Microsoft Build 2017 Azure アップデートまとめ ~ストレージ編~

日本に帰ってきました。

エンジニアの秋山です。

現地時間の 5/10~12 にシアトルで開催されてました、Microsoft Build 2017 に参加し、今回は帰国後にレポートを投稿しています。

なお、Build の様子は Channel9 でご覧いただくことが可能です。

Big Data on Azure Blob Storage

今回は Azure のストレージ周り、表題のセッションについてまとめます。 というのもこのセッションがあった最終日の3日目はキーノートもなく、油断して聴いていたところ、思った以上にアナウンスが出てきたため、慌ててこの記事を書きました。

セッションの動画は以下のURLから確認できます。

Big data workloads with Azure Blob Storage

1日目のキーノートは こちら、2日目のキーノートは こちら、Azure 全般のまとめは こちら を参照ください。

Storage

大半はストレージそのものに関わる機能の発表です。

AzCopy

Storage データを CLI で扱うユーティリティツール AzCopy はこれまで Windows のみでしたが、Linux 版である AzCopy on Linux がプレビュー公開されました。
リンクは先頭の Channel9 の動画 35分あたりを参照ください。

Data Protection

Blob のデータ保管をサポートする機能が発表されました。 この機能はオプショナルで、最大365日間、10世代まで Blob を守ることができます。 2017年7-9月のGA予定とのこと。

Tiered Storage

Blob には高頻度アクセス向けの Hot と低頻度アクセス向けの Cool があります。
これにアクセス不可の Archive を加えた3つの状態を blob ごとに切り替えることができるストレージが発表されました。 プレビューは間もなく発表されるとのこと。

滅多に開かない古いデータの置き場として Archive を使うのがいいのでしょうか。 切り替え操作にどの程度課金されるのかによって使い方が分かれそうです。

Encryption

Blob へのデータ書き込みの暗号化機能は、これまで有効・無効しかありませんでしたが、有効化する場合の暗号化キーを管理できるようになるようです。 2017年下半期にプレビュー公開予定とのこと。

Encryption In Transit

Storage は HTTP/HTTPS のアクセスが可能でしたが、HTTPS のみに制限するオプションが発表されました。 2017年下半期に公開予定とのこと。

Network Access Control

Storage へのアクセスを VirtualNetwork または IP アドレスに制限する機能が発表されました。 2017年下半期にプレビュー公開予定とのこと。

AAD Authentication and RBAC for Blob Storage

Azure の IAM によるアクセス制御を、コンテナ単位で行う機能が発表されました。 2017年下半期にプレビュー公開予定とのこと。

Storage Account Scalability

これまで 500TB がストレージアカウントの容量上限でしたが、上限が 5PB を超える値になるようです。 これに伴いパフォーマンスも 100k+ Requests/Sec, 100+ Gbps のIOとなります。 2017年の夏にプレビュー公開予定とのこと。

Virtual Machine

Virtual Machine についてもストレージ周りで少し発表がありました。

VM Storage Performance & Scale

Standard, Premium ともに 1TB が上限だったディスクサイズの上限を 4TB にすると発表されました。 またそれぞれのスペック上限が Standard, Premium のどちらに当てはまるかは不明ですが、最大 256TB, 80,000IOPS, 2GB/s になるようです。 (これまではそれぞれ 1TB, 5,000IOPS, 200MB/s 上限) さらに嬉しい Premium で 32GB, 64GB がサポートされます。 アメリカ中西部リージョンでプレビュー公開されています。

SSD が気軽に使えるようになるのは嬉しいですね。

終わりに

ストレージは単体のサービスとしてはもちろん、他の Azure のサービスを支える技術でもあるため、ストレージの進化は Azure 全体の進化にも繋がります。
利用する側としてはありがたいことですね。