シアトルからおはようございます。
エンジニアの秋山です。
現地時間の 5/10~12 にシアトルで開催されております、Microsoft Build 2017 に参加し、現地からこのレポートを投稿しています。
なお、Build の様子は Channel9 でご覧いただくことが可能です。
キーノートについて
それでは、Build 2017 2日目のキーノートをざっくりまとめます。
1日目のキーノートは こちら、Azureアップデートについては こちら、Azure ストレージのまとめは こちら を参照ください。
Windows10
4/11 日に Creators Update がやってきましたが、秋を予定している次の Creators Update についての発表がメインでした。
New with the Windows 10 Creators Update
Windows Story Remix
言葉で説明するのは難しいため、デモ動画を見ることをおすすめします。
Deep Learning によってコンテンツの主役に関連する写真、動画をリコメンドします。
BGM のジャンルを選択すれば、それに合わせて動画を組み合わせて一連の動画を作成します。
3Dコンテンツを取り込んで映画製作のようなこともできますね。
会場のデモでは他に、
最後の恐竜の動画の女の子にキャプションをつけると、走って移動しても女の子にキャプションが追随したり、
サッカーボールにエフェクトを指定して、アニメのような演出をしたりしていました。
正直 “Creators Update” という名前にピンと来ていませんでしたが、この機能を見ると自分もなんちゃってクリエイターを名乗れそうな気がしますね。
Microsoft Fluent Design System
PC、Phone だけでなく Hololens や IoT デバイスに至るまでカバーする Windows10 のデザインな要素で組み立てられているかの発表でした。
One Drive Files On-Demand
Introducing OneDrive Files On-Demand and other features making it easy to access files
OneDrive が Windows の一機能から OS そのものに統合されてきたような印象を持ちました。
ファイルの実体を持たなければ容量は必要ありません。
開いたとき、必要なときにファイルがダウンロードされます。
常に同期を必要とするファイルはワンクリックで設定します。
Timeline
Introducing Timeline. Easily jump back in time to continue where you left off. #Windows10 #MSBuild pic.twitter.com/e3gxhXnp6W
— Windows (@Windows) 2017年5月11日
どのアプリで操作をしたか、履歴が残る仕組みです。
ちゃんとシゴトをしているかどうかがバレてしまうのでしょうか。
Cloud-powered Clipboard
デバイスをまたいでクリップボードコピーができます。
どこかで聞いたような気がします。
Development Tool
.NET Standard 2.0 for UWP
Windows, iOS, Android のクロスプラットフォーム環境で共通の .NET 環境を提供します。
roadmap 現時点ではまだプレビュー。
正式版は Q3 の予定となっていますね。
XAML Standard 1.0
Xamarin と UWP XAML のシンタックスが異なる問題を解決します。
XAML Standard Windows, Android, iOS でUI実現手段を共通化できます。
アプリケーションによっては UI そのものの流用も可能かもしれませんが、プラットフォームごとにデザインガイドが異なる以上、あくまでも実装手段を統一できる、という認識がいいかもしれません。
Project Rome SDK for iOS
Project Rome は Microsoft Graph を利用するためのクロスデバイスプラットフォームのことを指します。
今回はこの iOS 版SDKがプレビュー公開されました。
Windows 10S
先日発表された Surface Laptop に搭載されるOSについての発表でした。
Surface Laptop is a beautiful blend of fabric, function, and sleek design. Make it yours. https://t.co/tjoPzoLClp pic.twitter.com/gvvKjdTas4 — Microsoft Surface (@surface) 2017年5月2日
Laptop は現物が展示されていたため触ってきましたが、非常に軽く、初めて MacBookAir に触れたときの感動に近いものがありました。
13.5インチで 1.252kg と軽く、13.3インチの MacBookAir の 1.35kg と比較しても見劣りしません。
Windows 10S では Windows Store で配布されるアプリのみ動きます。
他にも違いがいくつかあるため、詳細は こちらの FAQ を参照ください。
以前 WindowsRT がこの位置づけにありましたが、アプリが集まるかどうかにかかっていると思います。
アプリについてもこの後発表されました。
Windows Store
以下のアプリがリリースされる予定とのことです。
- Spotify
- iTunes
- Sap Digital Boardroom
iTunes の発表 は会場がどよめいていましたね。
他にもこれらのアプリが公開されるようです。
- Ubuntu
- SUSU Linux
- Fedora
New distro’s coming to Bash/WSL via Windows Store
私も私の周囲の開発者も Bash on Windows(Ubuntu) を使っていますが、こだわりがある人にとっては別のディストリビューションが使えるのは嬉しいことですね。
さきの Windows10S で使うためにも WindowsStore での公開が必要だったのでしょう。
Mixed Reality
Hololens が記憶に新しいですが、今年はモーションコントローラーが発表されました。
Windows Mixed Reality Dev Kits available for pre-order
今年の夏にアメリカとカナダで発売、Acer の HMD とモーションコントローラーがセットで $399 です。
日本の発売が待たれますね。
ISAO の Hololens ユーザ に帰国後聞いてみないといけません。
まとめ
キーノート2日目をお届けしました。
機械学習はWebサービスと組み合わせてクラウドで実行するものとばかり考えていましたが、世界中に存在する Windows クライアントの機能として利用するとは驚きました。
そういえば1日目に聞いたIoTのセッションで、クラウドで実行するだけでなくそれぞれのデバイスで機械学習を行ってレスポンスを少なくする、といった趣旨の話を聞きましたが、これと繋がっているのかもしれません。
セクショナリズムに分断されずに、適切な技術を組み合わせてサービス提供するマイクロソフトの凄さを実感しました。