
中村 圭志 Nakamura Keiji
株式会社Colorkrew "代表取締役"。
- 1993年、千葉大学工学部卒業、同年4月に豊田通商株式会社入社。
- 2004年3月、Toyota Tsusho Europe S.A. ドイツ・デュッセルドルフ支店へ出向。
- 2006年4月、Toyota Tsusho ID Systems GmbH設立・代表就任。
- 2010年10月、株式会社ISAO(現:株式会社Colorkrew)代表取締役に就任。
The Road to Super Flat Organization #4 : First Open or First Flat?
“With what should we start?” It is a FAQ from managers and leaders who want to install an “Open and Flat” ideology in their organizations. First, Open The conclusion is this: the importance of an “Open” culture is ten times more important than a flat organization, and it should be the first step to start....最高のフィードバックは、苦くて痛い
強いチームをつくるために最も重要なことは、いかに**”いいフィードバックをし合える文化をつくるか”**です!(キッパリ) フィードバックは、ポジティブなものから、批判が入っているものまで色々とありますが、これまで僕自身が受けて効いた!と思うフィードバックは、どれも苦くて痛いものでした。 ポジティブなフィードバックはどんどんやりましょう 褒める、称賛する、などのポジティブなフィードバックがあります。 その手のフィードバックを受けると、人間誰しも、気持ちもいいですし、やる気もでます。 そういう意味では、ポジティブなフィードバックは、どんどんやるべきです。 やらない理由がありません。 もちろん、僕もポジティブなフィードバックを受けた経験が少なからずありますし、それは嬉しい経験です。 でも、僕にとって、ポジティブなフィードバックは最高のフィードバックではありませんでした。 それはなぜか。僕なりの考察をしてみました。 ポジティブなフィードバックが最高のフィードバックにならない理由 ポジティブなフィードバックは比較的簡単です。 まず、伝える側に恥ずかしさはあるかも知れませんが、それ以外の障害は何一つありません。 また、深い信頼関係がなくても成り立つので、人間関係の距離の近さもそれほど必要としません。 裏を返せば、それができる人はそれなりに周りにいるということです。 ですから、希少性という意味においても、ポジティブなフィードバックは最高のフィードバックにはなりづらいのです。 例外をいうと、自分にも周りにも気づいている人がいないポイントを、鋭い洞察力で見抜いてくれて、それを伝えるといったような場合。そのフィードバックの価値は高いものになります。 本質をついた厳しいフィードバックは、苦くて痛い ポジティブフィードバックと対極にあるのが、本質をついた厳しいフィードバックです。 自分で気づけなかった、自分の行動や考え方の致命的な問題を指摘される。 または、自分でもうっすら問題に気づいていたにも関わらず、見ないフリをしていて、それについてフィードバックを受ける。 しかも、その人が自分に対して愛をもって言ってくれている。 これを受けたときの気持ちは、苦しくて痛いものです。 自分のことを深く考えてくれていることを前提に、言いにくいであろう厳しいフィードバックをもらえる機会は、人間関係的にも限定された人でしかないことから希少性も高い。 フィードバックする側にも負荷がかかる、非常に貴重なものなのです。 フィードバックは、成長のカギ。どんどんもらおう。 フィードバックを受けることの重要性を理解している人は、どんどんフィードバックをもらおうとします。 特に、自分に対して、厳しくも愛のあるフィードバックをしてくれる人を持つことは、自身の成長にとって何事にも代えがたい価値があることです。 イージーな人間関係に逃げ込まず、苦くて、痛いフィードバックををたくさん受けて、成長していきましょう! <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #3: Majority Vote Won't Change
Last time, I wrote about making things ready to explain why before actually making changes. The completion of Super Flat Organization needed drastic changes on the previous organization. This time, I’ll talk about how I made decisions and how I moved things forward. Why change? A company is a living thing....就活生の皆さんへ 〜就職先の選び方
今回は、これから就職活動をする予定の皆さんに、就職先を選ぶポイントを書こうと思います。 就職とはなにか どんな就職先を選ぶかという話をする前に、前提にしなければならないことがあります。 それは自分のなりたい「職種」を決めるということです。 ひと昔前は、とにかく会社に入って、そこで配属されたところで、指定された職種になる人も多かったのですが、時代は変わりました。 自分の役割を変えながらも、一つの会社にとどまっていくメンバーシップ型から、ジョブ型に日本はまさに変化している途中だというブログを書いていますので、興味あるかたはこちらからどうぞ。 ▼「ジョブ型雇用へ移行していく日本に対して思うこと」 「就社」ではなく、「就職」をする。それが、就職活動です。 職種はどう決めるのか では、職種はどうやって決めれば良いのでしょうか。 まず、将来の自分を想像したとき、シンプルにワクワクする職種をいくつか考えてください。 いくつか思いついたら、その職種で成功している人はどんな会社にいるのか、どんな人なのか調べてみましょう。 また、20代はどんな働き方をする場合が多いのか、給料は多いのか少ないのか。 それらを調べて、現実を知った上でその仕事をやりたい、と思えれば準備はOKです。 トップの発信を調べよう 就職しようとする会社を調べましょう。 その会社のホームページには、たくさんの情報があります。 事業内容や、会社概要はもちろんですが、その会社のCEOの挨拶ページもチェックしましょう。 ブログを書いている人であればその内容を見てみましょう。 ちなみに、カラクルのページにはこんなことを書いています。 ▼株式会社Colorkrew CEO 中村 圭志からのメッセージ CEOの発信がない会社は、その会社のトップは少なくとも、自分の言葉で社外の人にメッセージを届けようという意思は弱い。 もしかすると、社員に対しても、自分の言葉で説明するつもりがない可能性もあります。 トップが何を言っているか、何を考えているかは、とても重要です。 トップだけでどんな会社かが決まるわけではありませんが、少なくとも最も大きな影響をその会社のカルチャーに与えている人であることは、どんな会社でも間違いないでしょう。 トップの影響力は、会社が小さくなればなるほど大きいです。 ですから、数百人レベルの中堅企業くらいまででは、トップが発している言葉を確認するのは必須です。 大会社で、創業者や同族経営の場合も同様です。 一方、千人以上の大会社で、創業者一族以外がトップの大会社では、トップだけがスーパーパワーであることはあまりありません。 ただ、昇進によって社長になった人を見ると、その会社の人事がどんな風に機能しているかがわかります。 安全で、調和をとることを重要視しているのか。 それとも挑戦するエネルギーの高い人を出世させようとしているのか。 ということで、いずれにせよ、トップの発言はよく調べてみてください。 口コミをネットで調べよう これは、言われるまでもなく皆さんやっていると思いますが、その会社に所属している人の口コミを見ることのできるサービスがいくつもありますので、自分の興味のある会社を調べてみましょう。 (ColorkrewのOpen workはこちら。) 僕の経験から言うと、8〜9割方のコメントは、中にいる社員から見てもそうだなと思うようなものですね。 一方、どんな会社でも、その会社をあまり好きではない人もいますので、そういう人の書いた悪意のコメントはノイズとして混ざります。 ノイズっぽい出現率で書かれている悪いコメントは大体無視していいでしょう。 全ての人間関係がうまくいっている会社はあまり存在しません。 逆に、何十人もコメントがあって、いいことしか書いてない会社があったら、要注意です。 いろいろな人が自由に書いていれば、悪いコメントも多少あるのが通常ですので、何かしらの力が働いている可能性を感じます。 話を戻します。 悪意のある、自分にとって気になるコメントがあった場合はどうすればいいか。 その会社の人に会ったときに、率直に聞いてみることをお勧めします。 ちゃんと社員と向き合おうとしている会社の場合は、よくないコメントに対しても、どうしてそういうコメントになったのかをきちんと説明してくれるでしょう。...新社会人の皆さんへ
新社会人の皆さん、新しい出発おめでとうございます。(正確には明日からですね。) これから期間研修に入る人、いきなり現場に出て仕事をする人、先輩にくっついてOJTを始める人、新入社員のスタートは会社によってさまざまです。 ちなみに、Colorkrew(以下、カラクル)は最近**通年採用**になったので、新卒一括採用はしていません。 4月は日本人が大学を卒業した人の多くが就職するということもあり、これまではなんだかんだこのタイミングで、毎年新卒が入ってきて、入社式をやっていました。 ところが今年ついに、4月1日入社はいない年になりました。 これは、新卒採用を6〜7年前に再開してから初めてのことです。 ということで今回は、カラクルの新入社員にではなく、全世界の、これから社会人生活を始める人たちへ向けてメッセージを書きます! ▼昨年2020年入社式の様子はこちら! なにも出来ないのは当たり前 会社に入ると、周りの先輩は普通にバリバリ仕事をしているけれど、自分は全くなにもできない状態に気づきます。 それは、正常です。 インターンで長期間すでにその会社で働いていたということでもない限り、いきなりバリバリ仕事をすることはできません。 なにも出来ないのは当たり前ですし、周りもそう思ってますので、気にする必要はありません。 スポーツ漫画の名作「スラムダンク」で、素人の主人公に対して、チームのエースがこう言い放つシーンがあります。 「おめーのヘマはもともと計算に入れてる!」 できないのは当たり前。失敗するのも当たり前なのです。 やれることを見つけよう 仕事はチームでするものです。 チーム全員が同じことをやるのではなく、それぞれが役割を持ちます。 新人としてチームに入ったら、自分でもできることはないか探してみましょう。 何か手伝えることが見つかるはずです。 でもそれは、きっと想像していたよりもはるかに単純で、簡単な仕事でしょう。 自分に自信のある人は「こんな仕事をするために、社会人になったわけではない」と思ったりもするかもしれません。 そんな時はこう考えてください。 「その単純な仕事をいかにうまくやれるか工夫してみよう」 先輩がやっていたその仕事をあなたの力で、もっと効率よくできないか考えてみてください。そして、それを実行してみてください。 それを仕事では、「改善」と呼びます。 何かの仕事を任せて、その仕事をただ引き継ぐだけではなく、改善できる人であると周りに知ってもらえると、周りはさらに高度な仕事を任せてみようとなり、いい循環が促されます。 どんな仕事も馬鹿にせず、しっかりやり切ることで、徐々にレベルアップしていくことが重要です。 組織を変えるのは「若者、バカ者、よそ者」 行き詰まった組織を変えるために必要な人材を表すのに、若者、バカ者、よそ者という考え方があります。 社会人ほやほやのみなさんは、この三要素をたくさん持っている人たちです。 多くの人は、若者でしょうし、その会社にとってみなさんはよそ者です。そして、その会社や社会のことをほとんど知らないという点では、いい意味でバカ者でもあります。 実はこういった、会社に馴染んでしまった人たちには気づかない視点で新しい意見を持つことのできる新社会人は、、会社にとっては貴重な存在なのです。 ですから、思ったことを言いましょう。 それが多少トンチンカンでも問題ありません。なにしろ、まだ何もわかっていない新入社員なのだから。 5年経ったら「いまさらなに言ってんの!」と言われることでも、いまなら許されます。 「裸の王様」というデンマークの童話があります。 詐欺師に騙された王様が、裸のままパレードをして、大人たちは裸の王様が見えているけど、それを口に出せない。 そんな中、正直な子どもは「王様は裸だ!」とみんなに前で叫ぶ。そんな話です。 その会社に長くいる人にとっては当たり前になっていることでも、フラットで、新鮮な目で見たら、おかしなことはたくさんあるものです。 純粋な目で会社を見ることのできるうちに、自分の感じたことを周りの人に伝えてみてください。 それがチームに対してのみなさんの最大の貢献となるでしょう。 1日、1%進化しよう 「1.01の法則」を知っていますか? 毎日1%、すなわち昨日の自分から成長して、今日の自分を1.01にする。 これを365日続けるとなんと、最初1だった自分は1年後には37.8になります。 逆に0.99を365乗すると、0.03になります。 これは、突然がんばったり、そうでない時はがんばらない、という成長の仕方より、たった1%を毎日積み重ねることが重要という示唆ではないでしょうか。 やってみるとわかりますが、ほんの少しでも、毎日確実に成長することは意外と大変なことです。 それができる「安定性」というスキルをまずは身につけましょう。...うまくいかないのは、全てリーダーの責任
チームはみんながんばっているのに、うまくいかないことがあります。 会社であれば、事業だったり、全体の業績。 自治体や国であれば、その地域の発展。 それらがうまくいっていないとき。 それは全てリーダーの責任だと、僕は考えています。 みんなが一生懸命やっているのにうまくいかない例 首都である東京の、ここ一年のコロナ行政は、この良い例(悪い例?)です。 まず、みんなが一生懸命やっているかという観点。 医療関係者や保健所、政策を作っている官僚、そして東京都民も、コロナに関してはかなり頑張っているのではないでしょうか。 少なくとも、明確に足を引っ張っている人はいないように見えます。 しかし現状は、保健所や医療現場は疲弊し医療崩壊の危機、経済は停滞、そしてコロナ対策という名のバラマキで、将来に負債を作りまくっている。 うまくいっているとは言い難い状況です。 コロナ行政で最も重要なのは、医療崩壊を起こさないこと。その上で、できるだけ経済を回す。 というのが、現在の多くの人の共通認識です。 (ゼロコロナを主張している人もいますが、非現実的なので、マイナーな意見に止まっています。) 医療崩壊を起こさないために最重要なのは、重症患者を受け入れることのできるベット数と、その使用率。 事業で言えば、最重要KPIです。 東京都は、昨年からずっと重症患者用のベット数は500だと発表してきました。 1月に感染数の増加に伴い、1月中旬にはなんと使用率100%を超えるという不思議なことが起こりました。 重傷者用ベット使用率100%以上は、その後1ヶ月程度続きます。 ところが、2月後半になって、まるでマジックのように突然重症者ベット数が倍増します。 それに伴い使用率も大幅に下がり、3月3日には30%になっています。 ここら辺の推移は、NHKの新型ウイルス特設サイトを参照しています。 細かくデータの推移が見られて面白いので、興味のある方はどうぞ。 https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/hospital/ 行政側には「国と、都の基準がいままで違った」とか「国の基準に合わせることを病院側にさせるのは負担が大きかった」みたいな説明をしていますが、自分たちが認定している重症患者数が、ベット数を上回るというのはどう考えても論理破綻していますので、それを1ヶ月も放置していたのは、情報操作が念頭にあったと疑われても仕方がない。 重症者ベットの使用率は、緊急事態宣言を2月7日以降も継続するかどうかの最重要指標でしたので、この数字のミスリードは致命的です。 ちなみに、この「突然の倍増」に目を奪われがちですが、そもそも1,400万人が住む東京で、コロナが始まってから1年以上経過、かつこの事態は十分に予見できていたにも関わらず、重症対応病床が1,000床しかないことの方がさらに大きな問題だと僕は感じています。 コロナで一躍有名になった、ニューヨークのクオモ知事は、約一年前に、3,000床だったICUのベット数を1ヶ月半で10倍にしています。 ニューヨークは東京の1.5倍に満たない2,000万人弱ですので、実行のダイナミックさが桁違いであることは間違いありません。 以下リーダーの責任という観点で考えてみます。 リーダーの責任① 〜目標は何か 今回、東京都の対応の中で第一の問題点は、リーダーが目標をはっきりと示していないことです。 世界的なコンセンサスは、上述した通り「医療崩壊を防ぎつつ、経済をなるべく回す」です。 これは東京だけではないですが、日本の行政はこの目標をはっきりさせていません。 だからメンバーである我々も、リーダーが何を考えているのかわからない。 「コロナに感染したら死ぬ可能性があるから、感染拡大防止をとにかくなんでもやるんだ」という一見正論があります。 ゼロコロナの主張です。 感染防止だけを考えれば、戒厳令を敷き、本当に一歩も外にでないようにすればいい。 会社は出社禁止、満員電車も乗らない方がいいでしょう。 家族以外の人に会わなければ感染はしませんから、ゼロコロナを究極に追求すればこういった政策になります。 ただ、それだと経済は止まります。 経済が止まれば、それによって命を奪われる人(自殺を含め)がコロナ死以上にでてきます。 また、日本以外の国がなんとか経済を回そうとしている中で、日本だけがストップさせれば、ここ30年の停滞をさらに加速させ、もうすでに先進国から離脱し始めている日本は、さらにもう一段下の経済レベルに落ち込んでいくことは自明の理です。 究極のゼロコロナ政策は、「交通事故に遭うかも知れないから、子どもを家の外には絶対に出さない」とか「風邪にかかるかもしれないから、ずっと無菌室で生活させる」みたいな極端な話と似たようなものです。 リーダーの仕事は、全ての情報を総合的に考慮し「何がベストか」を決め、実行することです。 それをメンバー(東京の場合は都民)に伝えつづけ、支持をえなければ継続していくことはできない。 こういった難しい問題に関しては、どんな決定をしても、必ず反対意見がでます。 総理大臣も、東京都知事も、本当に難しい立場に立たされていることは間違いありません。...The Road to Super Flat Organization #2: Explaining "Why" Before the Change
In the last article, I explained that “making the company open” was crucial for Super Flat Organization. Back number: The Road to Super Flat Organization #1: Not a Goal, but a Result This time, I’ll talk about what to do before making an impactful reform and what we did in ISAO (Colorkrew at that time)....会社に飼い殺されない生き方②
前回の記事”会社に飼い殺されない生き方①”では、会社に入ってからの体験を、仕事とアフターファイブに分けて書きました。 今回は本題の「どうやったら会社に飼い殺されないか」を書こうと思います。 だんだんサラリーマン化していく30代 みなさんも、社会のリアリティを知らなかった学生時代、周りの友だちと青臭い野望や理想論を話し合ったのではないでしょうか。 そんな僕たちも、社会人になると、会社に馴染み、そしてだんだんと組み込まれていきます。 そして、新卒から10年くらい経って30代、 多くの人は家庭ができたり、家を買ったりして、守るものができてくる。 思ったまま生きて、会社をクビにされる訳にはいきませんので、だんだん発言や行動が慎重になります。 慎重くらいならばいいですが、社内での自分の立場だけを考え、本質を外した言動になっていくと、いわゆる悪い意味での会社に縛られたサラリーマン化します。 もちろん、誰しも最初は葛藤があるはずです。 自分の信じるものと主張、それが会社の中で通らないというギャップ。 ここでギブアップした人は、会社に従属して生きていくことになります。 辞めてもなんとかなると開き直れるか 僕は、自分の主張を、組織の中で通せるかどうかは、それほど重要ではないと思っています。 重要なのは、「自分の信じることを主張し続けられるか」です。 法的に労働者は守られていますので、会社を辞めさせられることはないはずです。 しかし自分を主張し続けて、それが受け入れられないだけでなく、会社の偉そうな人から常に睨まれる立場になってしまうと、会社には居辛くなります。 もちろんうまくやり続けられればいいのですが、どうしても食い違ってしまうときはありえます。 主張し続けることは、そのリスクを抱えることになります。 そんなときに備え、最後は覚悟が必要です。 「会社を辞めても(もしくは辞めさせられても)大丈夫と思えるか」 それは「いまいる会社以外でも通用するスキル」にかかってきます。 そのスキル、いまの会社で生き残るためだけのものではないですか? いまの会社以外で通用する通用するスキルの逆で、”その会社でしか通用しないスキル”とはなんでしょうか。 社内人脈は、その最たるもの。 社内でしか通用しません。 (ただし、”社内人脈をつくるスキル”は、会社を移っても同じように役に立ちます。) その会社独自のシステムの使い方や、稟議の通し方なんていうのも社内でしか通用しない代表格です。 資料作成においての、ニッチな社内ルールもそうでしょう。 別の視点で言えば、現時点でこういった、その会社にしか通用しないスキルを使った仕事が多い人は、マーケットの中の人材として、残念ながら成長機会がほとんど得られていないといえるでしょう。 大企業からの転職希望者が、転職エージェントから「なにができますか」と聞かれて「部長ができます」という笑い話。 成長しない時期を長く過ごせば、人ごとではなくなってきます。 特定の会社以外でも通用するスキルは、持ち運べるという意味で、ポータブルスキルと呼ばれています。 ポータブルスキルがあれば、マーケットで生き残っていける。 それぞれの自分の職種で、どんなものがポータブルスキルになるのかを考える機会に、このブログがなったら嬉しいです。 社外でも通用するスキルを持った、主張する人材 会社に飼い殺されない生き方をするためには。 ここまでの話をまとめると・・・ ・社外でも通用するスキル(ポータブルスキル)を持つこと ・自分が正しいと思うことを、しっかり主張すること(通らなくても良い) ・ときには覚悟して、主張のために戦うこと これができれば、会社に勤めていても、飼い殺されずに生きることができるはずです。 経営からの目線の話は別途書きたいと思います。 飼い殺されて主張せず、諦めてしまっている人より、考えていることを表明し、自分の考えを主張する、一見めんどくさいタイプの方が、圧倒的に会社にも貢献する人材です。 ですから、飼い殺されず主張をしていくことは、自分にとっても会社にとってもいいことしかないということなのです。 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...会社に飼い殺されない生き方①
大学4年で就職が決まって、社会人になる前、僕は不安でした。 「会社に入ったら、信念を曲げて、嫌々従わなければいけなくなることがたくさんあるだろう。それが続いて、そのうち今の自分とは全く違う自分になってしまうのではないか。」 社会のことも、自分の入る会社のことも、何にもわかっていないのに、会社というものは従属することを求めてきて、それに従わなければ弾き出されてしまうんだろうと勝手に思っていました。 自分で事業を始めるなんてことは想像もできなかったので、弾き出されたら社会的に死んでしまうのであろうと恐れていました。 会社に入る前の僕 自分で言いますが、僕は割とややこしい性格のようです。 学生時代から、散々周りに言われてきたので自覚はしています。 自分の考え方やポリシーに関して、こだわりが人よりも強いのかもしれません。 いまでも、人から指示や命令されることが最も嫌いです。 人から言われたことをやって成功するより、自分で決めたことをやって失敗することを選ぶタイプです。 そんな僕が、社会にでることをここまで恐れていたのです。 いま振り返ると、知らないということは恐れにつながるんだなと思います。 会社に入っての現実(アフターファイブ編) ときは平成初期。 22歳の僕は、大学を卒業して、会社に入ります。 僕の不安は、半分当たっていて、半分間違っていました。 当たっていた部分は、”先輩後輩の関係による理不尽”です。 30年前、しかも商社。 理不尽がないことは想像できないでしょう。笑 最初に業務外の話。 酒の席の理不尽があるだろうと覚悟はしていましたが、あきらかに度を超えていることもありました。 酒を飲みすぎた後輩を病院に連れていったこともあります。 ただ、その会社の名誉のために言っておくと、おかしな人はごくわずかではありました。 ほとんどの先輩は、とてもいい先輩でした。 これは本当です。 問題は、そういったおかしなアルハラの先輩を周りが叱ってくれるような雰囲気でもなかったことですね。 後々になると、理不尽な飲み会も、面白おかしな楽しい記憶になっちゃっているのはどうなのかとも思いますが、当時は辛かったです。 ちなみに20代は、先輩と飲みに行ってお金を払ったことはほぼありませんでした。 そういえば、先日その会社の人と飲みにいきましたが、その時も奢ってもらってますね。 先輩が先輩だった古き良き昭和(!?)の雰囲気は、僕は嫌いではありません。 会社に入っての現実(仕事編) そして、本題の仕事編です。 周りの同期の話を聞いたりすると「なんでこんな意味のない仕事させられてるんだろう」と思うことは多々ありました。 そういった人たちは、いわゆる本流の部門の人たちでした。 偉大な先人たちが作ったビジネスを、維持していく仕事。 先人たちは、血湧き肉躍る修羅場をくぐって作ったのでしょうが、それを維持していく仕事は、必ずしも個人がやりがいを感じられるような仕事でないことは多い。 僕はラッキーでした。 配属されたのは、会社にとって本流を外れた部門。 商社ですので、物を買って売るのですが、当時の僕らの部門は、サプライヤーも顧客も、全く政治的な関係のない会社だったので、会社から「ここはこうしろ」という命令がほぼない仕事でした。 自由と責任がある仕事でした。 たった一度の例外で、グループ会社の仕事を少ししたことがあります。 その時は僕とそのグループ会社の担当の人が話して決めたことでも、お互いの上司が気に入らないと、ことごとくひっくり返されてしまい、一からやり直しをさせられる。 正しいと思っていることに対して議論ができない。 なんのために一生懸命仕事しているのかよくわからなくなりました。 こういう仕事をやり続けると、そのうち自分の主張はできなくなって、会社に飼い殺された状態になってしまうんだろうなと漠然と思ったのもこの時です。 話を元に戻します。 僕の配属された部門は、まさに自分たちの腕一本で勝負するビジネスでした。 そういったビジネスは続いていく保証はありませんし、問題が起こった時、政治的に解決する方法もありません。 成立させ続ける難易度は高いですし、トラブルも日常茶飯事です。 ただ、社内の理不尽がほとんどないので、精神衛生は極めて良かった。 また、その会社に止まらないスキルを身につけることができたというのは幸運でした。...バリフラットだもの
今回は趣向を変えて、Colorkrew(以下、カラクル)社内でどんな会話が繰り広げられているか、おもしろかったものを紹介してみたいと思います。 山本五十六的バリフラット名言 皆さんは、山本五十六さんの有名な名言をご存知でしょうか。 やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。 コーチングについての真理を非常に鋭く突いた名言だと僕は思ってます。 バリフラット的名言を作ってみた カラクルが開発・運営しているSNS型目標管理ツールのGoalous(ゴーラス)には、サークルという、特定のメンバーと情報を共有できる機能があります。 その中に様々な名言を紹介していく「名言サークル」があるので、自分で山本五十六的な韻を踏んで、バリフラット名言を作ってみました。 ※バリフラットとは? 役職・部署も全て撤廃し、個人とチームが最大限に力を発揮するColorkrew独自の組織運営です。 部署ではなく全てがプロジェクトとして、同列に並んでいます。 権威ではなく価値観でまとまるチームを目指し、2015年10月より採用・運用を開始し、今も進化を続けています。 ポイントは3つ。 ①自ら行動するカルチャー ②コーチング ③チャレンジ精神 我ながらいい出来!と思ったら、早速セキュリティプロジェクトリーダーのヒデキに茶化されました… フォントの力は偉大だな〜と変なところで感心しました。笑 闇フラット 悪ふざけはこれにとどまりません。 今度はバリフラットの闇をこんな形で表現してきました。 こんな風にならないように気をつけましょう。 ではまた〜 <大人気コンテンツ>組織やマネジメントに関するセミナー開催中!...The Road to Super Flat Organization #1: Not a Goal, but a Result
The dark sides of hierarchical, closed organizations In 2010, I joined ISAO (Colorkrew at that time). ISAO at that time was a typical hierarchical, closed company. Although the company culture was a casual one as now it is, teams were hierarchical and inflexible with a tremendous information gap, and it seemed a closed company to me....誰も悪くないのに結果が出ない、残念な組織は何が悪いのか
今年に入って緊急事態宣言がでたことから、人の動きが止まりました。 ファイザーのワクチンの承認も下りたことで、今後コロナは落ち着いてくる流れになりそうになってます。 (どっちやねんw) というのも、これを書いているのは2月15日ですが、ブログに載るまでにタイムラグがあります。 その頃、また感染者数増加…になっていたらすいません。 みんな一生懸命やってるのに、色々残念な日本のコロナ対策 そのコロナ対策ですが、日本のコロナ対応はこのタイトルのようなことになっています。 日本のベット数は欧米に比べて3〜4倍。それに対して感染者は20分の1以下。 欧米が医療崩壊を起こしていない状態。理論的には絶対に医療崩壊しそうもない日本で、医療崩壊の危機だと、現場は悲鳴を上げていえる。 みんなそれなりに一生懸命やってるし、誰もサボってないけれど、うまく対応できていない。 不思議ですね。 理由ですが、よく言われていることは… コロナを2類感染症という、エボラ出血熱とかと同じ扱いにしているので、病院の負担が不必要に重すぎる コロナを受け入れると他の患者が減るので、経営的観点から民間の病院はなかなかコロナを受け入れない 病院や、個人に対して強制力のある施策を打つことができない日本の法律 政治が何かをしようとすると、足を引っ張るマスメディア などなどですね。 専門家の方々がたくさん説明していますので、興味ある方は色々みてみてください。 マネジメント観点で見ると面白いです。 実はこれは「みんなが一生懸命やっているのに、全体としては結果が悪い会社や組織」と同じ構造です。 悪い状況で、リーダーが何もできなくなる理由 コロナのような悪い状況下におかれた場合、何をやっても、完璧な対策はありません。 ですから、批判する側は、リーダー(この場合は政治)が何をやっても文句をつけることができます。 緊急事態宣言を出さなければ「緊急事態宣言を出さないから感染者が増えた」 出せば出したで「緊急事態宣言で経済が止まって、困窮している人が増えた」 ワクチンを確保しても「副反応の責任は誰が取るんだ」 そうやって、ワクチンのネガティブキャンペーンをしておいて、接種した人が少なければ「仕切りが悪い」 何をやっても、ネガティブなことを言われます。 ネガティブなことを言われるだけでなく、責任を取らされたり、訴えられたりする危険もある。 こういった状況の中で、弱いリーダーが取るオプションは「議論を呼ぶようなこと、現状を大きく変更するようなことはしない」です。 本来ならば、全体的なバランスを見て、大局的に判断し行動しなければならないリーダーが、保身のためにその機能を果たさないことで、結果として全体が停滞してしまうのです。 安易なポピュリズムは危険 以前、大切なことは多数決では決めてはいけないという記事を書きました。 ▼バリフラットができるまで ③〜多数決では改革はできない~ ここで書いているように、多数におもねると、本当に重要なことができなくなることが多い。 ただ、だからと言っていつも強引にしてしまうと、みんなが嫌になってしまいます。 この按配が難しい。 リーダーは、一時的には賛否があったとしても、総合的に成果を出すことで、みんなが納得している状態を維持しなければならないのです。 リーダーだけの問題ではない と、ここまでリーダーについて考えてきましたが、実はメンバーのリテラシーも重要です。 メンバーのリテラシーという観点で例を挙げます。 環境や人権の中長期的、かつ世界的な課題。 これらは、多くの人がしっかり取り組まなければならないと漫然とは思っているものです。 その議論をリードしているのは、経済的にトップであるアメリカではありません。 ましてや、第二位の中国でもないですし、三位の日本でもありません。 それらをリードしているのはいつもヨーロッパの国々です。 ヨーロッパが環境や人権の中長期的な課題において、近視眼的にならずに、世界をリードできるのは、市民のリテラシーが高いからだと僕は考えています。 企業におけるメンバーのリテラシーは、リーダー目線・経営目線・全体最適で考えることができるかということが指標です。 リテラシー向上を加速させる組織運営とは リテラシーを上げる要素は二つです。...Encouragement of a Spontaneous Organization: From Management to Spontaneity
In the past, I wrote about the organizations free themselves from management and running spontaneously, in many ways. In this article, I’ll explain “why management sucks and why autonomy is lovely,” as a summary. The times have changed An important premise in talking about the paradigm shift from management to autonomy is that today’s society is quite different from the 20’s century, where Japan had a brilliant development with industrialization....Just Three Ways to Increase Your Value
One’s value in a company is following his/her salary or position. This time, I’ll think about how to improve your market value. Improve individual performance #1 Basic Skills To think of individual value, the first thing that comes to mind might be skills. You should nurture those skills through a practical job; in other words, on-the-job-training (OJT) is the most important....