シアトルからおはようございます。
エンジニアの秋山です。
現地時間の 5/10~12 にシアトルで開催されております、Microsoft Build 2017 に参加し、現地からこのレポートを投稿しています。
なお、Build の様子は Channel9 でご覧いただくことが可能です。
初日キーノートについて
さっそくですが、Microsoft Build 2017 初日のキーノートをざっくりまとめます。
2日目のキーノートは こちら、Azureアップデートについては こちら、Azure ストレージのまとめは こちら を参照ください。
将来の可能性を感じるいくつかのデモ
デモが中心で動画を見ないと伝わらないと思いますので、簡単に紹介程度にとどめます。
- 画像認識により、生活のさまざまなシチュエーションで危険予知が進む。 たとえば病院。体調が悪い患者を見つけて看護師に通知される。 たとえば建設現場。チェンソーなどの危険な道具が辺りに放置されると管理者に通知される。 細かいレベルで認証ができるようになる。特定の人に特定の工具を使う権限を与えると、それ以外の人がその工具を持っただけで管理者に通知される。
- Cortana がミーティングの調整をする。 デバイスはPCやスマホに限らず、車の Cortana がミーティング参加を促す。
- Teams と Microsoft Graph が Bot としてミーティング参加し、資料を開いてくれるなどアシスタントとして活躍する
- パーキンソン病の手の震えを相殺するデバイス Microsoft researcher creates wearable which smooths handwriting in Parkinson’s Disease (video)
Microsoft Azure
私が MSP プロジェクトでよく使っている Azure の発表が多くありました。
Portal Feature - Cloud Shell
プレビュー環境ではしばらく前から、本番環境も数日前から機能が表示されていましたね。 機能の利用開始時は米国西部に Cloud Shell 用のストレージアカウントを作成し、アタッチするようです。
Portal Product - Mobile Portal
Microsoft Azure on the App Store Microsoft Azure on GooglePlay
アプリで Azure リソースを作成することはなかなかないでしょうが、出先で確認するといった用途で便利そうです。
Azure Database Migration Service
オンプレの SQL Server から SQL Database へのマイグレーションをゼロに近いダウンタイムで実現。
クラウドへの移行を促進するためのソリューションですね。
MySQL & PostgreSQL as a Service
Azure Database for PostgreSQL Azure Database for MySQL
プレビューですが既に利用可能となっています。 同じくくりになっているのか、SQL Database で既に作成したサーバーと同じサーバー名では作成できないようです。
Cosmos DB
DocumentDB が名前を変えて再定義されました。 DocumentDB 以外にも MongoDB や Graph, Table API 互換で扱える NoSQL DB ならこれ、というソリューションになったようです。 レイテンシについて SLA を定義している珍しいサービスです。
Custom Vision Service
Cognitive Service の一部のAPIをサービスに合わせてカスタマイズできるようになりました。 通常の Cognitive Service ではできないが、自分で MachineLearning を組んで実装するのはやり切れないベンダー向けの、間を狙ったソリューションですね。 画像認識は機械学習でもかなり知識が必要とされる分野のため、こういったサービスが生まれたのでしょう。
VisualStudio2017
以前は私プログラマをやっていたため、最も使い勝手のいいIDEである VisualStudio(個人の感想です) の動向も気になります。
VisualStudio snapshot debugging for Azure
Azure上のサービスをデバッグするために、ブレークポイント感覚でスナップショットを取り、後でそのときの情報を元にデバッグできるようになりました。
VisualStudio for Mac GA
Xamarin ベースの Mac 版 VisualStudio が GA となりました。
まとめ
キーノートで会場が一番盛り上がったのはパーキンソン病の手の震えを相殺するデバイスについての発表のときでした。 また、サティア・ナデラ氏が opportunity という言葉をしつこいくらいに使っていました。
これらは Microsoft が掲げるミッションのためかもしれません。
Empower every person and every organization on the planet to achieve more “地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする”
ヒトの可能性を広げるためにITを活用するマイクロソフトに今後も注目していきます。