2015/10/7 8:30〜10:30(現地時刻) に行われた keynote 中に発表されたプロダクトをお伝えします。
Amazon発の高速で使いやすく、コスト効果の高い BI ツール。 ビッグデータや IoT と言った言葉が飛び交う中、UI/UX 部分に関しては個々で開発が必要でした。 これを使ってデータがあればすぐにでも BI を構築できてしまう代物。 データ解析には新たに「SPICE」という名のエンジンを開発。 また、SPICE からのデータエクスポートはDomo, Qlik, Tableau, Tibco等にも対応予定とのこと。
すでにプロダクト化されている Kinesis の派生版。今まで Kinesis にてストリームされたデータについて EC2 や S3 ひいては Redshift で利用する際、ユーザーが個々にアプリケーションを開発する必要がありました。 Kinesis Firehose を利用すればストリームデータを直接、簡単に S3 や Redshift にロードすることが可能になります。
QuickSight といい、Kinesis Firehose といい、ユーザーサイドの開発を必要とせず、やりたいことをすぐに実現できるようになります。
今回の製品発表の中で一番驚きを隠せないのがこれだ。 今までオンプレミスからクラウドへ移行したい、と思うユーザーにとって最大の障壁の一つであるデータ移行。 このデータ移行を安全に迅速に行えるようになるプロダクトが Snowball だ。 アプライアンス製品として提供され、配送の際発生するヒューマンエラーを排除する、とのことなので、物流としての Amazon のナレッジも生かされていると思われる。 1アプライアンス 50TB で提供され、複数個使用することで 100TB, 200TB と利用することが可能。 今までかかっていたデータ移行のための回線費用などの削減する。
次は RDBMS 関連
Amazon RDS for MariaDB AWS Database Migration Service AWS Schema Conversion tool
オープンソース系の RDS に既にある MySQL、PostgreSQL、昨年発表された Amazon Aurora、に続き待望の MariaDB が追加された。 このタイミングで AWS はオンプレミス、プロプライエタリ製品の使用から、クラウド、オープンソフトウェアの利用へとユーザーを促す。 AWS Database Migration Service はサービス専用の t2あるいは C4 インスタンスで提供され、オンプレミスからレプリケーションを受け取り AWS クラウド環境へ橋渡しする。 AWS Schema Conversion tool は AWS Database Migration Service 利用の際、包括されている機能で、異種間データベースソフトウェアの移行を可能にする。例えば Oracle のデータベーススキーマを MySQL のデータベーススキーマへの変換を実現する。
既にプロダクト化されている AWS Config への機能追加。今まで AWS Config は設定変更、更新内容の記録とその通知のみでした。 今回、あらかじめポリシーを設定することによりルールに応じたアクションを設定することが可能になる。 例えば「EC2 インスタンスは VPC 上になければならない」、というポリシーを設定すると、そのルールにそぐわないインスタンスをTerminate するというアクションを行えるようなる。
AWS 上に構築した環境に対してセキュリティアセスメントを提供する製品。 アセスメント対象は設定情報や既知のベストプラクティスから漏れているアプリケーション、ネットワーク、OS などに渡る。 また、ルールについては PCI DSS に準拠しているかどうか、についても審査できるようだ。 最後はその診断で出てきた課題に対して、優先順位やその対応方法が記載された詳細なレポートが作成されます。
そのほかにも、Amazon Elasticsearch Service, AWS WAF, Amazon EC2 Dedicated Hosts などが追加されている。
ひとこと 今回の発表を見ているとクラウドを利用するのはもはや至極当然のこととし、それ以上に、オンプレミス環境が存在すること自体を痛烈に拒絶しているようなメッセージを感じた。 AWS はユーザーがオンプレミス環境を「使い続けなければならない理由」の全てを潰しにかかっている。 大容量のデータ移行、データベースの移行、あるいはコンバート、そしてセキュリティがそれだ。 今回、サードパーティの EXPO 出展もされていたが、セキュリティ製品が非常に多く、前面に打ち出していたのもそれを裏付けする。 一方でクラウドの特性を生かしたサービスの開発、プロダクト化についても手を止めない。クラウドだからできること、 例えばネットワーク、サーバOS、ファイヤーウォールなど、包括的なインフラの変更管理や、 ビッグデータ・IoT についてユーザーの開発を必要としない環境を整備し始めている。 巨人AWS のクラウド事業者での独走状態はさらに加速するだろうと実感した。