今更聞けないシリーズ#3 Azure Cognitive Services ~言語分野編~
以前の記事では、Azure Cognitive Services全般の内容を取り上げました。 今回はその中で言語分野サービスについて、そのサービスの内容と気になる課金体系について紹介したいと思います。
Azure Congnitive Services 言語分野とは
以前紹介した通り、言語分野では、主に文章の内容を理解(解析)する機能をサービスに取り入れることができます 言語分野ではその書き起こした文章の意味を理解し、次の行動につなげることができます。
以下のようなことができます。
- チャットボットにおいてユーザの入力したメッセージを理解して会話を続ける
- ある文章を入力してその中で重要な単語をピックアップする
- 大量のドキュメントの翻訳
言語分野の公式HPはこちら
言語分野のサービス
音声分野のサービスは5つあります。
Entity recognition(エンティティの認識)
Entity recognitionは文章から日付や製品に関する特定の情報といったキーワードを抽出できます。 例えば、日付を表す単語 ”明日”や”明後日”、”8月9日”、“8/9” など様々な言い方で表現される日付を文章から見つけることができます。 この機能を使って、例えばチャットのやりとりの中で会議召集を自動で作成したり、チャットを用いた予約システムで予約日を抽出することができます。 また、Entity recognitionはインターネットへの接続がない環境でも利用することができます(別途申請が必要)。
課金体系
Entity recognition の課金体系は、使った分だけの従量課金と事前予約です。 1文章(最大1000文字)を1テキストレコードを定義し、1テキストレコードあたりで課金されます。 従量課金の場合は、1000テキストレコードごとに課金が発生します。 事前予約の場合は、最低100万テキストレコードまで定額で、その後100テキストレコードごとに追加料金が発生します。利用規模に応じて定額で利用できる枠を増やすことができます。
Sentiment analysis(評判分析)
Sentiment analysisは文章から意見や感情を評価分析できるサービスです。 ソーシャルメディア(SNS)に投稿される自社製品や自社ブランドの評判やECサイトに投稿されるカスタマーレビューを分析し、その製品や自社に対して肯定的なのか否定的なのかを自動判断できます。 肯定的または否定的の指標は数字で表されるので、特に肯定的な意見や否定的な意見などを効率的に収集し次に活かすことができます。 先ほどのEntity recognitionと組み合わせることで、肯定的な中でも評判が良い機能をリストアップすることができます。 また、Sentiment analysisはインターネットへの接続がない環境でも利用することができます(別途申請が必要)。
課金体系
Sentiment analysis の課金体系は、使った分だけの従量課金と事前予約です。 1文章(最大1000文字)を1テキストレコードを定義し、1テキストレコードあたりで課金されます。 従量課金の場合は、1000テキストレコードごとに課金が発生します。 事前予約の場合は、最低100万テキストレコードまで定額で、その後100テキストレコードごとに追加料金が発生します。利用規模に応じて定額で利用できる枠を増やすことができます。
Question Answering(旧QnA Maker)
Question Answeringは一問一答サービスです。入力に文章に対して、事前に設定した回答を見つけて出力します。 以前はQnA Makerと呼ばれていたサービスが進化したものです。 例えば、MS Teamsのチャットボットをつなげて、よくある質問ボット作ることができます。 Question Answeringの公式HPはこちら
課金体系
Question Answering の課金体系は、使った分だけの従量課金です。 1文章(最大1000文字)を1テキストレコードを定義し、1テキストレコードあたりで課金されます。 従量課金の場合は、1000テキストレコードごとに課金が発生します。
ただし、Question Answering はこの機能を利用するために別途サーバー費用が発生します。
Conversational language understanding(旧LUIS)
Conversational language understanding は文章全体の”意図”と文章中の重要な単語”エンティティ”を見つけることができます。 以前はLUISと呼ばれていたサービスが進化したものです。
例えば、会議の予定を決める会話の中で、次のような意図を識別します。
- ”会議室の場所” に関する発言
- ”会議の時間”に関する発言
- ”会議の参加メンバ”に関する発言
そして、その発言の中で次のような意図に関連する重要なエンティティを抽出できます。
- 場所は”A会議室”なのか
- 時間は”10:00から”なのか
- 会議に”堀田”を呼ぶのか
このサービスとQuestion Answeringを組み合わせることで、高度なチャットボットを作ることができます。 先ほどの例のような、会議調整ボットや再配達受付ボット。そのほか、Google Home、Alexaといった音声アシスタントと連携することで家電操作サービスなどを作ることができます。
Conversational language understanding の公式HPはこちら
課金体系
Conversational language understanding の課金体系は、使った分だけの従量課金です。 1文章(最大1000文字)を1テキストレコードを定義し、1テキストレコードあたりで課金されます。 従量課金の場合は、1000テキストレコードごとに課金が発生します。
ただし、Conversational language understanding はこの機能を利用するために別途サーバー費用が発生します。
Translator
Translatorはテキスト翻訳サービスです。テキストデータを入力すると、どの言語化を識別し任意の言語に翻訳することができます。 また、リアルタイムな翻訳もできるので、前回紹介したSpeech To Textと組み合わせることで会話をその場で翻訳することができます。 例えば、大量にあるテキストを一度に翻訳したいときに利用できます。
また、Translatorはインターネットへの接続がない環境でも利用することができます(別途申請が必要)。
課金体系
Translator の課金体系は、使った分だけの従量課金と事前予約です。 従量課金の場合は、100万文字の翻訳ごとに課金が発生します。 事前予約の場合は、250百万文字まで定額で、その後100万文字ごとに追加料金が発生します。 予想利用規模に応じて、従量課金と事前予約で使い分けることができます。
最後に
今回はAzure Cognitive Servicesの言語分野について紹介しました。 各サービスの課金体系は従量課金ですが、利用するためのファイルをクラウドに保存する場合は別途保存のための料金などが発生します。 ColorkrewではAzure Cognitive Servicesを活用したPoCから本開発まで、様々な形で支援させていただきます。 次回は、Azure Cognitive Servicesの視覚分野について紹介します。 Azure Cognitive Servicesを利用した開発支援について、ご興味ある方は以下からお問い合わせください。