にあると思っています。 僕がヨーロッパで働いていたときの話です。 ヨーロッパ人から見た日本人は自分の意見を言わず、大人しいというのがラベリングでした。 でも僕自身は意見も言うし、大人しくもありません。 むしろ「日本人」のラベリングを変えてやろうと思って、思いっきりその逆をやってみたりしてました。 攻撃的すぎた時期もありました。 仕事でも、プライベートでも、ちょっとでも「日本人は大人しい」と思われてると思ったら、どこでも噛み付いてました。 当時の同僚や取引先の皆さん、申し訳ありません。 若気の至りということで許してください。笑 でも冷静に考えると、一般的に日本人は大人しくて、意見を言わない傾向は、認めざるをえませんでした。 ただ、自分は違うので、そのラベリングされたくなかったのです。 何が言いたいかというと、属性に対して「傾向」があることは否定すべきものではないということです。 しかし、全員がそうではない。だから「ラベリング」をしてはいけないのです。 どんな人を見る時も、まずはラベリングせず、その人そのものをしっかり見て判断していくことが重要です。 誰しも自分の固定観念があり、ラベリングをしてしまいがちですが、そんなときは「〇〇は、△△だ」ではなく、「〇〇は、△△という傾向がある」と置き換えてみてください。 その属性に対しての全員を決めつけなくて済むようになります。 事情を理解して、平等に接する。そしてカバーし合う。 仕事に話を戻しましょう。 多様性を受け入れて、ラベリングをしないカルチャーになったとします。 では、全員同じように接すればいいのでしょうか。 全員に同じような働き方を求めることができるでしょうか。 残念ながら、そうシンプルにはなりません。 全てのメンバーが異なる多様性を持ち、かつ置かれている環境も違います。 例えば、小さな子どもを持つ人であれば、子どもの体調で急に休んだり早退をしなければいけないこともあるでしょう。 日本以外の国から来ていれば、ときには日本人よりも長い休暇を使って自分の国に帰らなければいけないこともあるでしょう。 これらは一例ですが、100人いれば100通りのバックグラウンドがあり、個別の事情があります。 ここで重要なのは、まずは全員に対して平等な機会が与えられる環境にしていくということです。 その上でそれぞれの突発的な事情は、フレキシブルに考慮する。 例えば独身の人の方は、子どもがいる人よりも突発的な事情で休むことは少ないでしょう。 もしチームの誰かが突発的な事情でリソースが足りなくなった場合、時間がある人、体力のある人がカバーしていけばいいのです。
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  • 性善説か性悪説か

    企業の運営において、性善説に立って行うか、それとも性悪説を前提にするのかということがしばしば議論に上がります。 今回は、どうすればパフォーマンスを上げつつ、みんなが幸せになれるのかを考えてみたいと思います。 性善説と性悪説 Wikipediaではこんな風に書かれています。 性悪説(せいあくせつ)とは、紀元前3世紀ごろの中国の思想家荀子が、孟子の性善説に反対して唱えた人間の本性に対する主張。「人の性は悪なり、その善なるものは偽(ぎ)なり」(『荀子』性悪篇より)から来ている。 ここで言う悪とは、「(人間は様々な意味で)弱い存在」という程度の意味であり、「悪=罪(犯罪あるいは悪事)」という意味では無い(「弱い存在」である人間が、犯罪や悪事に手を染めずに一生を終える、という事もありうる)。また、偽とは、「人の為す行い」という程度の意味であり、「偽=嘘あるいは偽物」という意味ではない(後述のように、後天的な努力や習得によって初めて獲得する性格のものと捉えている)。 一般的に性悪説というのは「人間は放っておくと自分の利益のために悪いことをする」という認識がありますが、性悪説を捉えた荀子はそう定義しているのではありません。 彼は、「性悪説」というのは、人間が”悪”であるということではなく、”弱いもの”であると定義しているのです。 性善説だけで企業が運営できない理由 僕個人は、基本的に、「人間には良心があり、自分の利益のために積極的に悪いことをする人はほとんどいない」と思っています。 しかし、世の中では犯罪も多く起こりますし、企業内で不正も沢山起こっています。 なぜでしょう。 それには二つの理由があると考えられます。 不正が起こる2つの理由 一つは”集団圧力”です。 特に日本は”和を持って尊しとなす”という文化があり、集団が当たり前にやってきたことを否定することは、心理的に難しいところがあります。 少し前で言えば、東芝の粉飾決算がありました。 (不適正会計と言っていますが、内容は粉飾決算そのものです) 社長が「チャレンジだ!」と言えば、暗黙の了解で正しくない会計をしても、集団心理の中でそれが許されてしまった事例です。 パワハラやセクハラが横行する組織も同様ではないでしょうか。 また、常識は時代によって変化していきますので、以前では問題ではなかったと認識されていたことも、今の社会では問題だとされるものも多くあります。 いま盛んにブラックだと言われている過労働も、30年前には「それが仕事ならやるのは当たり前」でした。 ちなみに僕が新卒の頃は、同期でも150時間とか200時間とか残業している人がザラにいて、それは特に問題だとはされていませんでした。残業代いっぱい出るし、遊ぶ時間はないので、お金いっぱい貯まるな〜といった感じです。 そういった時代の変化に柔軟に対応していくためには、この集団圧力の呪縛から抜け出して”正しいことを言う”ことを奨励するカルチャーを作る必要があるでしょう。 もう一つの理由は、**”規律がない”**ことです。 規律とは価値観をベースに作られていくもので、ルールとは少し違います。 ルールは、絶対に守らなければならないものですが、規律は言ってみれば、チームの中でみんなが共有した価値観に基づくガイドラインのようなものです。 ルールさえ守れば、何をしてもいいと考えるのは危険なことです。 そういう考えに基づいてチームを運営すると、モラルハザードが起こります。 ルールに基づいて交際費の名目を申請すれば実質はどうあれ、経費処理ができるなんていうのはそのいい例です。 組織運営は、性善説+性弱説で行う では、どうすればみんなが気持ちよく、最大のパフォーマンスを発揮できる組織に向かえるでしょうか。 Colorkrew(以下、カラクル)の考え方は、性善説+性弱説での運営です。 上述したように、基本的には性善説の考え方をとります。 しかし、時には自分の利益を誘導できる機会・誘惑があったり、集団圧力で正しくないことが、いかにも当然のように行われてしまう可能性がある時があります。 性弱説に立てば、人間は弱いものですから、誘惑に負けたり、圧力に流されたりします。 といって、性悪説的な考えに基づいて沢山のルールを作ると、汲々して活動がしづらくなります。 そこで一人一人に自己規律をもたらす方法が必要となってきます。 それが「オープン」です。 オープンが弱い部分を救う 全てのことをオープンにすると、皆が「正しい」と思うことを自己規律を効かせて行動するようになります。 クローズな組織では「これは自分だけが知っているから、ちょっと自己利益を考えて行動しよう」ということが成立しますが、オープンな組織では、皆が公明正大に行動しようという規律が働くのです。 ですから、性善説によるルールを最小化し、性弱に基づくリスクに関してはオープンを極めていくことで規律を効かせるというのが、カラクルの組織運営に関する考え方です。 また、全ての活動をオープンにすることは、プラスアルファのメリットもあります。 それは「活動に関するコミュニケーションを活性化させることで、価値観をより深く浸透させることができる」ということです。 性善説で組織運営を行いたいけれど、規律をどう作ればいいかと悩んでいるマネジメントの方、是非オープンを取り入れてみてください。 ▼オープンに関するおすすめ記事はこちら バリフラットができるまで ④〜オープンが先か、フラットが先か~ オープン化の鍵は、xxxを排除すること
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  • 1on1コーチングに行き詰まったコーチへ 〜プラスワンのススメ~

    今回もコーチングについて書きたいと思います。 ▼コーチング関連でおすすめの記事はこちら 世の中にはびこる間違ったコーチング リモートワーク時代に通用しない上司とは OKRを運用している会社は、それをフォローアップするために定期的に1on1をやるケースが多いのではないでしょうか。 1on1をするケースは、いわゆる上司がやる場合と、メンターなど別の人が担当する場合がありますが、ここでは「コーチ」と「メンバー」で統一したいと思います。 1on1といままでの評価面談の違い 定期的に行う1on1は、いままでの評価面談と全く違うやり方、内容です。 まず頻度。 評価面談は、基本的に期初と期末に行います。中間面談を行うこともありますが、多くても年に3回という組織が大多数です。 一方の1on1は、圧倒的に回数が多く、比較的頻繁に行われます。 月1回や、週一回などです。 そして内容です。 評価面談は、評価に特化して行われます。 まずメンバーが自己評価をして、それに対してコーチが評価を伝え、その説明をするのが一般的です。 どちらかといえば、コーチからメンバーへ一方通行になりやすいコミュニケーションです。 1回のミーティングに1時間かければ良い方で、少なければ20〜30分で終わります。 一方1on1は、最終的には評価的な意味合いが入ることが多いですが、通常のコミニケーションは、メンバーが中心となって話が行われます。 そして関係づくりや相互理解なども含め話されますので、一方的ではなくインタラクティブなものであることが違いといえるでしょう。 1on1だからできること このように1on1は評価だけでなく、目標達成へのプロセスや、それに対して必要な能力開発なども包括されますので、メンバーの成長について一緒に考える時間を、より多くとることができます。 また評価面談に比べ圧倒的に頻繁に行われますので、タイムリーにメンバーのケアをすることが可能となります。 1on1で陥りがちなワナ このように良いことばかりに思える1on1ですが、やってみると陥りやすい罠がたくさんあります。 それはどんなことでしょうか。 膨大な時間を使ってしまう コーチがメンバーのケアをしているという大義名分があるため、1on1は必要以上に時間を使ってしまうと傾向があります。 厳しくなりすぎてしまう コーチはメンバーよりも経験が豊富なため、ついついやってることを一つ一つにダメ出しをし、厳しくなりすぎてしまうということがあります。 感情移入しすぎて甘くなってしまう コーチも人間ですので、接触頻度が上がると、本来のコーチングでは厳しく指摘をしなければいけないところも、感情移入してしっかり伝えられなくなったりします。 実は、元々厳しい人ほど、日々厳しいフィードバックをし続けることが重なると、最終的かつ決定的に厳しいことが言えなくなってしまうという傾向もあり、一概に甘めのコーチだけが陥ってしまう事象ではないことでないことが、僕も最近わかってきました。 行き詰まったらプラスワンを試してみよう こういった罠に陥っているときは、客観的に見ての修正が必要となります。 僕がお勧めしている方法は、プラスワン。 ここでのプラスワンは、もう1人のコーチを連れてくるというやり方。 この人は、ある程度メンバーのことを理解していることと、一定レベルのコーチングスキルを持った人が望まれます。 プラスワンを入れることで、一対一のときには厳しくなりすぎたり甘くなりすぎたりするバランスを修正することができます。 特に、感情移入しすぎて甘くなってしまっていて、それを修正したいと思っている場合、第三者が入ることで「本当にそうなのか」と突っ込んでもらい、「実は、xxxの部分はしっかり伝え切れていなかった」というような話もできるようになります。 ぶっつけ本番はNG プラスワンはぶっつけ本番でやってはいけません。 やる前に、コーチは準備を十分にしましょう。 今のコーチングでやりきれてないこと、感じている課題などを、しっかりとプラスワンの人に事前に伝え、プラスワンのミーティングでどうやってうまくいっていなかったところを軌道修正するのかを確認します。 こうやって、軌道修正できたらまた新たな認識のもとで1on1を再開します。 みなさんも、1on1に行き詰まったらプラスワンをぜひお試しください。 ▼中村が新卒田嶋のコーチをしている話はこちら 新卒が社長をコーチに指名!?100%やりきる強さ
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  • リモートワーク時代に通用しない上司とは

    コロナ渦でリモートワーク中心の働き方になり、チームの活動がオフィスで仕事をしてた時より見えにくくなりました。 そんな中、マネージャーたちは新しいマネジメントスタイルが求められています。 リアルなオフィスでマイクロマネジメント(上司が部下の業務に対して、強く干渉する管理方法)してしていたマネージャーが、もしリモートワークでも同じことをしようとしているのであれば、それは危険です。 そもそもマイクロマネジメントは良くないのですが、リモートワークでそれをやろうとした場合、その悪さが100倍になるからです。 ちなみにColorkrew(以下、カラクル)は、上司・部下が存在しないフラットな組織ではありますが、コーチ・メンバーの関係はあります。 これからの時代、なぜマイクロマネジメントは悪なのか、どうすればいいのかを書きたいと思います。 マイクロマネジメントは悪 そもそもマイクロマネジメントは、マネージャー自身の時間をたくさん使います。 それによってマネージャーは仕事をしている気分になる。 仕事をしている気分になっていても、成果に貢献していませんので、そういうマネージャーは実質的に仕事を全くしていないといえるでしょう。 部下のほうも、マネージャーのやり方を押し付けられることになるので、やる気が激減し成果が出しづらくなります。 さらに悪いことには、上司からのマイクロマネジメントに慣れてしまうと自分で考えることをしなくなる。ビジネスパーソンとしての成長も阻害されてしまうのです。 このようにマイクロマネジメントはマネージャーにとっても部下にとっても良い事は一つもありません。 リモートでのマイクロマネジメントはさらに悪 リアルなオフィスでのマイクロマネジメントはこのように問題なのですが、リモートだとさらに悪くなります。 そもそもリモートでの仕事は活動が見えづらくなっていますので、マイクロマネージャーとしては「報告をしろ」という気持ちがより強くなります。 リアルであれば口頭でぱっと説明できますが、リモートでは文章を書いたりわざわざ電話をしたりビデオ会議をしなければなりません。普段より時間がかかるのです。 なによりも、報告作業そのものは生産性がありません。 報告を起点にしてコーチングに向かえば良いのですが、報告された上で次の指示を出すと言う循環になれば、それはコーチングではなく、ただの作業員に対しての作業指示になってしまうのです。 リモートワークでこそコーチング リモートワークの状況下では、コーチングがさらに重要になります。 コーチングとは指示を出すことではなく、メンバーに寄り添い成長させ、成果を出す事をサポートすること。 良いコーチングでは、本質的で重要なことに集中して話すことができますので、お互いにとっての時間効率も非常に良くなります。 コーチングについての関連記事はこちら↓ ■中村流コーチング公開します! ■ISAO流コーチング コーチングを始める前提条件 コーチングが機能するには、前提条件があります。 それは「仕事に関する考え方をすり合わせること」 これができていなければ、どんなに話してもお互いに理解しあえませんので、意味のあるコーチングはできません。 例えば、僕が個人的に前提条件としたいと考えているのは、下記のようなことです。 ・事実と主観を分けて話すこと ・結論から先に言う事 ・都合のいいことも悪いこともしっかり伝えること ・できるだけ定量化して話すこと ・他責でなく、自責で話すこと ・ただどうすればいいと聞くのではなく、自分のアイデアを持つこと こういった前提条件に関することはとことん話し合って、すり合うことが必要です。 この話し合いには、いくらでも時間を使っていいと僕は考えています。 新しいマネジメントスタイルへ リモートワークでの働き方を取り入れた新しい働き方では、新しいマネジメントスタイルが必要とされます。 マネージャーや上司は、思い切って、指示を手放す。 報告をさせるのではなく、全員が活動を自らオープンにするカルチャーをつくる。 そうすることで、生産的・効率的で、モチベーション高くビジョンに向かうチームを作り出すことが、これからの時代のマネージャーの仕事なのです。 オンラインで組織改善セミナー開催中!お申し込みはこちらから↓
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  • 世の中にはびこる間違ったコーチング

    バリフラットで階層がないColorkrew(以下、カラクル)には上司はいません。 その代わりにコーチを自分自身で指名するという制度があるのですが、今回は全ての組織の永遠の課題「コーチング」について僕の考えを書きたいと思います。 これは僕の考え方なので、多くのコーチングの専門家の方々とは違った考えである部分が多々あると思いますが、あくまで実践的な観点でのコーチングを考えていきます。 コーチングとは教えることではない よく言われることですが、コーチングとティーチングは別物です。 しかし頭では分かっていても、コーチングをしようとして、ティーチングをしてしまうことは良くあることです。 ティーチングとは、「知識や技術を一方的に教えること」。 僕の定義するコーチングとは、以下の通りです。 「メンバーの成長や、業務の目標に向けて、持っている力を最大限に引き出すためのアシストをすること。」 ティーチングとのミックス とはいえ、コミュニケーションの100%をコーチングでおこなってしまうと、最大限の効果を発揮することができないと多くのコーチが実感しているのではないでしょうか。 100%コーチングという”アシスタント”になりきれるのは、エグゼクティブコーチングなどに限られると僕は考えています。 メンバーのレベルによって、ティーチングミックスの最適度は変わってきます。 最もティーチングの比率を多くする新入社員の場合には、ティーチングを20〜30%程度混ぜます。 ここで重要なのは、ティーチングの比率は高くても30%に留めるということです。 それ以上やると、コーチングからティーチングにコミュニケーションの質が変化してしまうのです。 なぜティーチングミックスが必要なのか 一言で言えば「前提条件となる視界を広げる」「視座を高める」ためです。 単純な例を出します。 これから、世界で活動しようとしているメンバーがいるとします。 でもこのメンバーは、日本しか知りません。海外があるということも知識としてない。 要は「前提条件が足りていない」状態です。 そんな場合は、まず視界を広げるために「世界という概念」をティーチします。 その上で、世界の中で自分がいる日本の位置づけを教え、世界の各地域のざっくりとした情勢や関係性を知らなければならないことを教えます。 ここで重要なのは、コーチは「視界を広げる」ために教えるのであって、内容は自分で学ばなければならないということです。 別の言い方をすればコーチが与えるのは「きっかけ」であって、授業ではありません。 ティーチングというよりは、学ぶきっかけづくりに意味的には近いかも知れません。 逆に言えば、視野を広げたり、視座を高めたりする必要がないメンバーに関しては、ティーチングは無用です。 コーチングスタートまでの準備 コーチがきっかけを与えた後は、メンバーは自分でそれを学びとる必要があります。 それができて初めてコーチングをスタートすることができます。 自ら学ぶものは大きなものもあり、小さなものもあります。 大きなものを学ぶ場合は、十分にインターバルを取ることをお勧めします。 小さなものであれば、その場で学び、進めていくことができます。 いよいよコーチング いよいよコーチングの始まりです。 具体的な方法論については、以前「中村流コーチング公開します!」で詳しく書いていますので、そちらを参考にしてもらえればと思います。 https://blog.colorkrew.com/nakamura-like-coaching/ メンバーとコーチで、ファンダメンタルとスキルの両軸で「あるべき姿」を洗い出します。 ここで重要なのは「押し付けない」ことです。 ティーチングは「これが正しい」ということをメンバーにわからせるということですので、ある意味押し付けです。 あるべき姿を粘り強く、メンバー主体で考えましょう。 「メンバーが考えることができないのです」なんて声も聞こえてきそうですが、ここはぐっと我慢します。 自分で考え抜いて、決めないとその後の工程が全ておかしくなります。 あるべき姿は、メンバーが自分で納得するだけでなく、コーチも客観的に見て「これがいい!」と思えるものを目指します。それにより独りよがりで、意味がない目標を立ててしまう危険を回避します。 人は自分が納得したことしかやらない なぜ僕がここまで「自らが決める」ことにこだわるかというと、人は所詮自分が納得したことしかやらないからです。他人が決めたことに納得する人はいません。 人は自らが決めることで、初めて主体的になり、力が発揮できるのです。 冒頭に「持っている力を最大限引き出す」と書きましたが、まさにそのためにはこれが必要なのです。 いいコーチはツッコミがうまい 具体的な目標、活動計画を立てれば、あとはコーチは伴走し、アシスタントに徹します。
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  • シゴトたのしく!は正しいのか

    Colorkrew(以下、カラクル)は、世界のシゴトをたのしくするビジョナリーカンパニーを目指し、GoalousやMamoruなどのサービスを展開しています。 今回は、そもそも仕事とは楽しくあるべきなのか、それとも厳しく苦しいものなのか、と世代間で意見が割れそうな話題を考えてみたいと思います。 仕事は苦しくて当然という考え方が当たり前だった平成初期 僕が社会人になった27年前、多くの社会人の先輩は「仕事は厳しく、苦しいのが当たりまえだぞ」と教えてくれました。 もちろん「楽しくやるべきだ」という人もいましたが、少数派だったと記憶しています。 「なんかイヤだなぁ」と思いつつも、「そういうものなんだ」と思っていました。 あれ?全然苦しくない!?の経験 働いてしばらく経って振り返ったとき、僕にとっては仕事は苦しくないということがだんだんわかってきました。 むしろ楽しい。 できないことができるようになっていくことの喜びもありますし、チームの関係がとても良かったので、先輩方にもとても良くしてもらったからかもしれません。 ただ、周りには確かに苦しそうに仕事をしている人たちも結構いました。 仕事は厳しい 一方で「仕事は難しいし、厳しいな」とは感じていました。 若い頃はできないことが沢山ありますし、経験が浅いので、いまだったらなんでもないことでも、つまづきまくります。そういう観点では、日々プレッシャーもあり、厳しさもしっかり感じていたことを覚えています。 難しい・厳しいとは思いつつも「楽しい」と感じていました。 では、苦しいと思っている人たちとの違いはなんだろう、また何が苦しさを生み出すのかを考えてみたいと思います。 仕事そのものが苦しい 一つは「仕事そのものが苦しい」です。 長時間労働で身体がキツい 難易度が高すぎる 無意味だと感じる仕事をやり続けているので苦痛 などの理由があるでしょうか。 ただ、こういった要因に関しては、現在ではどんどん少なくなっているのではないでしょうか。 現代において、長時間労働は悪という考え方は徹底してきています。 コンプライアンス的な観点から、スキルとギャップがありすぎる仕事に取り組まなければならないこともあまりなさそうです。 また、人間がやらなくていい単純作業などはどんどんコンピューターや機械がカバーしていく傾向です。 そう考えると、「仕事そのものが苦しい」は昔と比べるとどんどん少なくなっているはずなのです。 人間関係が苦しい 仕事そのものの苦しさ以外で、理由としてありそうなのが、人間関係です。 仕事の人間関係は、普通の人間関係と違います。 通常は、人と人との関係はフラットですし、お互いに求めなければ関係を継続する必要はありません。 しかし、仕事の人間関係は、フラットでもなく、それを求めていなくても関係を続けていかなければならないものです。 ある調査によれば、半数以上の人が人間関係の難しさが原因で転職を考えたことがあると答えています。 その中でも、先輩や上司との関係、いわゆる「縦の関係」が最も難しくなりがちです。 理不尽が苦しいの正体 実は僕個人的には、20代の頃でも「縦の関係」は難しくありませんでした。 いま振り返るとそれは、理不尽がなかったからだと思います。 いわゆる昭和型の上司部下モデルは、パワーバランスでは上司が圧倒的なので、部下は最終的に言うことを聞かざるをえません。 議論をしていてもフラットにできず、「アイデア」ではなく「誰が言ったか」で物事が決まっていきます。 その上で、上司から部下に「やれ」という命令(指示)になれば、”理不尽”なことをされたというモヤモヤが残ります。 この”理不尽”が、人間関係における苦しいの正体だと僕は思っています。 仕事苦しいは悪 仕事そのものが苦しいのは、テクノロジーの発展した現在において、時代遅れになっているということ。 時代に遅れればその会社はダメになっていくので、当然なんとかするべきです。 そして、人間関係が苦しいに関しては「無駄なストレス」ですので、これも解消するしかない。 カラクルはバリフラットで役職もないので、自然に縦の関係のストレスはない仕組みにはなっていますが、一般的な階層型の会社でも、役職を「役割」とみなして、人としての上下関係をなくす努力をすれば解消に向かっていきます。 仕事そのものと、人間関係を改善すれば、まず「仕事苦しい」は脱却できるでしょう。 シゴトたのしい では、この二つを解消すれば「シゴトたのしい」になるのでしょうか。 僕の答えは「NO」です。
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  • 自発型組織のススメ② 〜自発な組織のつくり方~

    前回は、管理をするのではなく自発型の組織にしていくことが、これからの時代において重要であることを書きました。 ▼自発型組織のススメ 〜管理から自発な組織へ~ https://blog.colorkrew.com/spontaneous_organization/ では**「管理型組織」から「自発型組織」**に向かうためにはどのようなステップが必要になるのでしょうか。 Colorkrew(以下カラクル)での実体験も含めて僕のやり方を紹介したいと思います。 管理でも自発でもない、放置型組織だったカラクル 僕がカラクルに合流したのは、2010年です。 そのときのカラクルは、自発型組織でも、管理型組織でもありませんでした。 ではなんだったのかというと**「放置型組織」**でした。 放置型組織とは、誰も実質的・本質的な管理していない状態の組織のことです。 もちろん、業績に関してはマネージャーや経営に関わる人たちが見てはいます。 ただその一方、社員たちは、自分の思い思いに好きなやり方で、好きなことをやっている状態。 事業の健全化に向けて活動をコントロールできている状態とは程遠い状況でした。 経営の最重要課題である人事に関しては、前職条件引きずり型、情実人事です。 前職条件が影響してしまうのは中途採用時にある程度仕方のないことではありますが、情実人事は大問題でした。 権力を持つ人に気に入られれば、給料が上がり、気に入られなければ、給料は低いまま。 管理か、自発かという前に、**「会社が存続できない」**というレベルの悪い業績が続いているにも関わらず、それをどうするかの方向性もありませんでした。 規律を効かせる重要性 そういった組織を立て直すのにまず重要なことは、方向性を定めることでした。 方向性を定めるとは、ミッション・ビジョン・スピリッツを憲法として定め、その上で全社的な戦略、戦術を決めることです。 その方向性に、みんなが向かっていくために必要なことが「規律」です。 方向性を定め、ブレないオペレーションをしていくために規律を守っていくことで、業績は劇的に改善され、4億円以上の赤字から2年で黒字化、そしてその後5年間で5億円ほどの経常利益を出すまでに成長することができました。 これらをやりきるために、まず導入した規律は**「会社から与えられた規律」**です。 与えられた規律とは 与えられた規律とは”ルール”です。 ルールは決めたら上から下に降りてくるというイメージ。 この時期に、僕が決めたルールは、以下のようなものです。 時間を守る 交際費など経費の自己決済は禁止(必ず他人の目を通す) 「赤字は悪」を徹底(当時は”これは意味がある事業だ”という説明で赤字を正当化していました) 全員で現場の仕事に取り組む。人の評価だけする人の撲滅 すべての事業は、計画・実績をレビューする 不機嫌禁止 などです。 レベルが低すぎる内容もありますので、少し恥ずかしいですが、これをわざわざルールに定めなければならないという状態だったのです。 これらをルールとした目的は以下の通りです。 社内的パワーを持っている人も含めて、自分だけで勝手に物事を決めることはできない仕組みづくり ずるずると赤字事業を続けないためのガイドラインを持つこと 雰囲気をポジティブに変えるため**「上から詰める文化」を一掃すること** これらを、口うるさく徹底していくことで、必要な厳しさを持つチームに向かうことができました。 与えられた規律から、自己規律へ その状態を数年間続けると、これらのルールを守ることは「当たり前」になっていきました。 その中で、自然と業績はV字回復したのです。 これらが当たり前になると、ルールを守れているか管理する必要性が薄くなります。 次のステップでやっと**「自己規律」**へ向かうことができるようになるのです。 自己規律と言っても、前提条件は組織によって変わってきます。 カラクルの場合は、以下の共有する価値観が定められています。 Colorkrew Spirits
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  • 「もはやオフィスは不要なのか?」を経営視点で考えてみる

    新型コロナウイルスにより緊急事態宣言が4月6日に出され、多くの会社が在宅勤務になりました。 5月になり、感染者の多い都道府県以外は徐々にSTAY HOMEを解除されて以降、段階的に緩和され、先週からは県境を越える移動、接待を伴う飲食店も解禁されました。 しかし、またもや東京都は週平均30人越の感染者数になり、アラート発動の目安の一つとしている「週平均20人以下」を大きく上回っている状況です。 感染症との戦いの歴史を振り返れば、第二波、第三波がくる可能性も高いですし、またSTAY HOMEに戻らなければならない期間もでてくるのではないかと思っています。 Colorkrewでは2月中旬からリモート推奨、4月初旬から強制リモートで働いています。 いまの状態をいつまで続けるかという直近の課題はさておき、この先の働き方や、それに伴ってオフィスのあり方はどうなるべきかということを、経営視点で考えてみたいと思います。 世の中の動き アメリカのIT大手のFacebookやGoogleなどは、思い切って年内12月までは全面的在宅勤務を許可することを既に決めているようです。 また東京は賃料が高いこともあり、これを機会にオフィスを解約する動きもあります。 全面的にオフィスを解約するかどうかは、会社ごとに判断が別れるでしょうが、方向性としては、今後は在宅の割合が増えることを前提としてオフィスは縮小傾向に向かうと予測しています。 もう元には戻らない まず前提条件として、リモートワークでビデオ会議が当たり前になった世の中を経験した僕たちが、コロナ前の働き方に戻るということはあり得ないと考えています。 理由はシンプルで、リモートワークのメリットを知ってしまったからです。 では、今の状態(完全リモート)になるかといえば、会社によっては「もうオフィスは要らない」という決断もあり得ますし、多くの会社はもう少しリアルなオフィスとリモートを使い分けていくことになるのではないかと想像しています。 リモートのメリット 通勤時間がないこと まず、なんと言っても**「通勤時間がない!」**というのはリモートワークの最大のメリットです。 満員電車に何十分も乗って会社に通うのは日本(特に東京ですが)がいつも海外から「信じられない」と思われていることです。 我々は少し慣れてしまってはいますが、冷静に考えれば全くもって非人道的な時間です。 今回の強制的なリモートワークによって「なんて信じられないことをしていたんだ」と気づいた人も多いのではないでしょうか。 経営視点で言っても、こういった時間を無駄にしないことで、社員の健康や精神衛生にプラスになるポイントがリモートには多いと感じています。 静かな環境 Colorkrewもそうですが、特にエンジニアの人たちなどに多い意見です。 集中して自分のタスクに取り組みたいときにはリモートが適していると考えられます。 静かなだけでなく、自分好みにできるという意味でもいいかも知れません。 経営視点で言えば**「生産性が上がる」**のがメリットでしょう。 成果をより意識した活動になる リモートでは活動が見えづらくなります。 オフィスにいれば細かく挙動が見えて評価されていたプロセスの部分が、リモートではわかりづらくなる。 経営視点で言えば、評価はより「成果」にフォーカスされたものになるので、組織はレベルアップに向かいます。 いままで以上に**「プロフェッショナル」であること**が求められますので、一部の人たちにとっては厳しい環境になっていくと言えるでしょう。 その他 人によっては、「人に会わなくて済む」みたいなこともありそうですが、そういう人は会社というチームで仕事をすること自体が嫌なので、リモートかオフィスかという選択というより、そもそも**「会社に所属するのか」**を考えるべきかも知れません。 また**「家族とたくさん一緒にいることができる」**ことでクオリティオブライフが向上するのはとてもいいことではないでしょうか。 オフィスでなければできないこと、やりづらいこと ゆるく、みんなとつながる 目の前にタスクがあるような仕事は、リモートでも十分に可能で、むしろリモートの方がやりやすいことも多いのは、僕たちがまさにいま体験していることです。 一方で**「用事がなければコミュニケーションが発生しづらい」**というのはチーム作りを考えた時に、ボディブローのように効いてきます。 また、オンラインでは顔しか見えなかったり、ビデオでは雰囲気を感じづらい場合もあるので、リアルに会えば気がつく変化もリモートでは気づきにくいでしょう。 Colorkrewでは、みんながGoalousに自分の目標に向かった活動を投稿するので、雰囲気を多少感じることができますが、それでもリアルでお互いが見えないことにより、情報量が著しく低下すると感じています。 もっと工夫すればリモートでもソーシャルな部分は強化できそうですが、リアルに比べれば努力するコストがかかりそうです。 偶発的なアイデアが出づらい オフィスは、いろいろな人とカジュアルに触れ合うことができるので、そこかしこで新しいアイデアが生まれてきます。 一方リモートだと、用事がないのに偶然出会うことが極端に減るので、そういったことは起こりにくくなります。 Colorkrewはどうするのか Colorkrewとしてはとりあえず7月末までは在宅勤務を継続し、状況をみて、その先の判断をしていこうと考えています。 オフィスをなくせば、月数百万円かかっている家賃を節約することができますが、やはり「みんなが集まれる場所」も魅力と感じています。 その先の判断とは言いつつ、方向性はあります。
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  • 自発型組織のススメ 〜管理から自発な組織へ~

    過去にも手を変え品を変え、**「管理を脱却し、自発で回る組織」**について書いてきました。 今回はそのマトメとして、「なぜ管理ではダメで、なぜ自発がそんなにいいのか」を書きたいと思います。 時代は変わった 現代は工業化により、輝かしい成長を遂げた20世紀とは時代が大きく変わったことは、管理から自発へを語る上で、重要な前提条件です。 特に日本は、バブルの時代に製造業で世界トップレベルの国になったので、その成功体験に囚われがちですが、時代は変わりました。 製造業・ハードウエアは、もはや主役ではなくなりました。 21世期の主役は、サービス・ソフトウエアです。 20世期は**「マニュアル通りにやること」**が重要な時代でした。 みんながそれぞれ思う通りにモノを作ったら製造業は成り立たないからです。 もちろん「改善活動」などもありますが、働くことの大部分はマニュアル通りにという時代でした。 一方、21世期の現代では「マニュアル通りに動く人間」の価値はどんどん低くなっています。ITがそれを肩代わりし始めているからです。 この流れは、加速することさえあれ、止まることはないでしょう。 カナダのジャスティン・トルドー首相の2018年のダボス会議での発言はそれを象徴しています。 「今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった 。だが、今後、今ほど変化が遅い時代も二度と来ないだろう 」 この時代の変化の中で、管理 vs 自発について以下僕の考察です。 管理すると自分で考えなくなる いつも自分がやるべきことを、上司が命令してくる組織は、命令がなければどうしたら良いかわからなくなります。 個人が考えなくても、マニュアルがあって、それに従えばいいだけの仕事であれば、それでいいかもしれませんが、現代ではそういう仕事はどんどんコンピューターに奪われていっています。 人間がやらなくていい仕事を、人間がやり続ける組織もあると思いますが、そうした非効率は競争力低下を招きますので、いずれ滅びていくでしょう。 ここでは滅びない組織を前提に考えます。 人間のやる仕事はマニュアルではできない仕事になる。 ということは、自分で考え、行動できる人の集団にならなくてはならない。 自発型組織でないと生き残れないと僕が考える理由はそこにあります。 これからの組織では、自分で考えて行動できなければ、仕事はなくなります。 **「管理を放棄して自分で考え、行動する」**というマインドセットが個人にとっても、組織にとっても、今後より重要になっていくことは間違いないでしょう。 命令されたことでは、100%の力が出ない もう少し違った観点で考えてみます。 これは、自分の身に当てはめると全員が理解できると思うのですが、基本的に、人は他人から命令されたことでは100%の力は出ません。 100%、もしくはそれ以上の力を引き出すためには、自分自身が考えたことを実行していくことが必須条件なのです。 管理されて楽しい人はいない 前時代では必要だった管理ですが、これを「楽しい」と思っていた人は少ないと思います。 みんな子どものときは、束縛されるのが大嫌いだったはずです。 なのに社会にでて、管理されるのが当たり前だという刷り込みが長い間行われると、それに苦痛を感じなくなってきます。 でもそれは「楽しく」なったわけではないでしょう。 苦しみに鈍感になっただけです。 管理ではなく、自発で仕事ができれば、本来こんなに楽しいことはないはずです。 以上、自発の方がいいというよりも**「自発しかない」**という僕の考え方についてでした。 次回は、どうしたら自発型組織に向かえるのかなどについて書いていきたいと思います。 ▼Change ISAO to Colorkrew.
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  • 管理なんてしたくないのに、管理をしてしまうマネジメントについて

    世の中の多くの会社員は**「人に管理されたくない」**と思っています。 それと同時に、多くの管理職も**「管理なんてしたくない!」**と思っていいます。 どちらの立場も経験した僕が理想とする組織の姿は、やはり**「人が人を管理しない」マネジメント**です。 しかし、みんなが管理なんて嫌いなはずなのに、なぜ会社は管理しようとするのでしょうか。 いや、むしろ管理を通り越して**「監視」してしまう組織もあるのはなぜでしょうか。** そのメカニズムを考えてみたいと思います。 管理職の「管理したくない」気持ち まず、管理すると、うるさがられます。 人間誰しも好かれたい。 だから嫌われるに決まっている管理なんて本当はしたくないと思っている管理職は多いはずです。 そもそも自分が管理される立場だった時は、それが大嫌いだったのだから。 でも自分のさらに上司からは、**しっかり結果をだせ!**と言われる。 放っておけば、パフォーマンスが上がらない。 だから部下たちがしっかりやっているか、監視したり、管理したりしだします。 これがひどくなると、マイクロマネジメントマネージャーが出来上がるのです。 慣れてくると「管理したくなる」気持ち 本当は管理なんてしたくなかった管理職たちが、管理することを習慣化してしまうと、おかしなことが起こり始めます。 管理、言い換えれば**「人を支配する」**ことに快感を覚えるのです。 そしてそれは、権力を持ったときに、誰しもが感じてしまいがちなものです。 上司と部下の関係は絶対です。 上司が部下を評価する組織では、部下は逆らうことは基本的にできません。 もちろん、部下も自分の意見をぶつけたりすることはできますが、最終的には上司に従わざるを得ない。 慣れてしまうと、それが当たり前になり、それ以外に組織マネジメントできる方法が分からなくなってしまうのではないでしょうか。 目標やキーリザルトの共通理解ができていない 僕が考える「管理せざるを得ない」ことの根源的な原因は・・・ ビジョンや目標、それに向かうためのキーリザルト(注)が明確化され、チームで共通理解になっていない。 (注)ゴール達成のために必要な指標が具体的に示された主たる成果 シンプルにして、最高に難しいのがコレです。 難しいですが、これさえできれば、実は管理しないマネジメントに向かうことができます。 なぜ共通理解ができないのか 共通理解ができていない会社や組織は**「ビジョン」がない**可能性が高いです。 「いや、うちの会社にはビジョンがしっかり掲げられているよ」と反論する方もいるかも知れません。 僕なりの解釈でいうと、ビジョンとは、その組織に人が集まってくる「理由」です。そして、社員は「ビジョン」を目指すためにそこに集まっているはずです。 こんなことを言うと「そんなことは理想論で、現実的には会社に入るのはビジョンを目指すためではない人が多いよ」と言われるかも知れません。 また多くの会社のビジョンはお飾りであることが多いことは否めません。 そういった場合、共通理解を持とうとすることは非常に困難になります。 辛口になりますが、その程度のビジョンであれば、捨てた方がいい。 例えば、「利益をより多く出す」「会社を拡大し、ステータスを上げる」「業績拡大し、社員の給料も上げていく」「そのためには、数字にこだわる」などと、正直に伝えた方が、よっぽど社員も納得するのではないかと思っています。 かっこいいことを言ってるけれど、口だけでそれを信じていない経営は、社員からのリスペクトを得ることは永久にできないと僕は思っています。 数字だけが目標になっている組織ほど、結局「管理」してしまう ビジョンがなければ、何を目指して仕事をするかといえば、やはり業績などの数字でしょう。 数字を目標にすると、自発性をもって仕事をする人と、そうでない人にはっきり分かれてきます。 自発性のタイプは、世の中でいう**「モチベーションの高い人」**でしょう。 そうでない人は**「あんまりやる気のない人」**なのかも知れません。 あんまりやる気のない人は、自ら考えて積極的に仕事をしようとはしませんので、監視や管理をしなければ、サボることになります。 こうして**「管理しよう」**というマインドセットが出来上がります。 今回は「管理をしてしまうメカニズム」についてでした。 監視しない、管理しないマネジメントについては、ぜひGolaousセミナーで! ▼Change ISAO to Colorkrew.
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  • Colorkrewに社名変更しました!

    本日6月1日付けで株式会社ISAOは、株式会社Colorkrewに社名変更しました。 記念すべきColorkrewとしての初ブログということで、今回は社名変更の背景と、想いをお伝えします。 ISAOという社名について 1999年10月、独立系SIerで最大規模だったCSK社(現SCSK)と、SEGA社のジョイントベンチャーとして、株式会社ISAOは誕生しました。 *CSK社大川功社長は当時SEGAの大株主であったことから、ISAOは実質的にはCSKの子会社 創業の目的は、当時SEGA社が発売していた「ドリームキャスト」のインターネットサービスプロバイダーとしての役割と、ゲーム業界におけるオンラインサービスを行うことでした。 CSK社についてはこちら。ISAOもちょこっと載っています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/CSK_(企業) 社名は公募でつけられました。 Interactive Service for Amusement Onlineの頭文字をとってISAO。 ゲーム業界とインターネット業界をまたにかけて事業をする会社という意味です。 もちろん、創業者の大川功さんにちなんでいることは言うまでもなく、むしろ意味合いとしては大川功さんが作った最後の会社という方が強かったのではないでしょうか。 ISAOという社名への愛 僕は、2010年にISAOへ合流しました。 ISAOは人の名前でもありますので、当初は「変な名前だな」と思ったことを覚えています。 それからしばらくして、ISAOという名前に馴染んでくると、段々好きになっていきました。 そして、自分たちはISAO以外何者でもないくらいの勢いで、この名前を愛してしまったのです。 ISAOあるあるで、ちょっと不思議なことがあります。 僕も以前そうでしたが、自分の会社のことを他社の人と話すときは大体「弊社は」とか「当社は」という言い方をします。 でも、僕たちは「ISAOは」と言ってしまう。 不思議ですが、ISAOという名前にはそういう魔力がありました。 そんな、僕たちが愛したISAOという社名。 今回、僕が社名変更を検討したいと言い出し、みんなで話し合ったときは、当然のように大激論になりました。 いままで、62ヶ月も単月経常赤字が続いたときも、奇跡的に倒産せず、またその渦中に親会社から別の親会社にISAOが売られたときも、守り抜いた僕たちのアイデンティティの象徴であるISAOという社名。 **「ここまで守り抜いたアイデンティティを捨てるのか」**と言われると僕もぐっとくるものがありました。 そして、激論をしながらも、僕はみんなのISAO愛を素敵だな〜と思って見てました。 ISAOの事業構造の変化 一般的にはそれほど有名ではないISAOも、ゲーム業界や、ゲーマーたちにはisao.netなどでよく知られています。 それもあって、いまでもISAO=GAMEというイメージが強くあります。 実際には、現在のISAOはゲーム関連を専門にしている事業は既にありません。 また、クライアントビジネスも10年前には80%以上ゲーム業界だったものが、いまでは10%以下になっています。 新規はもっと少なくなっています。 さらに、自社サービスであるMamoruやGoalousも、ゲームとは直接関係のないサービスです。 もはや、元々マーケットで知られているISAOとは、ここ数年で全く違う事業構造になっていることも、今回の社名変更を決断する大きな理由でした。 Colorkrewに込めた想い 詳しくは、ブランディングチームが記事をリリースしますので、そちらをご覧いただければと思いますが、ここでは簡単に書きたいと思います。 昨年10月に9年半親会社だった豊田通商グループから、我々はスピンアウトしました。 それから僕たちは「より理念に尖っていく」ことを念頭に変化し続けています。 B2Bで、顧客のサービスを支える縁の下の力持ち的存在から、自分たち自身がサービスを作り出す会社へ。 ゲーム業界中心に事業をする会社から、シゴトをたのしくする事業をする会社へ。 日本人中心・国内事業をする会社から、インターナショナルチームで世界へ事業展開する会社へ。 創業してくれた大川功さん。創世記からISAOを支えてくれたメンバーたち。 そして、ISAOを育ててくれたゲーム業界。 20年間の感謝を深く持ちながら、今日をもってISAOはColorkrewに生まれ変わります。 「世界のシゴトをたのしくするビジョナリーカンパニー」を目指して、従業員一同邁進していきますので、今後とも変わらぬご支援のほどよろしくお願いします! Change ISAO to Colorkrew.
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  • なんでもオレが一番!なリーダーがチームをダメにする理由

    今回は、リーダーとして僕がこだわっていることを書きたいと思います。 それは「チームの中で相対的優位にこだわらず、強い仲間を集める」ということです。 裏を返せば、自分が実力ナンバーワンであることにこだわらない、ということです。 安定したポジションが成長を止める 会社の中のポジションが高くなったり、役職者になっていくと成長を止めてしまう人がいます。 「オレが一番偉い」というタイプですね。 そういう人は、社内で常に自分のポジションから議論をします。 高い権威や役職による権力で相手を押さえ込む。 ただそれでは、チームの中でベストアイデアを活かすことはできませんし、なによりも他の人からチャレンジされる機会を失うので、結果的に自分自身の成長を止めてしまうことになる。 残念ながら、僕はそういう人をたくさん見てきました。 自分自身の成長を止めてしまうくらいならまだいいのですが、こういうタイプはチーム全体の成長も止めてしまう。 結果的に、その人を超えるポテンシャルを持っている人がいても、押さえ込まれてしまうので、チームの総合力が上がらない。 それが一番の問題なのです。 なんでも自分が一番のリーダーを持った組織は、マーケットで負ける 社内だけを見ていれば、自分が常に一番であるほうが快適でしょう。 しかし、会社はマーケットで戦っています。 マーケットでは総合的な戦力が高い方が勝ちます。 当たり前ですが、自分が常に一番でありたいがために、自分より強い人を許容しなければ、チーム力が下がり、マーケットで負けてしまうのです。 ポジションに居座って威張っている人が多い会社は、マーケットではなく社内を見て仕事をしているということです。 マーケットでの競争にさらされていない、もしくは安全圏にいると自分たちが思っているため、チームを強くする必要性を感じていないのでしょう。 技術革新が激しい今の時代、どんなビジネス・会社でも安全圏にいるということはありえないはずですので、その感性からして既に時代とズレていると言っても過言ではないでしょう。 自分がボトルネックになってしまう また、どんな時でも自分が一番のチームの場合、自分以外に困難な状況を打開してくれる仲間はいません。常に自分がブレークスルーを起こさなければならない。 いくら能力が高くても、同時に全ての領域でリーダーシップを発揮するのは無理ですから、結局は自分が組織のボトルネックになってしまいます。 チームに強い仲間がいて、同時多発的にリーダーシップを発揮することでチームのスピードは最大化するのです。 では、どう考え行動すればいいか、僕なりの考え方を書きたいと思います。 自分よりポテンシャルの高い人を採用する チームを強くしたいと思うリーダーの基本的な考え方は**「自分よりポテンシャルのある強い人を採用する」**です。 強いメンバーが増えることでチームは活性化し、全体としても成長していきます。 一方で、自分より強い人がでてくれば、リーダーとしての立場は脅かされます。 しかし、チームのことを最優先で考え、チームを強くしようとするのであれば、ポジションにこだわるのは、単純な私利私欲です。 人間誰しも自分がかわいい。 でもチームの成長、また自分の成長のためにも強い人を採用するのは鉄則なのです。 そして、自分ではない人がリーダーになった方がいいと判断したら潔くリーダーを交代することが、リーダーが持つべき最も重要なチームへのロイヤルティではないでしょうか。 若手を育てる 経験を積んだリーダーから見ると、ポテンシャルはあっても、まだ十分な経験がない若手は自分のライバルではありません。 しかし、ポテンシャルのある若手は、経験を積めばどんどんレベルアップします。 そうした若手に経験ができる場所を作り、コーチするのがリーダーの仕事です。 自分のライバルになることを恐れたらそれはできません。 考え方としては、自分の持っている全てを伝える。経験を与える。 また自分が若い頃、経験したかったのに上司にさせてもらえなかったことも、どんどん経験させる。 「これは苦労して手に入れたものだから」と出し渋ってはいけない。 自分が10年かけて手に入れたものを、2年でできるように若手に貢献することが、リーダーとして重要な仕事であると思っています。 強いメンバーをリードする、究極のリーダーシップ こうやって、強いメンバーを集めたり、育てたりすると、チームは強力な個性の集まりになります。 そのタレントたちをマネージするのではなく、リードするためには、権力で押さえ込むことができないフラットな組織運営が必要となります。 そうなると実は、、、その先には**”カオス”**がうまれます。 なぜならば、強いメンバーは自分が正しいと思ったことを、他の人やリーダーと意見が違っても発信するからです。 従順な人たちばかりであれば、チームを従わせるのは簡単ですが、強いメンバーの集まりではそうはいきません。 強力な意見をぶつけ合いながら、最後は一つにまとめ、引っ張っていく。 そうした究極のリーダーシップを発揮できれば、チームは必然と成功に向かうのでしょう。
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  • 在宅勤務を監視する会社が滅びる理由

    みなさん、リモートワークしてますか? 新型コロナウイルスでの緊急事態宣言が2020年4月6日。 ”全員が”リモートワークしている期間が長くなってきた会社も多いのではないでしょうか。 ISAOでは、目標をオープンに掲げ、活動をシェアする「Goalous」に関して、**「リモートワークで活動が見えないので、導入を検討したい」**という問い合わせが、ここ2ヶ月で急激に増えています。 なぜ活動の見える化なのか 会社のマネジメントが活動を見える化したい、と言っている目的には大きく2種類あります。 一つは、**「お互いの活動を理解し、コミュニケーションを活性化させることで、コラボレーションやイノベーションを起こそう」**という目的。 もう一つは、**「仕事をちゃんとやっているかわからないから監視したい」**という目的です。 一つ目の「相互理解」を深めようとする会社は、これからの時代に成長する会社です。 二つ目の「監視」しようとする会社は、その逆です。これからの時代には滅びゆく会社でしょう。 監視しようとする会社は時代遅れ 在宅勤務が多くなって、マーケットでは今まで注目されてなかった監視ツールが話題になったりしています。 僕が見たものの一つは、着席したらON、離席したらOFFにするPCでの監視ツール。 何分かに一回、PCのスクリーンショットが上司に送られたり、カメラでずっと撮られてたりするようです。 僕の第一印象は「怖っ!」でした。 これって、オフィスにいる時の何十倍も監視されてますね。下手にデスクトップに変なファイルも置けません。笑 監視している上司は「さっきからずっと画面が変わってないじゃないか!」とか言うんでしょうか。 ISAOでこの話をしたときの反応 このツールは、Goalous内のサークルでも話題になりました。 それに対する社内のコメントは、多くが「マジ!?」という感じでしたが、その中の一人のコメントが秀逸だったので、ご紹介します。 ”「上有政策下有对策」 上に政策あれば下に対策あり。中央政府などが、いかに政策を施行しようとも、民衆(又は地方政府)は、それを潜脱する方法を考え付いて、政策を骨抜きにするものである。” 特に、こういった生産性に全く貢献しない政策は、社員からも支持されることはありませんので、対策されるのでしょう。 監視ツールを入れるのはお金の無駄、それを監視するのも、対策するのも時間のムダです。 このツールを出した会社をどうこう言うつもりはありません。 そういった需要があるから出しているのでしょうし、テクノロジーに罪はありません。 問題なのは、社員を監視することがマネジメントだと思ってしまっているユーザー企業なのではないでしょうか。 上意下達で組織や部下をコントロールすれば業績の上がる時代は終わった 歴史の長い会社の多くは、高度成長期の組織の成功モデルを引きずっています。 それは**「マニュアルをつくり、全員に同じことをやらせる」**です。 プロダクト中心の時代。 方向性は「性能アップ」と明確で、イノベーションを起こすのではなく、過去の成功体験をさらに重ねていくことで成功した企業が多かったことから、こういった文化が生まれました。 こういった組織では、上司の権限が強く、部下とフラットな場所で議論をすることはありません。 **「上司の言うことを聞いていればいい」**そんな時代でした。 しかし、その時代は終わりました。 未来へ向かっての取り組みに、過去の成功体験が役に立たないレベルに、世の中の動きが早く、アナログはデジタルに、競争の定義も一変しています。 上意下達ではなく、社員全員が知恵を出し合い、総合力を発揮しなければならない環境になったのです。 業務中にプライベートが割り込むのは悪か 少し話が逸れますが、以前からISAOは**「業務時間中にプライベートが割り込んでもいい」**という考え方を持っています。 もちろん、仕事を全くしないなんてことになればダメですが、日中にしかできないことも多いですし、子どもがいる家庭では、子どもや学校の対応をしなければならないこともしょっちゅうです。 また、仕事の関係でWebを見ていても、ちょっと興味のあるくだらないコンテンツに目が行くのも人情でしょう。 仕事で成果を出すというプロとしての意識があれば、適当にバランスを見ながらそういったことをやっていくのは悪いことではありません。くだらないコンテンツでも、見識の幅を広げる機会になることすらあります。 むしろ**「仕事のこと以外、業務中は一切考えません」**なんて方が不健全です。 こういったことを言うと「業務時間に対して給料払っているんだから、そんな考え方はおかしい」と思う人もいるかも知れません。 しかし、現代ではみんなスマホを持っていて、業務時間以外も仕事に追われます。 そして、必要あれば業務時間外でも対応しなくてはいけないこともあります。 そういったことを会社が求めている限り、逆もまたしかりで、うまくバランスをとってやっていくのがオトナの集団としての考え方です。 最近の強制在宅勤務では、赤ちゃんを抱えながらビデオ会議に出ているメンバーがいたりします。 本人は発言するとき以外はミュートで、あやしながら参加してるのですが、見ている方は結構和みます。笑 結論としては**「細かいことは気にせず、プロとしての成果にこだわろう」**ということです。
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  • What’s your Plan B? プランBの話

    以前ヨーロッパの組織で働いていたことがあるのですが、その時に頻繁に使っていた「プランB」という言葉があります。 日本語で言えば「代替案」ですがもう少し深い意味があります。 最近ふと気付いたんですが、日本の組織ではこの「プランB」は言葉的にも、実質的にもあまり使われない。 結論として**「プランBはいつも持っとけ」**が僕の考え方です。 プランBとは? 冒頭に書きましたが、プランBは代替案です。 そして、プランBというからには、プランAがあります。 プランAはいわゆるオリジナルの計画です。 「プランAがうまく行かなかったときにどうする?」は「What’s your Plan B?」です。 これは計画の段階でも使いますし、プランAが進行中で、うまくいかなくなってきたときにも使えるフレーズです。 どうして日本の組織はプランBを話さないのか ぼくは以前、比較的大きな日本の会社に勤めていたのですが、そこでの経験から、なんとなく日本がプランBを話さない理由を理解しています。 その理由は・・・ **「失敗する可能性を話しづらいから」**です。 プランBを話した時のありがちな上司のツッコミは「失敗を前提にして話をするな」です。 「そもそもの計画に自信がないのか」なんて言われるかも知れません。 だったらプランAにコミットし、自信があるフリをしていたほうが処世術としてはラクなのです。 じゃあ、プランAがダメだったらどうするの? それは「一生懸命やりましたが、うまくいきませんでした」と言う。 最初からプランBを持ち、「プランAがダメだったら、プランBに切り替えます」よりも、「このプランと心中します」の方が精神論のマネジメントにはウケがいい。 玉砕思想です。 最初からプランBを作り、語れ そもそも不確実性のある、挑戦的な仕事をするときに、絶対に最初のプランで成功するとは限りません。 当たり前ですよね。 ですから、不確実性の高い仕事では、うまくいかないと判断したときにとにかく素早くプランBに切り替えた方が成功の確率は上がるのです。 そして、プランBもプランAと同様にしっかり議論しておいた方がいい。 時にはプランC、Dくらいまで用意するべき場合もあるでしょう。 玉砕するつもりでなく、あくまで成功にこだわる プランAは一番最初の計画ですから、もちろんコミットして必死にやるというメンタリティは重要です。 でも、やり始めれば常に想定外のことは起こりますし、計画を柔軟に変えていかなくてはならない。 メンツにこだわれば、計画を変えられません。 でも成功にこだわるのであれば、それがプランAだろうが、Bだろうがなんでもいいはずです。 そういうターゲットオリエンテッド(なにがなんでも目的を達成するという目的志向)な考え方であれば、プランBを持つのは自然なこととなります。 プランBを問いかけろ レビューをする立場の皆さん(マネージャー的な役割)はぜひ以下の質問をしてみてください。 「それがうまくいかなかったときにどうする?」 もっと簡単に言うなら 「プランBは?」 プランBを話すのはたのしい 実際に使ってみるとわかるのですが、詰めるのではなくフラットに、What’s your Plan B?と聞くと、思った以上にカジュアルで楽しい会話にもなります。 このブログは英語のことを話すものではありませんが、あんまりうまいプランBがないときは**”It’s a good question!”**(困ったな〜という感じ)と言えば和みます。
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